JPH0137876Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 本考案は工作機械のパレツト交換装置、特にパ
レツトをパレツト交換台車上において水平旋回自
在としたパレツト交換装置に関する。

この種の工作機械のパレツト交換装置は、加工
ステーシヨンと待機ステーシヨンとの間を工作物
を受渡すために用いられるものであるが、工作物
によつてはスペース等の関係から待機ステーシヨ
ンにおける段取り作業に手間取ることがある。

本考案はかかる段取り作業の簡易化を目的とし
て、パレツトをパレツト交換台車上において水平
旋回自在とし、パレツトが交換台車上で位置ずれ
をおこすことなく確実に作業が行なえるようにし
たものである。

以下本考案は図面に示す実施例によつて説明す
ると、１はワークテーブル、ベツド（図示せず）
上に設置され第１図矢印Ａ方向に水平移動自在と
されている。２はパレツト交換台車で、架台３上
のレール４，４に車輪５を介して跨座しており、
同図矢印Ｂ方向、つまりワークテーブル１の移動
方向と直交する方向に水平移動自在となつてい
る。この移動には、詳細は図示しないが、リンク
６ａ，６ｂを含む移動装置６によつて行なわれ
る。

一方、第１図には第１パレツト７がパレツト交
換台車２により支承され、第２パレツト８がワー
クテーブル１上に設置された状態を示してある。
パレツト７，８は同構成であるため以下の説明は
パレツト７を中心に述べる。パレツト交換台車２
には、加工ステーシヨン側に臨む略Ｕ字状の受口
である切欠部９，９が形成され、ワークテーブル
側が開放された状態となつている、この切欠部９
にはパレツト７の周溝部７ａが係合している（第
２図および第４図）。さらに交換台車２にはその
切欠部９に臨んで四個の支承ローラ１０が取付け
られ、パレツト７の周溝部の上側面７ｂを介して
パレツト７を支承している。１１は案内ローラ
で、これにパレツト７の周溝部７ａが当接して旋
回する場合のガイドとなつている。かくして、パ
レツト７は交換台車２に支承された状態で、中心
Ｏ周りに旋回自在となり段取り作業の円滑化が図
られるように構成されている。この旋回段取り
後、加工ステーシヨンにパレツト７を渡す場合旋
回方向に位置決めの必要があるため、パレツト７
の端部には、係合張出片１２が固定され、他方交
換台車２側には位置決め装置１３が設けられてい
る。位置決め装置１３は、第５図および第６図に
示すように、手動回転ハンドル１３ａ、回転軸１
３ｂ、その先端に固着された偏心ピン１３ｃ、こ
の偏心ピン１３ｃが係合しながら手動回転ハンド
ル１３ａの操作により回転軸１３ｂの軸心周りに
回転することにより上下動する掛止ピン１３ｄを
備えており、パレツト７が正規に位置決めされた
とき掛止ピン１３ｄが上昇し係合張出片１２の係
合溝１２ａに係合しその位置を固定するようにな
つている。

またパレツト７の下部には案内溝１４がＡ方向
に沿つて形成されており、この案内溝１４にワー
クテーブル１が係脱自在となつている。さらに交
換台車２には飛出し防止ストツパー１５が枢軸１
６により枢着されており、その基端部と台車２と
の間には引張スプリング１７が跨設され、ストツ
パー１５を常時第２図の枢軸１６周りに時計方向
に付勢してパレツトの進退方向も規制している。

即ち、パレツト７が交換台車２に支承されてい
る状態では、パレツト７の交換台車２から飛出し
を防止すべく、ストツパー１５の先端部がパレツ
ト７の周溝部７ａに係合されるようになつてい
る。またストツパー１５の下部にはワークテーブ
ル１の進退路に臨んで突当部材（以下開放ピン１
８という）が突設されている。

そしてパレツトがワークテーブル１に移載され
るとき、この解放ピン１８がワークテーブル１に
当接しストツパー１５が前記引張スプリング１７
の付勢力に抗して反時計方向に押し戻され規則を
解除するようになつている。

このように構成されたパレツト交換装置の動作
を次に説明すると、いま第１図に示すように第２
パレツト８上の被工作物が加工中であり、第１パ
レツト７上で段取り作業が行われているとする。
第１パレツト７は回転中心Ｏ（第２図）周りに支
承ローラ１０および案内ローラ１１により旋回自
在であるため、適当にパレツト７を旋回しながら
次の被工作物の段取りを円滑に行うことができ
る。この段取り作業が終了したならば、パレツト
７の位置を正規に位置決めし、位置決め装置１３
によりその位置を固定しておく。またこの状態で
はストツパー１５がパレツト７の周溝部７ａに係
合している。

次いで、第２パレツト８上の被工作物の加工が
終了すると、交換台車２は移動装置６によりワー
クテーブル１側へ進出する。このとき、パレツト
７はストツパー１５により掛止されているので、
飛出しが防止される。また加工終了後は、ワーク
テーブル１はクロスライドとのクランプが解除さ
れて上方へ持ち上げられる。この状態で、交換台
車２がワークテーブル１側へ進出すると、第２パ
レツト８の周溝部と交換台車２の係合部９とが係
合され、第２パレツト８が交換台車２に渡され
る。次いで、ワークテーブル１は第１図下方に移
動し、交換台車２の進出に伴つて待機している第
１パレツト７の案内溝１４内に挿入される。この
挿入に伴つて、ワークテーブル１の端部が解放ピ
ン１８に当接すると、ストツパー１５がスプリン
グ１７の引張力に抗して第２図反時計方向に回転
し、ストツパー１５が周溝部７ａから外れ、第１
パレツト７が交換台車２に対してフリーとされ
る。その後、移動装置６により交換台車２が加工
ステーシヨンから退避すると、第１パレツト７は
ワークテーブル１上に取り残され、第２パレツト
８は交換台車２に支承された状態で段取りステー
シヨンに引き戻される。かくして第１，２パレツ
ト７，８の交換が完了し、再び当初の状態に戻
る。

上記のパレツト交換装置では、交換台車２に支
承ローラ１０を設けて、上下方向を規制してパレ
ツト７またはパレツト８を旋回自在としたので、
上下方向にパレツトが位置ずれをおこすことなく
段取り作業がきわめて容易になる。そして旋回手
段としてローラ１０を用いたので、摩擦がなく旋
回動作は軽く円滑である。その際、案内ローラ１
１を設けておくと旋回中心がずれることなく好適
である。また支承ローラ１０および案内ローラ１
１により旋回手段を構成すると、構造的に簡単で
ありかつ加工も容易となる。さらに段取り作業後
のパレツトの位置決めのために操作自在の位置決
め装置１３を設けたので、パレツトの旋回方向の
位置決めが確実で正規の状態でパレツトをワーク
テーブル１へ渡すことができる。しかも、パレツ
トへ係合するストツパー１５を台車２に設け、常
にばね材の付勢力でパレツト側に付勢しているの
で、台車２による受渡し移動時におけるパレツト
の飛出しがなく、安全な作業ができる。さらにワ
ークテーブル１が案内溝１４に挿入された場合、
突当部材を介してストツパー１５は外れるように
なつているので、パレツトを台車２から外してワ
ークテーブル１へ円滑に渡すことができる。

以上の通り、本考案は台車にパレツト支承ロー
ラを設け、パレツトを台車に支承させた状態で旋
回自在としたので、段取り作業が著しく容易とな
る利点がある。

【図面の簡単な説明】

第１図は本考案装置全体の平面図、第２図はそ
の要部平面図、第３図はその正面図、第４図はパ
レツトとテーブルとの関係を示す斜視図、第５図
は位置決め装置の斜視図、第６図はその断面図で
ある。 １……ワークテーブル、２……パレツト交換台
車、４……レール、６……移動装置、７，８……
パレツト、１０……支承ローラ、１１……案内ロ
ーラ。

Claims (1)

1. 【実用新案登録請求の範囲】 工作機械のテーブルに載置されるパレツトを交
   換するパレツト交換装置であつて、被工作物を載
   置して水平旋回且つ進退移動可能なパレツトと、
   該パレツト側面に設けられパレツト旋回方向に沿
   つて凹部状且つ円環状をなす周溝部と、基台上に
   あつてテーブル側が開放されたＵ字状の受口を有
   してパレツトを載置し前記テーブルとの間を進退
   自在に移動可能な交換台車と、前記受口に沿つて
   複数個配置され前記パレツトを旋回可能に上下方
   向に位置ずれなく規制して支持する支承ローラ
   と、前記受口に沿つて複数個配置され前記パレツ
   トの周溝部に接しパレツトを定位置で旋回可能に
   案内する案内ローラと、前記受口周縁のテーブル
   側に回動自在に設けられパレツトを進退移動しな
   いように規制するため一端が前記パレツトの周溝
   部にばね材の付勢力により付勢するストツパと、
   該ストツパに設けられパレツトがテーブルに移載
   されるとき該テーブルに当接され付勢力に抗して
   ストツパを押し前記規制を解除する突当部材と、
   前記交換台上に掛け外し自在に設けられ前記受口
   上のパレツトの旋回位置を定位置に定めるためパ
   レツトに係合しパレツトの位置決めをする位置決
   め装置とからなり、 パレツトをテーブルに載置しないときは交換台
   車上のパレツトをどの方向に対しても位置ずれが
   ないように規制して構成したことを特徴とする工
   作機械のパレツト交換装置。