JPH11278658A - 農産物の供給装置 - Google Patents

農産物の供給装置

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JPH11278658A
JPH11278658A JP9846598A JP9846598A JPH11278658A JP H11278658 A JPH11278658 A JP H11278658A JP 9846598 A JP9846598 A JP 9846598A JP 9846598 A JP9846598 A JP 9846598A JP H11278658 A JPH11278658 A JP H11278658A
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JP
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suction
agricultural products
negative pressure
agricultural product
container
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Application number
JP9846598A
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Sadayasu Sato
定泰 佐藤
Hiroyoshi Matsuo
浩兆 松尾
Yasuhiko Kume
靖彦 久米
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Maki Manufacturing Co Ltd
Original Assignee
Maki Manufacturing Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】容器に収容された農産物の傷みを防止しなが
ら、容器内から農産物を確実に取り出して処理コンベア
に安定して供給し得ると共に、供給装置自体の低コスト
化が図れる農産物の供給装置を提供する。 【解決手段】容器内に収容された農産物を吸着して取り
上げる取上手段を備え、該取上手段で取り上げた農産物
を移動させて処理コンベアの前段に供給する農産物の供
給装置であって、取上手段は、農産物を負圧によって吸
着保持するための複数の吸引口が穿設された板状の吸着
パッドと、負圧を生じさせる負圧発生装置に接続された
負圧吸引室と、この負圧吸引室と吸着パッドとの間で吸
引口に対応して設けられた蛇腹状の通気管と、この通気
管と負圧吸引室の間に設けられ農産物の有無に応じて開
閉し得る弁機構と、を具備することを特徴とする。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、農産物の選別包装
施設(選果場)において用いられるもので、選果場に持
ち込まれた容器内の農産物を、容器を反転させることな
く取り出して選別コンベアの始端側に供給し得る農産物
の供給装置に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、胡瓜や茄子等の長物農産物の選果
場への持ち込みはコンテナ(容器)によって行われるの
が一般的である。そして、このコンテナ内の農産物の選
別コンベアへの供給作業は手作業に頼ることが多いが、
例えば特開平8−104420号公報に開示されている
ように、農産物入りのコンテナを搬送コンベア上で反転
させ、その後、コンテナを上方に持ち上げて搬送コンベ
ア上に農産物のみを供給するようにしたコンテナ反転式
の供給装置が一部で採用されている。
【0003】ところが、このコンテナ反転式の供給装置
にあっては、コンテナの反転時に農産物を傷付ける虞が
あり、外表面が軟弱な農産物や傷み易い農産物には採用
することができない。また、農産物が胡瓜や茄子等の長
物農産物の場合には、コンテナを反転させた際やコンテ
ナを引き上げた際に、長物農産物が搬送コンベア上で転
がるため、その向きや整列がスムーズに行われなかった
り、あるいは、搬送コンベア上で胡瓜等が交差した状態
になると、搬送コンベアを乗り継ぎさせて隔離しようと
してもなかなか離れず、人手による手直し作業が必要と
なる。
【0004】また、農産物入りのコンテナを搬送コンベ
ア上に伏せた後、コンテナのみを引き上げて農産物を搬
送コンベア上に放出するので、農産物が搬送コンベア上
で山盛り状態となり、この山を搬送コンベアを多数乗り
継がせて平坦化しなければならず、搬送コンベアの数が
多くなって、全体として供給装置と選別コンベアとの間
の搬送コンベアの機長が長くなることになる。
【0005】このような背景から、近時では、図11に
示すように、多数の吸着パッド103を横に並べてコン
テナ6内の胡瓜W等の農産物を一括吸着して取り出すよ
うに構成した供給装置101が、コンテナ6を反転させ
ないで農産物を取り出す方式として知られている。この
供給装置101は、一枚の板体102の下面に一つの吸
引装置に接続された多数の蛇腹状の吸着パッド103を
取り付け、板体102を移動機構104により下降させ
て、吸着パッド103を胡瓜Wにそれぞれ接触させ、吸
引装置を作動させることによって吸着パッド103で胡
瓜Wを吸着し、その後、移動機構104により板体10
2を上昇させることによって、胡瓜Wをコンテナ6内か
ら取り出すように構成したものである。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、この供
給装置101にあっては、多数の蛇腹状の吸着パッド1
03で胡瓜Wをそれぞれ吸着する方式であるため、吸着
ミスが発生し易く、コンテナ6から選別コンベアに接続
されている供給コンベアへの胡瓜Wの確実かつ安定した
供給が困難であるという問題点があった。
【0007】すなわち、コンテナ6内に詰められること
により収容された胡瓜Wは、大きさ(高さ)、形状及び
配列等が一定でないため、多数備えた吸着パッド103
のうちでも胡瓜Wを吸着しきれない吸着パッド103
(空き吸着パッド103という)が生じることになる。
この空き吸着パッド103が吸引装置で常時吸引される
ことにより、この空き吸着パッド103が真空破壊によ
り破る場合があり、そのため、供給装置101全体の吸
引力が弱くなって、胡瓜Wに接触している吸着パッド1
03であっても、胡瓜Wを吸着しきれなかったり、ある
いは吸着しても吸着強度が弱いことから胡瓜Wを移送途
中で落下させてしまう場合がある。
【0008】また、上記の供給装置101にあっては、
吸着パッド103の数を多くしていずれかの吸着パッド
103で胡瓜Wを吸着しようとするものであるが、吸着
パッド103の数が増えればコンテナ6の大きさが特定
化されていることから、各吸着パッド103の下端開口
部が必然的に小さくなり、吸着パッド103の1個当た
りで保持し得る重量も制限され、吸着パッド103によ
る胡瓜Wの吸着が不確実となり易い。さらに、吸着パッ
ド103の下端開口部が胡瓜Wの上面に丁度接触した際
には、その開口部がつぶれることはないが、吸着パッド
103が隣り合う胡瓜Wの谷間等の複雑な凹凸面に接触
した際には、開口部の一部が内側に折れ曲がったり、あ
るいは開口部全体が極端に変形してつぶれてしまう場合
がある。
【0009】つまり、上記供給装置101のように、多
数の吸着パッド103で胡瓜W等の農産物を吸着する場
合には、多数の吸着パッド103の配列に合わせて予め
農産物を配列させることによって、最大の吸引力を発生
することができ、供給装置として好ましく採用できるも
のの、コンテナ6内に詰められた胡瓜Wのように所定の
配列で収容させることが難しい農産物を取り出す場合に
は、各吸着パッド103による吸着ミスが生じ易くな
る。これらのことから、コンテナ6内から供給コンベア
への胡瓜Wの確実かつ安定した供給が困難になるわけで
ある。
【0010】また、前述したように胡瓜Wのコンテナ6
から供給コンベアへの供給が確実でないことから、取り
出しミスによりコンテナ6内に残っている胡瓜Wを手作
業によって取り出したり、あるいは供給コンベア上に供
給された胡瓜Wの向き揃え等の手直し作業が必要となる
と共に、供給装置101による供給作業の安定性が劣る
ことから、コンテナ6の供給から選別コンベア上への胡
瓜Wの供給までの作業の自動化を図ることが現実的な困
難であるという問題点があった。さらに、上記供給装置
101にあっては、空き吸着パッド103の発生によ
り、他の吸着パッド103の吸着力が低下し易いことか
ら、吸引装置に比較的大きな吸引力が得られる大容量の
ものが必要となり、供給装置101自体がコスト高にな
り易いという問題点もあった。
【0011】本発明はこのような事情に鑑みてなされた
もので、請求項1ないし3記載の発明の目的は、容器に
収容された農産物の傷みを防止しながら、容器内から農
産物を確実に取り出して処理コンベアに安定して供給し
得ると共に、供給装置自体の低コスト化が図れる農産物
の供給装置を提供することにある。また、請求項4記載
の発明の目的は、請求項2または3記載の発明の目的に
加え、吸引口を農産物の表面に良好に接触させ得て、農
産物の吸着をより確実に行い得る農産物の供給装置を提
供することにある。また、請求項5記載の発明の目的
は、請求項2ないし4記載の発明の目的に加え、吸着パ
ッドの広い面積を農産物に接触させ得て、吸着度合いを
高め得る農産物の供給装置を提供することにある。
【0012】また、請求項6記載の発明の目的は、請求
項1ないし5記載の発明の目的に加え、農産物の有無に
応じた弁機構の開閉動作を正確に行い得ると共に、その
構成を簡略化し得る農産物の供給装置を提供することに
ある。また、請求項7記載の発明の目的は、請求項6記
載の発明の目的に加え、吸着した農産物を確実に保持し
て処理コンベア上により安定して供給し得る農産物の供
給装置を提供することにある。また、請求項8記載の発
明の目的は、請求項6または7記載の発明の目的に加
え、当接部材による農産物への傷付きを確実に防止し得
ると共に、農産物の有無を正確に検出し得る農産物の供
給装置を提供することにある。また、請求項9記載の発
明の目的は、請求項1ないし8記載の発明の目的に加
え、農産物の処理コンベア上への供給作業の効率を向上
させ得る農産物の供給装置を提供し、また、請求項10
記載の発明の目的は、請求項1ないし9記載の発明の目
的に加え、容器内の農産物をより確実に取り上げること
ができる農産物の供給装置を提供することにある。
【0013】
【課題を解決するための手段】かかる目的を達成すべ
く、本発明のうち請求項1記載の発明は、容器内に収容
された農産物を吸着して取り上げる取上手段を備え、該
取上手段で取り上げた農産物を移動させて処理コンベア
の前段に供給する農産物の供給装置であって、取上手段
は、農産物を負圧によって吸着保持するための開口され
た複数の吸引部を有し、各吸引部と負圧を生じさせる負
圧発生装置とを連通する各通路の途中に、農産物の有無
に応じて開閉し得る弁機構をそれぞれ設けたことを特徴
とする。
【0014】このように構成することにより、取上手段
の複数の吸引部のうち容器内の農産物に接触している吸
引部は、該吸引部と負圧発生装置との間の通路に設けら
れた弁機構が開き、負圧発生装置によって吸引部内が負
圧にされることにより農産物が吸着される。一方、多数
の吸引部のうち農産物に接触しない吸引部は、弁機構が
閉じた状態となって対応する吸引部が負圧になることは
ない。つまり、取上手段の多数の吸引部は、農産物に接
触するかしないかの農産物の有無に応じて弁機構が開閉
し、農産物に接触している吸引部内のみを負圧にして対
応する農産物を吸着する。
【0015】これにより、農産物に接触していない吸引
部が農産物に接触している吸引部内の吸引力に悪影響を
及ぼすことがなくなり、容器内に不揃いな状態で収容さ
れている農産物であっても、対応する各吸引部に接触し
ている農産物のみを確実に吸着保持して、処理コンベア
上の前段に安定して供給される。また、農産物が接触し
ない吸引部は閉じた状態の弁機構によって負圧にされる
ことがないため、負圧発生装置の容量を極力小さくし得
て、供給装置自体の低コスト化が図れる。
【0016】また、請求項2記載の発明は、容器内に収
容された農産物を吸着して取り上げる取上手段を備え、
該取上手段で取り上げた農産物を移動させて処理コンベ
アの前段に供給する農産物の供給装置であって、取上手
段は、農産物を負圧によって吸着保持するための複数の
吸引口が穿設された板状の吸着パッドを有し、該吸着パ
ッドの各吸引口と負圧を生じさせる負圧発生装置とを連
通する各通路の途中に、農産物の有無に応じて開閉し得
る弁機構をそれぞれ設けたことを特徴とする。
【0017】このように構成することにより、取上手段
の板状の吸着パッドに複数穿設されている吸引口のう
ち、容器内の農産物に接触している各吸引口は、該吸引
口と負圧発生装置との間の通路に設けられた弁機構が開
き、負圧発生装置によって吸引口内が負圧にされること
により農産物が吸着され、農産物に接触しない吸引口
は、弁機構が閉じた状態となって対応する吸引口内が負
圧になることはない。これにより、請求項1記載の発明
と同様に、農産物が接触している吸着パッドの吸引口の
みを吸引させて農産物を吸着でき、吸着パッドの各吸口
部に農産物が確実に吸着保持されて、処理コンベア上の
前段に安定して供給される。
【0018】また、請求項3記載の発明は、容器内に収
容された農産物を吸着して取り上げる取上手段を備え、
該取上手段で取り上げた農産物を移動させて処理コンベ
アの前段に供給する農産物の供給装置であって、取上手
段は、農産物を負圧によって吸着保持するための複数の
吸引口が穿設された板状の吸着パッドと、負圧を生じさ
せる負圧発生装置に接続された負圧吸引室と、この負圧
吸引室と吸着パッドとの間で吸引口に対応して設けられ
た蛇腹状の通気管と、この通気管と負圧吸引室の間に設
けられ農産物の有無に応じて開閉し得る弁機構と、を具
備することを特徴とする。
【0019】このように構成することにより、取上手段
の板状の吸着パッドに穿設された複数の吸引部のうち、
容器内の農産物に接触している各吸引口は、該吸引口に
対応した弁機構が開き、負圧発生装置によって負圧吸引
室を介して蛇腹状の通気管内が負圧にされることにより
吸引口に農産物が吸着され、農産物に接触しない吸引口
は、弁機構が閉じた状態となって、負圧吸引室は負圧に
なるものの閉じた弁機構により対応する通気管内が負圧
になることはない。これにより、請求項1記載の発明と
同様に、農産物に接触している吸引口に対応した通気管
のみが吸引されて農産物を吸着でき、吸着パッドの吸引
口に農産物が確実に吸着保持されて、処理コンベア上の
前段に安定して供給される。
【0020】また、請求項4記載の発明は、吸着パッド
が弾性部材で形成されていることを特徴とする。このよ
うに構成することにより、農産物の外表面に当接する吸
着パッドの吸引部は、弾性部材からなる吸着パッドが農
産物の外形形状に対応して変形し得るため、各吸引部に
よって農産物がより確実に吸着される。
【0021】また、請求項5記載の発明は、吸着パッド
が、一列状に並べられた農産物を一括して取り上げるた
めに、所定幅と所定長さの平板状に形成されていること
を特徴とする。このように構成することにより、平板状
の吸着パッドの比較的広い面積が農産物の表面に接触
し、吸着パッドによる農産物の吸着度合いがより高めら
れる。
【0022】また、請求項6記載の発明は、弁機構が、
通路を開閉する弁及び該弁に一体化され農産物に当接可
能な当接部材を有し、当接部材が農産物に当接した際に
は弁が開いて通路を開き、当接部材が農産物に当接しな
い場合には弁が閉じて通路を塞ぐように構成されている
ことを特徴とする。このように構成することにより、弁
機構の当接部材が農産物に接触した場合には、弁が開い
て通路内を負圧することにより対応する農産物が吸着さ
れ、当接部材が農産物に接触しない場合には、弁が閉じ
るため通路内が負圧になることはない。これにより、当
接部材で農産物の有無を検出することができて、農産物
の有無に応じた弁機構の開閉動作を正確に行うことがで
きると共に、一体化された弁と当接部材によって弁機構
の構成の簡略化が図れる。
【0023】また、請求項7記載の発明は、弁機構が、
弁によって通路を塞いだ際にこの状態を保持し得る保持
手段を有することを特徴とする。このように構成するこ
とにより、閉状態の弁は保持手段で閉状態に維持される
ことから、当接部材が農産物に当接していない弁が負圧
によって開くことがなく、当接部材が農産物に当接して
いる吸引部等によって農産物がより確実に吸着保持さ
れ、処理コンベア上に安定して供給される。
【0024】また、請求項8記載の発明は、弁機構の当
接部材が、付勢手段によって農産物の外表面に所定圧で
当接し得るように付勢されていることを特徴とする。こ
のように構成することにより、農産物の有無を検出する
当接部材は、付勢手段により所定の圧力で農産物に当接
し得るように付勢されており、当接部材の農産物への当
接が良好となって当接部材による農産物の傷付き等が防
止されると共に、各吸引口に対応する農産物の有無の検
出がより正確となる。
【0025】また、請求項9記載の発明は、取上手段
が、容器内の農産物を同時に一括して多数取り上げるよ
うに構成されていることを特徴とする。このように構成
することにより、容器内の農産物を取上手段で一括して
取り上げることができて、農産物の処理コンベア上への
供給作業が効率化される。
【0026】また、請求項10記載の発明は、取上手段
が、容器内に入り込んで農産物を取り上げる際に、容器
の内面に沿って転動し得るガイドローラを有することを
特徴とする。このように構成することにより、容器の変
形等による寸法誤差が転動可能なガイドローラによって
吸収され、取上手段を容器内に確実に入り込ませること
ができて、容器内の農産物が取上手段でより確実に取り
上げられる。
【0027】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態の一例
を図面に基づいて詳細に説明する。図1〜図8は、本発
明に係わる農産物の供給装置の一実施例を示し、図1が
供給装置が設置される選果場ラインの一部を示す平面
図、図2が図1のA−A矢視図、図3が図1のB−B矢
視図、図4が図3の要部拡大図、図5が図1のC−C矢
視図、図6が図5のD−D矢視図、図7が弁機構の動作
説明図、図8が吸着パッドの平面図である。
【0028】図1において、供給装置1は、コンテナ供
給コンベア2に例えば直交する方向に設けられた複数列
(図では2列)のコンテナ貯留コンベア3に近接してそ
れぞれ設けられ、このコンテナ貯留コンベア3の供給装
置1の下流側には、コンテナ降下装置4を介して、空の
コンテナを搬送する空コンテナ搬送コンベア5が接続さ
れている。また、コンテナ貯留コンベア3の供給装置1
が設置される側と反対側には、コンテナ6内の胡瓜Wを
搬送する供給コンベア7の最上流側がそれぞれ接続さ
れ、この供給コンベア7の下流側には、選別コンベア8
がそれぞれ接続されている。
【0029】供給コンベア7は、図2に示すように、そ
の上流側から移載コンベア9、定数供給コンベア10、
密着コンベア11及びタイミングコンベア12を有し、
タイミングコンベア12の下流側に多数のバケット8a
を有する選別コンベア8が接続されている。また、供給
コンベア7の移載コンベア9には、その搬送方向に沿い
かつ斜め方向に向けて例えば3つのセンサ13a〜13
cが配置され、定数供給コンベア10には、その上流側
に胡瓜Wの有無を検出するセンサ13dが、また下流側
に胡瓜Wを計数するセンサ13eが配置されている。
【0030】そして、センサ13a〜13cによって移
載コンベア9上の胡瓜Wの有無を検出し、図示しない制
御部の制御信号により後述するロボット20の作動を制
御すると共に、センサ13dによって定数供給コンベア
10上の胡瓜Wの有無を検出し、センサ13dに接続さ
れた制御部15の制御信号により、移載コンベア駆動用
のモータ17を制御して、移載コンベア9から定数供給
コンベア10に搬送される胡瓜Wを前後方向に略等間隔
(密着状態)にさせる。また、センサ13eの検知信号
により、制御部14を介して定数供給コンベア駆動用の
モータ16を制御して、定数の胡瓜Wを次工程である密
着コンベア11に供給する如く構成されている。
【0031】前記供給装置1は、図3〜図6に示すよう
に、取上手段を形成し得る多関節型のロボット20を有
し、このロボット20のアーム21の先端には、所定長
さの固定板22が連結固定され、この固定板22の長手
方向の両側には、一対のロッド23がそれぞれ上下動可
能に設けられている。このロッド23の下端には板体2
4がそれぞれ固定され、この板体24の下面に、4本の
連結ロッド25を介して吸引ケース26がそれぞれ連結
固定されている。なお、図4に示す符号19は、ロボッ
ト20の動作(アーム21の下降動作)の際に、後述す
る吸着パッド39が胡瓜Wに当接した時にこれを検出す
る位置検出センサであり、この位置検出センサ19の検
出によって、ロボット20のアーム21の下降動作を停
止するようになっている。
【0032】この吸引ケース26にはダクト連結具27
の一端が固定され、このダクト連結具27の他端は、可
撓性ダクト33(図4参照)を介して、例えばロボット
が設置される筐体内に配置された、真空ポンプまたはブ
ロアー等からなる負圧発生装置28(図3参照)に接続
されている。また、吸引ケース26の上面には多数本の
エアシリンダ29(もしくは電磁ソレノイド)が、図6
に示すように平面視千鳥状に取り付けられ、このエアシ
リンダ29のプランジャ30が吸引ケース26内の負圧
吸引室31内を貫通する状態で配置されると共に、負圧
吸引室31内のプランジャ30の所定位置には弁機構3
2が取り付けられている。
【0033】この弁機構32は、図7に示すように、プ
ランジャ30の所定位置にマグネット支持板35及びダ
ブルナット36によって固定された、弁としてのマグネ
ット34を有している。このマグネット34がプランジ
ャ30の下降により、その磁力で吸引ケース26の鉄板
製の下壁26a内面に吸着することにより、各マグネッ
ト34に対応した下壁26aの通孔37が閉塞されて対
応する弁機構32が閉じると共に、この閉状態がマグネ
ット34の磁力によって保持される。
【0034】また、プランジャ30が上昇することによ
り、各マグネット34が吸引ケース26の下壁26a内
面から離れて通孔37が開いて対応する弁機構32が開
くことになる。なお、マグネット34の磁力は、後述す
る如く負圧吸引室31内が負圧にされた場合に、吸引ケ
ース26の下壁26aから離れず、弁機構32を閉状態
に保持し得るように設定されている。
【0035】また、吸引ケース26の下壁26aに設け
られる通孔37の下面には、通気管としての蛇腹38の
上端がそれぞれ連結され、この蛇腹38の下端には吸着
パッド39が連結されている。この吸着パッド39は、
例えばゴム、スポンジ等の弾性部材でかつ通気性のない
材質によって、図8に示すように、所定の幅wと長さl
及び板厚t(図7参照)を有する平板状に形成され、吸
引ケース26の通孔37と対応する位置には、所定内径
の円形孔からなる吸引口40が平面視千鳥状に多数穿設
されている。
【0036】この吸着パッド39と蛇腹38の連結は、
図7に示すように、吸着パッド39の吸引口40の周縁
部に設けたフック形状の係止部41に、蛇腹38の下端
開口部の周縁に形成された係止部42を嵌合係止させる
ことによって行われ、また、蛇腹38の上端と吸引ケー
ス26の下壁26aとの連結も、同様の構造の係止部4
1と係止部42との嵌合係止によって行われている。こ
の連結構造は一例であって、例えば接着剤やねじ締め等
によって連結固定することもできる。
【0037】なお、プランジャ30の下端30aと蛇腹
38及び吸着パッド39の位置関係は、図7のプランジ
ャ30Aに示すように、マグネット34が吸引ケース2
6の下壁26a内面に吸着した最下端位置(対応する弁
機構32が閉じた位置)において、プランジャ30Aの
下端30aが吸着パッド39の下面より寸法h下方に突
出するように設定されている。このプランジャ30Aの
下端30aの位置は、弁機構32の開閉と胡瓜Wの有無
との関係を判り易くするために、本例の図面では吸着パ
ッド39の下面より下方に突出させているが、この下端
30aの位置は本例に限定されるものではなく、吸引動
作時の吸着パッド39及び蛇腹38の弾性変形(縮む)
程度によって、吸着パッド39の下面と同一かあるいは
若干上方に入り込んでも良い。要は、胡瓜Wが吸着パッ
ド39の吸引口40に接してプランジャ30Aの下端3
0aが胡瓜Wに当接した時に、マグネット34が通孔3
7を閉じない位置関係を構成すれば良い。
【0038】また、吸引ケース26の外面の4隅の下部
には、図5及び図6に示すように、吸引ケース26のコ
ンテナ6内への上方からの進入時に、コンテナ6の内面
6aに当接して転動するガイドローラ43がそれぞれ回
転自在に取り付けられている。なお、前記ロボット20
の固定板22の両側に取り付けたロッド23の間隔は、
その下部に設けられた2つの吸引ケース26が、連接さ
れた2個のコンテナ6内にそれぞれ位置し得るように設
定され、また、吸引ケース26の幅は、コンテナ6の幅
より所定寸法小さく設定されている。さらに、コンテナ
6は合成樹脂の成型品によって形成され、その内部に
は、必要に応じて仕切6bが設けられ、胡瓜Wが2列で
複数段積層状態で収容され得る大きさに設定されてい
る。
【0039】次に、上記供給装置1の動作の一例につい
て説明する。先ず、多数本の胡瓜Wが略積層状態で詰め
られたコンテナ6は、コンテナ供給コンベア2からコン
テナ貯留コンベア3で搬送されて、コンテナ貯留コンベ
ア3の供給装置1部分に設けられた一対のストッパ4
4、45(図1参照)のうち、下流側のストッパ44に
当接して2個のコンテナ6が連接した状態で停止する。
この停止位置で、ロボット20の作動により、アーム2
1が手元側(反供給コンベア7側)に位置した状態で、
固定板22、ロッド23、板体24及び連結ロッド25
を介して、図3の二点鎖線で示すように吸引ケース26
がそれぞれ下降する。
【0040】この各吸引ケース26の下降により、吸着
パッド39の下面が各コンテナ6の一方の列側に横並び
状態で収容されている最上段の各胡瓜Wに接触する。こ
の時、エアシリンダ29も吸引ケース26の下降と略同
時に作動して、プランジャ30の下端30aが蛇腹38
内部及び吸着パッド39の吸引口40内に徐々に進入す
る。なお、エアシリンダ29の作動力は、プランジャ3
0を作動させた時に、マグネット34が通孔37に到達
できる程度の最小圧力であれば良く、マグネット34が
通孔37に到達した際にはその作動を止めるように制御
する。そして、このプランジャ30の最下端位置が吸引
口40から寸法h下方に突出する如く設定されているこ
とから、図7のプランジャ30Bのように、その下方に
胡瓜Wがある場合は、プランジャ30Bの下端30aが
吸着パッド39の下面から突出した時点で胡瓜Wの上面
に接触する。
【0041】このプランジャ30Bの下端30aが胡瓜
Wに接触することで、マグネット34が吸引ケース26
の下壁26aに吸着することがなく、下壁26aの通孔
37が開口した弁機構32が開いた状態が維持される。
この状態において、負圧発生装置28の作動によりダク
ト27、負圧吸引室31、通孔37を介して、図7の矢
印イの如く蛇腹38内が吸引されて負圧となり、この負
圧によって吸着パット39の吸引口40に胡瓜Wが吸着
される。なお、負圧発生装置28は、供給装置1の運転
動作と合わせて常時作動させておき、適宜なバルブ回路
等(図示せず)により、負圧吸引室31等の負圧制御を
することもできる。
【0042】一方、図7のプランジャ30Aのように、
その下方に胡瓜Wがない場合には、吸引ケース26の下
降と略同時に、プランジャ30Aの下端30aが蛇腹3
8及び吸着パッド39の吸引口40を貫通した状態で最
下端位置まで下降し、マグネット34がその磁力によっ
て吸引ケース26の下壁26a内面に吸着する。これに
より、プランジャ30Aに対応した通孔37がマグネッ
ト34で閉塞されて弁機構32が閉じた状態となる。こ
の状態においては、負圧吸引室31内が負圧にされて
も、予め設定されているマグネット34の磁力によって
弁機構32が開くことがないため、対応する蛇腹38内
が負圧になることはない。
【0043】つまり、吸引ケース26の下降と略同時に
下降するプランジャ30の下端30aが胡瓜Wに接触す
るか否かによって、吸着パッド39の各吸引口40に対
応した胡瓜Wの存在状態(有るか無いか)を検出するこ
とができ、この検出結果に基づいて、胡瓜Wが有る場合
は、プランジャ30Bが胡瓜Wに当接して弁機構32が
開いた状態となり、胡瓜Wが無い場合はプランジャ30
Aが最下端位置まで下降して弁機構32が閉じた状態と
なる。
【0044】そして、吸引口40に吸着された胡瓜W
は、図7に示すように、吸着パッド39の吸引口40部
分が弾性変形しつつ吸引口40に密着して吸着され、こ
の状態で、図3の矢印ロの如く、ロボット20のアーム
21が上昇すると共に前方に移動しさらに下降すること
により、供給コンベア7上まで移送される。この位置で
負圧発生装置28の作動が停止あるいは負圧回路が切断
されることにより、吸着パッド39による胡瓜Wの吸着
状態が解除され、供給コンベア7上に多数本の胡瓜Wが
同時に横並び状態で載置(供給)される。この吸着状態
の解除に合わせて弁機構32のマグネット34を、図7
の二点鎖線位置まで復帰させるようにエアシリンダ29
を作動させる。
【0045】なお、エアシリンダ29の作動、すなわち
プランジャ30の下降動作は、吸引ケース26の下降と
略同時ではなく、例えば予め最下端位置(弁機構32が
閉じた位置)に設定し、この位置に胡瓜Wが場合にの
み、弁機構32が開くように構成する等、適宜に設定す
ることができる。
【0046】この作業を繰り返すことにより、各コンテ
ナ6内の手元側の列の胡瓜Wが全て取り出され供給コン
ベア7上に供給されたら、各コンテナ6内の手前側(供
給コンベア7側)の列の胡瓜を同様にして取り出し供給
コンベア7上に供給する。なお、この取り出し供給作業
の繰り返しにより、各コンテナ6内の胡瓜Wが少なくな
ると、吸引ケース26はコンテナ6内により深く進入し
て上昇することになるが、この時、吸引ケース26はそ
のガイドローラ43がコンテナ6の内面6aに接触して
転動しつつ移動し、このガイドローラ43によってコン
テナ6の歪み等による寸法誤差が吸収されることにな
る。
【0047】そして、全ての胡瓜Wが取り出された2個
のコンテナ6は、ストッパ44の下降により停止状態が
解除されて、コンテナ貯留コンベア3上を下流側に搬送
され、コンテナ降下装置4を介して空コンテナ搬送コン
ベア5上に供給される。また、供給装置1で全ての胡瓜
Wが取り出された2個の空コンテナ6が下流側に搬送さ
れると、下流側に位置するストッパ44が上昇すると共
に上流側のストッパ45が下降して、直上流側に待機し
ていた次の2個のコンテナ6が供給装置1の所定位置に
停止し、この各コンテナ6内の胡瓜Wが前記コンテナ6
と同様にロボット20により供給コンベア7上に供給さ
れる。
【0048】ところで、ロボット20によって供給コン
ベア7上に供給された胡瓜Wは、平板状の吸着パッド3
9の吸引口40によって多数本同時に横並び状態で吸着
されて供給されるため、供給コンベア7上に供給された
時点で、その向きが略揃えられている。そして、この胡
瓜Wは供給コンベア7によって、その下流側に搬送され
るが、この時、ロボット20の作動と供給コンベア7の
移載コンベア9及び定数供給コンベア10の作動が、セ
ンサ13a〜13eからの検知信号によって次のように
制御される。
【0049】すなわち、移載コンベア9は例えば14m
/分と7m/分の2段階の速度に、また、定数供給コン
ベア10は例えば6m/分と停止の2段階の速度に、さ
らに密着コンベア11は例えば6m/分の定速度に設定
されている。そして、定数供給コンベア10の下流側に
設けられて胡瓜Wを計数するセンサ13eの検知信号に
よって、制御部14を介して定数供給コンベア駆動用の
モータ16を作動(速度6m/分)及び停止させること
により、密着コンベア11上に所定時間当たり一定の数
の胡瓜Wが連続的に供給される。
【0050】また、定数供給コンベア10の上流側に設
けられているセンサ13dによって、一定時間胡瓜Wが
検出されない(搬送されてこない)と、制御部14を介
して移載コンベア9の速度を7m/分から14/分に増
速され、移載コンベア9から胡瓜Wが定数供給コンベア
10に略連続的に供給される。さらに、移載コンベア9
上に斜めの状態で設けられる3つのセンサ13a〜13
cは、その最下流側のセンサ13cが、既に移載コンベ
ア9上に供給されている胡瓜W群の最後方の胡瓜Wを検
出した場合に、ロボット20を作動させて次の胡瓜W群
を移載コンベア9上に供給する。これにより、移載コン
ベア9の下流側に胡瓜Wが無い状態が回避される。
【0051】このセンサ13a〜13eの検知信号で供
給コンベア7を制御することによって、密着コンベア1
1上で胡瓜Wが密着した状態となり、この胡瓜Wがタイ
ミングコンベア12によって選別コンベア8のバケット
8aの搬送と同期されつつ、各バケット8a内に胡瓜W
が一個ずつ移載され、選別コンベア8に設けられている
図示しない選別装置に供給されることになる。
【0052】このように上記実施例の供給装置1にあっ
ては、ロボット20のアーム21に吸引ケース26を一
体的に設けると共に、吸引ケース26に多数本のエアシ
リンダ29を配置し、このエアシリンダ29のプランジ
ャ30に弁機構32を設け、この弁機構32によって吸
着パッド39の吸引口40の下方に胡瓜Wが有るか否か
によって弁機構32を開閉するため、吸着パッド39の
吸引口40の下方に胡瓜Wが無い場合には、弁機構32
を閉じることができて、対応する蛇腹38内の吸引動作
を停止させることができる。
【0053】その結果、下方に胡瓜Wが有る吸着パッド
39の吸引口40に対応した蛇腹38内のみを吸引する
ことができ、各吸引口40に所定の負圧を安定して供給
することができると共に、胡瓜Wが無い蛇腹38部の影
響を全く受けることがなくなり、胡瓜Wを吸着パッド3
9により確実に吸着及び保持して、供給コンベア7上に
安定して供給することができる。
【0054】特に、弁機構32の弁として吸引ケース2
6の下壁26aに所定の磁力で吸着し得る計量なマグネ
ット34を設けているため、このマグネット34とプラ
ンジャ30の重量をより軽くすることができ、プランジ
ャ30の下端30aが胡瓜Wに当接した際の胡瓜Wの傷
付きを防止することができると共に、その磁力によって
下壁26a内面に吸着できて、通孔37の開閉動作を正
確に行うことができ、吸着パッド39よる胡瓜Wの吸着
保持がより確実となる。
【0055】また、吸着パッド39の吸引口40の下方
に胡瓜Wが無い部分の弁機構32は閉じて蛇腹38内が
吸引動作せず、負圧吸引室31の負圧の無駄を省くこと
ができるため、効率良い負圧の利用が図れ、負圧発生装
置28の容量を極力小さくすることができて、供給装置
1自体のコストダウンを図ることができる。
【0056】さらに、吸着パッド39が弾性部材からな
りかつ平板状に形成されているため、吸引口41の周縁
が胡瓜Wの表面形状に応じて的確に変形し、より強固な
吸着状態が得られると共に、吸着パッド39が所定の幅
wを有することから、吸引口40の周縁のより広い面積
を胡瓜Wに接触させることができたり、あるいは胡瓜W
が斜めの状態で収容されている場合には、千鳥状の一対
の吸引口40で胡瓜Wの二箇所を吸着することができる
等、胡瓜Wの吸着をより確実に行うことができる。
【0057】また、吸着パッド39により、吸着ミスす
ることなく多数本の胡瓜Wを同時に一括して吸着保持し
供給コンベア7に供給することができるため、胡瓜Wの
コンテナ6から供給コンベア7への供給作業をロボット
20によって自動化することができ、供給作業効率を大
幅に向上させることができる、また、平板状の吸着パッ
ド39によって多数本の胡瓜Wを吸着し、これを供給コ
ンベア7の移載コンベア9上に横向き状態でかつ向きが
略揃えられた状態で供給することができるため、胡瓜W
の向き揃え等の手直し作業等が不要になると共に、移載
コンベア9上で胡瓜Wが山盛り状態とならないため、山
崩し用のコンベアが必要なくなり、供給コンベア7の機
長を短くすることができる。
【0058】さらにまた、供給コンベア7を移載コンベ
ア9、定数供給コンベア10及び密着コンベア11で構
成し、これらのコンベア9〜11の速度をセンサ13
d、13eの検知信号によって制御すると共に、センサ
13a〜13cの検知信号によってロボット20の動作
を制御するため、供給装置1によって供給コンベア7上
に供給される胡瓜Wを、選別コンベア8のバケット8a
に一個ずつ確実に移載することができ、後工程の作業効
率の向上が図れると共に、コンテナ6の供給から胡瓜W
の選別までの作業を完全自動化することも可能となる。
【0059】図9及び図10は、本発明に係わる弁機構
のそれぞれ他の実施例を示す断面図であり、これらの実
施例の主な特徴は、前記エアシリンダ29を廃止し、負
圧吸引室31内にプランジャ30の上下機構を配設した
点にある。なお、上記実施例と同一部位には、同一符号
を付しその詳細な説明は省略する。
【0060】先ず、図9に示す弁機構47は、負圧吸引
室31内にプランジャ30を上下動可能に支持する支持
部材48を配置し、この支持部材48の孔48aにブッ
シュ49を介してプランジャ30の挿通する。このプラ
ンジャ30の上端部には、孔48aからの抜けを防止す
るストッパ部50が設けられると共に、支持部材48の
下面と所定の間隔を有して板体からなる弁51が固定さ
れている。そして、この弁51の上面と支持部材48の
下面との間のプランジャ30にコイルバネ52が嵌装さ
れている。
【0061】この実施例の弁機構47によれば、通常状
態においては、弁51がコイルバネ52の付勢力で下方
に押され、実線で示すように、弁51の下面が吸引ケー
ス26の下壁26aの通孔37の内面に所定圧で密着し
弁機構47が閉じた状態となっている。この状態におい
て、吸引ケース26が下降して、プランジャ30の下端
30aが胡瓜Wに接触すると、プランジャ30がコイル
バネ52の付勢力に抗して上昇し、弁51の下面が下壁
26aの内面から離れて弁機構47が開く。この弁51
は、胡瓜Wにより押されて例えば二点鎖線の位置まで上
昇するように設定されおり、弁機構47が開くことによ
り、蛇腹38内が吸引されて負圧となって、吸着パッド
39の吸引口40に胡瓜Wが吸着保持される。
【0062】一方、吸着パッド39の吸引口40のうち
プランジャ30の下端30aが胡瓜Wに当接しない場合
は、初期位置に保持されて弁機構47は閉じた状態とな
る。この実施例の弁機構47においても、上記実施例の
弁機構32と同様の作用効果が得られる他に、吸引ケー
ス26の上面に前記エアシリンダ29のように突出物が
なくなり、吸引ケース26の外観を簡略化させることが
できるという作用効果が得られる。
【0063】また、図10に示す弁機構53は、上記弁
機構47と弁機構32を組み合わせた構造のもので、図
9に示す弁51の代わりに、上記弁機構32と同様のマ
グネット34を使用した点にある。他の構成について
は、図9と同一であるため詳細な説明は省略する。この
実施例の弁機構53によれば、通常マグネット34はそ
の磁力によって吸引ケース26の鉄板からなる下壁26
aに吸着して弁機構53が閉じており、この状態で吸引
ケース26が下降してプランジャ30の下端30aが胡
瓜Wに接触すると、その接触圧でマグネット34が下壁
26aから離れ、弁機構53が開くことになる。この実
施例の弁機構53においても図9に示す実施例の弁機構
47と同様の作用効果が得られる。
【0064】なお、上記弁機構の各実施例においては、
弁としてのマグネット34にその磁力によって弁機構が
閉じる方向の力を作用させたり、弁51にコイルバネ5
2の付勢力で閉じる方向の力を作用させたが、弁を閉状
態に保持する機構としては、これらの例に限定されるも
のでもなく、例えばプランジャ30と弁51の自重によ
って閉状態を保持するようにしても良く、この場合、プ
ランジャ30や弁51の重量は負圧によって持ち上げら
れない程度の重量に設定されることになる。
【0065】また、上記実施例においては、農産物とし
て胡瓜Wを例にして説明したが、本発明における農産物
としては、茄子や人参等の長物農産物、ミカンやリンゴ
等の球状農産物等、各種形状の農産物に適用することが
できる。さらに、上記実施例における、供給コンベア7
の構成及びその速度制御、ロボット20のアーム21に
取り付けられる吸引ケース26の個数(1個であっても
良いし3個以上で良い)及びその上下連結機構、吸着パ
ッド39の大きさ及び吸引口40の個数や内径等も一例
であって、本発明の要旨を逸脱しない範囲において種々
変更可能であることはいうまでもない。
【0066】
【発明の効果】以上詳述したように、請求項1記載の発
明によれば、農産物の有無に応じて取上手段の複数の吸
引部の弁機構が開閉動作し、農産物が有る吸引部内のみ
を負圧にして対応する農産物を吸着するため、農産物が
無い吸引部が農産物に接触している吸引部内の吸引力に
悪影響を及ぼすことがなくなり、容器内に不揃いな状態
で収容されている農産物であっても、対応する各吸引部
によって農産物を確実に吸着保持して、処理コンベア上
の前段に安定して供給することができる。また、農産物
が無い吸引部は、閉じた状態の弁機構によって負圧にさ
れることがないため、負圧発生装置の容量を極力小さく
し得て、供給装置自体の低コスト化が図れる。
【0067】また、請求項2記載の発明によれば、取上
手段の板状の吸着パッドに複数穿設されている吸引口の
うち、容器内の農産物に接触している吸引口のみ弁機構
が開いて吸引口部を負圧にすることができるため、農産
物が有る吸引口のみを吸引させて農産物を吸着でき、請
求項1記載の発明と同様の効果を得ることができる。
【0068】また、請求項3記載の発明によれば、取上
手段の板状の吸着パッドの複数の吸引口のうち、容器内
の農産物に接触している吸引口のみ弁機構が開き、対応
する蛇腹状の通気管内を負圧にすることができるため、
農産物が有る吸引口のみを吸引させて農産物を吸着で
き、請求項1記載の発明と同様の効果を得ることができ
る。
【0069】また、請求項4記載の発明によれば、請求
項2または3記載の発明の効果に加え、農産物の表面に
当接する弾性部材からなる吸着パッドの吸引部が、農産
物の外形形状に対応して変形するため、各吸引部によっ
て農産物をより確実に吸着保持することができる。
【0070】また、請求項5記載の発明によれば、請求
項2ないし4のいずれかに記載の発明の効果に加え、平
板状の吸着パッドの比較的広い面積を農産物の表面に接
触できて、吸着パッドによる農産物の吸着度合いをより
高めることができる。
【0071】また、請求項6記載の発明によれば、請求
項1ないし5のいずれかに記載の発明の効果に加え、弁
機構の当接部材が農産物に接触した場合には、弁が開い
て通路内を負圧することにより対応する農産物が吸着さ
れ、当接部材が農産物に接触しない場合には、弁が閉じ
て通路内が負圧になることがなるため、当接部材で農産
物の有無を検出することができて、農産物の有無に応じ
た弁機構の開閉動作を正確に行うことができると共に、
一体化された弁と当接部材によって弁機構の構成の簡略
化を図ることができる。
【0072】また、請求項7記載の発明によれば、請求
項6記載の発明の効果に加え、弁が保持手段で閉状態に
維持されることから、閉状態の弁が農産物の吸引時の負
圧で開くことがなくなり、当接部材が当接している農産
物を吸引部等によって確実に吸着保持して、処理コンベ
ア上により安定した状態で供給することができる。
【0073】また、請求項8記載の発明によれば、請求
項6または7記載の発明の効果に加え、農産物の有無を
検出する当接部材が、付勢手段により所定の圧力で農産
物に当接し得るように付勢されているため、当接部材が
農産物の表面に良好な状態で当接し、当接部材による農
産物の傷付き等が防止されると共に、各吸引口に対応す
る農産物の有無の検出をより正確に行うことができる。
【0074】また、請求項9記載の発明によれば、請求
項1ないし8のいずれかに記載の発明の効果に加え、容
器内の農産物を取上手段で一括して取り上げることがで
きて、農産物の処理コンベア上への供給作業効率の向上
を図ることができる。
【0075】また、請求項10記載の発明によれば、請
求項1ないし9のいずれかに記載の発明の効果に加え、
変形等による容器の寸法誤差をガイドローラで吸収で
き、取上手段を容器内に確実に入り込ませることができ
て、容器内の農産物をより確実に取り上げることができ
る等の効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係わる農産物の供給装置が設置される
選果場ラインの一部を示す平面図
【図2】同図1のA−A矢視図
【図3】同図1のB−B矢視図
【図4】同図3の要部拡大図
【図5】同図1のC−C矢視図
【図6】同図5のD−D矢視図
【図7】同弁機構の動作説明図
【図8】同吸着パッドの平面図
【図9】同弁機構の他の実施例を示す断面図
【図10】同弁機構のさらに他の実施例を示す断面図
【図11】従来の農産物の供給装置を示す概略構成図
【符号の説明】
1・・・・・・・・・・・・供給装置 6・・・・・・・・・・・・コンテナ 7・・・・・・・・・・・・供給コンベア 8・・・・・・・・・・・・選別コンベア 9・・・・・・・・・・・・移載コンベア 10・・・・・・・・・・・定数供給コンベア 11・・・・・・・・・・・密着コンベア 12・・・・・・・・・・・タイミングコンベア 20・・・・・・・・・・・ロボット 26・・・・・・・・・・・吸引ケース 28・・・・・・・・・・・負圧発生装置 29・・・・・・・・・・・エアシリンダ 30、30A、30B・・・プランジャ 30a・・・・・・・・・・下端 31・・・・・・・・・・・負圧吸引室 32・・・・・・・・・・・弁機構 34・・・・・・・・・・・マグネット 37・・・・・・・・・・・通孔 38・・・・・・・・・・・蛇腹 39・・・・・・・・・・・吸着パッド 40・・・・・・・・・・・吸引口 43・・・・・・・・・・・ガイドローラ 47・・・・・・・・・・・弁機構 51・・・・・・・・・・・弁 52・・・・・・・・・・・コイルバネ 53・・・・・・・・・・・弁機構 W・・・・・・・・・・・・胡瓜

Claims (10)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】容器内に収容された農産物を吸着して取り
    上げる取上手段を備え、該取上手段で取り上げた農産物
    を移動させて処理コンベアの前段に供給する農産物の供
    給装置であって、 前記取上手段は、農産物を負圧によって吸着保持するた
    めの開口された複数の吸引部を有し、各吸引部と負圧を
    生じさせる負圧発生装置とを連通する各通路の途中に、
    農産物の有無に応じて開閉し得る弁機構をそれぞれ設け
    たことを特徴とする農産物の供給装置。
  2. 【請求項2】容器内に収容された農産物を吸着して取り
    上げる取上手段を備え、該取上手段で取り上げた農産物
    を移動させて処理コンベアの前段に供給する農産物の供
    給装置であって、 前記取上手段は、農産物を負圧によって吸着保持するた
    めの複数の吸引口が穿設された板状の吸着パッドを有
    し、該吸着パッドの各吸引口と負圧を生じさせる負圧発
    生装置とを連通する各通路の途中に、農産物の有無に応
    じて開閉し得る弁機構をそれぞれ設けたことを特徴とす
    る農産物の供給装置。
  3. 【請求項3】容器内に収容された農産物を吸着して取り
    上げる取上手段を備え、該取上手段で取り上げた農産物
    を移動させて処理コンベアの前段に供給する農産物の供
    給装置であって、 前記取上手段は、農産物を負圧によって吸着保持するた
    めの複数の吸引口が穿設された板状の吸着パッドと、前
    記負圧を生じさせる負圧発生装置に接続された負圧吸引
    室と、該負圧吸引室と吸着パッドとの間で前記吸引口に
    対応して設けられた蛇腹状の通気管と、該通気管と負圧
    吸引室の間に設けられ農産物の有無に応じて開閉し得る
    弁機構と、を具備することを特徴とする農産物の供給装
    置。
  4. 【請求項4】前記吸着パッドが弾性部材で形成されてい
    ることを特徴とする請求項2または3記載の農産物の供
    給装置。
  5. 【請求項5】前記吸着パッドは、一列状に並べられた農
    産物を一括して取り上げるために、所定幅と所定長さの
    平板状に形成されていることを特徴とする請求項2ない
    し4のいずれかに記載の農産物の供給装置。
  6. 【請求項6】前記弁機構は、通路を開閉する弁及び該弁
    に一体化され農産物に当接可能な当接部材を有し、該当
    接部材が農産物に当接した際には弁が開いて通路を開
    き、当接部材が農産物に当接しない場合には弁が閉じて
    通路を塞ぐように構成されていることを特徴とする請求
    項1ないし5のいずれかに記載の農産物の供給装置。
  7. 【請求項7】前記弁機構は、弁によって通路を塞いだ際
    にこの状態を保持し得る保持手段を有することを特徴と
    する請求項6記載の農産物の供給装置。
  8. 【請求項8】前記弁機構の当接部材は、付勢手段によっ
    て農産物の外表面に所定圧で当接し得るように付勢され
    ていることを特徴とする請求項6または7記載の農産物
    の供給装置。
  9. 【請求項9】前記取上手段は、容器内の農産物を同時に
    一括して多数取り上げるように構成されていることを特
    徴とする請求項1ないし8のいずれかに記載の農産物の
    供給装置。
  10. 【請求項10】前記取上手段は、容器内に入り込んで農
    産物を取り上げる際に、容器の内面に沿って転動し得る
    ガイドローラを有することを特徴とする請求項1ないし
    9のいずれかに記載の農産物の供給装置。
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