JPH0135143B2 - - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 ［技術分野］ 本発明は、パネル工法で形成される屋根におけ
る妻屋根の構造に関するものである。

［背景技術］ プレハブ住宅にあつて屋根は、屋根パネルを並
べて連結することパネル工法によつて形成され
る。そして屋根を寄せ棟として構築する場合、第
５図に示すように矩形の屋根パネル８，８……を
並べることによつて屋根の本体部分を形成するよ
うにし、また三角形の妻屋根パネル９，９によつ
て屋根の妻部分を形成することになる。

しかしこの場合、三角形に形成される妻屋根パ
ネル９は第６図に示すように三角形の高さａが大
きな寸法になることになり、運搬などにおいて支
障になるという問題があつた。そこで、妻屋根パ
ネルを分割することが考えられるが、分割したパ
ネルの位置合わせが面倒で、特に、妻屋根パネル
を施工したのと同じような仕上がり外観にしよう
とすれば、作業がきわめて煩雑になるものであ
る。

［発明の目的］ 本発明は、上記の点に鑑みて為されたものであ
り、妻屋根パネルの高さ寸法を小さく形成するこ
とができることを主たる目的とし、さらに屋根構
造体の構造を変える必要のないようにでき、ま
た、作業が簡単にできるとともに従来の大きな三
角形の妻屋根パネルを施工したのと同じ施工仕上
がりとすることができることをも目的とするもの
である。

［発明の開示］ しかして本発明に係る妻屋根の構造は、パネル
枠１の表面にパネル板２を取り付けて台形の妻屋
根パネル３を形成し、一対の妻屋根パネル３，３
を台形上辺間に三角形が形成されるように台形斜
辺同士で対向配置し、妻屋根パネル３の台形上辺
においてパネル枠１をパネル板２から突出させ、
三角形のパネル板４の裏面に枠体５を取り付けて
形成した補助屋根パネル６をこの一対の妻屋根パ
ネル３，３の台形上辺間に配設して補助屋根パネ
ル６のパネル板４の側端をパネル枠１の台形上辺
から突出した部分の上に載設すると共に、妻屋根
パネル３の残りの斜辺に沿つたパネル枠１と補助
屋根パネル６の三角底辺に沿つた枠体５とが面一
となる状態でパネル枠１と枠体５とを連結プレー
ト７で結合して成ることを特徴とするものであ
り、三角形の補助屋根パネル６を用いて妻屋根パ
ネル３を台形に形成することができるようにして
上記目的を達成するようにしたものであつて、以
下本発明を実施例により詳述する。

妻屋根パネル３は平面形状が三角形の頂部を切
欠したような台形に形成され、第３図のように台
形形状に組まれる周部の型鋼など金属材のパネル
枠１の表面側にパネル板２を張つて形成されるも
のであり、パネル板２の背面側においてパネル枠
１内に補強構造材１３を取り付けて補強構造材１
３をパネル枠１に結合させてある。また補助屋根
パネル６は第４図に示すように平面形状が三角形
に形成され、三角形のパネル板４の三角底辺に沿
つて型鋼など枠体５を取り付けて形成されるもの
である。この補助屋根パネル６の枠体５の両端に
は金属板の連結プレート７が熔接などで取り付け
てある。

しかしてこの一対の妻屋根パネル３，３と補助
屋根パネル６とを用いて妻屋根を形成させるもの
であるが、第１図に示すように各妻屋根パネル
３，３における台形斜辺３ａ同士を対向させてボ
ルトナツトなどによつて接合させ、各妻屋根パネ
ル３，３の台形上辺３ｂ間に三角形の空所を形成
させる。そして補助屋根パネル６はこの三角形の
空所の大きさ及び形状とその大きと形状とをほぼ
等しく設定されているもので、この三角形の空所
内に補助屋根パネル６を配置し、枠体５の連結プ
レート７の孔１０と枠パネル１に設けた孔１１と
をボルトナツト１２で結合することによつて、連
結プレート７で妻屋根パネル３に補助屋根パネル
６を結合させる。そして補助屋根パネル６のパネ
ル板４の斜辺における端縁は第１図のように妻屋
根パネル３の台形上辺３ｂにおいてパネル板２か
ら一部が突出するパネル枠１上に載置して支持さ
れる。このようにして第２図のように一対の妻屋
根パネル３，３と補助屋根パネル６とで全体とし
て三角形になる妻屋根を形成するようにするもの
である。

上記のものにあつて、第２図に示すように妻屋
根パネル３の台形下辺３ｃから補助屋根パネル６
の三角形の底辺中央までの寸法は第６図における
ａと等しいものであるが、妻屋根パネル３の台形
下辺３ｂから台形上辺３ａまでの寸法ｂはａの寸
法よりも短くなり、妻屋根パネル３の高さを従来
のものよりも小さく形成することができることに
なる。また、補助屋根パネル６は補助屋根パネル
６に設けた連結プレート７によつて妻屋根パネル
３に結合固定されることになるために、妻屋根パ
ネル３を支持するように形成されている従来の屋
根構造体を何等変更する必要なく、妻屋根パネル
３で補助屋根パネル６を支持して妻屋根の施工を
おこなうことができることになるものである。

［発明の効果］ 上述のように本発明にあつては、パネル枠の表
面にパネル板を取り付けて台形の妻屋根パネルを
形成し、一対の妻屋根パネルを台形上辺間に三角
形が形成されるように台形斜辺同士で対向配置
し、三角形のパネル板の裏面に枠材を取り付けて
形成した補助屋根パネルをこの一対の妻屋根パネ
ルの台形上辺間に配設するようにしたので、三角
形の補助屋根パネルを用いることで妻屋根パネル
の形状を三角形の頂点を切欠した台形に形成する
ことができ、妻屋根パネルの高さ寸法を小さくで
きて運搬に支障が生じないようにすることができ
るものであり、しかも妻屋根パネルのパネル枠と
補助屋根パネルの枠体とを連結プレートで結合し
てあるので、補助屋根パネルは連結プレートによ
つて妻屋根パネルに結合固定されることになり、
妻屋根パネルの高さ寸法を小さくするために補助
屋根パネルを別途用いるようにしたにもかかわら
ず、妻屋根パネルを支持するように形成されてい
る従来の屋根構造体を何等変更する必要なく妻屋
根パネルで補助屋根パネルを支持して妻屋根の施
工をおこなうことができるものであり、しかも、
妻屋根パネルの残りの斜辺に沿つたパネル枠と補
助屋根パネルの三角底辺に沿つた枠体とが面一と
なる状態でパネル枠と枠体とを連結プレートで結
合することで、屋根パネルの残りの斜辺に沿つた
パネル枠と補助屋根パネルの三角底辺に沿つた枠
体とを面一に位置決めして連結でき、補助屋根パ
ネルの三角底辺である軒先側端部が妻屋根パネル
の残りの斜辺から飛び出したり、あるいは引き込
んだりせず、この結果、簡単な作業で大きな三角
形の妻屋根パネルを施工するのと同じ施工仕上が
りとすることができるものであり、しかも、この
場合、補助屋根パネルのパネル板の側端をパネル
枠の台形上辺から突出した部分の上に載設するの
で、補助屋根パネルのパネル板の斜辺における側
縁が妻屋根パネルのパネル枠に載置して支持され
ることとなり、補助屋根パネルがこの支持と連結
プレートとによる連結とで簡単確実に屋根パネル
に支持連結されるものである。

【図面の簡単な説明】

第１図は本発明の一実施例の一部の分解斜視
図、第２図は同上の縮小平面図、第３図は同上の
妻屋根パネルの底面図、第４図は同上の補助パネ
ルの底面図、第５図は従来例における屋根の全体
の概略平面図、第６図は従来例における妻屋根パ
ネルの平面図である。 １はパネル枠、２はパネル板、３は妻屋根パネ
ル、４はパネル板、５は枠体、６は補助屋根パネ
ル、７は連結プレートである。

Claims (1)

【特許請求の範囲】
1. １ パネル枠の表面にパネル板を取り付けて台形
   の妻屋根パネルを形成し、一対の妻屋根パネルを
   台形上辺間に三角形が形成されるように台形斜辺
   同士で対向配置し、妻屋根パネルの台形上辺にお
   いてパネル枠をパネル板から突出させ、三角形の
   パネル板の裏面に枠体を取り付けて形成した補助
   屋根パネルをこの一対の妻屋根パネルの台形上辺
   間に配設して補助屋根パネルのパネル板の側端を
   パネル枠の台形上辺から突出した部分の上に載設
   すると共に、妻屋根パネルの残りの斜辺に沿つた
   パネル枠と補助屋根パネルの三角底辺に沿つた枠
   体とが面一となる状態でパネル枠と枠体とを連結
   プレートで結合して成ることを特徴とする妻屋根
   の構造。