JPH0130930Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 （産業上の利用分野） この考案は、長椅子状のソフアー形態における
背もたれ部の後面側がベツド形態におけるベツド
床面となる新規構成のソフアーベツドに関する。

（従来技術） 従来、ソフアーベツドの一例として、昭和15年
実用新案出願公告第231号公報に記載のものがあ
る。これはリンクを介して基台に連結されている
背もたれ部を起状させてソフアー又はベツトの形
態にするわけであるが、該背もたれ部を起伏動作
させただけでは各形態に固定することができず、
特別の固定具により背もたれ部を基台に固定する
必要があり、このため構造が複雑となり、ソフア
ーベツトの製造費の低廉化を妨げる原因の一つに
なつていた。

（考案の目的） 本考案は上記従来の問題点に鑑み、簡単な機構
により、背もたれ部を起伏動作させるだけでソフ
アー又はベツトの形態に固定することができるソ
フアーベツトを提供することを目的とする。

（問題点を解決するための手段） 上記従来の問題点を解決するために、本考案
は、長椅子状のソフアー形態を構成する座部２を
基台１に固設すると共に、背もたれ部３の両側面
に、くの字状に折曲してその下端部が当該背もた
れ部３の前方へ突出する固定連結杆５を固着し、
該各固定連結杆５の上部と各基台側面の中央部と
を第１連結杆７を介して回動自在に連結すると共
に、その各固定連結杆５の下端部と各基台側面の
後部とを第２連結杆１１を介して回動自在に連結
することにより、背もたれ部３をソフアー形態の
起立姿勢から座部２上へ倒伏可能に支持し、更に
基台側面に上記第１および第２の連結杆７，１１
の少なくとも一方がソフアー形態において当接す
るストツパー部９とベツト形態において当接する
ストツパー部１３を設けると共に、第２の連結杆
１１を後方側へ引張り付勢するばね部材１２を取
付け、上記背もたれ部３の後面側がベツト形態に
おけるベツト床面となるように構成してなるもの
である。

（実施例） 第１図はこの考案に係るソフアーベツドの一実
施例におけるソフアー形態の長椅子状の外観、第
２図は同ベツド形態のシングルベツド状の外観を
示し、１は長方形枠状の基台、２は基台１に固設
された座部、３は両側のリンク機構４，４を介し
て基台１に支持された背持たれ部である。

背もたれ部３は、座部２より広い前後方向幅を
有し、その下部前面側にソフアー形態下で座部２
の後端部が嵌合する凹形部３ａが形成され、また
両側部の下部には下端が凹形部３ａ位置で前方へ
突出する略くの字状の、固定連結杆５，５が固着
されている。一方、基台１の両側部１ａ，１ａに
は座部２の側方位置で上端が上方へ突出した取付
フレーム６，６が固着されており、その各上端の
枢着部６ａと背もたれ部３の各固定連結杆５の上
側枢着部５ａとが第１の連結杆７を介して枢着連
結されている。また基台１の両側部１ａ，１ａの
後端側下部には、前方側端が内向き曲折してスト
ツパー部９を形成した取付フレーム１０，１０が
固着されており、この各取付フレーム１０の枢着
部１０ａと背もたれ部３の各固定連結杆５の突出
端に形成した下側枢着部５ｂとが略く字状の第２
の連結杆１１を介して枢着連結されている。しか
して第２の連結杆１１の屈曲部１１ａと基台１の
側部１ａの後端上部１ｂとの間に、該連結杆１１
を枢着部１０ａを中心として後方側へ回動するよ
うに引張り付勢するコイルばね１２が係着され、
また上記後端上部１ｂよりやや前方にストツパー
片１３が固着されている。１４は各取付フレーム
６と座部２の側面との間に介在するスペーサであ
る。

上記構成のソフアーベツドにあつては、第１図
示のソフアー形態下では、第３図の如く、固定連
結杆５の下端部と第２の連結杆１１との連結点た
る下側枢着部５ｂが固定連結杆５の上部と第１の
連結杆７との連結点たる上側枢着部５ａの直下の
下死点を通過して前方に位置しているため、ばね
部材１３の付勢力が背もたれ部５を後方へ倒す方
向に作用し、その背もたれ部５が前方へ倒れるの
が防止され、また、この状態では、第２の連結杆
１１がストツパー部９に当接しており、背もたれ
部３はやや後方傾斜して起立した状態にあり、背
もたれ部３を後方側へ倒す方向の人体荷重W₁は
第２の連結杆１１をストツパー部９に押し付ける
力P₁として作用するので、背もたれ部３が後方
へ倒れる惧れはない。またソフアー形態から第２
図で示す如きベツド形態とするには、背もたれ部
３を上方へ引き上げ気味にして前方へ倒伏させる
ように操作すればよく、この操作により背もたれ
部３の後面側がベツド床面８となる。この時背も
たれ部３の重量負荷はコイルばね１２の付勢によ
り相殺されているので上記操作が極めて容易とな
る。しかして、ベツド形態においては背もたれ部
３の上部すなわちベツド床部の前方側は座部２に
て支承され、また背もたれ部３の下部すなわちベ
ツド床部の後方側にかかる人体荷重W₂は、固定
連結杆５と連結杆１１とが枢着部５ｂ位置におい
て後方へ凸状となり、且つ連結杆１１がストツパ
ー片１３に当接しているから、背もたれ部３の下
部すなわちベツド床部の後方側にかかる人体荷重
W₂は連結杆１１をストツパー片１３に押し付け
る力P₂として作用する。従つて床部は揺動等を
生じない安定した状態に保持される。

尚、上記実施例ではストツパー部９およびスト
ツパー片１３を第２の連結杆１１がソフアー形態
とベツド形態でそれぞれ当接する配置構成として
いるが、例えば枢着部６ａを基台１の側部１ａの
下部に位置させれば第１の連結杆７側でストツパ
ー機能を担持させることも可能である。

（考案の特有の効果） 本考案によれば、背もたれ部を起伏させてソフ
アー形態とベツト形態とにする機構が、固定連結
杆、第１、第２の連結杆及び２つのストツパー部
からなり、構成が簡単であから、製造費の低廉な
ソフアーベツトを提供することができる。

また、特に固定連結杆の下端部がくの字状に折
曲して背もたれ部の前方へ突出していることか
ら、その背もたれ部の回動支点の一つである固定
連結杆と第２の連結杆との連結点が背もたれ部の
前方に位置することとなり、この結果、背もたれ
部は、後方へ倒されてソフアー形態にされるだけ
で、自重により第２の連結杆を介してストツパー
部に押し付けられて基台に固定される。さらに背
もたれ部が前方へ倒されてベツド形態にされる
と、固定連結杆のくの字状に折曲させられている
下端部が斜め下向きとなり、その下端部に連結さ
れている第２の連結杆が背もたれ部の重量負荷に
よつてストツパー部に押し付けられることから、
当該背もたれ部はベツト形態にされるだけで基台
に固定される。

しかも背もたれ部が起立させられてソフアー形
態にされると、前述のように、固定連結杆の下端
部と第２の連結杆との連結点が固定連結杆の上部
と第１の連結杆との連結点より前方、即ち背もた
れ部より前方に位置しているため、ばね部材の付
勢力が背もたれ部を後方へ倒す方向に作用するよ
うになり、ソフアー形態の背もたれ部が前方へ倒
れるのを防止する効果がある。この他、上記ばね
部材は、背もたれ部をソフアー形態からベツト形
態にするときの重量負荷を軽減すると共に、ベツ
ト形態において第２の連結杆をストツパー部に押
し付けて、多少の外部負荷を受けても、ベツト形
態を維持する効果がある。

【図面の簡単な説明】

第１図はこの考案に係るソフアーベツドの一実
施例におけるソフアー形態の外観を示す斜視図、
第２図は同ベツド形態の外観を示す斜視図、第３
図は同ソフアー形態下のリンク機構を示す側面
図、第４図は同ベツド形態下のリンク機構を示す
側面図である。 １……基台、１ａ……側部、２……座部、３…
…背もたれ部、３ｂ……側部、５……固定連結
杆、５ａ……上側枢着部、５ｂ……下側枢着部、
６ａ……枢着部、６ｂ……枢着部、７……第１の
連結杆、９……ストツパー部、１１……第２の連
結杆、１２……コイルばね（ばね部材）、１３…
…ストツパー片（ストツパー部）。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 長椅子のソフアー形態を構成する座部を基台に
   固設すると共に、背もたれ部の両側面に、くの字
   状に折曲してその下端部が当該背もたれ部の前方
   へ突出する固定連結杆を固着し、該各固定連結杆
   の上部と各基台側面の中央部とを第１の連結杆を
   介して回動自在に連結すると共に、その各固定連
   結杆の下端部と基台側面の後部とを第２の連結杆
   を介して回動自在に連結することにより、背もた
   れ部をソフアー形態の起立姿勢から座部上へ倒伏
   可能に支持し、更に基台側面に上記第１および第
   ２の連結杆の少なくとも一方がソフアー形態にお
   いて当接するストツパー部とベツト形態において
   当接するストツパー部とを設けると共に、第２の
   連結杆を後方側へ引張り付勢するばね部材に取付
   け、上記背もたれ部の後面がベツト形態における
   ベツト床面となるように構成してなるソフアーベ
   ツド。