JPH0131352Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本考案は、例えば一般の家庭における水道の蛇
口に装着して、水道の水を浄水して流し、あるい
は原水のまま流すようにした浄水器に関する。

〔従来の技術〕

従来、このような浄水器は、水道の蛇口に装着
されて水が流入する１個の流入孔に対して、その
流入孔からの水がそのまま流出される原水流出孔
と、活性炭を通過させて浄水した水を流出させる
浄水流出孔とが並設されていた。そして、その両
流出孔を選択的に切換えて各流出孔から原水、ま
たは浄水を流すようになつていた。

〔考案が解決しようとする問題点〕

上記のような従来の浄水器では、流出孔が原水
用の浄水用とに２個設けられていたため、その切
換え構造が複雑になり、しかも切換えた状態で浄
水した水あるいは原水が漏れてしまい切換えが確
実に行なえない問題があつた。また、流出孔を２
個並設するために器体が大型化し高価になつてし
まう問題もあつた。

そこで、このような問題点を解決するために、
蛇口に装着される蓋体に流入孔を設け、この蓋体
の下部に上記流入孔を連通し活性炭を収納する環
状の活性炭収納部を有しかつ中央部に下面を開口
し上面に上記流入孔に対向連通する流通孔を設け
るとともに側面に上記活性炭収納部に連通する切
換孔を設けた筒状部を有する器体を密着的に取付
け、この器体の筒状部の内側面に下端に流出孔を
有し上方への移動により上記流通孔を閉止すると
ともに上記切換孔を流出孔と連通しかつ下方への
移動により上記流通孔を流出孔と連通し上記切換
孔を閉止する切換体を上下動自在に嵌合して設け
ることによつて、同一の流出孔から原水または浄
水を流すようにした浄水器が提案されている（実
願昭59−202146号）。

この浄水器では、蓋体の下面と器体の筒状部の
上面との間隙が、上記蓋体の流入孔から器体の活
性炭収納部に至る流入路を形成しているが、上記
蓋体の下面および筒状部の上面を平面状に形成し
て対向させると、水圧によつて上記流入路が拡が
るため、活性炭収納部に過度の水が流入され、上
記器体の変形を生じたり、水量が不安定になるな
どの問題点がある。

本考案はこのような点に鑑みなされたもので、
原水と浄水と切換えを確実に行なえ、簡素な構成
により器体を小型化できるとともに安価にでき、
さらに、水圧によつて器体が変形するようなこと
がないとともに、一定の水量を保持して流すこと
のできる浄水器を提供することを目的とするもの
である。

〔問題点を解決するための手段〕

本考案の浄水器は、流入孔を有し蛇口に装着さ
れる蓋体と、この蓋体の下部に密閉的に取付けら
れ活性炭を収納する環状の活性炭収納部を有しか
つ中央部に下面を開口し上面に上記流入孔に対向
連通する流通孔を設けるとともに側面に上記活性
炭収納部に連通する切換孔を設けた筒状部を有し
この筒状部の上面が上記蓋体の下面に間隙を保持
して対向されることによつて蓋体の流入孔から上
記活性炭収納部に至る流入路を形成する器体と、
この器体の筒状部の内側面に上下動自在に嵌合さ
れ下端に流出孔を有し上方への移動により上記流
通孔を閉止するとともに上記切換孔と流出孔とを
連通しかつ下方への移動により上記流通孔と流出
孔とを連通し上記切換孔を閉止する切換体とを具
備し、上記流入路は蓋体の下面および器体の筒状
部の上面に互いに偏位した位置に形成した突起に
よつて縮径するとともに屈曲した絞り流入路に形
成したことを特徴とするものである。

〔作用〕

本考案の浄水器は、流出孔を有する切換体の上
方への移動により活性炭収納部に開口する切換孔
と流出孔とを連通させ流入孔からの水を、蓋体の
下面と器体の筒状部の上面との間隙である流入路
を介して活性炭収納部へ流入し、活性炭を通過さ
せて流出孔から浄水して流出させ、切換体の下方
への移動により流入孔と流出孔とを連通させて流
入孔からの水を原水のまま流出させ、また、上記
浄水時には、蓋体の下面ないし筒状部の上面に形
成した突起によつて縮径するとともに屈曲した絞
り流入路とした上記流入路よつて、流水を絞つて
この流入路の水圧による拡開を防ぎ、活性炭収納
部への過度の水の流入を防止し、水圧を抑えると
ともに一定の水量を流すことができるようにした
ものである。

〔実施例〕

次に本考案の一実施例を図面を参照して説明す
る。

１は円筒状の器体で、この器体１は外側環状部
２と内側の筒状部３とを有し、この外側環状部２
と筒状部３との間に上面に開口した還状の活性炭
収納部４が設けられている。この収納部４の底面
から突出して、放射状に複数の突片５が形成され
ている。上記筒状部３の内側には下面を開口した
嵌合孔６が開口形成され、また、この筒状部３の
上端近傍に上記活性炭収納部４と嵌合孔６とを連
通する切換孔７が同一円周上に複数個設けられて
いる。さらに、この筒状部３の上端部は、円形の
流通孔８が開口されて環状部９に形成され、この
環状部９の流通孔８より外周側には円環状の突起
１０が上方に向つて突出され、この突起１０の上
縁部には複数の切欠部１１が形成されている。

また、上記筒状部３の環状部９の下面側には、
弾性体により成形され上記流通孔８に対向して中
央部を開口した円環状のガスケツト１２が取着さ
れている。

１３は上記器体１の活性炭収納部４に取着され
る支持体で、環状の支持片１４と、この支持片１
４の内周縁から上方に突出された筒状の支持円筒
部１５とで構成されている。上記支持片１４の外
縁側は、環状フイルタ１６が嵌合される断面凹字
形状の嵌合部１７に形成され、この嵌合部１７の
底面には同一円周上に位置して複数の挿通孔１８
が開口されている。また、上記支持円筒部１５の
上部は、縮径されて縮径部１９に形成され、この
縮径部１９の上縁部には複数の切欠部２０が形成
されている。

そして、この支持体１３は、その支持片１４の
下面が器体１の突片５の上縁に当接されるととも
に、支持円筒部１５の縮径部１９の内周面が器体
１の筒状部３の外周面上部に液密に当接された状
態で、器体１の活性炭収納部４に嵌合されてい
る。この状態で、支持円筒部１５の内周面と筒状
部３の外周面との間に活性炭収納部４と上記切換
孔７とを連通する間隙２０が形成される。さら
に、このとき、支持体１３の縮径部１９の上縁部
と、筒状部３の突起１０との間に生ずる空間部に
は、環状フイルタ２１が嵌合されている。

２２は上記器体１の活性炭収納部４内に収納さ
れる活性炭で、水を通過させることにより浄水す
る例えばやしガラ活性炭などから成つている。

２３は蓋体で、この蓋体２３は上記器体１の外
側環状部２の外縁にパツキン２４を介して密着的
に螺合結合する蓋本体２５を有し、この蓋本体２
５には上面中央に設けられた係合突部２６に上記
活性炭収納部４および筒状部３の流通孔８とに連
通する流入孔２７が開口形成されているととも
に、この流入孔２７の上縁に凹部２８が設けら
れ、この凹部２８に環状のパツキン２９が嵌合さ
れている。また、上記流入孔２７の周縁部から下
方に突出して円環状の突起３０が形成されてい
る。

そして、蓋本体２５を器体１に嵌着した状態で
は、蓋本体２５の流入孔７が器体１の筒状部３の
流通孔８に対向されるとともに、この筒状部の突
起８の上縁と支持体１３の支持円筒部１５の上縁
とフイルタ２１の上面とが、蓋本体２５の面に当
接されるようになつてる。また、蓋本体２５の突
起３０と器体１の突起１０が半径方向に互いに偏
位して対向し、これら蓋本体２５の下面と器体１
の筒状部３の上面との間隙が、器体１の切欠部１
１とフイルタ２１と支持体１３の切欠部２０とを
介して、上記流入孔２７から活性炭収納部４に至
る絞り流入路３１を形成している。すなわち、こ
の流入路３１は、器体１の突起８の外周側に蓋本
体２５の突起３０の内周側に偏位して対向される
ことによつて、屈曲した形成に形成されるととも
に、上記蓋本体２５の突起３０の切欠部２０にお
いて縮径されている。

また、この蓋本体２５の係合突部２６の外縁に
はキヤツプ３２が螺合結合されている。このキヤ
ツプ３２は上端に水道の蛇口３３の先端が挿入さ
れる嵌合孔３４が形成され、こ嵌合孔３４の下端
から下方に向かつて拡開する傾斜部３５が形成さ
れ、この傾斜部３５により上記蛇口３３の周囲に
嵌合されたＣリング状のストリツプリング３６の
内径を狭めて蛇口３３の先端の段部３３ａに係止
するようになつている。そして、キヤツプ３２と
蓋本体２５との螺合結合により、蛇口３３の先端
周縁は蓋本体２５のパツキン２９に密着的に圧着
される。

４０は切換体で、この切換体４０は切換円筒体
４１とレバー体４２とから構成されている。切換
円筒体４１は下端が開口されて流出孔４３が形成
され、上記器体１の筒状部３の嵌合孔６に上下動
自在にかつ回り止めされて嵌入されている。この
切換円筒体４１の上端には上記器体の嵌合孔６の
上端部に設けられたガスケツト１２に圧着して、
この嵌合孔６の上端に位置する流通孔８を閉止す
る閉止突部４４が突設されているとともに、この
閉止突部４４の縁部に上記流通孔８と流出孔４３
とを連通する連通孔４５が複数形成され、また、
切換円筒体４１の側部には、上記閉止突部４４に
よる流通孔８の閉止状態で上記筒状部３の各切換
孔７に臨む複数の挿通孔４６が形成されていると
ともに、下部外周に螺旋状に傾斜する各傾斜溝４
７が円周上の対称位置に対称的に形成されてい
る。また、レバー体４２は環状の回転部４８とこ
の回転部４８の外端に一体に突設されたレバー片
４９とから構成され、回転部４８の内周面上端が
上記器体１の筒状部３の下端外周に回動自在に嵌
合され、また、回転部４８の下部内側には上記切
換円筒体４１の各傾斜溝４７に摺動可能に嵌入さ
れる突部５０が設けられている。そして、このレ
バー体４２を器体１に対して回動させると、その
突部５０が切換円筒体４１の傾斜溝４７内を移動
し、この突部５０の移動に伴つて傾斜溝４７の傾
斜に沿つて切換円筒体４１は筒状部３の嵌合孔６
内を上下に摺動する。

なお、上記切換円筒体４１の下端部には、上下
方向に延びる複数の整流板部５１を内径方向へ向
つて放射状に突出形成した略円筒状の整流体５２
が嵌合されている。

そうして、水を浄水する場合、レバー体４２を
一方へ回動して切換円筒体４１を上方に嵌動させ
流通孔８を閉止突部４４で閉止するとともに挿通
孔４６を器体１の切換孔７に臨ませる。そして、
蛇口３３から水が流すと、水は流入孔２７から絞
り流入路３１を介して活性炭収納部４へ流入さ
れ、活性炭２２を通過して浄水され、挿通孔１
８、間隙２０、切換孔７および挿通孔４６を経て
流出孔４３から流出する。

このとき、上記流入路３１は、器体１の突起１
０と蓋体２３突起とによつて屈曲した形状に形成
されるとともに、特に上記器体１の突起１０の切
欠部１１において縮径されているので、この流入
路３１の水圧による拡開が防止され、したがつて
活性炭収納部４への過度の水の流入が防止され、
また、水圧が抑えられるとともに流れる水量が安
定する。

また浄水せずに原水のまま流す場合には、レバ
ー体４２他方へ回動して切換円筒体４１を下方に
摺動させ、閉止突部４４の閉止を解いて流通孔８
を開口するとともに、切換孔７に切換円筒体４１
の周面を臨ませて閉止する。そして、蛇口３３か
らの水を流すと、水は流入孔２７から、流通孔
８、連通孔４５を経て流出孔４３から原水のまま
流出する。

〔考案の効果〕

本考案によれば、流出孔を有する切換体の上方
への移動により活性炭収納部に開口する切換孔と
流出孔とを連通させて流入孔からの水を活性炭を
通過させて流出孔から浄水した水を流出させ、切
換体の下方への移動により切換孔と閉止して流入
孔と流出孔とを連通させ流入孔からの水を原水の
まま流出孔から流出させるので、切換え状態で浄
水あるいは原水が漏れることなく確実に切換えが
でき、しかも簡素な構成により小型化できるとと
もに安価に提供でき、また、器体の筒状部の上面
と蓋体の下面との間隙により形成される上記流入
孔から活性炭収納部に至る流入路は、上記蓋体の
下面ないし筒状部の上面に形成した突起によつて
縮径するとともに屈曲した絞り流入路に形成した
ので、この流入路が水圧によつて拡開しにくくな
り、活性炭収納部への過度の水の流入が防止さ
れ、したがつて器体などの変形を生ずることがな
いとともに水圧が抑えられ、一定した水量を安定
して流すことができるものである。

【図面の簡単な説明】

第１図は本考案の浄水器の一実施例を示す縦断
面図、第２図はその流入路付近の拡大図である。 １……器体、３……筒状部、４……活性炭収納
部、７……切換孔、８……流通孔、１０……器体
の突起、２２……活性炭、２３……蓋体、２７…
…流入孔、３０……蓋体の突起、３１……流入
路、３３……蛇口、４０……切換体、４３……流
出孔。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 流入孔を有し蛇口に装着される蓋体と、この蓋
   体の下部に密閉的に取付けられ活性炭を収納する
   環状の活性炭収納部を有しかつ中央部に下面を開
   口し上面に上記流入孔に対向連通する流通孔を設
   けるとともに側面に上記活性炭収納部に連通する
   切換孔を設けた筒状部を有しこの筒状部の上面が
   上記蓋体の下面に間隙を保持して対向されること
   によつて蓋体の流入孔から上記活性炭収納部に至
   る流入路を形成する器体と、この器体の筒状部の
   内側面に上下動自在に嵌合され下端に流出孔を有
   し上方への移動により上記流通孔を閉止するとと
   もに上記切換孔と流出孔とを連通しかつ下方への
   移動により上記流通孔と流出孔とを連通し上記切
   換孔を閉止する切換体とを具備し、上記流入路は
   蓋体の下面および器体の筒状部の上面に互いに偏
   位した位置に形成した突起によつて縮径するとと
   もに屈曲した絞り流入路に形成したことを特徴と
   する浄水器。