JPH0131087Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 本考案は、中折れシートバツクの内部にランバ
ーサポートを組み込んだ中折れシートバツクにお
けるランバーサポート装置に関する。

下部シートバツクに上部シートバツクを回動可
能に連結した中折れシートバツクについては、既
に幾つか提案されている。

しかし、前記中折れシートバツクの内部にラン
バーサポートを組み込み、そのランバーサポート
を上部シートバツクの前後方向の回動に応じて調
整可能にしたものはなく、したがつて着座者の腰
部のサポート感に欠ける欠点があつた。

本考案の目的は、中折れシートバツクの内部に
ランバーサポートを有し、しかもこのランバーサ
ポートを上部シートバツクの回動に追従してシー
トバツクの前後方向に調整可能な中折れシートバ
ツクにおけるランバーサポート装置を提供するも
ので、以下図面を参照して詳述する。

第１図〜第５図は、本考案の第１の実施例を示
すもので、中折れシートバツクフレームは、第１
図および第２図に示すように、下部シートバツク
フレーム１と上部シートバツクフレーム２とに分
割されている。

前記下部シートバツクフレーム１と上部シート
バツクフレーム２とは、第１図に示すように、下
部シートバツクフレーム１の上端部に取り付けら
れたヒンジブラケツト３ａ，３ｂと上部シートバ
ツクフレーム２の下端部に取り付けられたヒンジ
ブラケツト４ａ，４ｂを重合し、互いに重合され
たヒンジブラケツト３ａ，４ａの組とヒンジブラ
ケツト３ｂ，４ｂの組間に夫々ヒンジ軸５が挿通
されている。

前記ヒンジ軸５の中折れシートバツクフレーム
の一側部に突出した部分には、第１図に示すよう
に、操作レバー６が設けられており、この操作レ
バー６を例えば反時計方向に回動させることによ
り、後述するロツク部材７をロツク解除して上部
シートバツクフレーム２を下部シートバツクフレ
ーム１に対してシートバツクの前方または後方側
に回動させ得るように構成されている。

前記下部シートバツクフレーム１の上部部材１
ａと上部シートバツクフレーム２の上部部材２ａ
間には、第１図に示すように、ロツク機構として
のロツク部材７が設けられている。このロツク部
材７は第３図に一例として示すように、管状ハウ
ジング８と、その内部に摺動自在に嵌挿されたロ
ツド９と、このロツドの周囲に巻かれたコイルバ
ネ１０とを有し、コイルバネ１０は上下が対称に
形成され、略中央に解除レバー１１が設けられ、
該解除レバー１１の先端が管状ハウジング８の外
部に突出し、外周方向に回動可能に配設されてい
る。コイルバネ１０は管状ハウジング８の内部に
設けられた軸受け筒１２を介して管状ハウジング
８に固着され、またコイルバネ１０は嵌挿された
ロツド９と通常時摩擦係合状態にあり、前記解除
レバー１１を回動する事によりコイルバネ１０の
ロツド９に働く摩擦把握力を解除する事が出来る
ようになされている。

前記ロツク部材７のロツド９の端部にはブラケ
ツト２３が設けられ、該ブラケツト２３が上部シ
ートバツクフレーム２の上部部材２ａ前方に突出
して設けられたブラケツト２６にピン係合されて
いる。またハウジング８の一端にはブラケツト２
４が設けられ、該ブラケツト２４が下部シートバ
ツクフレーム１の上部部材１ａに後方に突出して
設けられたブラケツト２５にピン係合されてい
る。

従つて上部シートバツクフレーム２がヒンジ軸
５を中心に回動した場合に両ブラケツト２５，２
６間の長さが変化するようになされている。

また管状ハウジング８とロツド９との間にリタ
ーンスプリング１４が設けられ、操作レバー６の
操作時に上部シートバツクフレーム２が前倒しさ
れるように形成され、後倒する場合に体重で押圧
しながら上部シートバツクフレーム２の傾斜角度
を調整する事が出来るようになされている。

前記解除レバー１１の先端にはレリーズワイヤ
１３が連結され、該レリーズワイヤ１３がシート
バツクの側部に設けられた操作レバー６の回動操
作により引張られ、解除レバー１１を作動させる
ようになされている。従つて、操作レバー６を操
作する事により、解除レバー１１が作動し、ハウ
ジング８とロツド９とが形成する長さを調節する
事により、上部シートバツクフレーム２の傾斜角
度を調整する事が出来、調整後操作レバー６を離
せば、コイルスプリング１０の復帰力によりロツ
ド９がコイルスプリング１０により摩擦係止さ
れ、上部シートバツクフレーム２が調整された回
転角にロツクされる。

前記シートバツクフレームの前面側には、ラン
バーサポートフレーム２７が配置されている。こ
のランバーサポートフレーム２７は、鋼線等によ
り第１図に示すように、前記上部シートバツクフ
レーム２の上部部材２ａから着座者の腰部に対応
する位置までの長さで、シートバツクフレームの
内側に納まる幅の縦長の長方形に形成されてい
る。また、ランバーサポートフレーム２７の上端
部２７ａ，２７ｂは、かぎ形に形成されていて、
上部シートバツクフレーム２の上部部材２ａに固
定されたステー２８ａ，２８ｂに枢着されてい
る。また下部シートバツクフレーム１の上部部材
１ａのランバーサポートフレーム２７と当接する
部分にはランバー支持部１６が形成されている。
ここでランバー支持部１６は上部シートバツクフ
レーム２の上部部材２ｂに形成してもよい。

なお、第１図中２９ａ，２９ｂはヘツドレスト
用のステーホルダーを示す。

前記シートバツクフレームの下部シートバツク
フレーム１と上部シートバツクフレーム２には、
それぞれ常法によりパツドや表皮が施されて第４
図および第５図に示すように、下部シートバツク
３１に対して上部シートバツク３２が回動可能な
中折れシートバツクが構成されている。

なお、第４図および第５図中３０はシートクツ
シヨンを示し、３３はランバーサポートを示し、
３４は着座者を示す。

前記実施例のランバーサポート装置では、第２
図に示すように、下部シートバツクフレーム１に
対して上部シートバツクフレーム２が面一をなす
通常のセツト状態Ａから操作レバー６を回転させ
ると、リターンスプリング１４の作用により第２
図に示すように、上部シートバツクフレーム２が
下部シートバツクフレーム１に対して反時計方向
に回動し、前倒状態Ｂに調整され、ロツク部材７
により調整された位置にロツクされる。

前述のごとく、上部シートバツクフレーム２が
前倒状態Ｂに調整された時は、第２図に示すよう
に、上部シートバツクフレームに追従してランバ
ーサポートフレーム２７の下部が後方に移動し、
その結果、第４図に示すように、ランバーサポー
ト３３がシートバツクの後方にセツトされる。

また操作レバー６を操作して、上部シートバツ
クフレーム２をリターンスプリング１４に抗して
後方に押圧すれば、後倒状態Ｃに調整する事が出
来る。このように、上部シートバツクフレーム２
を後倒状態Ｃに調整した時は、第２図に示すよう
に、上部シートバツクフレーム２に追従してラン
バーサポートフレーム２７の下部が前方に移動す
る。したがつて、この状態では第５図に示すよう
に、ランバーサポート３３はシートバツク内の前
方位置にセツトされる。

前述したところから分かるように、この第１の
実施例では着座者３４の好みや体形に合わせて上
部シートバツク３２を後倒または前倒させるに伴
い、上部シートバツクフレーム２に追従してラン
バーサポートフレーム２７が後倒または前倒操作
されるので、着座者３４に対するサポート圧を任
意に調整することができる。

第６図〜第１１図には本考案の第２の実施例の
概略が夫々示されており、前述せる第１実施例と
対応する部分には同一符号を付してこれ以上の詳
細説明はこれを省略するも、下部シートバツクフ
レーム１の上端部の両側に、シートバツクの前後
方向の幅の広いブラケツト３５ａ，３５ｂが固定
されている。

前記ブラケツト３５ａ，３５ｂには、第７図に
示すごとく、前後方向の後部寄りにヒンジ軸用の
挿通孔３６が設けられ、前部寄りにはカム軸用の
挿通孔３７が設けられている。

前記ヒンジ軸用の挿通孔３６には、上部シート
バツクフレーム２の下端部の両側に固定されたヒ
ンジブラケツト４ａ，４ｂに設けられたヒンジ軸
用の挿通孔が重合されていて、これにヒンジ軸５
が挿通されている。

前記カム軸用の挿通孔３７には、カム軸が挿通
され、このカム軸３８には軸方向にランバーサポ
ートフレーム２７と等しい間隔をおいて複数個の
カム３９が取り付けられている。

前記カム３９は、この実施例では第９図に拡大
して示すように、側面から見て四角形に形成さ
れ、かつカム軸３８に対して偏心させて取り付け
られている。

前記カム３９には、上部シートバツクフレーム
２の上部部材２ａに止着されたランバーサポート
フレーム２７の長さ方向のほぼ中間部が当接され
ている。

前記カム軸３８の一端部は、第６図に示すよう
に、シートバツクフレームの一側部に突出され、
この突出されたカム軸３８の端部には回転操作用
のレバー４０が取り付けられている。

そして、この第２の実施例のランバーサポート
装置では、カム軸３８を回転操作するレバー４０
を回転させ、カム軸３８を介してカム３９を第９
図Ａに示す姿勢、つまりランバーサポートフレー
ム２７から最も後退した位置にセツトしたうえ
で、上部シートバツクフレーム２を例えば第１０
図に破線で示すように前倒させると、ランバーサ
ポートフレーム２７は同第１０図に破線で示すご
とく、上部シートバツクフレーム２に追従して前
倒した状態に変位する。したがつて、この調整状
態ではランバーサポート（この第２の実施例では
省略）は、前記第１の実施例で第４図について説
明したところと同様、シートバツク内の後方位置
にセツトされる。

この状態からレバー４０を第８図において反時
計方向に回転させ、カム３９を第９図ＡからＢに
示す姿勢にセツトすると、このカム３９によりラ
ンバーサポートフレーム２７がやや前方に突出し
た位置にセツトされる。ついで、カム３９を第９
図Ｃに示す姿勢にセツトすると、ランバーサポー
トフレーム２７が第１１図に破線で示すように、
前方へ大きく突出した位置にセツトされる。

また、上部シートバツクフレーム２を後倒させ
た場合、および通常のセツト状態にした場合に
も、カム３９を第９図Ａ，ＢおよびＣに示す姿勢
にセツトすることにより、ランバーサポートフレ
ーム２７を順次前方に突出した位置にセツトする
ことができる。

したがつて、この第２の実施例では上部シート
バツクを後倒、前倒または通常のセツト状態に調
整した時に、これに追従してランバーサポートの
着座者に対するサポート圧を調整することができ
る外、カム３９によりランバーサポートフレーム
２７のセツト位置を積極的に変えることによつ
て、ランバーサポートの着座者に対するサポート
圧を調整することができる。

なお、この第２の実施例の他の部材の作用につ
いては、前記第１の実施例と同様である。

前記第１、第２実施例とも、上部シートバツク
フレーム２を回動操作する部分、および上部シー
トバツクフレーム２を回動させた後、その調整さ
れた状態にロツクするロツク機構は図面に示すロ
ツク部材７に限らないし、またカム３９の形状も
図面に示すものに限定されないし、更にカム軸３
８の取付け位置も図面に示すものに限定されな
い。

以上が本考案中折れシートバツクにおけるラン
バーサポート装置の一実施例の構成であるが、か
かる構成によれば、下部シートバツクに上部シー
トバツクを回動可能に連結した中折れシートバツ
クの内部に、上部シートバツクフレームから着座
者の腰部に対応する位置に至る長さのランバーサ
ポートフレームを配置するとともに、このランバ
ーサポートフレームを上部シートバツクフレーム
に、これに追従してシートバツクの前後方向に調
整可能に取り付けているので、中折れシートバツ
クの内部に組み込まれたランバーサポートにより
着座者の腰部をサポートできる外、このランバー
サポートを上部シートバツクの回動に追従してシ
ートバツクの前後方向に調整できるので、着座者
の好みや体形に応じてサポート圧を調整し得る効
果がある。

【図面の簡単な説明】

第１図〜第５図は本考案の第１の実施例を示す
もので、第１図はシートバツクフレームとヒンジ
とランバーサポートフレームとを示す分解斜視
図、第２図は同側面図であつて上部シートバツク
フレームとランバーサポートフレームとの作用状
態を示す図、第３図は上部シートバツクフレーム
のロツク機構としてのロツク部材の一例を示す縦
断面図、第４図および第５図はシートの側面から
見た作用説明図である。第６図〜第１１図は本考
案の第２の実施例を示すもので、第６図はシート
バツクフレームとヒンジとランバーサポートフレ
ームとカムおよびこれの操作部材との結合状態を
示す斜視図、第７図はこの実施例の要部の分解拡
大斜視図、第８図は第６図の拡大側面図、第９図
Ａ，Ｂ，Ｃはカムの作用説明図、第１０図および
第１１図は側面から見た作用説明図である。 図中、１……下部シートバツクフレーム、２…
…上部シートバツクフレーム、３ａ，３ｂ，４
ａ，４ｂ……ヒンジブラケツト、５……ヒンジ
軸、６……操作レバー、７……上部シートバツク
フレームのロツク機構としてのロツク部材、２７
……ランバーサポートフレーム、３１……下部シ
ートバツク、３２……上部シートバツク、３３…
…ランバーサポート。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 下部シートバツクに上部シートバツクを回動可
   能に連結した中折れシートバツクの内部に、上部
   シートバツクフレームから下部シートバツクフレ
   ームの着座者の腰部に対応する位置に至る長さの
   ランバーサポートフレームを前記上部シートバツ
   クフレームの下部部材及び下部シートバツクフレ
   ームの上部部材の前面側に配置し、且つランバー
   サポートフレームの上端部を上部シートバツクフ
   レームの上部部材に取付け、前記ランバーサポー
   トフレームの下部を前記上部シートバツクフレー
   ムの後傾時に前方に移動させ得るようになされて
   いることを特徴とする中折れシートバツクにおけ
   るランバーサポート装置。