JPH0139667B2 - - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 この発明は、管の両端がそれぞれ一つの光学要
素によつて気密に閉鎖され、これらの光学要素の
少くとも一方が光放出孔をもつフランジとレーザ
ー光透過性の閉鎖板を備えているガスレーザー管
に管するものである。

〔従来の技術〕

この種のレーザー管は例えば米国特許第
3555450号明細書に記載され公知である。

この公知レーザー管では光学的閉鎖部品（ブル
ースター窓、光放出側反射鏡等）が金属枠にはめ
込まれ、この金属部分が一方では硬ろう又はガラ
スはんだを介して閉鎖部品に結合され、他方では
レーザー管に硬ろう付け又は溶接される。これに
よつてハーメチイツクシールが形成されるが、高
温処理を必要とし閉鎖部品の光学的特性に多少と
も悪影響を及ぼす。

この点を考えて上記の特許明細書中にも、窓又
は鏡体の両面をその保持体を越えて外側にはみ出
させ又枠を大きな外径をもつ波形の薄膜で構成す
ることが記載されている。この種の構造とすれば
光学部品ははんだ付けあるいは溶接によつて結合
した後に始めて研磨しあるいは必要に応じて被覆
層を設けることができ、又結合操作に続けて熱処
理を行うことにより熱応力の大部分を取除くこと
ができる。しかし装置全体としては特別に安定な
ものではなく、特にレーザー出力が閉鎖部品に振
動や屈曲を起こさせる機械的な作用により低下す
ることがある。

保持部の衝撃に対する感受性を低減させるため
光学要素を熱的に適合した金属製の円環盤にはん
だ付けし、このユニツトをレーザー管に融着した
金属製の孔絞り板上に置き、両金属部分をその縁
端部で溶接することが提案されている（米国特許
第3717823号明細書）。この二重フランジ構造はそ
の溶接結合に際して溶接個所と光透過体の間に
1200℃以上の温度差を保証しなければならないか
ら、両方の金属板を極めて薄くするか大きな外径
としなければならない。従つて支承部分全体とし
て位置外れが起り易く、相当大きな横寸法を必要
とする外に３個所の気密結合を作らなければなら
ないことだけによつても著しく高価となる。

〔発明が解決しようとする問題点〕

この発明の目的は冒頭に挙げた種類のレーザー
管において、光学的閉鎖部品の取付けを改良して
装置をコンパクトで頑丈なものとし、閉鎖部品が
正規の動作条件の下にその位置に保持され、しか
も特別な製造技術を必要としないようにすること
である。

〔問題点の解決手段〕

この目的は特許請求の範囲第１項に特徴として
挙げた構造とすることによつて達成される。ここ
でフランジと閉鎖板を互に熱的に適合したものと
することは、これらの部品の間に永続的な気密ガ
ラスはんだ結合が作られることを意味している。
このことは問題となる温度範囲においてフランジ
の熱膨張係数の平均値が対応する閉鎖板の熱膨張
係数の0.9倍から1.2倍の間にあるとき一般に可能
である。フランジが温度と共に閉鎖板よりもいく
らか大きく膨張するとき特に確実な結合が達成さ
れる。

〔発明の作用効果〕

この発明によつて構成された金属保持部は少く
とも１mm以上の壁厚をもつ強固な部品であるが、
その外縁と光放出孔の間の熱抵抗は板が直角に折
れ曲つたメアンダ形の断面形状であるため比較的
高い。この断面形状は米国特許第3555450号に提
案されている弾性保持のための波形断面形状より
も熱伝導路を長くする。この発明による金属保持
枠は比較的小さい横寸法とすることが可能であ
り、盤の直径を管の直径に戻すための補助の適合
部品を必要としない。

有孔盤自体は比較的簡単に作ることができる。
メアンダ形状は例えば環状溝を旋盤又はフライス
盤加工で作ることによつて実現することができ
る。

同心円状の溝を備えるブルースター窓自体は西
独国特許出願公開第3307233号公報により公知で
あるが、この溝は窓板自体に掘られているから動
作中熱的な不適合性から生ずる窓板中央部分の熱
応力を除く弾性緩衝体として作用するだけのもの
である。

この発明の種々の実施態様と展開は特許請求の
範囲第２項以下に示されている。

〔実施例〕

図面に示した実施例についてこの発明を更に詳
細に説明する。

図面に示されているのは10W単位の出力をもち
例えば医療に使用されるシールオフCO₂レーザー
の光放出側終端部の横断面である。この終端部に
は金属中筒１、有孔盤２および鏡体３が含まれ
る。

鏡体３の内面は波長10.6μｍの光を部分的に透
過させる誘電多重層４で覆われている。鏡体自体
はこの波長範囲を実質上吸収しないセレン化亜鉛
ZnSeから成る。閉鎖板に対しては熱的にZnSeに
適合したNi₄₈F_5e合金が選ばれる。閉鎖板には光
放出孔５があり、両側に突き出した底面をもつ鏡
体３がこの孔に挿入される。閉鎖板には更に両側
に交互に掘られた環状の溝６がある。これらの溝
は保持部の総ての部分が最小壁厚１mmを保つよう
に寸法が選ばれている。中央の孔と外縁部の区域
からはそれぞれ一つの橋片７，８が他方のレーザ
ー管端部に向つて延びている。この橋片は鏡体と
金属円筒に接し、その外縁端は斜めに切られてガ
ラスはんだ９によるか溶液によつて気密結合され
ている。

上記の管閉鎖部は次のようにして作られる。ま
ずZnSe体と金属盤を安定な結晶化性ガラスはん
だを使用して結合する。この種のガラスはんだは
粉末としてあるいは予備的に圧縮され焼結された
形で市販されている。続いて鏡体の両底面を研磨
し内面に所定の誘電層を設けた後、盤を金属円筒
に挿入し溶接して結合する。両橋片間の間隔が極
めて狭いかあるいは鏡体を特に保護する必要があ
る場合には、溶接操作中レーザー管終端部を銅環
で包囲し、溶接熱の一部を外して導くようにす
る。

【図面の簡単な説明】

図面はこの発明の一つの実施例の光放出側の終
端部の横断面を示すもので、１は金属円筒、２は
中央に孔をもつフランジ盤、３は閉鎖板、４は半
透明誘電多重層である。

Claims (1)

1. 【特許請求の範囲】 １ (a) 両端１がそれぞれ一つの光学素子によつ
   て気密閉鎖され、 (b) これらの光学素子の少くとも一方がフランジ
   ２と閉鎖板３を含み、 (c) フランジは金属で作られ、中心に光放出孔５
   を持つ円盤であつてレーザー管に結合され、交
   互にフランジの対向する面に向う屈曲部をもつ
   断面形状を示し、 (d) 閉鎖板３はレーザー光を透過させる材料で作
   られ、フランジの光放出孔５内に挿入されガラ
   スはんだ９によつてフランジに結合され、両側
   の底面がフランジの表面を越えて垂直につき出
   しており、 (e) フランジ２が閉鎖板３の材料に対して熱的に
   適合した金属から成り、強固な硬い構造であ
   り、直角に折れ曲る屈曲部で構成されるメアン
   ダ形断面形状を示し、ガスレーザー管内に挿入
   されている ことを特徴とするガスレーザー管。 ２ フランジ２の壁の厚さが少くとも１mmである
   ことを特徴とする特許請求の範囲第１項記載のガ
   スレーザー管。 ３ 閉鎖板３のフランジ２とガスレーザー管の双
   方に向つてそれぞれ一つの橋片７，８が他方の管
   端部から延び、橋片の自由端部においてフランジ
   とレーザー管に結合されていることを特徴とする
   特許請求の範囲第１項または第２項記載のガスレ
   ーザー管。 ４ 閉鎖板３がZnSeから成り、フランジ２が
   Ni₄₈Fe₅₂から成ることを特徴とする特許請求の範
   囲第１項乃至第３項の一つに記載のガスレーザー
   管。 ５ まずフランジ２に溝６を切り、続いてフラン
   ジと閉鎖板３をガラスはんだ付けにより結合し、
   その後で閉鎖板の表面を平滑に処理し必要に応じ
   て被覆層を設け、最後にフランジとレーザー管１
   とを溶接し、この溶接に際してフランジの高さま
   で金属スリーブで包囲することを特徴とする両端
   がそれぞれ一つの光学素子によつて気密閉鎖さ
   れ、これらの光学素子の少くとも一方がフランジ
   と閉鎖板を含み、フランジは金属で作られ、中心
   に光放出孔を持つ円盤であつて、ガスレーザー管
   に結合され、交互にフランジの対向する面に向う
   屈曲部をもつ断面形状を示し、閉鎖板はレーザー
   光を透過させる材料で作られ、フランジの光放出
   孔内に挿入されガラスはんだによつてフランジに
   結合され、両側の底面がフランジの表面を越えて
   垂直につき出しており、フランジが閉鎖板の材料
   に対して熱的に適合した金属から成り、強固な硬
   い構造であり、直角に折れ曲る屈曲部で構成され
   るメアンダ形断面形状を示し、ガスレーザー管内
   に挿入されているガスレーザー管の製造方法。