JPH0626111Y2

JPH0626111Y2 - コンバインの刈取前処理装置

Info

Publication number: JPH0626111Y2
Application number: JP19609987U
Authority: JP
Inventors: 晃志黒見; 良實宮野
Original assignee: Kubota Corp
Current assignee: Kubota Corp
Priority date: 1987-12-23
Filing date: 1987-12-23
Publication date: 1994-07-20
Anticipated expiration: 2002-12-23
Also published as: JPH0199112U

Description

【考案の詳細な説明】〔産業上の利用分野〕本考案は脱穀フィードチェーンを備えた脱穀装置を搭載
した走行機体の前方に穀稈を刈取る刈取前処理機構を左
右横移動かつ上下揺動可能に取付けるとともに、刈取前
処理機構の未刈側横側面から走行機体の未刈側横側面に
亘って未刈穀稈を接当して走行機体側への倒れ込みを阻
止する分草杆を装備してあるコンバインの刈取前処理装
置に関する。

〔従来の技術〕

この種のコンバインの刈取前処理装置において、従来で
は、例えば実開昭62−49929号公報に示されるように、
分草杆を前後に２分割するとともに、横外方側への突出
量を変更調節自在な調節インナの先端部に、前部分草杆
の後部をスライド自在並びに回動自在に支持する嵌挿部
と、後部分草杆の前端部を縦軸心周りで相対回動自在に
支持するＬ字形嵌挿部を備え、前部分草杆と後部分草杆
とを機体前部から後部まで一連に連なる状態で、刈取前
処理機構の上下揺動、及び収納張り出し姿勢変更を許容
する構成とするものがあった。

〔考案が解決しようとする問題点〕

この場合には前部分草杆と後部分草杆とが一連に連なる
状態で設けられるから、未刈穀稈が分草案内途中で機体
側に凭れ掛かる等の弊害は防止できるものの、分草具を
機体側に引退する格納姿勢と、外方に張り出す作用姿勢
とに切り換え自在に支持するスライド調節機構と分草杆
との枢支連結箇所と、前後分草杆との連結箇所とが同じ
箇所で構成されるから、この前後分草杆の連結箇所にお
いて段差部が形成され、未刈穀稈の摺接案内作用の際
に、この段差部に穀稈が引っ掛かり、円滑な摺動案内が
行えないおそれがあり、改善の余地があった。

本考案の目的は、畦際での刈取走行時にも支障なく分草
具を格納できるとともに、刈取前処理機構の横スライド
移動と上下揺動作動をも許容しながら、未刈穀稈を円滑
に誘導できるようにする点にある。

〔問題点を解決するための手段〕

本考案による特徴構成は、前記分草杆を、走行機体の横側面に位置する後部分草杆
と、前記刈取前処理機構の横側面に位置する前部分草杆
とで構成してある点と、後部分草杆を後端縦支軸周りで水平揺動可能に枢支する
とともに、前部分草杆の後端と後部分草杆の前端とを、
横外側縁が滑らかな杆案内部を構成する状態で、相対的
に水平揺動可能並びに上下揺動可能に枢支連結してある
点と、前後枢支連結箇所が未刈穀稈側に向けて水平揺動して張
出す作用姿勢と格納姿勢とに切換可能となるように、後
部分草杆の途中部に枢支した摺動部材をスライド自在に
機体に支持してある点と、前部分草杆の後部分草杆に対する相対姿勢変化を吸収す
る伸縮機構を前部分草杆に設けてある点とにありその作
用効果は次の通りである。

〔作用〕

図面を参考に分草杆の作動を説明する。第１図(イ)に示
すように、刈取前処理機構(17)が走行機体(9)に対して
基準位置にある状態で、分草杆(15)が格納姿勢（実線状
態）にある状態から、摺動部材を作用姿勢に切り換える
と、後部分草杆(15B)が後端縦支軸(Y)周りで水平揺動
し、それにつれて前部分草杆(15A)が前記連結点の周り
で相対揺動して、分草杆(15)は作用姿勢に切替わる。こ
の場合に、前記伸縮機構(19)が作動して、前記分草杆(1
5A)と後部分草杆(15B)が屈折姿勢になるのを許容する。

第１図(ロ)に示すように、刈取前処理機構(17)が走行機
体(9)に対して基準位置から未刈側に横移動する場合に
は、後部分草杆(15B)に対して前部分草杆(15A)が前記連
結点の周りに水平揺動するとともに、伸縮機構(19)によ
って前部分草杆(15A)が伸縮し、刈取前処理機構(17)の
揺動に追従する。

又、第４図に示すように、刈取前処理機構(17)が上下揺
動すると前部分草杆(15A)が前記連結点の周りで上下揺
動するとともに、伸縮機構(19)によって前部分草杆(15
A)が伸縮し、刈取前処理機構(17)に追従する。

つまり、刈取前処理機構(17)の走行機体(9)に対する上
下揺動および左右横移動においても、前部分草杆(15A)
に設けた伸縮機構(19)と、前部分草杆(15A)と後部分草
杆(15B)とを連結する連結点とを、設けることによっ
て、前部分草杆(15A)と後部分草杆(15B)とを連結状態に
維持できる。

しかも、前後部分草杆(15A),(15B)が一連につながって
おり、且つ、例えば球ジョイント等を用いて横外側縁が
滑らかな杆案内部を構成する状態で設けられているの
で、未刈穀稈を引っ掛かり無く円滑に誘導できる。

又、作用姿勢で刈取前処理機構(17)が上下揺動・左右横
移動しても前部分草杆(15A)が姿勢を変化させるだけで
後部分草杆(15B)はその作用張出姿勢で一定姿勢を維持
しているので、脱穀フィードチェーン(7)に挾持された
搬送穀稈と後部分草杆によって誘導される未刈穀稈との
間隔を一定に維持でき、前記搬送穀稈と未刈穀稈との接
触を回避できる。

〔考案の効果〕

その結果、格納姿勢と外方張り出し姿勢とに切り換え自
在で且つ刈取前処理機構の横スライド並びに上下揺動作
動を許容しながら、分草杆本来の機能である未刈穀稈を
引っ掛かり無く円滑に後方に誘導する機能を十分に発揮
させることができるとともに、脱穀フィードチェーンで
送られる搬送穀稈に対しても未刈穀稈が接触するといっ
た事態を回避でき、円滑な搬送が行なえるものとなっ
た。

〔実施例〕

第３図に示すように、コンバインは、分草具(1)によっ
て分草された植立穀稈を引起す引起し装置(2)、引起し
後の穀稈を刈取る刈取装置(3)、刈取穀稈を刈幅の中央
に集束する合流搬送装置(4)としての左右パッカー4A)及
び左右突起付搬送ベルト(4B)、集束穀稈を後部脱穀装置
(5)に向けて搬送する縦搬送装置(6)からなる刈取前処理
装置と、縦搬送装置(6)の後方に脱穀フィードチェーン
(7)付脱穀装置(5)とを備えて構成されている。

前記した分草具(1)、引起し装置(2)、刈取装置(3)、合
流搬送装置(4)等を総称して刈取前処理機構(17)と称
し、脱穀装置(5)を搭載した走行機体(9)に対する横摺動
構造について説明する。第２図に示すように、走行機体
(9)の前端に横向き伝動ケース(10)を架設するととも
に、この横向き伝動ケース(10)の外周面に機体前後向き
姿勢のメインフレーム(11)を前記横向き伝動ケース(10)
の軸心周りで上下揺動可能に枢支し、このメインフレー
ム(11)の先端に前記刈取前処理機構(17)を横摺動可能に
枢支する支持ケース(16)を固着してある。この支持ケー
ス(16)に対しては第１摺動フレーム(12)及び第２摺動フ
レーム(13)が架設され、これら両摺動フレーム(12),(1
3)の両端に前記分草具(1)を支持する分草具支持杆(8),
(8)が取付けられ、両分草具支持杆(8),(8)に引起し装置
(2)、刈取装置(3)等の刈取前処理機構(17)が取付けてあ
る。そして、左分草具支持杆(8)と支持ケース(16)とに
亘ってねじ軸(14)を架設し、このねじ軸(14)を軸心周り
で回動させることによって刈取前処理機構(17)を左右横
摺動可能である。

又、メインフレーム(11)の中程に昇降シリンダ(12)が取
付けられ、横向き伝動ケース(10)の軸心を中心に刈取前
処理機構(17)が上下揺動可能に走行機体(9)に枢支され
ている。

次に、コンバインの左側面に位置する分草杆(15)につい
て説明する。第１図に示すように、この分草杆(15)は、
刈取前処理機構(17)の横側面に位置する前部分草杆(15
A)と、走行機体(9)の横側面に位置する後部分草杆(15B)
とからなり、前部分草杆(15A)の後端と後部分草杆(15B)
の前端との連結点(X)に球ジョイントを介装して、横外
側縁が滑らかな杆案内部を構成する状態で、両者(15A),
(15B)を相対水平揺動並びに相対上下揺動自在に連結し
て構成されている。前記後部分草杆(15B)はその後端を
脱穀装置後面に設けた縦支軸(Y)周りに水平揺動可能に
枢支させるとともに、その前部側途中部を脱穀装置前面
に設けた横向き摺動ロッド(18)〔摺動部材の一例〕に取
付けて走行機体(9)に支持されている。一方、前部分草
杆(15A)はその前端を前記左分草具支持杆(8)に引掛係止
させ、その後端を球ジョイントを介して後部分草杆(15
B)に支持させて刈取前処理機構(17)と一体で作動すべく
構成してある。この前部分草杆(15A)は更に前後に分割
され、前側摺動ホルダー(15a)に後部材を摺動可能に保
持させて全長を可変する伸縮機構(19)を装備している。

分草杆(15)の動作状態を説明すると、第１図(イ)に示すように、分草杆(15)を脱穀装置(5)横側
面に沿った格納姿勢から前記横向き摺動ロッド(18)を張
出させると、後部分草杆(15B)が縦支軸(Y)周りで水平揺
動して張出すとともに、前記連結点(X)での球ジョイン
トに引っ張られて前部分草杆(15A)が分草具支持杆(8)に
対する支点を中心に水平揺動し、分草杆(15)全体が作用
姿勢に切替わる。上記のような後部分草杆(15B)の格納
姿勢及び作用姿勢において、第１図(ロ)に示すように、
刈取前処理機構(17)が未刈側に横移動すると、前部分草
杆(15A)が前記連結点(X)周りに揺動するとともに前記伸
縮機構(19)が作動して、前部分草杆(15A)のみが刈取前
処理機構(17)に追従する。したがって、後部分草杆(15
B)の姿勢は変化しない。又、同様の状態は刈取前処理機
構(17)が上下揺動する場合にも前部分草杆(15A)が前記
連結点(X)周りに揺動し、前記伸縮機構(19)が作動す
る。

尚、実用新案登録請求の範囲の項に図面との対照を便利
にする為に符号を記すが、該記入により本考案は添付図
面の構造に限定されるものではない。

【図面の簡単な説明】

図面は本考案に係るコンバインの刈取前処理装置の実施
例を示し、第１図(イ)は刈取前処理機構が基準位置で分
草杆が作用姿勢と格納姿勢とに切換わる状態を示す平面
図、第１図(ロ)は刈取前処理機構が未刈側に張出した状
態で分草杆が作用姿勢と格納姿勢とに切換わる状態を示
す平面図、第２図は刈取前処理機構の横摺動構造を示す
平面図、第３図は全体側面図、第４図は刈取前処理機構
の上下揺動状態を示す側面である。 (5)……脱穀装置、(7)……脱穀フィードチェーン、(9)
……走行機体、(15)……分草杆、 (15A)……前部分草杆、(15B)……後部分草杆、 (17)……刈取前処理機構、(18)……摺動部材、 (19)……伸縮機構、(Y)……縦支軸。

Claims

【実用新案登録請求の範囲】

【請求項１】脱穀フィードチェーン(7)を備えた脱穀装
置(5)を搭載した走行機体(9)の前方に穀稈を刈取る刈取
前処理機構(17)を左右横移動かつ上下揺動可能に取付け
るとともに、刈取前処理機構(17)の未刈側横側面から走
行機体(9)の未刈側横側面に亘って未刈穀稈に接当して
走行機体側への倒れ込みを阻止する分草杆(15)を装備し
てあるコンバインの刈取前処理装置であって、前記分草杆(15)を、走行機体(9)の横側面に位置する後
部分草杆(15B)と、前記刈取前処理機構(17)の横側面に
位置する前部分草杆(15A)とで構成し、後部分草杆(15B)を後端縦支軸(Y)周りで水平揺動可能に
枢支するとともに、前部分草杆(15A)の後端と後部分草
杆(15B)の前端とを、横外側縁が滑らかな杆案内部を構
成する状態で、相対的に水平揺動可能並びに上下揺動可
能に枢支連結し、前後枢支連結箇所が未刈穀稈側に向けて水平揺動して張
出す作用姿勢と格納姿勢とに切換可能となるように、後
部分草杆(15B)の途中部に枢支した摺動部材(18)をスラ
イド自在に機体に支持し、前部分草杆(15A)の後部分草杆(15B)に対する相対姿勢変
化を吸収する伸縮機構(19)を前部分草杆(15A)に設けて
あるコンバインの刈取前処理装置。