JPH0137398Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 本考案は、突起爪付チエーンに沿つて配置され
るレールを、前記チエーンから離れる方向に後退
変位可能に支持し、且つ、前記レールをチエーン
側に付勢して穀稈挾持搬送装置を構成すると共
に、前記穀稈挾持搬送装置の少なくとも搬送始端
側あるいは搬送終端側を搬送穀稈の稈身方向に位
置変更固定自在に設けたコンバインの扱深さ調節
装置に関する。

上記扱深さ調節装置において、従来は、突起爪
付きチエーンを回動自在に取付けたフレームとレ
ールを弾性保持するレール台を、搬送穀稈の株元
側あるいは穂先側を迂回する状態のＵ字杆で連結
して、扱深さ調節のための前記チエーンとレール
を一体的に位置変更固定させるようにしている。

しかし、前記Ｕ字杆を穀稈株元側に迂回させて
設ける構造においては搬送穀稈株元側がＵ字杆底
部に接触し、あるいは、Ｕ字杆を穀稈穂先に迂回
させて設ける構造において、穀稈が扱深さ制御範
囲を越えるような長稈の場合に穂先側がＵ字杆の
頂部に接触し、その搬送抵抗のために穀稈搬送姿
勢が乱れたり流れが阻害されたりすると共に、特
に穂先側が接触する場合には脱粒を生じやすい欠
点があつた。

本考案は、上述の実情に鑑みて、簡単な改造に
よつて上記欠点を解消する事を目的とする。

次に、本考案の実施例を図面に基いて詳述す
る。

クローラ走行装置１を備えた機体２に脱穀部３
を搭載すると共に、この脱穀部３の前部に刈取部
４と操縦部５を左右に並置して、植立穀稈を刈取
り脱穀するためのコンバインを構成してある。

前記刈取部４を構成するに、前記走行機体２の
前部側に立設されたブラケツト６に、シリンダ７
によつて左右向き水平軸芯Ｐまわりで駆動揺動自
在な刈取フレーム８を取付け、このフレーム８に
左右一対の引起し装置９，９を立設すると共に、
この引起し装置９，９の背部の下部側に、植立穀
稈を掻込み合流する係止搬送装置１０と刈取穀稈
を後方に係止搬送する装置１１及び刈取装置１２
を設け、そして、刈取穀稈の株元側を挾持搬送す
る装置１３と穂先側の係止搬送する装置１４を、
前記係止搬送装置１０の搬送終端近くから脱穀フ
イードチエーン１５の始端近くに設けてある。

前記株元挾持搬送装置１３及び穂先係止搬送装
置１４を、前記フレーム揺動軸芯Ｐと同軸芯まわ
りで一体的に、その搬送始端側を受継ぎ穀稈の稈
身方向に位置変更固定操作自在に設けて、前記脱
穀部３での穀稈扱深さを所定範囲内に維持させる
ための扱深さ調節装置１６を構成してある。

前記株元挾持搬送装置１３を構成するに、前記
軸芯Ｐまわりで揺動自在な搬送フレーム１７にス
プロケツトホイール１８……を設けると共に、上
下のリンクプレートに突起爪ａを連設したチエー
ン１９を前記ホイール１８……に巻回し、一方、
フイードチエーン１５側の引起し装置９に対する
伝動軸を内装した引起し装置支持支柱２０に、左
右向き軸芯P₁まわりで揺動自在な部材２１を枢
支連結すると共に、その揺動遊端にレール台２２
を左右向き軸芯P₂まわりで揺動自在に取付け、
このレール台２２に、前記チエーン１９の搬送経
路よりも長くかつチエーン１９の上下の突起爪
ａ，ａ間に入り込む形状のレール２３を、前記軸
芯P₂方向に摺動自在に取付けると共に、そのレ
ール２３をチエーン１９側に押圧付勢するための
スプリング２４，２４を設け、更に、前記チエー
ン１９に、その搬送経路の少なくとも２箇所にお
いて後退変位する前記レール２３を稈身方向の上
下両側から係止する係止体部分としての部材ｂを
チエーン１９に備えて、もつて、前記突起爪付き
チエーン１９とレール２３の協働によつて刈取穀
稈株元側を弾性挾持搬送すると共に、扱深さ制御
のための前記チエーン１９の稈身方向移動に追従
して、それの浅扱き制御に伴つて前記係止部材ｂ
に係合されているレール２３を穀稈穂先側受止め
のために搬送方向上手側に移動させるようにして
ある。

尚、前記刈取フレーム８に支柱を立設して、そ
れに対して前記レール２３を揺動やスライドによ
つて稈身方向に被動させるなど、前記レール２３
の付設対象としては、引起し装置９，９から脱穀
部３に至るまでの穀稈搬送経路に対してチエーン
１９とは反対側に位置するものを選択でき、それ
らを刈取部構成部材２０と称する。

以上要するに本考案は、冒記したコンバインの
扱深さ調節装置において、引起し装置９，９から
脱穀部３に至るまでの穀稈搬送経路に対して前記
チエーン１９とは反対側の刈取部構成部材２０
に、前記レール２３を搬送穀稈の稈身方向に移動
自在に取付けると共に、扱深さ調節のための前記
チエーン１９の稈身方向移動に追従して前記レー
ル２３を稈身方向に被動させるべく、前記穀稈搬
送経路の少なくとも２箇所において、後退変位す
る前記レールを稈身方向に上下両側から係止する
係止体部分を前記チエーンに備えてある事を特徴
とする。

即ち、穀稈搬送経路に対して、それの一側にチ
エーン１９をかつ他側にレール２３を配置して、
前記穀稈搬送経路を迂回して横断するＵ字杆を省
略する事により、穀稈搬送トラブルや脱粒を生じ
させないようにでき、しかも、チエーン１９の稈
身方向移動に追従してレール２３を稈身方向に被
動させるので、扱深さ制御の性能を何ら損う事が
なく、全体として、簡単な改造によつて従来欠点
を簡単に解消できるようになつた。

【図面の簡単な説明】

図面は本考案に係るコンバインの扱深さ調節装
置の実施例を示し、第１図はコンバイン前部の側
面図、第２図は扱深さ調節装置の側面図であり、
第３図はその平面図、第４図は突起爪付チエーン
の断面図である。 ３……脱穀部、９……引起し装置、１３……穀
稈挾持搬送装置、１９……突起爪付きチエーン、
２０……刈取部構成部材、２１……揺動部材、２
３……レール、ｂ……係止体部分。

Claims (1)

1. 【実用新案登録請求の範囲】 １ 突起爪付チエーン１９に沿つて配置されるレ
   ール２３を、前記チエーン１９から離れる方向
   に後退変位可能に支持し、且つ、前記レール２
   ３をチエーン１９側に付勢して穀稈挾持搬送装
   置１３を構成すると共に、前記穀稈挾持搬送装
   置１３の少なくとも搬送始端側あるいは搬送終
   端側を搬送穀稈の稈身方向に位置変更固定自在
   に設けたコンバインの扱深さ調節装置であつ
   て、引起し装置９，９から脱穀部３に至るまで
   の穀稈搬送経路に対して前記チエーン１９とは
   反対側の刈取部構成部材２０に、前記レール２
   ３を搬送穀稈の稈身方向に移動自在に取付ける
   と共に、扱深さ調節のための前記チエーン１９
   の稈身方向移動に追従して前記レール２３を稈
   身方向に被動させるべく、前記穀稈搬送経路の
   少なくとも２箇所において、後退変位する前記
   レール２３を稈身方向の上下両側から係止する
   係止体部分ｂを前記チエーン１９に備えてある
   コンバインの扱深さ調節装置。 ２ 前記チエーン１９の搬送始端側を搬送終端側
   の中心まわりで稈身方向に揺動並びに固定自在
   に設け、前記レール２３を揺動部材２１を介し
   て搬送始端側の引起し装置支持支柱２０に取付
   け、前記挾持搬送装置１３の浅抜き制御に伴つ
   て前記レール２３を搬送方向上手側に移動させ
   るべく構成してある事を特徴とする実用新案登
   録請求の範囲第１項に記載のコンバインの扱深
   さ調節装置。