JPH0613596U - 事務用椅子 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【目的】 使用者が椅子に座りながらバネ圧調整でき、
背凭の後傾と一緒に座板の後部も下がるようにした事務
用椅子を提供する。 【構成】 支柱１の上端に固定枠３を固着し、固定枠３
の後部に背凭枠６の前端部を軸支し、背凭７部の屈曲部
寄りで台枠１２の後端部を軸着する一方、台枠１２の前
部に軸支した水平軸１４を固定枠３の前寄りに穿設した
長孔１５に挿通させると共に、固定枠３内に設けた主軸
１７へ捩り巻バネ２０を嵌挿し、台枠１２に形成した係
止部材２１に捩り巻バネ２０の一端を担持させ、固定枠
３の前縁寄りに螺子軸２２を回転自在に軸支して螺子軸
２２の操作摘子２４を固定枠３外に突出させると共に螺
子軸２２に螺合した軸材２５にリンク２６の一端を枢着
し、リンク２６の他端に設けられた横架部材２７に捩り
巻バネ２０の他端を加担させ、螺子軸２２を回転操作し
て捩り巻バネ２０の捩り度を調整し得るようにした。

Description

【考案の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】

本考案は背凭がバネによって弾性的に後傾するように設けられた事務用椅子に 関し、更に詳しくはその弾性を使用者の望みどおり自由に調節し得るようにし、 しかも背凭の後傾に連動して座板の後部が下動するようにした事務用椅子に関す る。

【０００２】

【従来の技術】

背凭を支持する背凭枠を座部の下側に枢着すると共にバネの弾性により該背凭 を起立状態に保ち、使用により該背凭に掛る背中の圧力で該背凭がバネの弾性に 抗して後傾するように構成された事務用椅子は従来から知られている。

【０００３】

【考案が解決しようとする課題】

しかるに、従来の上記事務用椅子では上記バネの弾性を調節することは可能で あっても、調節操作をするに際してはその操作摘子が後方にあったために、いっ たん椅子から降りなければその操作摘子を回すことができなかった。このため椅 子に座った状態で快適な強度を試しながらの調節ができず、その点で使い勝手は よくなかった。 また、大きく伸びをして背凭を傾けても、座板が固定されており快適性に欠け る面があった。

【０００４】 本考案に係る事務用椅子は上記問題点を克服するもので、使用者が椅子に座り ながら所望のバネ圧調整でき、更に背凭の後傾と一緒に座板の後部も下がるよう にした事務用椅子を提供することを目的とする。

【０００５】

【課題を解決するための手段】

本考案の事務用椅子は、脚部に立設された支柱の上端に箱型の固定枠を固着し 、該固定枠の後部に側面Ｌ型をなす背凭枠の前端部を軸支し、該背凭枠の屈曲部 寄りで座板を載置する台枠の後端部を軸着する一方、該台枠の前部に軸支した水 平軸を前記固定枠の前寄りに穿設した長孔に挿通させると共に、該固定枠内で水 平に設けた主軸へ捩り巻バネを嵌挿し、前記台枠の中央寄りに形成した係止部材 に該捩り巻バネの一端を担持させ、一方、該固定枠の前縁寄りに螺子軸を回転自 在に軸支して該螺子軸の操作摘子該リンクの他端に設けられた横架部材に前記捩 り巻バネの他端を加担させ、該螺子軸を回転操作して該捩り巻バネの捩り度を調 整し得るようにしたことを特徴とする。

【０００６】

【作用】

背凭を弾性により起立状態に保つ捩り巻バネの一端をリンクを介して固定枠に 回転自在に軸支した螺子軸へ連結し、該螺子軸の操作摘子を椅子前縁の座板下に 突出させているので、座ったままの姿勢で手がとどき弾性調整ができる。また、 座板を載置する台枠について、その後端部を背凭枠の屈曲部寄りで軸着する一方 、台枠の前部に軸支した水平軸を固定枠の前寄りに穿設した長孔に挿通するので 、背凭枠の後傾と共に座板の座り角度も変わるようになる。

【０００７】

【実施例】

以下図面に基づき本考案の一実施例を説明する。 図において、１は脚部２に立設された支柱でその上端に箱型をなす固定枠３が 固着されており、該固定枠３の側面４，４の後部隅角部には軸孔５，５が穿設さ れている。６は側面Ｌ型をなし垂直部に背凭７を装着する背凭枠であり、その前 端部６ａと屈曲部６ｂ寄りに夫々軸孔８，８，９，９が穿設されており、前端部 ６ａの軸孔８，８と固定枠３の軸孔５，５に軸１０を挿通することによって固定 枠３に対して背凭枠６を軸着している。 また、屈曲部６ｂ寄りの軸孔９，９と座板１１を載置する台枠１２の後端部に 穿設した軸受とにピン１３を挿通して、背凭枠６へ台枠１２を軸着している。台 枠１２は両側部をＬ型部材により、また前縁部を水平軸１４により、後縁部をピ ン１３により、全体として平面長方形状に枠組されている。前記固定枠３の前寄 りには斜後方上向傾斜状になるように長孔１５が穿設されており、長孔１５に該 水平軸１４を挿通している。

【０００８】 固定枠３の側板略中央には透孔１６，１６が形成され、１７は透孔１６，１６ へ水平に取付けられる主軸を示す。該主軸１７でリンク１８の一端を枢支すると 共に、該リンク１８を挟持するようにして一対のブッシュ１９，１９を主軸１７ に嵌挿している。そして、捩り巻バネ２０，２０が該ブッシュ１９，１９を介し て主軸１７に嵌挿されている。 ２１は台枠１２を横架するようにして配設されたピンからなる係止部材を示す 。該係止部材２１は捩り巻バネ２０の一端２０ａを担持するようにしてある。

【０００９】 固定枠３の前方中央部には透孔２８が開設された取付部２９を形成し、該取付 部２９に軸受片２３を固着し、該軸受片２３の内周部にはブッシュ３０を設け該 ブッシュ３０中に螺子軸２２を回転自在に貫挿している。３１は該螺子軸２２の 外周にピン３２をもって固着した軸受リングで、該軸受リング３１をブッシュ３ ０の上端部面に摺動自在に支持している。２４は該螺子軸２２の下端に固着され た操作摘子である。また、該螺子軸２２には軸材２５を螺合し、該軸材２５の両 端部にリンク２６，２６を枢着させている。更に、該リンク２６，２６の他端と 前記リンク１８の他端とをピンから構成される横架部材２７にてこれらを回動自 在に取付けている。 そうして、前記捩り巻バネ２０の他端２０ｂを該横架設部材２７に支持させて いる。尚、符号２８はストッパーを示す。

【００１０】 このように構成した事務用椅子は、無負荷時（図１に示す）には捩り巻バネ２ ０の作用により背凭７は起立しているが、使用により背凭７に背中の圧力が掛か ると捩り巻バネ２０の弾性に抗して背凭７が後傾する。この時、台枠１２はその 後端部をピン１３で背凭枠６に軸着され、且つ台枠１２の前端部に軸支した水平 軸１４を固定枠３の前寄りで斜後方上向傾斜状になるように穿設された長孔１５ に挿通させているので、背凭７の後傾につれて座板１１は前部がもち上げられる と共に後部が沈んでいく（図２に示す）。 一方、捩り巻バネ２０は、操作摘子２４の螺子軸２２に螺合した軸材２５を介 してリンク２６の他端に設けた横架部材２７に加担しているので、操作摘子２４ をつかんで螺子軸２２を回転し軸材２５を図１又は図２に示したように上下させ ることにより捩り巻バネ２０の捩り度が調整され、これにより椅子に座りながら 所望のバネ圧調節を行ない得る。

【００１１】 尚、本実施例ではリンク１８とリンク２６をピンからなる横架部材２７で枢支 するが、リンク１８をなくし戻り巻バネ２０の他端を横架部材２７に巻付け係止 する構成としてもよい。

【００１２】

【考案の効果】

このように本考案の事務用椅子は、背凭を起立させようとする捩り巻バネを設 け、その一端を台枠の係止部材へ係止する一方、他端を固定枠の前縁寄りに突出 する操作摘子と一体となった螺子軸に連係させ、操作摘子を回転操作することに より該捩り巻バネの捩り度を調整し得るようにしたので、使用者は該事務用椅子 に座った姿勢で操作摘子を操作でき、背凭を所望の弾性に調整できる効果がある 。 そして、背凭の後傾と共に座板も後部が沈んでいくので、後方に反った時に快 適感を味わうことができる。

【図面の簡単な説明】

【図１】本考案の事務用椅子の一実施例を示す要部の縦
断面図。

【図２】図１の作動状態図。

【図３】図１の平面図。

【図４】椅子全体の側面図。

【符号の説明】

１ 支柱 ２ 脚部 ３ 固定枠 ６ 背凭枠 ７ 背凭 １１ 座板 １２ 台枠 １４ 水平軸 １５ 長孔 １６ 透孔 １７ 主軸 １８ リンク １９ ブッシュ ２０ 捩り巻バネ ２１ 係止部材 ２２ 螺子軸 ２４ 操作摘子 ２５ 軸材 ２６ リンク ２７ 横架部材

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】 脚部に立設された支柱の上端に箱型の固
   定枠を固着し、該固定枠の後部に側面Ｌ型をなす背凭枠
   の前端部を軸支し、該背凭枠の屈曲部寄りで座板を載置
   する台枠の後端部を軸着する一方、該台枠の前部に軸支
   した水平軸を前記固定枠の前寄りに穿設した長孔に挿通
   させると共に、該固定枠内で水平に設けた主軸へ捩り巻
   バネを嵌挿し、前記台枠の中央寄りに形成した係止部材
   に該捩り巻バネの一端を担持させ、 一方、該固定枠の前縁寄りに螺子軸を回転自在に軸支し
   て該螺子軸の操作摘子を固定枠外に突出させると共に該
   螺子軸に螺合した軸材にリンクの一端を枢着し、該リン
   クの他端に設けられた横架部材に前記捩り巻バネの他端
   を加担させ、 該螺子軸を回転操作して該捩り巻バネの捩り度を調整し
   得るようにしたことを特徴とする事務用椅子。