JPH0141565B2 - - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 （発明の利用分野） 本発明は円筒形コンベヤに於ける過負荷の検出
装置に関するものである。

（従来技術） 円筒形コンベヤに於いて、大塊や長尺物等の異
物が混入すると、円筒状に配置した保形ローラ部
でつかえ、ベルトが損傷したり縦裂きを起こした
りする。

現在円筒形コンベヤに於いて、上述したような
トラブルが生じたとき、コンベヤの過負荷時の対
策はほとんど取られていなかつた。ただ、上流側
コンベヤのシユート部に、円筒形コンベヤの円筒
断面積以上の物が侵入しない様、シユート出口断
面積を制限したりゲートを設置したりしていた。
しかしこの方法だけでは過負荷を防止したり、長
尺物等の混入に依るベルトの損失や縦裂きを完全
に防止することはできないので、その対策がのぞ
まれていた。

（発明を解決しようとする問題点） コンベヤの保形ローラ又はその上流で大塊、異
物の混入による輸送断面過大を検知し、検出され
たならばコンベヤを停止させることに依り、コン
ベヤ全長にわたるベルトの損傷、縦裂き等の重大
事故を防止しようとするものである。

（問題点の解決手段） コンベヤ停止に要する惰走距離内にある保形ロ
ーラの支持枠を、基台に固定した下部枠と、左右
側方に開放可能な上部開閉枠とで門形に構成し、
シユートに最も近接した支持枠の下部枠に支持さ
れる側部保形ローラを支持アームを介し側方に回
動可能に支持し、該保形ローラに対向してロード
セルを設けて異常過負荷を検出し、コンベヤを停
止すると共に、前記惰走距離内にある支持枠の上
部開閉枠を開放させるようにしたことを特徴とす
る。

（発明の実施例） 第１図は本発明に係る過負荷検出装置を実施し
た円筒形コンベヤを示し、１はコンベヤベルト
で、シユート２から被輸送物が投入される。３は
コンベヤベルト１を円筒形に保形する複数の保形
ローラ４を支持する支持枠である。

支持枠３は基台５上に固定された一対の下部枠
３ａと、該下部枠３ａ上にピンヒンジ６で側方に
開閉可能に枢支され、頂部で分割可能なＬ形をな
した１対の上部開閉枠３ｂとで構成され全体で常
時は門型をなしている。対をなした上部開閉枠３
ｂ，３ｂは頂部割れ面７で電磁石８によつて常時
は密着している。

９は上部開閉枠３ｂの側部と、下部枠３ａの側
部に固着されたブラケツト１０の上端部間に張設
された引張ばねである。この引張ばね９によつて
上部開閉枠３ｂは常に開方向の引張力を受けてい
るが、割れ面７に設けた電磁石８の吸着力によ
り、支持枠３は側方に開かないで門型を維持して
いる。なお割れ面の電磁石８は電動シリンダでも
代替可能である。

第１図の例ではシユート２に近接した３個の支
持枠３を上部開閉型として構成しているが、この
うちシユート２に最も近い支持枠３に支持されて
いる側部保形ローラ４ａ，４ａの側方には過負荷
検出用のロードセル１１が取付けられている。

第４図〜第５図を参照するに、過負荷検出用の
保形ローラ４ａとロードセル１１との関連構成が
示されている。保形ローラ４ａの支持アーム１２
は下部枠３ａの前面に取付けられている支持ブラ
ケツト１４にピンシンジ１３によつて回動可能に
支持されている。他方支持ブラケツト１４にはロ
ードセル１１を支持するロードセルブラケツト１
５が取付けられている。そしてロードセル１１を
保形ローラの支持アーム１２の一端とが接してい
る。

過負荷検出用のロードセルは前述したようにシ
ユート２に最も近接した支持枠３にとりつけられ
ている。そして、頂部の電磁石８と引張ばね９と
で構成される開閉機構はコンベヤ停止指令からコ
ンベヤが完全停止するまでのベルト惰走距離を考
慮した範囲Ａに適宜個数設置される。そして本装
置作動後の処置としては、Ｕ字形トラフ内に載置
されている被輸送物１６を通常の輸送断面積以下
になるまで取除き運転を再開する。

なお再開に先立ち円筒形コンベヤを元の状態に
復旧するには、手動にて上部開閉枠３ｂを閉じ、
電磁石８を作動させることにより、上部開閉枠３
ｂ，３ｂは再び密着・固定される。

（作用） シユート２から円筒形ベルト内にその断面積以
上にするような大塊輸送物１６（第２図）が供給
されると、円筒形ベルトは保形ローラ４…によつ
て適正な円筒断面が保たれず、保形ローラにつか
える状態となり検出用の保形ローラ４ａに側方に
向う異状荷重が作用する。すると、保形ローラ４
ａを支持している支持アーム１２はピンヒンジ１
３を中心に側方に回動し得る構成であるから支持
アーム１２の端がロードセル１１を強力に押圧し
異常負荷を検出し、円筒形コンベヤを停止させ
る。同時に頂部割れ面７を閉じている電磁石８が
消磁され保持力を失い、下部枠３ａにとりつけた
引張ばね９により、上部開閉枠３ｂは下部のピン
６を中心に側方に開き、ベルト断面は円形からＵ
字形トラフに変化し、この状態で円筒形コンベヤ
は停止する。このときベルト惰走距離内に複数個
設けた支持枠３の上部開閉枠３ｂの開閉機構もす
べて開放され、この部分はすべてＵ字形トラフと
なる。

円筒形コンベヤが停止し、上部が開放してＵ字
形トラフとなつたコンベヤからトラブルの原因と
なつた大きな塊輸送物を取除き、再び円筒状に戻
して運転を再開する。

（発明の効果） 円筒形コンベヤの側部保形ローラを支持する支
持アームを回特自在に設け、過負荷時側部保形ロ
ーラの拡開力をロードセルに伝え、上部開閉枠が
開きかつ、コンベヤが停止するようにした。これ
により、コンベヤベルトに無理な力が持続してか
からないため、ベルトの損傷・縦裂き等を防止す
ることができる。

【図面の簡単な説明】

第１図は円筒形コンベヤの斜視図。第２図は第
１図の矢視部拡大図。第３図は第２図の右側面
図。第４図は過負荷検出部の詳細図。第５図は第
４図の矢視図。 図において；１……コンベヤベルト、２……シ
ユート、３……支持枠、３ａ……下部枠、３ｂ…
…上部開閉枠、４……保形ローラ、４ａ……（検
出用の）保形ローラ、５……基台、６……ピンヒ
ンジ、７……頂部割れ面、８……電磁石、９……
引張ばね、１０……ブラケツト、１１……ロード
セル、１２……支持アーム、１３……ピンヒン
ジ、１４……支持ブラケツト、１５……ロードセ
ルブラケツト、１６……輸送物。

Claims (1)

1. 【特許請求の範囲】 １ コンベヤ停止に要する惰走距離内にある保形
   ローラの支持枠を、基台に固定した下部枠と、左
   右側方に開放可能な上部開閉枠とで門形に構成
   し、シユートに最も近接した支持枠の下部枠に支
   持される側部保形ローラを支持アームを介し側方
   に回動可能に支持し、該保形ローラに対向してロ
   ードセルを設けて異常過負荷を検出し、これによ
   つてコンベヤを停止すると共に、前記惰走距離内
   にある支持枠の上部開閉枠を開放させるようにし
   たことを特徴とする円筒形コンベヤに於ける過負
   荷検出装置。 ２ 上部開閉枠の割れ面を電磁石で閉じ、かつ引
   張ばねで常時拡開方向に付勢されたことを特徴と
   する特許請求の範囲１記載の円筒形コンベヤに於
   ける過負荷検出装置。