JPH0134964Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 〈産業上の利用分野〉 本考案は、被取付部材に明けた穴と取付部品等
に明けた穴とを合致させ、この穴に挿通係止して
取付部品等を被取付部材に固着するためのクリツ
プに関するものである。

〈従来の技術〉 自動車のボデーに部品を取付ける場合に、ボデ
ーと部品に明けられた穴に挿通して係止するクリ
ツプが用いられている。このクリツプの形状は各
種のものがあるが、その代表的な形状は第４図で
示すように、軸部１の先端に鏃型の係合爪２を設
け、軸部１に形成した切欠凹部４に係止部材を止
着するもの、あるいは第６図で示すように、係止
板３に鏃型の係止爪２を形成したものである。

〈考案が解決しようとする問題点〉 上記のようなクリツプにおいては、例えば第５
図及び第７図で示すラジエータグリル５をボデー
６に取付ける場合に、正面から見えないバンパ７
の奥に取付部所があり、このような取付部所では
第４図のクリツプでは正面からの取り外しはでき
るが取り付けができない。また第６図のクリツプ
では取り付けはできるが取り外しは後面からでな
いと出来ず、後面には手が入らないので結局取り
外しは出来ない不具合があつた。

本考案は、上記従来の問題点に鑑み、手の入ら
ない部位でも正面から取り付け並びに取り外しを
ワンタツチで可能としたクリツプを提供するもの
である。

〈問題点を解決するための手段〉 本考案は、クリツプ本体の先端に、クリツプ本
体の軸心線に対し直交する係合面を備えた一対の
鏃型係合爪を互いに相反する方向に拡縮可能に並
列して設け、前記それぞれの係合爪から延在され
隙間を有して対面し、この隙間にドライバ等の軸
状工具の差し込みにより前記一対の係合爪を縮少
方向に相対移動させるための突起を形成し、クリ
ツプ本体には前記係合爪の係合面と対面する係止
突起を設けて成るものである。

〈作用〉 上記本考案のクリツプは、クリツプ本体に例え
ばドライバを差し込み、突起を押圧すると一対の
係合爪は互いに相反する方向に相対移動して縮少
する。また、ドライバを抜き取ると、一対の係合
爪は弾力によつて拡開する方向に相対移動するも
のである。従つて、クリツプを穴に差し込むとき
の取り付け時と穴から抜き取る取り外し時にはド
ライバをクリツプ本体に差し込んだ状態で行うの
である。

〈実施例〉 以下本考案の実施例を第１図乃至第３図によつ
て説明する。第１図及び第２図において、１０は
クリツプ本体である。このクリツプ本体１０の先
端に、クリツプ本体１０の軸心線０に対し直交す
る係合面１１ａ，１１ｂを備えた一対の鏃型の係
合爪１２ａ，１２ｂを互いに相反する方向に拡縮
可能に並列して設ける。

また、前記係合爪１２ａ，１２ｂの近傍のクリ
ツプ本体１０の内面には、係合爪１２ａ，１２ｂ
を縮少方向に相対移動させるための突起１３ａ，
１３ｂを形成する。

さらに、クリツプ本体１０の外面には、係合爪
１２ａの係合面１１ａと対面する係止突起１４ｂ
と、係合爪１２ｂの係合面１１ｂと対面する係止
突起１４ａとが設けられている。また、クリツプ
本体１０には、その軸心線方向に前記突起１３
ａ，１３ｂに至る軸状工具差し込み用の穴１５が
設けられている。１６はスペーサを兼ねた係止板
を示す。

上記本考案によるクリツプの作用について第３
図によつて説明する。第３図において、Ａは取付
部品、Ｂは被取付部材であり、クリツプ本体１０
は取付部品Ａを被取付部材Ｂに取り付けた状態で
ある。すなわち、一対の係合爪１２ａ，１２ｂは
その弾力で拡開状態となつていて、係合面１１
ａ，１１ｂが被取付部材Ｂの面に係合し、この係
合面１１ａ，１１ｂと係止突起１４ａ，１４ｂと
によつて取付部品Ａを挟着している。尚、係止板
１６を設けている場合には、取付部品Ａと被取付
部材Ｂとの間に隙間を形成して挟着される。

上記取付部品Ａを被取付部材Ｂより取り外す場
合には、例えばドライバ１７をクリツプ本体１０
の穴に差し込み、ドライバ１７の先端で突起１３
ａ，１３ｂを押圧する。これによつて係合爪１２
ａ，１２ｂは第３図矢印の方向に互いに相反する
縮少方向に首振り移動し、係合面１１ａ，１１ｂ
が被取付部材Ｂの面から外れて係合爪１２ａ，１
２ｂは被取付部材Ｂの穴１８を通過可能とする。
従つて、そのまま取付部品Ａを引き動かすことに
よつて被取付部材Ｂより取り外されるのである。
尚、取付部品Ａの取り付けの場合にもドライバ１
７によつて係合爪１２ａ，１２ｂを縮少状態にし
て被取付部材Ｂの穴１８を貫通させ、ドライバ１
７をクリツプ本体１０より引き抜くことにより係
合爪１２ａ，１２ｂは第３図で示す係合状態に弾
力で拡開するものである。

〈考案の効果〉 以上のように本考案によると、弾力で拡開状態
になつている一対の係合爪をドライバ等の軸状工
具の差し込みにより縮少可能としたものであるか
ら、手の入らないような取付部位でも軸状工具が
入るスペースがあれば、正面から取り付け、取り
外しがワンタツチで可能とし、この一対の係合爪
の縮少方向への相対移動構成は、前記係合爪から
対面隙間を有して延在する突起によるものである
ため、部品点数も少なく、かつ破損することなく
長期間に渡つて縮少動作機能を保持する。また取
り付け剛性も従来のクリツプに較べて向上する
上、耐熱変形等についても取付穴を長穴にするこ
とにより吸収が可能となる効果を有している。

【図面の簡単な説明】

第１図は本考案によるクリツプの正面斜視図、
第２図は後面斜視図、第３図は取付状態を示す断
面図、第４図は従来のクリツプの斜視図、第５図
は同取付状態の説明図、第６図は従来の他のクリ
ツプの斜視図、第７図は同取付状態の説明図であ
る。 １０……クリツプ本体、１１ａ，１１ｂ……係
合面、１２ａ，１２ｂ……係合爪、１３ａ，１３
ｂ……突起、１４ａ，１４ｂ……係止突起。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. クリツプ本体の先端に、クリツプ本体の軸心線
   に対し直交する係合面を備えた一対の鏃型係合爪
   を互いに相反する方向に拡縮可能に並列して設
   け、前記それぞれの係合爪から延在され隙間を有
   して対面し、この隙間にドライバ等の軸状工具の
   差し込みにより前記一対の係合爪を縮少方向に相
   対移動させるための突起を形成し、クリツプ本体
   には前記係合爪の係合面と対面する係止突起を設
   けて成るクリツプ。