JPH0134953Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 〈産業上の利用分野〉 本考案は、自動車の組付ラインにおいて、複数
車種の自動車構成部品を車種に応じて組付ける治
具装置に関するものである。

〈従来の技術〉 自動車の車体等の自動車構成部品を組付ける場
合、組立ラインに搬送されてくる自動車構成部品
を治具で受け取つて組立位置決めしている。従来
の治具装置は、第６図で示すように、固定ベース
１上に、自動車組付位置２に向つて進退移動する
移動台３を設け、この移動台３上にサイドボデー
Ｗを取付ける治具５を有する治具ベース４をアク
チユエータにより前後方向に旋回可能に枢支した
構造であつた。

〈考案が解決しようとする問題点〉 上記従来の装置では、治具ベース４に設けられ
ている治具５は１つの車種のサイドボデーＷに対
応した位置決め駒によるものであり、車種が変更
すると、その車種のサイドボデーに対応する治具
と交換する必要があり、段取り換えに相当な時間
が掛り併行生産能率に悪影響を及ぼしている。

本考案は、ワークの変更に伴う治具の切換を自
動的に行い、しかも多種のワークに対応する治具
装置を提供するものである。

〈問題点を解決するための手段〉 本考案は、ワークの組付位置に向つて進退移動
する移動台上の左右位置にサイドフレームを固設
し、この両サイドフレームの内側面に垂直な面内
で複数個のスプロケツトを介して周回するエンド
レスのチエーンをそれぞれ設け、両チエーン周り
に治具を取付けた複数の治具ベースプレートを両
チエーン間に掛け渡して横設すると共に、前記治
具ベースプレートを所定位置で位置決めする部位
のサイドフレームに位置決めピンと、治具ベース
プレートに設けた位置決め穴が前記位置決めピン
ンと係合しないように押圧するローラを備えた弾
機押出し装置と、前記位置決め穴を位置決めピン
に係合するための治具ベースプレートの引き込み
装置とを備えたものである。

〈作用〉 本考案は、搬送されてくるワークの種類に応じ
てチエーンを回動させ、ワークに対応する治具を
備えた治具ベースプレートを所定位置に割出して
位置決めするものである。

〈実施例〉 以下本考案の実施例を第１図乃至第５図に基づ
いて説明する。第１図において、１は固定ベー
ス、２はワーク組付位置、３は前記ワーク組付位
置２に向つて進退移動する移動台、６は移動台３
を移動させるシリンダである。

本考案は、第２図及び第３図で示すように、移
動台３上の左右位置にサイドフレーム７を固設
し、この両サイドフレーム７の内側面に垂直な面
内で複数個のスプロケツト８を介して周回するエ
ンドレスのチエーン９をそれぞれ設ける。前記複
数のスプロケツト８の１つはモータ１１にて回転
する駆動スプロケツトであり、左右を伝動軸１０
で同期回転駆動するように構成されている。

前記チエーン９の周りには、ワークＷの種類に
対応する異なつた位置決め駒を有する治具１３を
取付けた複数の治具ベースプレート１２を両チエ
ーン９間に掛け渡し、第４図で示すように、１つ
のチエーン駒にボルト２１によつて止着して横設
する。

さらに、治具ベースプレート１２を所定位置で
位置決めする部位のサイドフレーム７に第３図及
び第５図で示すように、位置決めピン１４を固設
し、この位置決めピン１４の近傍に治具ベースプ
レート１２を押圧して治具ベースプレート１２に
設けられている位置決め穴１５が位置決めピン１
４に係合しないようにするローラ１６とスプリン
グ１７とから構成される弾機押出し装置を備えて
いる。また、位置決め穴１５を位置決めピン１４
に係合するために治具ベースプレート１２を引き
込むレバー１８と、このレバー１８をピストンロ
ツド２０で作動するシリンダ１９とによつて構成
される治具ベースプレート１２の引き込み装置も
備えている。

次に本考案の動作について説明する。搬入され
てくるワークＷの種類の信号によりモータ１１が
起動し、チエーン９が周回運動してチエーン９間
に取付けられている複数の治具ベースプレート１
２が周回する。このとき、治具ベースプレート１
２を位置決めする所定位置を通過する治具ベース
プレート１２はスプリング１７で押圧するローラ
１６によつて位置決め穴１５が位置決めピン１４
と干渉することなく通り過ぎて行き、ワークＷと
対応する治具１３を備えた治具ベースプレート１
２が所定位置で停止し割出される。次いでシリン
ダ１９が作動し、レバー１８を回動して治具ベー
スプレート１２をスプリング１７の押圧力に抗し
て位置決めピン１４側に引き込み、位置決め穴１
５を位置決めピン１４に係合して治具ベースプレ
ート１２を位置決めする。しかる後に、ワークＷ
を治具１３に搬入して組付姿勢に位置決めし、移
動台３を前進させてワーク組付位置２に移動する
ものである。

〈考案の効果〉 以上のように本考案は、周回運動するエンドレ
スのチエーンの周りに複数の治具ベースプレート
を取付け、この治具ベースプレートに、ワークの
種類に応じた治具を設け、所要の治具を備えた治
具ベースプレートをチエーンの周回で割出し位置
決めするようにしたものであるから、複数種のワ
ークの変更があつても同一設備で自動的に、しか
も迅速に所要の治具に切換えることができ、生産
能率が向上される。また、治具ベースプレートの
割出し時には、不要な治具ベースプレートを弾機
押出し装置で位置決めピンを干渉しないように押
圧しているので円滑な割出しが得られ、また割出
された治具ベースプレートは引き込み装置によつ
て強制的に位置決めピン側に引き込んで位置決め
穴を係合するので治具ベースプレートは確実に位
置決めされ、かつその状態を確保し、ワークＷの
組付けを高精度に行うものである。さらに、治具
ベースプレートの割出しはエンドレスのチエーン
によるものであるから、剛体多角面の治具ベース
体よりも重量が著しく軽量化させ、移動台に加わ
る乗量が減少され、移動台の移動慣性を低減する
ので、ワーク組付位置の定位置に正しく前進位置
されると共に、移動台の駆動装置も小型のもので
済み、省エネルギー化することができる効果があ
る。

【図面の簡単な説明】

第１図は本考案装置の要部断面図、第２図は全
体構成の斜視図、第３図は要部の分解斜視図、第
４図は治具ベースプレートの取付け状態を示す部
分側面図、第５図は弾機押出し装置の側面図、第
６図は従来装置の側面図である。 ３……移動台、７……サイドフレーム、８……
スプロケツト、９……チエーン、１２……治具ベ
ースプレート、１３……治具、１４……位置決め
ピン、１５……位置決め穴、１６……ローラ、１
７……スプリング、１８……レバー、１９……シ
リンダ。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. ワークの組付位置に向つて進退移動する移動台
   上の左右位置にサイドフレームを固設し、この両
   サイドフレームの内側面に垂直な面内で複数個の
   スプロケツトを介して周回するエンドレスのチエ
   ーンをそれぞれ設け、両チエーン周りに治具を取
   付けた複数の治具ベースプレートを両チエーン間
   に掛け渡して横設すると共に、前記治具ベースプ
   レートを所定位置で位置決めする部位のサイドフ
   レームに位置決めピンと、治具ベースプレートに
   設けた位置決め穴が前記位置決めピンと係合しな
   いように押圧するローラを備えた弾機押出し装置
   と、前記位置決め穴を位置決めピンに係合するた
   めの治具ベースプレートの引き込み装置とを備え
   て成るワーク組付治具装置。