JPH0137923Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 本考案は自動車のサンバイザーに関するもので
ある。

周知の様にサンバイザーは板状をなす主体の一
側隅角部から取付腕を延設し、この取付腕の端部
を自動車ボデイー、具体的には室内の窓際天井面
に枢着部材を使つて旋回自由に取付けてあり、そ
の使用に当つては日光の入射方向に向けて枢着部
材を支点に旋回移動させ遮光するようになつてい
るが、不断使用しない場合は主体の旋回自由端を
同じくボデイーに取付ける保持クリツプに係止さ
せて旋回を固定し、天井面に沿つて跳ね上げた状
態に格納しているのが一般的である。

ところで、このサンバイザーは一般に腰のある
板材を芯にその両面にパツトを添わせると共に芯
の周縁部に沿つて鋼線製の補強ロツドを巡らせ、
その全体をビニールレザー等のカバーで被覆し形
成してあるのが普通であるが、現在では車体重量
の軽量化の一環として上記補強ロツドを細くし全
体の重量を軽減する方向にある。

しかしその反面、サンバイザーを固定するに当
り前記保持クリツプにこの周縁部に巡らす補強ロ
ツドを係止するとき噛み合せが不安定となりしつ
かり固定できない問題が生ずる虞れがあり、その
改善が望まれていた。

本考案は、この様な点に鑑み考案されたもの
で、保持クリツプに対応する補強ロツドの長さの
一部を露出させて、この露出部分に筒形をなすホ
ルダーを装着し、これによつてロツドの径を実質
的に拡張させて保持クリツプに対する係合の安定
化を計るようにした自動車のサンバイザーを提供
せんとするものである。

次に、この考案を図示する実施例につき説明す
ると、第１図は本考案に係るサンバイザーの斜視
図であり、１は芯板の両面にパツトを添わせ、且
つ芯板の周縁に鋼線製の補強ロツド２を巡ぐらし
カバーで被覆形成した板状のサンバイザー主体
で、この主体は一側隅角部１ａから延設する取付
腕３の端部を自動車の天井面に固定する枢着部材
４に枢着支持させることによりこれを支点に自由
に旋回するように取付けられる。

５はこのサンバイザー主体を格納する場合、或
はフロントガラスに沿つて垂らし前方からの入射
光線を遮光するような場合に旋回する主体の自由
端を固定するための保持クリツプで、６はこのク
リツプに対応するサンバイザー主体の旋回自由端
側の一隅角部に取付けた合成樹脂製のホルダーで
ある。

ホルダー６は主体の補強ロツド２に装着される
もので、図示するように主体１の旋回自由端側の
一隅角部を欠截して空所８を設け、これによつて
補強ロツド２の長さの一部を露出させたところに
取付けられるようにしてある。

ここに示したホルダー６は断面が半円弧状をな
す所要長さを有する２つの穀６ａ，６ａから構成
してあり、穀相互の閉じ合せによつて一つの筒体
を形成し、その中間の空部に補強ロツド２を挾み
込むことによつて装着できるようにしたもので、
各穀は対向面にそれぞれ一方の面部９に嵌入突起
１０を、他方の面部１１にこの嵌入突起１０を受
け入れる嵌入孔１２を設けて同一形状に形成して
あり、相互に他方の嵌入突起１０を自己の嵌入孔
１２に嵌め入れることによつて結合し筒形に組合
せられるようにしてある。勿論、この結合によつ
て両穀が任意に分離しないため嵌入孔１２の孔径
より幾分嵌入突起１０の直径を大きくして無理に
圧入し一体的結合がなされるようにしてある。

１３は上記２つの穀６ａ，６ａの両端部から延
設した鍔で、この鍔は図示するように穀相互の結
合によつてロツド２の露出部分に装着したとき、
両端部で向い合せ、一方の端部においてはロツド
２の隅角部における屈曲部を挾み、他方の端部で
はロツドの長さ部分を含む主体１を挾んで補強ロ
ツド２に装着されたホルダー自体が任意に回転す
るのを防止するものである。

尚、図面には示していないが、枢着部材４は天
井面にビス止めし、保持クリツプ５は天井に開設
する透孔に係止脚１４を嵌入し固着することにな
る。また、サンバイザー主体１はその全体を前述
した様にビニールレザー等のカバーで被覆される
が、ホルダー６を装着する補強ロツドの露出部分
についてはこの部分をそのまヽ露出させ直接ホル
ダーを装着することによつて被覆させるようにし
ても、また該露出部分を予じめ上記カバーで被覆
したのち、その上に装着しても、更には上記露出
部分にホルダー６を装着したのちこれをカバーで
被覆し包み込んでしまつてもよい。

本考案は上述の様に構成されるもので、補強ロ
ツド２はホルダー６の装着によつて保持クリツプ
５に係合せしめる部分の直径を実質的に大径なも
のとするため、このクリツプの嵌入口部１５に対
する収まりが良く、従つてサンバイザー主体の固
定に当つて安定した保持が得られる。

また、ホルダー６を装着する補強ロツドの部分
は主体の欠截によつて形成される空所にあつてホ
ルダー６を主体から離した状態で装着するため、
ホルダーをクリツプの嵌入口部に咬時させたまゝ
このクリツプと前記枢着部材４を支点にサンバイ
ザー主体を上下に回転させることも可能であるこ
とから、使用上便利であると共に、このとき任意
に旋回しないため安定した状態で使用できる利点
がある。

勿論、本考案は上述の如くホルダー６の装着に
よつて補強ロツド２の部分の実質的直径を拡張さ
せられるので、補強ロツド自体をクリツプ５との
係合に関係なく補強に充分な強度を補強できる太
さにまで細められることは言うまでもない。尚、
補強ロツドを細めることに伴う保持クリツプとの
差はホルダー６の肉厚を調整することによつて対
応することができ、ロツドとホルダー、ホルダー
と保持クリツプの間の整合は簡単に解消すること
ができることは言うまでもない。

ところで、前記実施例においてホルダー６を２
つの穀６ａ，６ａの結合によつて構成する場合に
つき説明したが、その実施はこれに限られるもの
ではない。

第４図は先の実施例で別体に形成した２つの穀
６ａ，６ａの一側縁を肉薄のヒンジ片１７で連結
し、両穀を一体に形成する一方、その両穀の閉じ
合せ面の自由端側の面１８，１９に前記説明した
と同様の嵌入突起２０と嵌入孔２１を形成して、
両穀を閉じ合せたときこの双方を嵌め合せ筒形の
ホルダーを形成するようにした場合の他の実施例
を示したものである。

また、更に第５図は第４図に示すホルダー６の
変形例で、ホルダーの両端に形成した鍔片に代え
て、ヒンジ片２４で連設される２つの穀６ａ，６
ａをＬ字形の対称形に形成して一方の穀の閉じ合
せ面には嵌入突起２５を、他方の穀には嵌入孔２
６を設けこの双方の嵌め合せによつて穀を閉じ合
せ補強ロツド２を抱持し装着できるようにした例
である。

この実施例に示すホルダー６はその形状から判
断できるように主体の隅角部において露出するロ
ツドの屈曲部に沿つて装着するもので、装着と同
時に回転が阻止される構造をなしているところに
他の実施例のものと異る特徴を有している。

以上、本考案を複数の例を基に説明したが、要
するに保持クリツプとサンバイザー主体とはホル
ダーを介して係止関係をもつため補強ロツドの径
に影響されず、従つてこれを必要最小限の太さに
細められると共に、サンバイザー本体の係脱操
作、回転操作等を安心して行えることになる。

勿論、本考案において使用されるホルダーは合
成樹脂によつて成形できるので製造が容易である
と共に、その装着は各実施例の説明でも明らかな
様に２つの穀を抱き合せて一方の嵌入突起を他方
の嵌入孔に嵌め付けることで簡単に組合せ装着で
きるものであることから組立の作業性にも優れる
ものであり、サンバイザー自体のコストに影響を
与えることはない。

【図面の簡単な説明】

図面は本考案の実施例を示したもので、第１図
は使用状態を示す本考案に係るサンバイザーの斜
視図、第２図はホルダーを構成する穀の拡大平面
図、第３図は第２図−線に沿つた断面図、第
４図は他の実施例を示すホルダーの展開状態にお
ける縦断面図、第５図はその他の実施例を示すホ
ルダーの展開状態における拡大平面図である。 １はサンバイザー主体、２は補強ロツド、４は
枢着部材、５は保持クリツプ、６はホルダー、６
ａはホルダーを構成する穀、９，１１は対向面、
１０は嵌入突起、１２は嵌入孔である。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 板状主体の外周部に補強ロツドを巡らせ、該主
   体の一側隅角部をボデイーに旋回自由に枢着支持
   する一方、旋回自由端の一隅角部には欠截により
   空部を設けてホルダーを装着し、該ホルダーを介
   してボデイーに設ける保持クリツプに係脱自在に
   係合させるようにしてなる自動車のサンバイザー
   において、上記ホルダーは断面半円弧状をなす所
   要長さを有した一対の穀から構成し、これら両穀
   の各一端部から前記補強ロツドの隅角部における
   屈曲部を、他端部からは主体をそれぞれ挾持する
   鍔を各延設する一方、両穀の対向面には相互に嵌
   り合せになる嵌入突起と嵌入孔を各形成し、前記
   補強ロツドを間に両穀を抱き合せに両対向面を衝
   き合せて上記嵌入突起と嵌入孔を嵌め合せること
   によつて一体に組合せ前記主体に装着するように
   したことを特徴とする自動車のサンバイザー。