JPH0139333B2 - - Google Patents

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JPH0139333B2
JPH0139333B2 JP13281583A JP13281583A JPH0139333B2 JP H0139333 B2 JPH0139333 B2 JP H0139333B2 JP 13281583 A JP13281583 A JP 13281583A JP 13281583 A JP13281583 A JP 13281583A JP H0139333 B2 JPH0139333 B2 JP H0139333B2
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heat
shrinkable
coating
sheet
layer
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Yotaro Fujiwara
Hideto Kataoka
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Ube Corp
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Ube Industries Ltd
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  • Lining Or Joining Of Plastics Or The Like (AREA)
  • Preventing Corrosion Or Incrustation Of Metals (AREA)

Description

【発明の詳細な説明】 この発明は、防食被覆の必要な種々の金属材
料、例えば、金属容器(タンク)の鏡板部、金属
管端部の盲フランジ部等の部分的平面または曲面
およびその周辺部分を、比較的低い熱収縮率を有
する架橋プラスチツク層とその熱収縮温度で剪断
強度を保持しうる加熱接着性の接着剤層区とから
なる熱収縮性補助材料、および高い熱収縮性を有
する接着剤層を有する熱収縮性被覆材料で被覆す
る被覆方法に係るものである。
従来、パイプラインなどの鋼管の胴部周囲、鋼
管のジヨイント熔接部などの被覆は、熱可塑性合
成樹脂層で熱的に被覆することが、一般に行われ
ており、例えば、熱収縮性管状体(筒状体)また
はシートを使用して被覆対象物の成周に配置また
は巻きつけて被覆する方法、プラスチツク樹脂を
押出し被覆対象物の周囲に巻きつけて被覆する方
法等の被覆手段が行われていたが、原油、天然ガ
スなどの輸送ポンプステーシヨン、石油化学工業
プラント等の配管で比較的多く見られる、金属配
管の盲フランジ部、または金属タンクの鏡板部な
どの特殊な部分の表面では、前述の鋼管の胴部、
ジヨイント部と同じ公知の方法で被覆することが
かなり困難であり、例えそれらの方法で被覆がで
きたとしても、防食層または保護層として不充分
な被覆層となつてしまうし、被覆作業も難しくな
つていたのである。
最近では、前述の種々の被覆対象の部分的平面
または曲面に、接着剤層を有するプラスチツクシ
ート(片)を加熱状態で直接貼り合わせる方法が
提案されつつあるが、一般にプラスチツクシート
は、高温に加熱した場合に不近一な収縮または膨
張、あるいは溶融または軟化などが起こつて、自
然に『しわ』ができたり、熱的に破れてしまつた
りするという問題があり、また、それらのプラス
チツクシートを被覆対象物の部分的表面に加熱状
態で被覆する作業において、被覆対象物の表面上
でプラスチツクシートの全面に『しわ』ができた
ままで被覆されてしまい、この『しわ』を解消す
ることはほとんど不可能であり、結局シートの接
着剤に気泡を多数内蔵した被覆となつてしまつた
のであり、さらに、たまたま良い被覆がなされた
としてもその被覆されたシートの端部が剥がれや
すく、まくれ上やつてしまうことがあるという問
題などがあつた。
この発明者らは、前述の被覆を行うべき対象物
の部分的平面または曲面(湾曲面)およびその周
辺に、上述の問題を起こすことなく、優れた被覆
層を容易に再現性よく形成することができる被覆
方法について鋭意研究した結果、比較的低い熱収
縮率を有する架橋プラスチツク層と、高温で適当
な剪断強度を保持している加熱接着性の接着剤層
とからなる熱収縮性補助材料(シート)を、まず
鏡板部または盲フランジ部の部分的平面または湾
曲面に加熱状態で接合して被覆し、次いで、高い
熱収縮率を有する接着剤層付き熱収縮性被覆材料
をそのタンクまたは管の端部に配置して熱収縮さ
せて加熱接合させる被覆方法が、優れていること
を見いだし、この発明を完成した。
この発明は、金属容器の鏡板部、金属管端部の
盲フランジ部などの防食被覆において、 始めに、前記の被覆すべき被覆対象物の被覆個
所の表面層を充分に加熱しておき、 次いで、熱収縮率が約3〜30%であつて、しか
も被覆施工時の加熱に際に、線膨張係数に基づく
熱膨張を実質的に打ち消してしまうような熱収縮
性を有する架橋プラスチツク層と、加熱接着性の
接着剤層とが積層されている熱収縮性補助材料
を、加熱された鏡板部または盲フランジ部の表面
に重ね合わせて加熱接合し、 最後に、高い熱収縮率を有する接着剤層付き熱
収縮性被覆材料で、前記鏡板部または盲フランジ
部に近接する容器または管の端部全周を覆うと共
に、さらにその熱収縮性被覆材料を前記容器また
は管の端部から突出して配置し、その熱収縮性被
覆材料を加熱して、前記鏡板部または盲フランジ
部に接合された補助シートの被覆層の端縁部と、
容器または管の端部全周とに向かつて熱収縮させ
ると共に加熱接合することを特徴とする防食被覆
方法に関する。
この発明の被覆方法は、主な保護外層となるプ
ラツスチツク層が、比較的低い熱収縮率を有する
架橋プラスチツク層である熱収縮性補助材料(シ
ート)を使用しているので、その補助シートが被
覆時に加熱されても簡単に融解して配れてしまう
ようなことがなく、また、その補助シートが被覆
対象物の部分的表面に接触し加熱された状態で
は、その架橋プラスチツク層の熱膨張性と熱収縮
性とが均衡して、しわ、気泡などができにくいの
である。またこの発明の被覆方法は、前述の架橋
プラスチツク層と、高温で剪断強度を保持してい
ることができる加熱接着性の接着剤層とが積層さ
れている熱収縮性補助材料(シート)を使用して
いるので、その補助シートが高温に加熱される被
覆作業において、前記特定の架橋プラスチツク層
自身の性能とこの接着剤層の性能とが互いに助け
あつて、補助シートが被覆対象物の部分的表面に
接触し加熱された状態でしわができたり接着面に
気泡を内蔵することがないし、補助シートが加熱
状態においてはがれてしまうこともないのであ
る。
以下、この発明について、図面も参考にして、
さらに詳しく説明する。
第1図は、金属製タンクの鏡板部の表面に、複
数の熱収縮性補助材料(シート)を順次、重ね合
わせて加熱接合した状態の1例を示す斜視図であ
る。
第2図は、そのタンクの端部の全周に高い熱収
縮性を有する熱収縮性被覆材料(シート)を巻き
付けてそのシートの端部をヒートシールテープで
接合し管状となしている状況の1例を示す斜視図
である。
第3図および第4図は、そのタンクの端部の全
周に配置された管状の熱収縮性被覆材料を加熱し
て熱収縮させ、タンクの端部の全周と補助シート
の被覆層の周縁部とに加熱接合して、被覆を完了
させた状態を示す斜視図および断面図である。
第5図は、金属管の盲フランジ部の断面図であ
り、第6図は、その盲フランジ部の表面に、複数
の熱収縮性補助材料(シート)を順次、重ね合わ
せて加熱接合した状態を示す斜視図である。
第7図および第8図は、管の端部から盲フラン
ジ部まで管状の熱収縮性被覆材料を熱収縮させて
被覆した状態を示す斜視図および断面図である。
この発明において使用される熱収縮性補助材料
(シート)は、大略、比較的低い熱収縮性を有す
る特定の架橋プラスチツク層と、加熱接着性の特
定の接着剤層とが少なくとも2層積層されている
熱収縮性材料(シート)に係わるものである。
その補助シートの架橋プラスチツク層は熱収縮
率が約3〜30%、好ましくは5〜25%であつて、
しかも被覆施工時の加熱の際に、線膨張係数に基
づく熱膨張を実質的に打ち消してしまうような熱
収縮性を有する架橋プラスチツク層である。すな
わち、その架橋プラスチツク層は、高温下での延
伸成形に基づくその層の熱収縮率が、その層を形
成している架橋プラスチツク材料(物質)自体の
未延伸状態で通常の線膨調張率より大きいことが
好ましく、例えば熱収縮率が線膨張率の1.5〜7
倍の割合、特に2〜6倍の割合であることが好適
である。
その補助シートの架橋プラスチツク層は、この
発明では、特に、熱収縮温度が約80〜200℃、特
に90〜180℃程度であり、熱収縮率が約3〜30%、
特に5〜25%程度であつて、しかもその熱収縮率
がその層を形成する架橋プラスチツク材料の線膨
張率の1.5〜7倍の割合である熱収縮性能を有し、
さらにその層を形成する架橋プラスチツク材料の
架橋の程度が、次に述べるゲル分率で示して、約
20〜90%、特に25〜80%程度である架橋プラスチ
ツクフイルムまたはシートから形成されているこ
とが好ましい。
上記のゲル分率とは、試料(架橋プラスチツク
フイルムまたはシート)を、キシレン中に入れ
て、約10時間、約130℃の温度で還流しながら溶
解させ、そのキシレンに溶解しなかつた試料の重
量(Ag)を、使用した全試料の重量(Bg)で
割つて得られた値を100倍した値である。
ゲル分率=(A/B)×100(%) その補助シートの架橋プラスチツク層は、例え
ば、ポリエチレン、ポリプロピレン、エチレン−
酢酸ビニル共重合体、エチレン−プロピレン共重
合体、ポリ塩化ビニル、ポリエステル、ポリアミ
ド(ナイロン−6、ナイロン−6,6)などの熱
可塑性樹脂を、押し出し成形などで、フイルムま
たはシート状に成形した後、電子線、X線、γ線
などの放射線を照射するか、または適当な過酸化
物等で化学的に反応させて、架橋されたフイルム
またはシートとなし、次いでそのフイルムまたは
シートを約80〜200℃の高温で延伸して、その延
伸状態のまま冷却して得られた熱収縮性を有する
架橋プラスチツクフイルムまたはシートから形成
されていれば好適である。
この発明において、前記の補助シートの架橋プ
ラスチツク層の熱収縮率が小さ過ぎると、一般の
単なるプラスチツク層と同様に『しわ』、『気泡』
等の問題が生ずるので適当ではなく、また、熱収
縮率が大き過ぎると、かえつてその高い熱収縮性
によつて『しわ』が生ずることがあつたり、また
は加熱状態で『はがれ』を生ずることがあつた
り、あるいは施工時に熱収縮性がかなり残留する
ことがありその残留した熱収縮性が新しい問題を
生ずるので適当ではない。
この発明において、補述シートの接着剤層は、
前記の熱収縮性補助材料(または熱収縮性の架橋
プラスチツク層)が最も大きな熱収縮力を示す高
温度領域(例えば約80〜200℃の範囲内の厚温)
において、約0.001〜0.05Kg/cm2の範囲内、好ま
しくは0.005〜0.04Kg/cm2の範囲内の剪断強度
(ASTM D1002)で表わされる接着力を示しう
るような、エラストマー物質を主成分とする接着
剤層からなるものである。
前記の接着剤層としては、前述のように高温で
接着力(剪断強度)を保持していると共に、常温
(約20℃付近)では、剪断強度が約0.8〜30Kg/
cm2、特に1.0〜25Kg/cm2程度であることが適当で
ある。
補助シートの接着剤層は、例えば、ポリイソブ
テンゴム(IIR;ブチルゴム)、エチレン−ブロ
ピレン共重合体ゴム(EPR)、エチレン−プロピ
レン−非共役ジエン共重合体ゴム(EPDM)な
どのオレフイン系エラストマー、ポリブタジエン
ゴム、ポリイソプレンゴム、スチレン−ブタジエ
ン共重合体ゴム、アクリロニトリル−ブタジエン
共重合体ゴム、クロロプレンゴムなどの共役ジエ
ン系エラストマー、またクロロスルホン化ポリエ
チレンゴム、アクリルゴム、エピクロルヒドリン
ゴム、塩素化ポリエチレンゴム、フツ素化ゴムな
どのその他の非共役ジエン系エラストマーなどの
エラストマー成分を、約25〜70重量%、特に30〜
65重量%含有していることが好ましい。
補助シートの接着剤層のエラストマー成分とし
ては、前述のオレフイン系エラストマーを主成分
とするか、あるいはオレフイン系エラストマーと
他の非共役ジエン系エラストマーおよび/または
共役ジエン系エラストマーとの混合物を主成分と
するエラストマー成分が最適である。
また、補助シートの接着剤層は、エラストマー
成分以外に、一般に接着剤に含有されている改質
用の他の重合体(改質用重合体)、粘着付与剤、
腐食防止剤、さらに無機充填剤などが配合されて
いてもよい。改質用重合体としては、例えば、ポ
リエチレン、エチレン−酢酸ビニル共重合体、エ
チレン−プロピレン共重合体、アクリレート−エ
チレン共重合体、ポリプロピレン、ポリブテンな
どのオレフイン系重合体(熱可塑性樹脂)または
液状重合体を挙げることができ、粘着付与剤(タ
ツキフアイア)としては、ロジンおよびロジン誘
導体、ピネン系樹脂、脂肪族炭化水素樹脂、芳香
族炭化水素樹脂、脂環族炭化水素樹脂、クマロン
樹脂、クマロン・インデン樹脂、フエノール樹
脂、ナフテン系油、改質テルペンなどを挙げるこ
とができる。また、腐食防止剤としては、例え
ば、クロム酸金属塩、リン酸金属塩、亜リン酸金
属塩、ホウ酸金属塩、モリブデン酸塩、亜硝酸金
属塩などの無機系腐食防止剤、芳香族カルボン酸
の金属塩、複数のヒドロキシル基を有する脂肪族
または芳香族化合物、タンニン酸などの有機系腐
食防止剤を挙げることができ、さらに無機充填剤
としては、タルク、炭カル、シリカ、アルミナ、
マイカ、カーボンブラツクなどを挙げることがで
きる。
この発明において、補助シートの接着剤層とし
ては、前述のオレフイン系エラストマー約30〜65
重量%、改質用重合体約1〜20重量%、粘着付与
剤約10〜30重量%、無機充填剤約0〜20重量%で
ある加熱接着性の接着剤組成物からなるものが、
常温での接着力(剪断強度)について約1.0Kg/
cm2以上であつて、しかも高温での接着力(剪断強
度)について80℃で約0.005℃/cm2以上、100℃で
約0.002Kg/cm2以上と高く、しかもそれ以上の温
度への上昇と共に急激に低下することがないの
で、最適である。
この発明の被覆材料において、補助シートの接
着剤層のエラストマー成分が少な過ぎると、一般
的なホツトメルトタイプの接着剤と同様に、熱収
縮性補助材料の熱収縮温度約80℃以上で接着剤の
剪断強度が極めて小さくなつてしまつたり、急激
に低下してしまうので適当ではなく、また、エラ
ストマー成分が多くなり過ぎると、常温に冷却さ
れた後の接着力が小さくなるので、常温で『はが
れ』の問題を生じ、当ではない。
この発明において、熱収縮性補助材料は、前述
の高温で高い剪断強度を有する接着剤層が、低い
熱収縮性の架橋プラスチツクシートの片側の全面
領域に設けられているものであればよいが、必要
であれば、架橋プラスチツクシートの一部領域に
前述の高温で高い剪断強度を有する第1の接着剤
層が設けられていて、この第1の接着剤層に続く
他の部分には常温で高い接着強度を有する通常の
ホツトメルトタイプの第2の接着剤層が設けられ
ていてもよい。
その第2の接着剤層としては、例えば、ポリエ
チレン、ポリプロピレン、エチレン−酢酸ビニル
共重合体、アクリルニトリル−エチレン共重合
体、ポリ塩化ビニル、ポリエステル、ポリアミド
などの熱可塑性樹脂30〜80重量%、アスフアルト
(ビチユーメン)0〜50重量%、粘着付与剤10〜
20重量%、無機充填剤0〜20重量%などを含有す
るホツトメルトタイプの接着剤からなるものが、
常温での接着力(剪断強度約5〜30Kg/cm2)にお
いて優れており、しかも被覆すべき表面の小さな
凹凸粗面に対して、加熱時に軟化、流動して対応
できるので適当である。
前述の第2の接着剤層における粘着付与剤、無
機充填剤、その他の材料剤などは、すでに挙げた
ものを使用することができる。
なお、この発明における熱収縮性補助材料は、
タンクの鏡板部、盲フランジ部などの被覆対象物
の一部表面(平面、曲面、湾曲面、波状面、コー
ナー部表面など)に被覆できれば最初にどのよう
な平面形状であつてもよく、例えばその平面形状
が、帯状、矩形、台形状、扇状、円形状、楕円形
状、その他の形状であつてもよい。
この発明の被覆方法においては、始めに、金属
容器の鏡板部、金属管端部の盲フランジ部などの
被覆すべき被覆対象物の表面層を、例えば、ガス
バーナーの火炎、電気的ヒーターの放射熱などに
よつて、前記の熱収縮性補助材料(シート)の架
橋プラスチツク層の熱収縮温度および接着剤層の
接着温度に相当する約80〜200℃の範囲内の温度
に、充分に加熱しておき、 次いで、前述の熱収縮性補助材料(シート)の
1枚または複数枚を順次、加熱された鏡板部また
は盲フランジ部などの表面に重ね合わせて密着さ
せ加熱接合して、必要であれば放冷、空冷、水冷
等によつて通常にまで冷却して、鏡板部または盲
フランジ部などの表面を、被覆するのである。
前述の熱収縮性補助材料(シート)を被覆する
方法によつて、例えば第1図に示すようにタンク
1の胴部にコーテイング層4を有するタンク1の
鏡板部2の補助シート3の被覆層、あるいは第6
図に示すように本管部分にコーテイング層14を
有する鋼管11の盲フランジ部12の補助シート
13の被覆層を形成するのである。
この発明においては、前述のように、まず鏡板
部の湾曲表面、盲フランジ部の平面などを、特定
の熱収縮性補助材料(シート)で、加熱状態で被
覆する作業が、すでに述べたような問題解決に関
連して重要であり、その作業性のよいことおよび
得られた被覆層が『しわ』や『気泡』を有してい
ないことが主な特長である。
前述の熱収縮性補助材料(シート)の被覆にお
いては、補助材料(シート)自体を、約30〜80℃
程度に予め加熱してから被覆作業を行つてもよ
く、また被覆対象物の表面に重ね合わせる作業の
時に補助材料を、さらに外部から充分に加熱する
こともでき、また、前述の熱収縮性補助材料(シ
ート)の被覆において、被覆されつつある補助シ
ートを適当な手段で外側から押し圧することが好
ましい。
この発明の被覆方法においては、前述の熱収縮
補助材料(シート)によつて、タンクの鏡板部の
部分的な平面または湾曲面を被覆した後に、例え
ば第2図に示すように、常温で大きな剪断強度を
示す加熱流動性の接着剤層7を片面に有し、しか
も高い熱収縮率を有する熱収縮性被覆材料(シー
ト)5を、鏡板部2に近接する金属容器(タン
ク)1の端部全周に巻き付けてその容器の端部の
全周を覆い、さらにその金属容器の端部から突出
して配置し、その熱収縮性被覆材料5の両端部を
重ね合わせてヒートシールテープ6で接続して筒
状体となすのである。
そして、被覆対象物の周囲に配置されたその熱
収縮性被覆材料の筒状体を、外部からのガスバー
ナーの火炎などで、熱収縮性被覆材料の熱収縮し
うる温度(一般に約80〜200℃の範囲内、特に約
100〜180℃の範囲内)まで充分に加熱して、熱収
縮性補助材料(シート)3で形成されているタン
ク1の鏡板部3の被覆層の外周縁部、およびその
タンク1の端部全周に向かつて密着するように、
熱収縮させると共に、加熱接合する被覆方法によ
つて、第3図および第4図に示すようにタンク1
の鏡板部2の全面に熱収縮性補助材料3と熱収縮
性被覆材料5とによる優れた被覆層を形成するの
である。
なお、鋼管の盲フランジ部の被覆においては、
タンクの鏡板部の被覆と同様の方法で行うことが
できるが、必要であれば、盲フランジ部の凹凸部
を適当な材料で埋めて、その上に熱収縮性被覆材
料を筒状に配置し、熱収縮させ加熱接合させるこ
とが好ましい。
また、鋼管の盲フランジ部の被覆の結果、第7
図および第8図に示すように、鋼管11の盲フラ
ンジ部12の周辺全面に、熱収縮性補助材料13
と熱収縮性被覆材料15とによつて、優れた被覆
層が形成されるのである。
この発明の方法において使用される前述の熱収
縮性被覆材料(シート)は、すでに充分に説明し
たところの熱収縮性補助材料とほとんど同じ方法
で製造される架橋プラスチツク層と加熱接着性の
接着剤層とからなるものであり、ただ、その架橋
プラスチツク層の熱収縮率が約35〜80%、特に40
〜70%程度と高いことが、前述の熱収縮性補助材
料と異なつていることである。
なお、この発明の方法では、前記熱収縮性被覆
材料は、最初から、チユーブ状に形成されている
ものであつてもよく、あるいはシート状のものを
両端部接合によつて、チユーブ状としたものであ
つてもよい。
前記の高い熱収縮性を有する熱収縮性被覆材料
は、前述の接着剤層と同じような組成であつて、
その接着剤層の常層での剪断強度が約3〜30Kg/
cm2、特に5〜25Kg/cm2程度であり、熱収縮性被覆
材料の熱収縮温度(約80〜200℃)における剪断
強度が約0.001〜0.05Kg/cm2程度である接着剤層
が最適であるが、必ずしも上記の接着強度を有す
るものでなくてもよく、例えば、ポリエチレン、
ポレプロピレン、エチレン−酢酸ビニル共重合
体、エチレン−プロピレン共重合体、スチレン−
ブタジエン共重合体、またはその変性重合体(変
性ポリエチレン、変性ポリプロピレンなど)など
の熱可塑性合成樹脂の少なくとも1種類を約15〜
70重量%、特に20〜60重量%含有し、その他、付
着付与剤、無機充填剤、アスフアルトなどを含有
する熱融解性の接着剤からなるものであつてもよ
く、前述の熱収縮性補助材料の第2の接着剤層と
同じ種類のものであつてもよい。
以下、実施例および比較例を示す。
なお、実施例および比較例において、接着剤の
剪断強度は、2枚の鉄板(125mm×25mm×1.5mm)
を互いに12mm重ね合わせてその重ね合わせ部分に
接着剤を介在させて、130℃の接合温度に約5分
間熱し鉄板を接合して、万能試験機によりその両
端方向へ同時に引張り、ASTM D1002の測定方
法に従つて、測定された。
実施例 1 次に示す組成の接着剤を150℃の温度で5分間
ニーダーにより混練の後、ロールによつて1.5mm
の厚さの接着剤シートとした。
ブチルゴム 30重量% エチレン−プロピレン−非共役ジエン共重合体ゴ
ム 25重量% ポリブテン 5重量% クロマン・インデン樹脂 20重量% タルク 10重量% この接着剤シートは前述の剪断強度の測定方法
で測定した結果、80℃で0.029Kg/cm2、105〜110
℃で0.014Kg/cm2であり、110〜120℃においても
剪断強度が急激に低下することがなく、さらに20
℃では1.15Kg/cm2であつた。
この接着剤シートを、低い熱収縮率の架橋プラ
スチツクシート(厚さ1.0mm、ゲル分率60%、長
さ方向への熱収縮率20%、熱収縮温度105℃)の
片側の全面に接合し、熱収縮性補助材料(厚さ;
2.5mm、幅;150mm、長さ;600mmの矩形のシート)
を形成した。
前記熱収縮性補助シートを鏡板部の表面形状に
裁断した熱収縮性補助シートを複数枚用意して、
円筒状のタンク(外径;600mm、長;1000mm、鏡
板部の曲率半径;1000mm)の鏡板部の表面層を約
105〜110℃に加熱しておき、その加熱された鏡板
部の表面に、熱収縮性補助シートの接着剤層側を
順次接触させることによつて、前記熱収縮性補助
シートを鏡板部の表面に順次重ね合わせて密着さ
せ接合し、最後に放冷によつて冷却して、第1図
に示すようにタンクの鏡板部の湾曲面全体に熱収
縮性補助シートを被覆した。
その被覆において、補助材料は、特に『しわ』、
『気泡』、『はがれ』などを生じず、良好な被覆層
を形成した。
一方、前記接着剤シートを、高い熱収縮率の架
橋プラスチツクシート(厚さ1.0mm、ゲル分率60
%、長さ方向への熱収縮率50%、熱収縮温度105
℃)の片側の全面に接合し、熱収縮性被覆材料
(厚さ;2.5mm、幅;400mm、長さ;4000mmの矩形
シート)を形成した。
この熱収縮性被覆シートを、第2図に示すよう
に、タンクの端部の全周に巻き付けて、その両端
部を重ね合せてヒートシールテーブで接続して熱
収縮性被覆シートの筒状体を形成して、タンクの
端部の全周を覆いそしてその端部から一部突出し
た状態で熱収縮性被覆シートの筒状体を配置し
た。
その熱収縮性被覆シートの筒状体を、ガスバー
ナーの火炎で外部から加熱して、熱収縮を生じさ
せ、第3図および第4図に示すように、タンク1
の端部の全周とすでに接合されていた補助シート
3の被覆層の周縁部とに密着させ接着剤層で接合
させて、被覆を完了させた。
このようにして被覆されたタンクは、優れた被
覆層を有するものであり、特に防食性において優
れていた。
比較例 1 熱収縮率が実質的に0である架橋プラスチツク
シートを使用したほかは実施例1と同様にして、
補助シートを形成し、実施例1と同様にして、タ
ンクの鏡板部を被覆した。
この被覆では、この被覆シートが約105〜110℃
に加熱された鏡板部の表面に接触した際に、被覆
シートに『しわ』が多数生じ、被覆後の被覆層に
おいて、その接着剤層と鏡板部の表面との間に多
数に『気泡』が生じた。
【図面の簡単な説明】
第1図は、金属製タンクの鏡板部の表面に、複
数の熱収縮性補助材料(シート)を順次、重ね合
わせて加熱接合した状態の1例を示す斜視図であ
る。第2図は、そのタンクの端部の全周に高い熱
収縮性を有する熱収縮性被覆材料(シート)を巻
き付けてそのシートの端部をヒートシールテープ
で接合し管状となしている状況の1例を斜視図で
ある。第3図および第4図は、そのタンクの端部
の全周に配置された管状の熱収縮性被覆材料を加
熱して熱収縮させ、タンクの端部の全周と補助シ
ートの被覆層の周縁部とに加熱接合して、被覆を
完了させた状態を示す斜視図および断面図であ
る。第5図は、金属管の盲フランジ部の断面図で
あり、第6図は、その盲フランジ部の表面に、複
数の熱収縮性補助材料(シート)を順次、重ね合
わせて加熱接合した状態を示す斜視図である。第
7図および第8図は、管の端部から盲フランジ部
まで管状の熱収縮性被覆材料を熱収縮させて被覆
した状態を示す斜視図および断面図である。 1;タンク、2;鏡板部、3,13;熱収縮性
補助材料(シート)、4;タンクのコーテイング
層、5,15;熱収縮性被覆材料(シート)、
6;シートシールテープ、7;接着材層、11;
鋼管、12;盲フランジ部、14;鋼管の本体の
コーテイング層。

Claims (1)

  1. 【特許請求の範囲】 1 金属容器の鏡板部、金属管端部の盲フランジ
    部などの防食被覆において、 始めに、前記の被覆すべき被覆対象物の被覆個
    所の表面層を充分に加熱しておき、 次いで、熱収縮率が約3〜30%であつて、しか
    も被覆施工時の加熱の際に、線膨張系数に基づく
    熱膨張を実質的に打ち消してしまうような熱収縮
    性を有する架橋プラスチツク層と、加熱接着性の
    接着剤層とが積層されている熱収縮性補助材料
    を、加熱された鏡板部または盲フランジ部の表面
    に重ね合わせて加熱接合し、 最後に、高い熱収縮率を有する接着剤層付き熱
    収縮性被覆材料で、前記鏡板部または盲フランジ
    部に近接する容器または管の端部全周を覆うと共
    に、さらにその熱収縮性被覆材料を前記容器また
    は管の端部から突出して配置し、その熱収縮性被
    覆材料を加熱して、前記鏡板部または盲フランジ
    部に接合された補助シートの被覆層の端縁部と、
    容器または管の端部全周とに向かつて熱収縮させ
    ると共に加熱接合することを特徴とする防食被覆
    方法。
JP13281583A 1983-07-22 1983-07-22 防食被覆方法 Granted JPS6024924A (ja)

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