JP4201287B2 - 板材の分離装置 - Google Patents

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【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、積載された板材のうち最上位(又は最前列)の板材を分離する技術であって、特に水平方向(積載方向に直角な横方向)に狭いスペースでかつ簡単な機構で分離が可能となり、非磁性材料でも確実に一枚づつ分離でき、しかも板材を変形させる必要のない板材の分離技術に関する。
【0002】
【従来の技術】
一般に、プレス加工のブランク材などの板材は、多数枚を積載した状態で取扱われるのが通常であり、しかも潤滑油や防錆油などの表面張力等で互に密着し付着している。そして、2枚以上が付着したままプレス加工機等に供給された場合には、金型等が損傷して大損害になる。このため、この種の板材をプレス加工の次工程等に自動供給するためには、積載された板材のうち最上位の板材を一枚づつ分離し、好ましくは次工程への自動搬送のために位置決めする技術が必須となる。
【0003】
そして、従来のこの種の技術としては、例えば実開昭62−176131号公報に記載されたように、積載された板材の2枚目以降をずれないように押えつつ最上位の板材のみを水平方向に押してスライドさせ、その後最上位の板材の一端を突き上げるなどして分離する技術が知られている。
【0004】
また、例えば実公平4−15384号公報に記載されたように、積載された板材の2枚目以降が浮かないように押えつつ、最上位の板材を吸着して一端を捲り上げて撓ませることにより分離する技術も知られている。
【0005】
また、上記実公平4−15384号公報にも従来技術として記載されたように、磁力の作用でブランク材を互に反発させて分離するマグネットフロータを使用したものも知られている。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
ところで、上記従来の分離技術では、以下のような問題点があった。
(1)まず、最上位の板材のみを水平方向に押してスライドさせて分離する技術の場合には、積載された板材の側方に最上位の板材を押圧する装置や、2枚目以降の板材を押える装置を配置する必要があり、また最上位の板材を横方向に移動させる必要があるため、装置全体が特に水平方向に大型化し、設置スペースや設置コストが大きくなる。
【0007】
(2)また、最上位の板材を横方向にスライドさせ、その後最上位の板材の一端を突き上げるなどして分離するため、分離後の板材の正確な位置決めが困難になる。例えば、分離後の板材を後工程等にロボットなどにより自動搬送する場合には、ロボットなどとの受け渡しのために必ずこの分離後の板材を位置決めする必要があるが、この場合には分離後の板材の姿勢をもとの積載時の姿勢に戻すことが困難であるため、積載された分離前の板材を所定位置に保持するガイド手段などとは別個の位置決め手段が必要になり、その点からも装置が大型化する。
【0008】
(3)次に、最上位の板材を吸着して一端を捲り上げて撓ませることにより分離する技術の場合には、捲り上げる機構や、板材の2枚目以降が浮かないように押える係止機構(上記公報では鋸歯状凹凸部材及びこれを押圧するクランクやシリンダ)が比較的複雑かつ高精度なものとなり、やはり高コストになる。
【0009】
(4)またこの技術の場合には、最上位の板材を撓ませる必要があるため、剛性が高く変形困難な材料の場合には適用困難であり、また、材料の変形等が問題となる場合には使用不可能であるという問題点もある。
(5)次に、マグネットフロータを使用したものの場合には、マグネットフロータが高価なために、やはり設置コストが高くなる。また、板材が非磁性材料の場合には、分離不可能で使用できないという問題もある。
【0010】
そこで本発明は、第1に、積載された板材のうち最上位(又は最前列)の板材を分離する技術であって、特に水平方向(積載方向に直角な横方向)に狭いスペースでかつ簡単な機構で分離が可能となり、非磁性材料でも確実に一枚づつ分離でき、しかも板材を変形させる必要のない板材の分離技術を提供することを目的としている。
【0011】
また第2に、分離後の板材の正確な位置決めが容易であり、そのための特別な位置決め機構が不要となる板材の分離技術を提供することを目的としている。
【0012】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するため、請求項1記載の板材の分離装置は、上下方向に積載された板材のうち最上位の板材を分離する板材の分離装置であって、
板材を上下方向にのみ摺動可能に案内するとともに、この板材の水平回転を阻止するガイド手段と、
板材の上面に吸着可能な吸着手段と、
前記吸着手段を上下動させて、積載された最上位の板材の上面に吸着する吸着位置、吸着した最上位の板材が前記ガイド手段の上端より僅かに上方に位置しこの板材の下面に付着した後続の板材が前記ガイド手段に案内される分離位置、の少なくとも二つの位置に移動させる上下駆動手段と、
前記吸着手段を、吸着した最上位の板材とともに、前記分離位置において水平回転させる回転駆動手段と、
を備え
積載された最上位の板材を前記吸着手段によって前記吸着位置で吸着し、前記上下駆動手段により前記分離位置に上昇させ、次いで、最上位の板材の下面に付着した後続の板材の水平回転を前記ガイド手段により阻止しつつ、この最上位の板材を前記回転駆動手段により水平回転させることにより、後続の板材を分離して前記ガイド手段に案内させつつ落下させて最上位の板材を分離することを特徴とする。
【0013】
請求項2記載の板材の分離装置は、積載された最上位の板材よりも上方で前記ガイド手段の上端よりも下方の位置において、出没可能に設けられ、突出状態で板材の下面を支持可能な支持手段を、さらに備えたことを特徴とする。
【0014】
請求項3記載の板材の分離装置は、前記吸着手段と一体的に設けられ、前記吸着手段が吸着した一枚の板材に係合する係合手段を、さらに備えたことを特徴とする。
【0016】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態の一例を図面に基づいて説明する。
図1は、本例の分離装置の構成を示す正面図であり、図2は、図1におけるA矢視図である。また図3,4は、同装置の作用(分離動作の各工程)を示す図である。なお本例では、図2に示すように、一対の板材1,2を並列処理する場合を例示しているが、これに限られないことはいうまでもない。
【0017】
本装置は、積載された各板材の周囲に設けられ、内側にある板材を上下方向にのみ摺動可能に支持するとともに、この板材の水平回転を阻止するガイド手段10と、各板材の上面に吸着可能な吸着手段20と、吸着手段20を上下動させる上下駆動手段30と、吸着手段20を、吸着した最上位の板材とともに前記分離位置において水平回転させる回転駆動手段40と、積載された最上位の板材よりも上方でガイド手段10の上端よりも下方の位置において、ガイド手段10の内側に出没可能に設けられ、突出状態で板材の下面を支持可能な支持手段50と、吸着手段20と一体的に設けられ、吸着手段20が吸着した一枚の板材に嵌合するガイドピン60(係合手段)とを備えている。
【0018】
ここでガイド手段10は、基台11上に立設された三つのガイドストッパー12,13,14が、各板材1,2に対してそれぞれ設けられてなる。ガイドストッパー12,13,14は、各板材の周囲3箇所の側端面にそれぞれ摺接し、内側にある板材を上下方向にのみ摺動可能に支持する。このガイド手段10の上端は、基台11の上面を基準として高さL2の位置にあり、積載された板材1,2の上面高さL1よりも高くなっている。
【0019】
なお各板材1,2は、図示省略したエアシリンダ等よりなる昇降装置により順次押上げられ、基台11の下方に装着されたマガジン15から順次供給されるようになっている。そして、図2に示すように配置されたセンサ16により、積載された各板材の上面高さL1が検出されるようになっており、この上面高さL1(L1<L2)が常に一定値になるように、上記昇降装置が作動する構成となっている。またマガジン15は、内部の板材がなくなった時点で交換できるようになっている。また、積載された各板材の上面高さL1は、後述する支持手段50のピン52よりも下方位置に設定されている。
【0020】
吸着手段20は、この場合図示省略した真空発生手段(例えば、ベンチュリー式のもの)により内部が真空引きされるゴム製の真空カップ21が、図1の紙面に直交する方向に二つ並んで設けられてなるもので、各板材毎に設けられている。これら吸着手段20は、それぞれ別個の支持板22に取り付けられ、ガイドピン60とともに支持されている。
【0021】
なお支持板22は、後述の基坂31の下面側に回転駆動手段40を介して取り付けられて、各板材1,2の上面に対向する位置に配置され、後述する如く上下駆動手段30により上下動可能となっており、これにより各真空カップ21は、この場合各板材1,2において、図2の符号1a,1b,2a,2cで示す位置に吸着可能となっている。
【0022】
上下駆動手段30は、基台11の上面に対向配置された基坂31を上下動自在に支持する複数のリニアガイド(全体の図示省略)と、基坂31にロッド32aの先端が固定されて基坂31の上下動を駆動するエアシリンダ32とよりなる。なお、図1で符号33,34で示すものは、上記リニアガイドの可動ロッドであり、その先端が基板31に固定され、基板31とともに上下動する。
【0023】
なお上下駆動手段30は、図示省略した制御手段(位置検出センサや供給空気の制御バルブなど)によりエアシリンダ32がコントロールされることによって、この場合少なくとも以下の三つの位置に吸着手段20を移動させて位置決めることができる構成となっている。
すなわち、積載された最上位の板材の上面(高さL1)に吸着する吸着位置、吸着した最上位の板材がガイド手段10の上端(高さL2)より上方に位置しこの板材の下面に付着した後続の板材がガイド手段10の内側に位置する分離位置、この分離位置よりも上方の退避位置(高さL3)の三つの位置に移動可能となっている。
【0024】
回転駆動手段40は、この場合空圧駆動されるロータリーアクチュエータよりなるもので、基坂31の下面側における各板材1,2に対向する位置にそれぞれ取り付けられ、各吸着手段20などを支持する各支持板22をそれぞれ水平回転可能に支持するとともに、予め設定された所定角度だけ水平回転させる機能を有する。
【0025】
なお、各回転駆動手段40の回転中心線は、各板材1,2のほぼ中心(この場合、例えば図2において符号1c,2cで示す点)に位置するようになっている。また、上記所定角度は、板材相互の付着の強さなどに応じて適宜設定すればよい。すなわち、後述の分離工程において水平回転させる角度が大きければ大きい程、より信頼性高くより確実に板材の分離が可能となるので、予め実験等により必要最小限の角度を求めて、その角度に設定すればよい。
【0026】
支持手段50は、各ガイドストッパー12,13,14に取り付けられた空圧式のピンシリンダ51のピン52よりなり、このピン52が各ガイドストッパーの内側に出没可能に設けられ、突出状態のピン52で板材の下面を支持するものである。そして、ピン52の配置高さは、高さL1よりも上方で高さL2よりも下方の位置となっている。
【0027】
ガイドピン60は、この場合各支持体22の下面両側に固定された円柱状の部材で、先端には突起61が設けられている。そして、上下駆動手段30により吸着手段20が下降すると、これら突起61が各板材の両側に設けられた孔1d,2dにそれぞれ嵌合する構成となっている。なお、この突起61の突出長さは、板材一枚の厚さ以下に設定されており、最上位の板材のみに嵌合するようになっている。
【0028】
次に、以上のように構成された分離装置の動作(上記分離装置により実施される分離方法の一例)について、図3,4を参照して説明する。
装置が起動すると、以下の動作が繰り返されて、各板材1,2が最上位のものから一枚づつ分離され、後工程に供給される。なお、以降の動作説明においては、板材1の取扱いのみについて説明し、板材2については同様な内容なので省略する。また、積載された最上位の板材1を符号1Aで示し、後続の2枚目の板材1を符号1Bで示すこととする。
【0029】
すなわち、まず退避位置にある各吸着手段20が、上下駆動手段30の機能により、図3(a)の如く吸着位置に下降し、同時にガイドピン60の下端の突起61が最上位の板材1Aの孔1dにそれぞれ嵌合する(下降工程)。
【0030】
次いで、吸着手段20により積載された最上位の板材1Aの上面を吸着して、図3(b)に示すように、この最上位の板材をそれぞれ分離位置に上昇させる(上昇工程)。この際、最上位の板材1Aの下面側には、前述したような油の表面張力などの関係で1枚以上の後続の板材(例えば、2枚目の板材1B)が付着してくる。
【0031】
次いで図4(c)に示すように、各回転駆動手段40を正転方向に作動させて、支持体22と、これに取り付けられた吸着手段20及びガイドピン60とともに、吸着した板材1Aを所定角度だけ水平回転させることにより、後続の板材1Bを分離して落下させる(分離工程)。
【0032】
すなわち、このように分離位置で水平回転させると、最上位の板材1Aの下面に付着した後続の板材1Bは、図3(b)に示すようにガイド手段10により水平回転を阻止されているため、回転を阻止された後続の板材1Bに対して最上位の板材1Aのみが水平回転することになる。このため、水平回転の角度が大きければ大きい程板材相互に大きなずれが生じて、密着していた板材間に確実に空気層が形成されて後続の板材1Bが最上位の板材1Aから確実に分離され、落下する。
【0033】
なお、この際落下する後続の板材1Bは、この場合ガイド手段10により周縁を案内されたまま降下するので、もとの積載姿勢のままでほぼ前述の積載高さL1の位置に確実に戻る。
【0034】
次いで図4(c)に示す状態で、回転駆動手段40を逆転方向に作動させて、最上位の板材1Aを所定角度だけ逆方向に水平回転させて、もとの水平回転位置に戻す(回転戻し工程)。
【0035】
次に、支持手段50を作動させてピン52をガイド手段10の内側に突出させた後、各吸着手段20の作動を停止して最上位の板材1Aの吸着を解除することにより、図4(d)に示す如く、吸着していた板材1Aを落下させるとともに、落下した板材1Aをピン52によって積載された後続の板材1Bよりも上方位置で受け止めて保持する(位置決め工程)。これにより、分離された後の板材1Aは、分離前の板材と同一の位置決め手段(即ち、ガイド手段10)により、その姿勢や位置を位置決めされて保持される。
【0036】
そしてこの場合最後に、各吸着手段20が、上下駆動手段30の機能により、図1の如く退避位置に上昇し、分離動作と分離した板材1Aの位置決め動作が終了する。なお、図4(d)の如く一枚に分離されて保持された板材1Aは、この場合例えばロボット等の別の搬送手段が、吸着等により把持して後工程に搬送する。また、この板材が搬送された後には、支持手段50の作動が解除されてピン52が後退し、図1に示すような待機状態に戻る。
【0037】
以上のような分離装置及び分離方法では、最上位の板材を水平方向にスライドさせたり、或いは最上位の板材を湾曲させたりすることなく、単に水平回転させることにより最上位の板材の分離がなされる。
【0038】
このため、分離のために特別に板材を水平移動させるスペースは特に不要となり、水平方向においては板材が積載されているその位置で、板材の分離動作が終了する。また、積載された板材の周囲に、板材を押圧したり支えたりするための進退自在な装置(いわゆるスライダ等)を配置する必要もない。したがって、特に水平方向において装置が格段に小型なものとなるとともに、コストも安価になる。
【0039】
また、分離のために板材を移動させる駆動手段(上下駆動手段30や回転駆動手段40)は、単なる回転運動又は直線運動を実現するものでよく、例えば従来の装置における板材を捲り上げるような複雑な駆動手段は不要であるため、この点からも装置が小型かつ低コストなものとなる。
【0040】
しかも、本例の場合には、積載された板材を保持するガイド手段10内において分離後の板材を受け止める支持手段50が設けられているため、分離後の板材をもとの姿勢に回転させて落下させれば、後続の板材とともに同一のガイド手段10内に保持して位置決めることができる。このため、分離後の板材を位置決めるための別個の位置決め手段を設ける必要がなく、この点でも装置が小型で低コストなものとなる。
【0041】
また本例の分離装置及び分離方法は、最上位の板材のみを水平回転させて、これに付着した後続の板材を分離する構成であるため、小さなスペースにおいて付着した相互の板材を大きくずらし、これら板材間に確実に空気層を形成すことができる。このため、小型な装置構成でありながら、最上位の板材のみを信頼性高く分離できるという利点もある。
【0042】
特に本例の場合には、吸着手段20と一体的に設けられ、吸着手段20が吸着した板材に嵌合するガイドピン60を備えているため、吸着手段20と吸着した板材との間で滑りが生じることなく、板材は確実に所定角度だけ水平回転される。このため、一枚分離の信頼性が特に高い。
また、このようなガイドピン60があると、分離後に板材をもとの姿勢に水平回転させる動作も正確に行えるため、分離後の板材の位置決めも確実に行えるという利点もある。
【0043】
また、本例の分離装置及び分離方法は、板材が磁性体であるか非磁性体であるかを問わず、また変形可能か否かを問わずに適用できるという長所があり、さらに板材を変形させないので、変形による板材の損傷等の問題が全くないという優れた利点もある。
【0044】
なお、本発明は上記形態例に限られず、各種の態様があり得る。
例えば、本発明の分離装置における吸着手段は、真空カップに限らず、マグネットにより磁力で吸着するものでもよい。但し、マグネットを使うと油の付着等がなくても後続の板材を磁力で吸着してしまう可能性があり、この点では、負圧を利用した吸着手段のほうが好ましい。
またガイド手段は、例えば板材に設けられた貫通孔が摺動自在に嵌合する複数の棒状部材であってもよい。
【0045】
また、本発明の係合手段は、例えば図5に示すように、1枚の板材の外周が内側にはまり込む嵌合部71を有する外周ガイド70よりなり、板材の外周を規制することで板材の位置ずれを防止するものでもよい。このような係合手段であれば、ガイドピンを嵌合させる穴等が板材にない場合でも使用可能となる。
【0046】
また、本発明の分離装置における支持手段や係合手段はかならずしも必要でない。例えば、分離した板材を特に位置決めしないで、そのまま後工程に搬送するような場合には、分離後の板材をガイド手段に案内させつつ支持するための支持手段は不要となる。また、吸着手段の吸着状態が強固なものであれば、吸着手段に対する板材の滑りを阻止する係合手段は不要である。
【0047】
また、上下駆動手段による吸着手段の上下動位置については、必ずしも上記形態例のような退避位置(高さL3)に移動させる必要はない。例えば、図4(c)に示すような分離直後の状態のまま、吸着手段から他の搬送手段に分離した板材を受け渡し、後工程に搬送するような態様も原理的にはあり得る。この場合上下駆動手段は、吸着手段を吸着位置と分離位置にのみ移動させるものであればよい。
【0048】
また、本発明の分離装置における上下方向や水平方向は、必ずしも正確な鉛直方向や水平方向である必要はない。例えば、後続の板材が重力により落下できるならば、板材の積載方向や吸着手段の移動方向が鉛直方向に対して傾斜していてもよく、また吸着手段や最上位の板材を回転させる平面が水平面に対して傾斜していてもよい。
【0049】
また本発明の分離装置は、プレス加工のブランク材をそれ自身で信頼性高く分離できることを、発明者らが実験により確認しているものであるが、より信頼性を高めるために、エアブロー手段などの補助手段を設けてもよい。例えば、分離位置に上昇させた最上位の板材の下面に空気を吹き付けるようにすれば、後続の板材との分離がより信頼性高く行える。
【0052】
また、分離工程の後に最上位の板材を逆回転させてもとの回転位置に戻す回転戻し工程や、次いで最上位の板材をガイド手段に案内させつつ落下させてガイド手段に案内させつつ受け止める位置決め工程も必ずしも必要でない。すなわち前述したように、分離した板材を特に位置決めしないで、そのまま後工程に搬送するような場合には、分離後の板材を位置決めする必要はないからである。
【0053】
また、分離後の板材の扱いとしては、本発明の吸着手段により吸着したまま、この吸着手段を移動させることにより、後工程への供給位置に搬送するような構成もあり得ることはいうまでもない。
【0054】
【発明の効果】
請求項1記載の分離装置によれば、以下のような動作により、板材を最上位のものから一枚づつ分離できる。
すなわち、まず吸着手段が、上下駆動手段の機能により吸着位置に下降し、次いで積載された最上位の板材の上面を吸着して、この最上位の板材を吸着したまま分離位置に上昇する。この際、最上位の板材の下面側には、前述したような油の表面張力などの関係で1枚以上の後続の板材が付着してくる。
【0055】
次いで、回転駆動手段を正転方向に作動させて、吸着手段とともに、吸着した板材を所定角度だけ水平回転させる。このように分離位置で水平回転させると、最上位の板材の下面に付着した後続の板材は、ガイド手段により水平回転を阻止されているため、回転を阻止された後続の板材に対して最上位の板材のみが水平回転することになる。
【0056】
このため、水平回転の角度が大きければ大きい程板材相互に大きなずれが生じて、密着していた板材間に確実に空気層が形成されて後続の板材が最上位の板材から確実に分離され、落下する。なお、この際落下する後続の板材は、この場合ガイド手段により案内されたまま降下するので、もとの積載姿勢のままでもとの積載位置に確実に戻る。
【0057】
このように、本発明の分離装置によれば、最上位の板材を水平方向にスライドさせたり、或いは最上位の板材を湾曲させたりすることなく、単に水平回転させることにより最上位の板材の分離がなされる。
【0058】
このため、分離のために特別に板材を水平移動させるスペースは特に不要となり、水平方向においては板材が積載されているその位置で、板材の分離動作が終了する。また、積載された板材の周囲に、板材を押圧したり支えたりするための進退自在な装置(いわゆるスライダ等)を配置する必要もない。したがって、特に水平方向において装置が格段に小型なものとなるとともに、コストも安価になる。
【0059】
また、分離のために板材を移動させる駆動手段(上下駆動手段や回転駆動手段)は、単なる回転運動又は直線運動を実現するものでよく、例えば従来の装置における板材を捲り上げるような複雑な駆動手段は不要であるため、この点からも装置が小型かつ低コストなものとなる。
【0060】
また本分離装置は、最上位の板材のみを水平回転させて、これに付着した後続の板材を分離する構成であるため、小さなスペースにおいて付着した相互の板材を大きくずらし、これら板材間に確実に空気層を形成すことができる。このため、小型な装置構成でありながら、最上位の板材のみを信頼性高く分離できるという利点もある。
【0061】
また本分離装置は、板材が磁性体であるか非磁性体であるかを問わず、また変形可能か否かを問わずに適用できるという長所があり、さらに板材を変形させないので、変形による板材の損傷等の問題が全くないという優れた利点もある。
【0062】
しかも、請求項2記載の分離装置では、以下のような動作で分離後の板材を位置決めて保持することができる。
すなわち、分離位置で回転駆動手段を正転方向に作動させて最上位の板材を分離させた後、回転駆動手段を逆転方向に作動させて、最上位の板材を所定角度だけ逆方向に水平回転させ、もとの水平回転位置に戻す。
【0063】
そして次に、支持手段を作動させて突出させた後、吸着手段の作動を停止して最上位の板材の吸着を解除することにより、吸着していた板材を落下させるとともに、落下した板材を支持手段によって積載された後続の板材よりも上方位置で受け止めて保持する。これにより、分離された後の板材は、分離前の板材と同一の位置決め手段(即ち、ガイド手段)により、その姿勢や位置を位置決めされて保持される。
このため、分離後の板材を位置決めるための別個の位置決め手段を設ける必要がなく、この点でも装置が小型で低コストなものとなる。
【0064】
さらに、請求項3記載の分離装置は、吸着手段と一体的に設けられ、吸着手段が吸着した一枚の板材に係合する係合手段を備えている。このため、吸着手段が吸着位置に下降すると、この係合手段が最上位の板材に係合し、吸着手段と吸着した板材との間の滑りを確実に阻止する。
【0065】
したがって、上述の分離動作において板材は確実に所定角度だけ水平回転されることになり、一枚分離の信頼性が特に高くなる。
また、このような係合手段があると、分離後に板材をもとの姿勢に水平回転させる動作も正確に行えるため、分離後の板材の位置決めも確実に行えるという利点もある。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一例である分離装置の正面図である。
【図2】図1におけるA矢視図である。
【図3】本発明の一例である分離装置の動作を示す図である。
【図4】本発明の一例である分離装置の動作を示す図である。
【図5】本発明の他の例である分離装置の一部を示す図である。
【符号の説明】
10 ガイド手段
20 吸着手段
30 上下駆動手段
40 回転駆動手段
50 支持手段
60 ガイドピン(係合手段)
70 外周ガイド(係合手段)

Claims (3)

  1. 上下方向に積載された板材のうち最上位の板材を分離する板材の分離装置であって、
    板材を上下方向にのみ摺動可能に案内するとともに、この板材の水平回転を阻止するガイド手段と、
    板材の上面に吸着可能な吸着手段と、
    前記吸着手段を上下動させて、積載された最上位の板材の上面に吸着する吸着位置、吸着した最上位の板材が前記ガイド手段の上端より僅かに上方に位置しこの板材の下面に付着した後続の板材が前記ガイド手段に案内される分離位置、の少なくとも二つの位置に移動させる上下駆動手段と、
    前記吸着手段を、吸着した最上位の板材とともに、前記分離位置において水平回転させる回転駆動手段と、
    を備え、
    積載された最上位の板材を前記吸着手段によって前記吸着位置で吸着し、前記上下駆動手段により前記分離位置に上昇させ、次いで、最上位の板材の下面に付着した後続の板材の水平回転を前記ガイド手段により阻止しつつ、この最上位の板材を前記回転駆動手段により水平回転させることにより、後続の板材を分離して前記ガイド手段に案内させつつ落下させて最上位の板材を分離することを特徴とする板材の分離装置。
  2. 積載された最上位の板材よりも上方で前記ガイド手段の上端よりも下方の位置において、出没可能に設けられ、突出状態で板材の下面を支持可能な支持手段を、さらに備えたことを特徴とする請求項1記載の板材の分離装置。
  3. 前記吸着手段と一体的に設けられ、前記吸着手段が吸着した一枚の板材に係合する係合手段を、さらに備えたことを特徴とする請求項1又は2記載の板材の分離装置。
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