JPH0133426B2 - - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本発明は不定形物品をを別々に拾い上げる装置
に関し、殊に通信販売業界に使用されるものであ
る。

〔従来の技術〕

最近多くの業界、殊に通信販売業界においては
倉庫内で異なつた形状・寸法の物品が取扱われる
ようになつた。

このような倉庫内の作業を自動化するために、
標準化されたかご又はパレツトを取扱うフオーク
リフト・トラツクが主として使用されてきた。

〔発明が解決しようとする問題点〕

しかし物品の形状が異なる場合に唯一の物品を
拾い上げるのは極めて困難である。

より詳しくは、例えば織物のような輪郭の定ま
らない不定形物品を処理することは殊に困難であ
る。操縦員により遠隔制御された処理アームを使
つてテストを行ない、閉回路のテレビ受信機のス
クリーン上に写された処理アームの動きを観察し
た。不幸なことに上記のテストが不適当なことが
すぐ判明した。その理由は、テレビカメラでは遠
近の距離感を得ることができず、従つて操縦員は
遠近を判定することができないためである。

本発明の主たる目的は、単一の物品を拾い上げ
る装置であつて、完全自動化が可能で、物品を一
つ宛拾い上げることにより外的介在物なしに物品
を見ないでしかもかなりの成功率で以つて処理で
きる装置を提供することである。

本発明の装置はそれ自体で作動するので、二つ
の確実性即ち拾い上げた物品は選択された物品で
あり、又一時に拾い上げられた物品が唯一つであ
ることが得られる。

本発明の別の目的は、不定形物品を拾い上げる
ことのできる装置を提供することである。事実、
現今人力や高価な機械を必要とするので、前以つ
てよく整理された順序で詰めこまれていない物品
を処理する場合が多い。

本発明の他の目的と利益は、以下の説明と限定
されることのない実施例から明らかになるであろ
う。

〔問題点を解決するための手段〕

上記の目的を達成する本発明は、一時に唯一つ
の不定形物品を拾い上げる装置であつて、上記不
定形物品が織物のように固有の柔軟性を有するか
又はプラスチツクフイルム製の袋のような柔軟な
包体に包装され、上記の不定形物品が、接近し易
いように上部に開口を有する朝顔形のコンテナ内
に配設されたものにおいて、コンテナから唯一つ
の物品を拾い上げるべく上記コンテナの開口を通
して垂直に下降できる操縦可能な処理アームと、
上記処理アームの下端に回転可能に設けられた一
対の小径円柱状の車とを備え、上記夫々の車は上
記処理アームの垂直下降方向に略直角な周面及び
回転軸線を有すると共に車の周面が互いに押し合
いかつ物品を両車間に挿入することにより互いに
離隔するように互いに弾撥的に設けられ、又上記
両車を互いに反対方向に連続的に回転させて上記
物品又は袋を両車間に挾むように駆動する駆動手
段と、両車間に挾まれた上記物品の有無を検知し
て両車の回転を停止させるように上記駆動手段を
制御する制御手段とを備えた不定形物品を拾い上
げる装置である。

雑多な不定形物品をを別々にかつ選択して拾い
上げる本発明の装置は殊に通信販売業界に使用さ
れる。事実この業界において、夫々種類が異なつ
た物品を種々のコンテナから拾い上げることは極
めて厄介な仕事である。これらの物品は顧客から
注文されたもので、拾い上げた後に包装して最終
的には顧客に向けて発送される。

本発明は、特に自動化に適した進歩ししかも簡
単な拾い上げ装置を提供するもので、本発明によ
れば手動的な中間作業をなんら必要としないばか
りでなく、物品を見ないで、即ち外部から監視し
ないで作動するものである。

本発明の拾い上げ装置は、殊にコンテナから不
定形の物品を別々にかつ選択して拾い上げる為の
ものである。従つて前以つて物品を詰めこんでお
く必要はない。又本発明の拾い上げ装置は一時に
唯一つの物品を拾い上げることが可能である。

従来、このような作業をするためには困難で微
妙な行程を必要とした。締め具、掴持具等の多く
の公知の処理装置は所定の輪郭、形状の物品を拾
い上げることができるが、失敗なしに一時に単一
の物品を拾い上げることの保証がなく、又確実に
物品を選択することができなかつた。

本発明の装置は、織物或は成形フイルムのよう
な軟質で締りのない包材で包まれた物品を拾い上
げるのに適している。本発明の装置はいかなる種
類の物品にも適用させることができる。即ち対象
の物品が軟質或は締りのないものではない場合に
は、該物品を軟質或は締りのない包材で包んで本
装置で処理できるようにする。

〔実施例〕

第１図は本発明の拾い上げ装置の種々の構成要
素を示す。

最初に物品１をコンテナ２内に集める。これら
の物品はコンテナ内に不規則に配列され、物品そ
れ自体或は包装した包材のために変形し易い。

装置は、コンテナ２を置いた貯蔵室或は倉庫等
内を移動できるように可動の処理アーム３を備え
ていて、選択した物品をコンテナから拾い上げ
る。このため処理アーム３はコンテナ内に下降で
きるようにされている。

処理アーム３は第１図に矢印４に示すように垂
直方向に可動である。処理アーム３で行なう其他
の運動は拾い上げ装置のそばに設置した駆動手段
により行なう。この装置はコンテナから一時に単
一の物品を拾い上げるように構成されている。物
品を拾い上げた後に、当業技術者が公知の手段に
より拾い上げた物品を所定の位置即ち所定のステ
ーシヨンに向けて移動させる。上記の補足的な移
動は必ずしも処理アーム３で行なう必要はない。

装置はまた一対の車５，６を備え、両車の母面
は互に押圧している。車５，６を回転させる駆動
手段（図示せず）を設ける。

第２ａ〜第２ｃ図は拾い上げ作動の工程を示す
ものである。最切にアーム３は第２ａ図の矢印７
で示すように下降する。このアーム３は始めはコ
ンテナ２の上方に配設されていて、アーム３の下
降移動中にコンテナ内に不規則に配列された物品
１に車５，６が接触する。予めコンテナ内に堆積
された物品１の山の頂部に車５，６が置かれる。

この予備的移動即ち接近移動の終りに駆動手段
が作動して第２ｂ図に矢印９で示すように車５と
６を互に反対方向に回転させて、物品８を車５，
６間に挟持する。その結果物品８は取るにたりな
いねじれを受ける。これは前述したようにそれ自
体が軟質で締りのないものであり、或はその表面
がプラスチツク製袋等の軟かい包材で包まれた物
品に車５，６が作用するためである。変形性があ
るので物品８は車５，６間に挟持される。挟持作
用を容易にするために、ゴム或は適宜のプラスチ
ツク等の摩擦係数の高い材料で車５，６の周面を
被覆すると好都合である。

車５，６は互に離隔状に移動できるように設け
られているので、両者の間に物品８を挿入するこ
とができる。夫々の車により生ずる挟持圧力は拾
い上げるべき物品の型式により調節する。比較的
重い物品を挟持する場合には両車間に比較的大き
な圧力を生ぜしめることが好ましい。又セーター
やコートのような比較的薄い物品を挟持する場合
には上記の圧力をより小さく限定して、なんらの
不利益も起さないで車５，６を互に離隔状に移動
させその間に薄い物品を導入する。

第２ｃ図に示すように車５，６間に物品８を挟
持して拾い上げると、処理アーム３が持ち揚げら
れる。この複合した運動は不定形物品１の山から
単一の物品８を拾い上げることに対応して行なわ
れる。

車５，６間に物品８を挟持したことは、種々の
公知の手段、特に車５，６間に配設した光学的手
段を用いて検知し、車５，６間に他の物品が存在
するかどうかをしらべる。

上記と別の手段を使用することができる。例え
ば車５，６間の相対的間隔を検知して、両車間に
物品を在ることの信号を送ることができる。また
電気的に導伝性のある材料で出来た車５，６を使
用して、これらの車を通して電流を直列状に流
し、両車間に非導伝性の物品又は材料が挟まれる
と電流を遮断して駆動手段を消勢化することがで
きる。

前述したように、装置は一時に唯一つの物品を
拾い上げることが必要であり、このために挟持面
積が極めて小さい装置を使用せねばならない。挟
持面積は車５，６の回転軸線間の領域即ち車の幅
により決まる。

実験の結果、直径が２〜10mmの範囲で幅が３cm
程度の車の使用が好適であることが判明した。

比較的小径の車を使用すると挟持作用の精度が
向上し、又一時に二つ以上の物品を拾い上げる危
険性が極度に低下する。しかし余り小径にすると
装置の剛性の上で好ましくない。

従つて第３図に示す好ましい実施例ではテーパ
状の車又はローラ５，６が使用される。

直径３mm程度の小径の車を使用すると、駆動と
物品の初期挟持が容易となる。その理由は、両車
と拾い上げるべき物品間の接触点間の距離及び挟
持作用をする両車間の接触領域が短いためであ
る。

直径を８〜10mmに大きくすると装置の剛性及び
機械的強度を増す利点があるのみならず物品の挟
持が確実になる。

従つて円錐状の車５，６を用いると小径の車の
利点と大径の車の利点を兼ね備えることができ
る。

上述した実施例においては、両車の回転軸線は
ほぼ水平である。しかしこれらの車を水平面に対
して角度をなすように配列して挟持面積を減じ
て、これによつて一時に一つより多い物品を拾い
上げる危険を減少させることができる。

本発明の拾い上げ装置は外部から見ないで実施
するように計画したものであるので、処理アーム
３をコンテナ２内に下降させた時に該コンテナ内
に置いた物品１に車５，６が接触することが必要
である。このことは第１図に示すようにコンテナ
を上方に拡開した形状にすることにより得られ
る。より詳しくは母面が下方を向いたピラミツド
状又は円錐状コンテナを使用すると好都合であ
る。

又コンテナ２内の物品が、例えばコンテナ側壁
の不充分な傾斜によつて第１図の符号９の位置に
残らないようにすることが望ましい。それ故本発
明の拾い上げ装置にプツシヤ手段１０を設けて、
不幸にしてコンテナ２の内壁に付着した物品をコ
ンテナの底部に向けて押し戻すようにすると好都
合である。

第１図に示すようにこのプツシヤ手段１０の代
表的なものは、処理アーム３に沿つて摺動する口
金１１と該口金の周縁に設けたフオーク状部材１
２とを備え、フオーク状部材１２の少なくとも先
端を適宜の可撓性材料で形成し、コンテナ２の内
面を効果的に掃除して該内面に付着し易い物品を
払い落すと好都合である。

プツシヤ手段１０であるので、ホツパー及び類
似物を操作する人達の間で公知の所謂架橋効果の
発生を防止することができる。

当業者にとつて、本発明の基本原理から外れる
ことなくこの外の実施例を工夫し得ることは云う
までもない。

又挟持又は拾い上げ効果は、拾い上げるべき物
品を両車５，６間に引寄せるために両車上に空気
吸引装置を設けることにより改良することができ
る。この吸引装置は車の回転と同期して作動し、
物品が両車の間に挟まれるのを停止する。

又、プーリ間に二つ以上の無端ベルトを設け、
一方の無端ベルトの一端を他方の無端ベルトの側
に平行にかつ互に接して配設する。このようにし
て両無端ベルトを作動させて両無端ベルト間に物
品を挟持することができる。

本発明の装置で拾い上げた物品は、次いで単に
車を逆方向に回転させて両車間から解放すること
ができる。

【図面の簡単な説明】

第１図は本発明の拾い上げ装置の概略垂直断面
図、第２ａ，２ｂ，２ｃ図は本発明の装置の各工
程を示す概略図、第３図は本発明にかかる拾い上
げ装置の一対の車の実施例を示す概略図である。 １，８……物品、２……コンテナ、３……処理
アーム、５，６……車、１０，１２……フオーク
状部材、１１……口金。

Claims (1)

1. 【特許請求の範囲】 １ 一時に唯一つの不定形物品を拾い上げる装置
   であつて、上記不定形物品が織物のように固有の
   柔軟性を有するか又はプラスチツクフイルム製の
   袋のような柔軟な包体に包装され、上記の不定形
   物品が、接近し易いように上部に開口を有する朝
   顔形のコンテナ内に配設されたものにおいて、コ
   ンテナから唯一つの物品を拾い上げるべく上記コ
   ンテナの開口を通して垂直に下降できる操縦可能
   な処理アームと、上記処理アームの下端に回転可
   能に設けられた一対の小径円柱状の車とを備え、
   上記夫々の車は上記処理アームの垂直下降方向に
   略直角な直面及び回転軸線を有すると共に車の周
   面が互いに押し合いかつ物品を両車間に挿入する
   ことにより互いに離隔するように互いに弾撥的に
   設けられ、又上記両車を互いに反対方向に連続的
   に回転させて上記物品又は袋を両車間に挾むよう
   に駆動する駆動手段と、両者間に挾まれた上記物
   品の有無を検知して両車の回転を停止させるよう
   に上記駆動手段を制御する制御手段とを備えたこ
   とを特徴とする不定形物品を拾い上げる装置。 ２ 円柱状車の直径が約５〜15mmで、その幅が約
   ５mmである特許請求の範囲第１項に記載の装置。 ３ 上記車が導電性であり、上記制御手段が、上
   記両車が互いに電気的に接触しているかどうかを
   検知する検知手段を備えた特許請求の範囲第１項
   に記載の装置。 ４ 上記車間に物品又は袋が存在すること或は車
   間の間隔を光学的手段で検知する検知装置を設け
   て、上記駆動手段の作動を停止させた特許請求の
   範囲第１項に記載の装置。 ５ 上記両者の間に上記物品又は袋を引込むよう
   に吸引力を作用させる吸引手段を設けた特許請性
   の範囲第１項に記載の装置。 ６ 上記物品をコンテナの底に向けて押戻すプツ
   シヤ手段を設け、該プツシヤ手段が、上記処理ア
   ーム上に摺動状に設けた口金と、該口金から延び
   ると共に上記コンテナ内の物品と係合可能な可撓
   性フオーク状部材とを備えて、該物品をコンテナ
   の底部に向けて押戻した特許請求の範囲第１項に
   記載の装置。