JPH0133297Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 本考案は圧縮成形プレス装置の二枚割成形型用
離型装置に関するもので、とくに成形型における
作業性および安全性に優れるとともに離型が簡単
にできる離型装置を提供することを目的とする。

従来より二枚割成形型になる圧縮成形プレス装
置の離型装置は種種のものが使用されているが、
下型と上型の離型時のスペースが狭いものが多
く、離型作業が困難であるばかりでなく離型後の
型検査ができない等の問題を有していた。このた
め第１図に示すように型枠ａ，ｂの一方ａを離型
後半転するような構造にして成形品を取り出し易
くした反転型離型装置が使用されているが、この
種のものでは一般に反転する型枠ａの中心に反転
中心ｃがあるため、機体の前端部で型枠ａが回転
移動するようになり、作業上きわめて危険である
ばかりでなく、反転機構側の型枠ａに成形品が残
る構造の場合、成形品の突き出し構造を一体化す
ることが困難であつた。

本考案は上記問題に鑑み成されたもので、第１
の成形凹部を有すると共に第１の成形凹部に連通
する軸孔を有する一方の分割型、一方の分割型の
軸孔に摺動自在に嵌合配置されて第１の成形凹部
側端面に第２の成形凹部を形成すると共に前記第
２の成形凹部に連通する軸孔を形成する摺動部
材、摺動部材の軸孔に摺動自在に嵌合配置された
ノツクピン、一方の分割型を保持して一組の相手
分割型から型開きして所定位置へ移動させる往復
動可能な型開き機構、型開き機構の型開きして移
動した所定位置に配置されて一方の分割型を接面
支持すると共に摺動部材を押圧する第１段突出し
軸を有する突出し軸配設板、および記ノツクピン
を押圧するビン押し機構を具備する離型装置を提
供せんとするものである。

以下、本考案二枚割成形型用離型装置の一実施
例を第２図ないし第８図にしたがつて説明する
と、機台１の上面及び機台１の後部に立設したプ
レス本体２の側面に固着した側板４１の内側には
両側にガイドローラ３，３…が回転自在に並設さ
れ、下型４の両縁部を支承するようになるととも
に該下型４の上方には上記プレス本体２の上端に
固着したプレスヘツド５の一側に坦持した上型支
持部６が位置する。当該上型支持部６の基盤７は
後端をプレスヘツド５の一側に対して支軸８を介
して上方に反転自在（約65度）になるごとく枢着
されるとともに、該基盤７の両側端上面に固着立
設したガイドブラケツト９，９間に横架設固着し
た横桿１０に対してピン軸１１を介してピストン
ロツド１２ａ端を連結した上型反転シリンダ１２
を上記プレスヘツド５の上面に固設してなる。ま
た上記基盤７の上面中央には型開きシリンダ１３
が立設固着されるとともに、該型開きシリンダ１
３のピストンロツド１３ａ端に固着した腕部材１
４の両端にはそれぞれピストンロツド１３ａと平
行になるガイドロツド１５，１５がガイドブラケ
ツト９，９に固着したガイド軸受１６，１６，１
６，１６に対し摺動自在に貫挿し、下端を後述す
る突出し機構１７部より突出するようになり、該
両下端に固着した上型支承部材１８，１８に立設
した嵌合ピン１９，１９に上型２０の両側端部に
穿設した嵌合孔２０ａを着脱可能に嵌合し、両ガ
イドロツド１５，１５の下端に嵌合坦持する。ま
た２１は前記突出し機構１７のピン押板であり、
上記基盤７に設けたガイド２２，２２に対してピ
ン押板２１に立設したガイド軸２３，２３を摺動
自在に内挿してなり、基盤７に固設した上型突出
しシリンダ２４から突出するピストンロツド２４
ａ端を、該ピン押板２１に立設し上下進退するよ
うに構成するとともに、該ピン押板２１の下方に
支持ブラケツト２５，２５を介して取り付けられ
た突出しピン配設板２６に対し、各型枠について
上型２０の成形凹部位置に対応する位置にそれぞ
れ突出しピン配設板２６下面に突設した第一段突
出し軸２７と、該軸孔に対し摺動自在に内挿坦持
し、前記ピン押板２１により押圧突出しするよう
に構成した第二段突出しピン２８とからなる二段
突出しピン機構を構成する。また２９，２９はそ
れぞれ前記ガイドブラケツト９，９に設けた摺動
孔３０，３０に内挿したストツプバーであり、一
端をプレスヘツド５の上端に固設したブラケツト
３１に対しピン３２を介して揺動自在に枢着する
とともに他端に螺設した雄ネジ部２９ａにはナツ
ト３３を螺合し、該ナツト３３をガイドブラケツ
ト９面に当接して上型２０の水平面を維持するよ
うになる。

上記構成の二枚割成形型用離型装置は、たとえ
ば第６図に示すような上型２０の成形凹部により
合成ゴムまたは軟質合成樹脂等の成形品ａを成形
する場合に用いるものである。すなわち上型２０
の成形凹部は第一蟻型成形凹部３４に連続する軸
孔３５に対して下端に第二蟻型成形凹部３６を有
する摺動上型部材３７を内挿し、該摺動上型部材
３７が一定の長さＬ１だけ下方に突出可能に軸支
するとともに、第二蟻型成形凹部３６に連通する
軸孔３８に対してコイルスプリング３９を介して
下端が安定するごとく坦持したノツクピン４０を
内挿してなるものである。

上型２０及び下型４をプレス本体２で加圧成形
完了後、プレス本体２より、上型２０及び下型４
をガイドローラ３，３…を介し機台１上面に移動
させた状態で、本考案二枚割成形型用離型装置を
作動し、成形品ａの離型および離型後の型枠の点
検を行なう。

まず、型開きシリンダ１３を伸張するとピスト
ンロツド１３ａの上昇に伴ない腕部材１４を介し
てガイドロツド１５，１５が上昇し、これによつ
て支承部材１８に嵌合した上型２０が下型４から
開離せしめられるとともに、そのまま型開きシリ
ンダ１３の伸張を続けると上型２０は突出しピン
配設板２６に当接して停止し、その下面に突き出
した第一段突出し軸２７が摺動上型部材３７をＬ
１だけ押し出す（第７図参照）。この状態でつぎ
に上型突出しシリンダ２４が伸張し、ピン押板２
１が降下すると、第二段突出しピン２８の後端が
押圧され、下方に突き出し、ノツクピン４０をコ
イルスプリング３９の弾性に抗して押し出す（第
８図参照）ものである。この二段階の突き出しに
より、まず成形品ａの第一蟻型成形凹部３４によ
つて成形された部分が上型２０から突出され、続
いて第二蟻型成形凹部３６によつて成形された部
分が突出されることにより上型から取り出され
る。

つぎに、上型反転シリンダ１２を収縮するピス
トンロツド１２ａ端に枢着した横桿１０を介して
ガイドブラケツト９，９が支軸８を支点として引
き寄せられるため、基盤７は支軸８を中心に適宜
角度反転する。この反転に際して一端をブラケツ
ト３１に枢着したストツプバー２９は無荷重とな
り、続いて摺動孔３０内を滑つて移動するように
なる。

上述の動作により、第５図に示すごとく基盤７
が反転すると、該基盤７の下面側に坦持支承され
た上型２０も反転し、プレス面が前方下方に斜向
した状態になり、下型４との間隔も広くなり型溝
等の点検作業が容易にできる位置を保持する。

つぎに、再度、型閉じする場合は、上型反転シ
リンダ１２を伸張せしめた後、型開きシリンダ１
３を収縮し、ガイドロツド１５，１５を降下し、
下型４上面に上型２０を閉合するもので、上型反
転シリンダ１２を伸張すると、ストツプバー２９
端のナツト３３にガイドブラケツト９が当突し、
該当突位置と支軸８によつて上型２０は下型４上
方に平行に坦持せしめられ、次に型開きシリンダ
１３を収縮しガイドロツド１５，１５を降下させ
ることにより、型閉じが完了する。

上述から明確なように、本考案は以下のような
効果を奏する。

イ 一般に成形品は二段に成形されていることが
多い。この二段目は成形品の一部である場合も
あれば、成形材料を補充するために成形品の予
備部（ばりとなる部分）である場合もある。し
かし、この成形品を従来技術のごとく成形凹部
から一度に押し出すと、成形品の二段目が分割
型との接合力が強いため成形品の一段目から切
断分離されて不良品となることが多い。本考案
は摺動部材とノツクピンにより二段階の成形品
突出しによつて、分割型に成形品の一部又はば
りなどが付着しないようにし、成形品を分割型
から容易に離型できるようにした効果を奏する
ものである。

ロ 本考案は型開き機構により型開きすると共
に、突出し軸配設板を介して分割型を支持固定
するものであるから、分割型を従来技術のよう
に型分離装置等の取付板に固定する必要がな
い。その結果分割型の交換（別成形品を成形す
る場合など）又は成形プレスから取出しての点
検が極めて容易となる。更には、分割型の成形
凹部を目で点検するために、反転させる場合に
も分割型を反転装置の取付板に固定する必要が
ない。

【図面の簡単な説明】

第１図は従来の反転式離型装置の略側面図、第
２図は本考案の実施例に係る離型装置の型閉じし
た状態を示す正面図、第３図は同型開きした状態
を示す正面図、第４図は同右側面図、第５図は同
反転状態を示す右側面図、第６図は上型の要部正
断面図、第７図および第８図は型開き状態の二段
突出しピン機構の作用を示す正断面図である。 １……機台、２……プレス本体、３……ガイド
ローラ、４……下型、６……上型支持部、７……
基盤、８……支軸、９……ガイドブラケツト、１
２……上型反転シリンダ、１３……型開きシリン
ダ、１５……ガイドロツド、１７……突出し機
構、２０……上型、２１……ピン押板、２４……
上型突出しシリンダ、２６……突出しピン配設
板、２７……第一段突出し軸、２８……第二段突
出しピン、２９……ストツプバー、３４……第一
蟻型成形凹部、３６……第二蟻型成形凹部、３７
……摺動上型部材、４０……ノツクピン、４１…
…側板、ａ……成形品。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 第１の成形凹部３４を有すると共に前記第１の
   成形凹部３４に連通する軸孔３５を有する一方の
   分割型２０、前記一方の分割型２０の前記軸孔３
   ５に摺動自在に嵌合配置されて前記第１の成形凹
   部３５側端面に第２の成形凹部３６を形成すると
   共に前記第２の成形凹部３６に連通する軸孔３８
   を形成する摺動部材３７、前記摺動部材３７の軸
   孔３８に摺動自在に嵌合配置されたノツクピン４
   ０、前記一方の分割型を保持して一組の相手分割
   型４から型開きして所定位置へ移動させる往復動
   可能な型開き機構、前記型開き機構の型開きして
   移動した所定位置に配置されて前記一方の分割型
   ２０に接面支持すると共に前記摺動部材３７を押
   圧する第１段突出し軸２７を有する突出し軸配設
   板２６、および前記ノツクピン４０を押圧するピ
   ン押し機構２１，２４を具備する離型装置。