JPH01307406A - 改良された再生セルロース膜系透析器及びその製造法 - Google Patents

改良された再生セルロース膜系透析器及びその製造法

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JPH01307406A
JPH01307406A JP63136653A JP13665388A JPH01307406A JP H01307406 A JPH01307406 A JP H01307406A JP 63136653 A JP63136653 A JP 63136653A JP 13665388 A JP13665388 A JP 13665388A JP H01307406 A JPH01307406 A JP H01307406A
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cellulose membrane
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和夫 今村
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Abstract

(57)【要約】本公報は電子出願前の出願データであるた
め要約のデータは記録されません。

Description

【発明の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本発明は、改良された再生セルロース膜系透析器に関す
る。さらに詳しくは、血液に対する適合性が改良された
ウェツト型再生セルロース膜系透析器およびその製法に
関する。
〔従来の技術〕
近年、人工腎臓、人工肺、離別分離装置等の膜を用いた
人工臓器が、損少の発展を遂げてきている。周知のよう
に、特に人工透析療法に於いて、再生セルロース膜、と
りわけ銅アンモニウム法再生セルロース膜を使用した透
析器は、広く用いられ、透析装置や透析技術の進歩とと
もに、腎不全患者の延命、社会復帰に大きな役割を果た
している。これは、再生セルロース膜を使用した透析器
が、優れた透析性能や機械的強度を有するとともに、長
年の実績に裏付けられた高い安全性を有しているからに
他ならない。
しかしながら、透析療法の進歩にもかかわらず、透析に
伴う種々の問題がまだ未解決で残されている。例えば、
抗凝固剤が長期間大量投与され、そのために生じると考
えられる種々の副作用の問題、また、再生セルロース膜
やその他一部の膜を使用した透析器で血液透析を行った
場合の一過性の白血球減少や補体成分の活性化の問題等
が指摘されている。後者の現象については、臨床症状と
の関連、或いは臨床的意義は明らかではないが、再生セ
ルロース膜透析器において、他の優れた性能を損なわず
、これらの現象を軽減することが望まれている。
また、透析器には、組み込まれた透析膜が乾燥した状態
で滅菌したドライ型透析器と、充填液で透析膜を湿潤し
た状態で滅菌したウェツト型透析器があるが、使用前の
洗浄操作の容易性がら後者の透析器が望まれている。
かかる要望に対して、血液親和性を改質した再生セルロ
ース膜系透析器が種々提案されている。
例えば、各種ポリマーやビタミンを表面にコーティング
した再生セルロース膜系透析器が提案されているが、湿
潤状態での滅菌では被膜の安定性の問題点が指摘される
。また、特開昭61−8105にはイソシアネートプレ
ポリマーを反応させた再生セルロース膜系透析器が、特
開昭60−118203にはブリッジ剤を介してポリマ
ー酸を化学的に結合させた再生セルロース膜系透析器が
それぞれ提案されている。これらの透析器は湿潤状態で
の滅菌でも改質された性能は保持されると思われるが、
透析膜製造の際の反応物質安定性及び反応工程の複雑さ
などの問題がある。さらに、特開昭61−113459
にはジエチルアミノエチルセルロース等の改変セルロー
スを用いて製膜した再生セルロース膜系透析器が提案さ
れている。この透析器は湿潤状態での滅菌でも改質され
た性能は保持されるが、血液凝固を軽減する面での改良
は十分とは言えない。
〔発明が解決しようとする課題〕
上記のように、再生セルロース膜系ウェツト型透析器の
血液に対する適合性を向上させる試みには、一長一短が
ある。そこで、本発明の目的は、再生セルロース膜の優
れた透析性能を損なうことなく、血液に対する適合性が
改良されている、湿潤状態で滅菌された再生セルロース
膜系透析器を提供することにある。
〔課題を解決するための手段及び作用〕再生セルロース
膜を用いた場合性じる補体成分の活性化や白血球の一過
性減少には、膜表面の水酸基が関与していると考えられ
ている。一方、この膜表面の水酸基は種々の官能基と反
応し分子鎖を結合することができる。結合した分子鎖は
、股上の水酸基をマスキングし、補体蛋白や血球と水酸
基の直接の接触を妨げる。これにより、補体成分の活性
化を抑制できるだけでなく、膜表面の物理化学的性質に
影響を与え、他の血液親和性をも改善できる0分子鎖の
構造及び官能基には多くの組合せが可能であるが、生体
安全性、生体親和性、経済性、化学反応性などに加えて
、湿潤した状態での滅菌の際改良された血液に対する適
合性が保持されることを考慮し、種々研究を重ねた結果
、本発明の完成に到った。
すなわち、本発明によれば、再生セルロース膜系透析器
において、少なくとも血液側の膜表面の水酸基に有機カ
ルボン酸のアシル残基がエステル結合によりグラフトさ
れている再生セルロース■りが組み込まれ、かつ充填液
で該再生セルロース膜が湿潤された状態で滅菌されてい
ることを特徴とする再生セルロース膜系透析器が提供さ
れる。
本発明によれば、さらに、有機カルボン酸またはその官
能性誘導体及びエステル化触媒を反応媒体に溶解または
分散させた溶液で再生セルロース膜を処理し、膜表面の
水酸基とエステル化反応を行なわしめ、続いて後処理し
た線膜を透析器に組み込んだ後、充填液で線膜を湿潤さ
せ滅菌することを特徴とする再生セルロース膜系透析器
の製造法が提供される。
本発明によれば、さらに、有機カルボン酸またはその官
能性誘導体及びエステル化触媒を反応媒体に溶解または
分散させた溶液を、再生セルロース膜を組み込んだ透析
器の少なくとも血液側に循環または充填放置し、膜表面
の水酸基とエステル化反応を行なわしめ、続いて後処理
した後、充填液で線膜を湿潤させ滅菌することを特徴と
する再生セルロース膜系透析器の製造法が提供される。
本発明で使用する「再生セルロース膜」とは、天然セル
ロースを一旦化学的に或いは物理的に変化させた後再生
した膜であって、例えば、銅アンモニウム法再生セルロ
ース膜、ビスコースレーヨン膜、セルロースエステルを
鹸化した膜が含まれるが、透析性能及び長年の実績によ
り裏付られた高い安全性等から銅アンモニウム法再生セ
ルロース膜が好んで用いられる。
再生セルロース膜の形状は、平膜または中空糸膜等何れ
の形状に成型されたものも用いることができるが、中空
糸膜が好ましい。例えば、特公昭50−40168及び
特開昭59−204912に開示されているような、膜
厚が数側〜60pmであり、外径が10n〜数百−の真
円形の横断面を有する中空糸膜等が用いられる。
本発明では、透析器に組み込まれる再生セルロース膜は
、その表面の改質によって血液に対する適合性の改良が
行なわれるが、充填液で湿潤された状態での滅菌によっ
て改質された表面の性質が変化することなく改良された
血液に対する適合性が保持されることが要求される。例
えば、表面をコーティングすることにより血液に対する
適合性を改良した再生セルロース膜系透析器では湿潤状
態での滅菌の際、コーティング化合物のコンフォメーシ
ョン変化が生じ、改良された血液に対する適合性が失わ
れることがある。また、表面の水酸基の反応性を利用し
て分子鎖を結合させることによって再生セルロース膜の
表面改質を行なっても、湿潤状態での滅菌の際、その結
合が開裂したり、結合した分子鎖のコンフォメーション
変化が生じ、血液に対する適合性が失われる恐れがある
。これらのことを考慮し、本発明では、少なくとも血液
側の膜表面に有機カルボン酸のアシル残基がエステル結
合によりグラフトされている再生セルロース膜が採用さ
れる。このような膜の表面改質は、再生セルロース膜表
面の水酸基と有機カルボン酸またはその酸無水物や酸ハ
ロゲン化物等の官能性誘導体をエステル化反応させ、有
機カルボン酸のアシル残基をグラフトさせることにより
行なわれる。有機カルボン酸として、再生セルロース膜
表面の水酸基にエステル化反応する高分子カルボン酸及
び低分子カルボン酸がすべて使用できる。
すなわち、高分子カルボン酸としては、例えば、一般式
が、 110□CC11□−(OCII□CH2) 、−0C
1hCO□4I(n= 1−150) で示されるポリエチレングライコールジカルボン酸、ま
たは一般式が、 HO□CCHz−(OCHzC1l□)、−0R(n=
 1 ”150; R=炭素数が1〜20の飽和または不 飽和炭化水素) で示されるポリエチレングライコールモノカルボン酸等
が挙げられる。
また、低分子カルボン酸としては、脂肪族カルボン酸も
用いることができ、飽和または不飽和脂肪酸、脂肪族ジ
カルボン酸等の脂肪族カルボン酸が挙げられる。股上の
水酸基のマスキング効果から、脂肪族カルボン酸として
は、炭素数5個以上のものが好ましく、例えば、吉草酸
、カプロン酸、エナント酸、カプリル酸、ペラルゴン酸
、カプリン酸、ウンデシル酸、ラウリン酸、トリデシル
酸、ミリスチン酸、ペンタデシル酸、パルミチル酸、ヘ
プタデシル酸、ステアリン酸、ノナデカン酸、アラキン
酸、ベヘン酸、リグノセリン酸等の飽和脂肪酸、オレイ
ン酸、エライジン酸、セトレイン酸、エルカ酸、ブラシ
ジン酸、ソルビン酸、リノール酸、リルン酸、アラキド
ン酸等の不飽和脂肪酸、及びグルタル酸、アジピン酸、
ピメリン酸、スペリン酸、アゼライン酸、セバシン酸等
の脂肪族ジカルボン酸等が用いられる。
再生セルロース膜表面の水酸基とのエステル化反応は、
上記有機カルボン酸そのものを用いても可能だが、有機
カルボン酸ハロゲン化物、有機カルボン酸無水物等の官
能性=a体を用いても可能である。有機カルボン酸ハロ
ゲン化物としては、取り扱い性及び残留時の安全性の面
から有機カルボン酸クロライドが好ましい。また有機カ
ルボン酸無″水物としては、上記有機カルボン酸を2分
子もしくはそれ以上を脱水縮合させた単独の酸無水物、
または上記有機カルボン酸とその他の有機カルボン酸と
の混成酸無水物を用いることができる。
後者の場合、目的とする有機カルボン酸を優先的にエス
テル結合させるために、その他の有機カルボン酸として
、立体障害の大きい有機カルボン酸、例えばイソ酪酸、
イソ吉草酸を用いた混成酸無水物や、炭酸水素アルキル
(HOCO□R,R=アルキル基)を用いた混成酸無水
物が好ましい。
これらの有機カルボン酸または官能性誘導体は、0、5
〜50 mmol/ Lの濃度で用いられ、エステル化
の反応性、膜への付着残留、経済性の点から1〜10 
mmol/ Lの濃度で好んで使用される。
再生セルロース膜表面の水酸基とのエステル化反応には
、公知の低分子のアルコールと低分子のカルボン酸また
はその官能性誘導体との反応が適用できる。処理条件と
して、再生セルロース膜の物性に影響を与えないように
、処理温度を低く抑え、処理時間をできるだけ短くする
ことが好ましい。これらの事項は経済性の面からも有利
である。
また、エステル化触媒を使用してエステル化を促進する
ことが好ましい。反応を促進させるエステル化触媒とし
て、有機カルボン酸の場合、硫酸、塩酸などの鉱酸、芳
香族スルホン酸などの有機酸、三フッ化ホウ素エーテラ
ートなどのルイス酸、ジシクロヘキシルカルボジイミド
などのカルボジイミド誘導体、及びカルボジイミドSi
 ff1体と4−ジメチルアミノピリジン及び/または
4−ピロリジノピリジンとの混合触媒等が、有機カルボ
ン酸ハロゲン化物の場合、副生ずるハロゲン化物を除去
するため、ピリジン、ジメチルアニリン、トリエチルア
ミン、テトラメチル尿素、或いは金属マグネシウム等、
及びこれらの除去剤と4−ジメチルアミノピリジン及び
/または4−ピロリジノピリジンとの混合触媒等が、有
機カルボン酸無水物の場合、硫酸、p−トルエンスルホ
ン酸、塩化亜鉛、酢酸ナトリウム、ピリジン、4−ジメ
チルアミノピリジン、4−ピロリジノピリジン等が知ら
れている。
本発明では、これらの触媒を単独または適宜組合せて用
いることができるが、反応を円滑に進める点や反応後の
除去の点から、反応媒体に可溶のものをできるだけ少量
使用することが好ましい。
このような観点から、カルボン酸をジシクロヘキシルカ
ルボジイミドなどのカルボジイミド誘導体と4−ジメチ
ルアミノピリジン及び/または4−ピロリジノピリジン
との混合触媒でエステル化反応をさせる方法、及び有機
カルボン酸無水物を4−ジメチルアミノピリジン及び/
または4−ピロリジノピリジンでエステル化反応をさせ
る方法が好んで用いられる。
反応媒体としては、有機カルボン酸またはその官能性誘
導体と反応しないこと、エステル化触媒を失活させない
こと、再生セルロース膜からなる高分子膜に大きな形態
変化を生じせしめないことが必要である。従って、反応
媒体として、上記の要件を満たし、有機カルボン酸また
はその官能性誘導体及びエステル化触媒を分散または溶
解させる溶剤は、全て用いられる。反応の均一性、円滑
性及び反応後の除去を考慮すると有機カルボン酸または
その官能性誘導体及びエステル化触媒を溶解させる溶剤
が好ましい。このような反応媒体として、例えば、n−
ヘキサン、n−へブタン、シクロヘキサン、石油エーテ
ル、石油ベンジン、ベンゼン、トルエン等の炭化水素類
、アセトン、メチルエチルケトン等のケトン類、酢酸メ
チル、酢酸エチル、酢酸プロピル等のエステル類、エチ
ルエーテル、イソプロピルエーテル、ジオキサン等のエ
ーテル類、1.1.2−トリクロロ−1,2゜2−トリ
フルオロエタン、トリクロロフルオロメタン、1.1.
2.2−テトラクロロ−1,2−ジフルオロエタン等の
塩化弗化炭化水素等が挙げられる。これらの反応媒体は
、単独または混合して使用できる。生体への安全性や反
応後の除去の観点から、塩化弗化炭化水素、特に1.1
.2−トリクロロ−1,2,2−)リフルオロエタンを
含む反応媒体が好ましく、1 、1 、2−)リクロロ
ー1.2.2−)リフルオロエタンとアセトンの混合溶
媒が好んで用いられる。
エステル化反応処理は、透析器に再生セルロース膜を組
み込む前に行なう方法と組み込んだ後に行なう方法とが
ある。即ち、前者の方法では、有機カルボン酸またはそ
の官能性誘導体及びエステル化触媒を反応媒体に分散ま
たは溶解させた処理液に、再生セルロース膜を投入し攪
拌する、または、処理液を充填した浸漬槽内に高分子膜
を浸漬させる、または、高分子膜を充填した処理槽に処
理液を循環することによりエステル化反応処理が行なわ
れる。改質された再生セルロース膜は公知の方法によっ
て透析器に組み込まれる。すなわち、中空糸の場合、透
析器ハウジングに挿入された中空糸束の両末端をポリウ
レタン樹脂でボッティングすることにより組み立てられ
る。また、後者の方法では、再生セルロース膜が組み込
まれた透析器の少なくとも血液を流通させる側に、処理
液を循環させるまたは充填して放置させることによりエ
ステル化反応処理が行なわれる。
上記いずれの方法でも、エステル化反応終了後、後処理
操作が行なわれる。すなわち、過剰の処理液が除去され
、反応試薬、エステル化触媒または副反応生成物等が膜
に残留しない場合には省略されるが、通常これらを除去
するため洗浄が行われる。この洗浄操作には、反応に使
用した溶媒、またはメチルアルコール、エチルアルコー
ルなど再生セルロース膜に大きな形態変化を起こさせな
い溶媒を用い、浸漬抽出、またはソックスレー抽出が行
われる。最後に、減圧乾燥、送風乾燥等により残留溶媒
の除去が行われる。
このようにして得られる透析器は、充填液により改質さ
れた再生セルロース膜を湿潤させた後、滅菌される。充
填液としては、水、生理食塩水、グリセリン水溶液、及
びこれらに抗酸化剤を添加した水溶液が用いられる。特
に、抗酸化剤の添加は、滅菌により再生セルロース膜の
酸化劣化等が生じる場合には好んで用いられる。すなわ
ち、ピロ亜硫酸ナトリウム、アセトンソジウムバイサル
ファイト、ソジウムホルムアルデヒドスルホキシレート
、ソジウムハイドロサルファイト、L−アスコルビン酸
等の抗酸化剤等が添加された充填液が使用される。充填
液による改質された再生セルロース膜の湿潤は、再生セ
ルロース膜重量に対して水が200%以上含有されてお
れば十分であり、大抵、透析器に充填液を封入すること
により行なわれる。
改質された再生セルロース膜が充填液で湿潤された透析
器は、滅菌操作にかけられる。滅菌法として加熱法、照
射法、薬液法等の公知の方法が使用でき、高圧蒸気滅菌
、放射線(ガンマ−線)滅菌が好んで用いられる。
上記のようにして得られる本発明の透析器は、実施例に
示されるように用いる再生セルロース膜の優れた透析性
能が損なわれることなく、補体成分の活性化作用が抑制
され、白血球一過性減少が軽微になる。このような効果
は、本発明に於いてエステル化反応が再生セルロース膜
表面でのみ起こり、膜内部の化学的及び物理的構造が維
持されているためと考えられる。また、表面にエステル
化される量が、表面の物理化学的及び生物化学的性質を
改良するに十分に量であるが、水や物質の透過に悪影響
を与えない程度の極微量であるためと考えられる。
また、滅菌前後で透析性能の変化がなく、補体成分の活
性化作用の抑制においても変化がない。
このことは、上述のように再生セルロース膜表面にのみ
有機カルボン酸のアシル残基が極微量グラフトているに
もかかわらず、湿潤状態での滅菌に対してエステル結合
が安定であり、開裂することもなく、このアシル残基が
膜表面の水酸基を有効に遮蔽しているためと考えられる
このため本発明では、上述のようにエステル結合される
有機カルボン酸またはその官能性誘導体を低濃度で使用
することができる。このことは、これまで予想だにでき
なかったことである。即ち、イソシアナートを反応させ
ているEP−155534に開示されている実施例では
、反応物質の濃度が1〜15容量%とかなりの高濃度で
あるが、本発明では、僅か数百ppmの低濃度でも十分
に効果を発揮している。低濃度の場合、コスト面で有利
になるとともに、膜への反応物質の付着残留も少なく、
反応後の膜の洗浄操作も容易であり、使用時の安全性の
面でも有利であると言える。
膜表面の物理化学的及び生物化学的性質の改良の効果は
、他の血液親和性にも指摘できる。即ち、有機カルボン
酸のアシル残基が親水性の場合には、血漿タンパク質の
吸着が抑制されている。この現象の一つの理論的根拠は
、ワイ・イカダ(Y。
Ikada)) :アドバンス・イン・ポリマー・サイ
エンス(Advance in Polymer 5c
ience)、第57巻、1984年、第103頁以下
に与えられているが、簡単に要約すると、親水性グラフ
ト鎖が植え付けられた血液接触表面では、多量の水を含
んだそのグラフト鎖が材料の実質表面へのタンパク質吸
着や血小板等の細胞の付着を防止するという考えである
このため、血液凝固の原因になる血小板の血液接触表面
への粘着や活性化が起こり難く、また凝固因子の接触相
活性化が生じ難い。即ち、このような蛋白質吸着が抑制
されている血液接触表面では血栓の生成が抑制されると
考えられている。
一方、グラフトされる有機カルボン酸のアシル残基が疎
水性の場合には、血漿タンパクのうちアルブミンが選択
的に吸着される。アルブミンは、血液中で脂肪酸のキャ
リアーとして働き、分子軸中心に疎水性のポケットを有
しているといわれている。このポケットに、疎水性のグ
ラフト鎖が、結合するため選択的な吸着が起こると考え
られる。
このようにアルブミンが選択吸着する血液接触表面では
、血液凝固が起こり難いと考えられている。
その理論的根拠として、フィブリノーゲンや免疫グロブ
リンのようなりM鎖を有する蛋白質は、この#M鎖を介
して血小板と結合するが、アルブミンは、このようなI
Ii鎖を持たず、血小板との特異的な結合を起こさない
ため、血液中からアルブミンを優先的に吸着する血液接
触表面では血液凝固が起こり難いと考えられている。
上記のような蛋白質の吸着抑制及びアルブミンの選択吸
着には、グラフト鎖が三箇所以上で高分子膜表面に結合
し、鎖の運動が抑制された状態よりも、一端が結合し他
の末端が自由に運動できるほうが好ましい。これは自由
なグラフト鎖のほうが、高分子膜の実質表面を遮蔽し、
蛋白質の吸着を抑制するためであり、親水性グラフト鎖
の場合、水分の含有が増大する効果が加わる。
〔実施例〕
次に、実施例により本発明の内容をさらに詳細に述べる
なお以下の実施例中に記載されている測定項目は、各々
次の方法で測定したものである。
(1)透水量 透析器の血液側および透析液側を1500mL水で洗浄
後、血液側の一方のノズルを閉じて、もう一方のノズル
から400msHgの圧力をかけながら水を入れ、単位
時間当たりの透水量を測定する。透析器の膜面積・は、
中空糸膜の内径、有効長及び充填本数から算出される。
(2)クリアランス (1)と同様に透析器を洗浄した後、透析液側に水を5
00mL /分の流量で流通させながら、血液側にlo
ooppm尿素水溶液、または10ppmビタミンa−
12(vats)水溶液を流通させる。血液側人口及び
出口でサンプリングし、尿素またはVB、□の濃度を吸
光度から求めて、次式よりクリアランスを計算する。
クリアランス=(1分間当たりの血液側液量)(血液側
入口の濃度) (3)補体消費率 (1)と同様に透析器を洗浄した後、洗浄水を乾燥空気
で排出し、透析器ハウジングを解体して再生セルロース
膜を取り出す。次いで、真空乾燥により乾燥した再生セ
ルロース膜を取得する。この膜を2關長に細断し、ポリ
エチレン管に入れ、これにGVバッファーで4倍に稀釈
したモルモット補体200111を加え、37℃で1時
間インキュベートする。上清液中の補体値をマイヤー変
法(エム・エム・マイヤー(M、M、Mayer) :
イムノケミストリー(immunochemisty)
第2版、第133頁、シー・シー・トーツス(C,C,
Thomas)出版者、1961年、参照)によって求
める。即ち補体の50%溶血価(CH2O(a)を求め
、コントロールに対する補体消費率(%C1+50)を
算出する。
実施例 l ラウリン酸0.51 g、4−ジメチルアミノピリジン
0.02 g 、ジシクロへキシルカルボジイミド0.
26g及び1.1.2−1−ジクロロ−1,2,2−ト
リフルオロエタン−アセトン混合溶媒(アセトン12.
5wt%)700mlを加え、処理液を調合した。この
処理液に再生セルロース中空糸膜(内径200−1膜厚
13n、長さ30cI′11)の束(本数約7 、00
0本)を、時々上下しながら30分間垂直に浸漬した。
処理後の再生セルロース中空糸膜束をメチルアルコール
中に一昼夜浸漬した後、室温で減圧乾燥することによっ
てエステル化された中空糸膜束を得た。
この中空糸膜束を透析器ハウジングに挿入し、両末端を
ポリウレタン樹脂でボッティングすることにより透析器
を組み立てた。次いで、透析器の血漿側と透析液側を各
々1500mLの注射用蒸留水で洗浄充填した。この中
空糸膜を湿潤させた透析器をポリエチレン類の袋に封入
した状態で、121℃、1kg/−の条件下、高圧蒸気
滅菌を施し、滅菌された透析器を取得した。
この滅菌された透析器、上記と同様にエステル化された
中空糸膜束を組み込んだ滅菌前の透析器、及び未処理の
再生セルロース中空糸膜束を組み込み上記と同様に高圧
蒸気滅菌した透析器について、透析器の透析性能及び補
体消費率の測定を実施した。結果を第1表に示す。エス
テル化処理により血液に対する適合性は改善され、滅菌
操作により減することはない。また、透析性能はエステ
ル化処理および滅菌操作により変動しない。
第  1 表 滅菌後 滅菌前 未処理 透水量 <ml/ m/mmHg/hr)   4.0  3.
9  4.0尿素 クリアランス (mj/5in)       162  159  
161VB、!クリアランス (af/n+in)        44   44 
  43補体消費率 (%)          18   16   52
実施例 2 実施例1と同様にしてエステル化を行ない、次いで、組
み立てた透析器の血液側及び透析液側を各々1500+
wLの0.01 g /dLピロ亜硫酸ナトリウム水溶
液で洗浄充填した。この中空糸膜を湿潤させた透析器を
ポリエチレン類の袋に封入し、さらに段ボールケースに
入れて包装した。この状態でガンマ−11i*2.5メ
ガラドを照射して滅菌処理を施し、滅菌された透析器を
取得した。
この滅菌された透析器、上記と同様にエステル化された
中空糸膜束を組み込んだ滅菌前の透析器、及び未処理の
再生セルロース中空糸膜束を組み込み上記と同様にガン
マ−線滅菌した透析器について、透析器の透析性能及び
補体消費率の測定を実施した。結果を第2表に示す。エ
ステル化処理により血液に対する適合性は改善され、滅
菌操作により減することはない。また、透析性能はエス
テル化処理および滅菌操作により変動しない。
以下余白 第2表 滅菌後 滅菌前 未処理 透水量 (m7 / m / mal(g/ hr)   3.
9  3.9  3.8尿素 クリアランス (In1/ m1n)       160  159
  160VB+zクリアランス (ml/m1n)        43   44  
 42捕体消費率 (%)          16   16   50
実施例 3 処理液として、無水カプロン酸0.44 g、ジメチル
アミノとリジン0.02g及び1,1.2−1−リクロ
ロー1.2.2〜トリフルオロエタン−アセトン混合溶
媒(アセトン12.5wt%)700n+jを加え調合
した液を用いた以外実施例1と同様にエステル化処理、
透析器の組み立て、充填液の洗浄充填及び高圧蒸気滅菌
を施し、滅菌された透析器(実施例3−1)を取得した
また、上記と同様にエステル化処理した中空糸膜束を使
用して、実施例2と同様に透析器に組み立て、充填液の
洗浄充填及びガンマ−線滅菌を施し、滅菌された透析器
(実施例3−2)を取得した。
実施例3−1、実施例3−2及び上記と同様にエステル
化された中空糸膜束を組み込んだ滅菌前の透析器につい
て、透析器の透析性能及び補体消費率の測定を実施した
。結果を第3表に示す。エステル化処理に血液に対する
適合性は改善され、滅菌操作により減することはない。
また、透析性能はエステル化処理および滅菌操作により
変動しない。
以下余日 第3表 実施例 実施例 滅菌前 透水量 (mf/n?/mmHg/hr)   3.9  4.
0  4.0尿素 クリアランス (In1/ m1n)       161  160
  160VB+zクリアランス (ml/m1n)        42   43  
 44捕体消費率 (%)          12   14   13
実施例 4 処理液として、アルコキシポリエチレングライコールモ
ノカルボン酸 C+Jz7−(OCHzCHz)t−OCHzCOzH
O,64g、 4−ジメチルアミノピリジン0.02 
g 、ジシクロへキシルカルボジイミド0.2Ag及び
1.1.2−)リクロロー1 、2−2−1−リフルオ
ロエタン−アセトン−混合溶媒(アセトン12.5讐t
%)700−を加え調合した液を用いた以外実施例1と
同様にエステル化処理、透析器の組み立て、充填液の洗
浄充填及び高圧蒸気滅菌を施し、滅菌された透析器(実
施例4−1)を取得した。
また、上記と同様にエステル化処理した中空糸膜束を使
用して、実施例2と同様に透析器の組み立て、充填液の
洗浄充填及びガンマ−線滅菌を施し、滅菌された透析器
(実施例4−2)を取得した。
実施例4−1、実施例4−2及び上記と同様にエステル
化された中空糸膜束を組み込んだ滅菌前の透析器につい
て、透析器の透析性能及び補体消費率の測定を実施した
。結果を第4表に示す。エステル化処理により血液に対
する適合性は改善され、滅菌操作により減することはな
い。また、透析性能はエステル化処理および滅菌操作に
より変動しない。
以下余日 第4表 実施例 実施例 滅菌前 透水量 (mf / m /mmh/ hr)   4.0  
4.0  4.0尿素 クリアランス (mZ/m1n)       163  162  
162VB+2クリアランス (InI/ m1n)        45   44
   45補体消費率 (%)          12   12   13
実施例 5 処理液として、メトキシポリエチレングライコールモノ
カルボン酸 CIl:l−(OCHzC)It) t−0CHzCO
□It) 0.64g、  4−ジメチルアミノピリジ
ン0.02g、ジシクロへキシルカルボジイミド0.2
6 g及び1,1.2−トリクロロ−1,2,2−1−
リフルオロエタン−アセトン混合溶媒(アセトン12.
5wt%)700mlを加え調合した液を用いた以外実
施例1と同様にエステル化処理、透析器の組み立て、充
填液の洗浄充填及び高圧蒸気滅菌を施し、滅菌された透
析器(実施例5−1)取得した。
また、上記と同様にエステル化処理した中空糸膜束を使
用して、実施例2と同様に透析器の組み立て、充填液の
洗浄充填及びガンマ−線滅菌を施し、滅菌された透析器
(実施例5−2)を取得した。
実施例5−1、実施例5−2及び上記と同様にエステル
化された中空糸膜束を組み込んだ滅菌前の透析器につい
て、透析器の透析性能及び補体消費率の測定を実施した
。結果を第5表に示す。エステル化処理により血液に対
する適合性は改善され、滅菌操作により減することはな
い。また、透析性能はエステル化処理および滅菌操作に
より変動しない。
以下余白 第5表 実施例 実施例 滅菌前 透水量 (m7/ m/mmHg/hr)   4.1  4.
0  4.1尿素 クリアランス (ml / m1n)       164  162
  163VB12クリアランス (mI/win)        46   42  
 44補体消費率 (婉)          12   13   12
実施例 6 アルコキシポリエチレングライコールモノカルボン酸 C,、Ill□、−(OCII□GHz)7−OCHz
COtll 0.32g −4−ジメチルアミノピリジ
ン0.01g、ジシクロへキシルカルボジイミド0.1
3 g及び1.1.2−トリクロロ−1,2,2−1−
リフルオロエタン−アセトン混合溶媒(アセトン12.
5wt%)350−を加え、処理液を調合した。この処
理液を再生セルロース中中糸膜が組み込まれた透析器の
血液側及び透析液側に流量150mL/分で室温、60
分循環させエステル化処理を施した。過剰な処理液を排
出させた後、メタノールで20分循環洗浄し、メタノー
ルを排出した。次いで真空乾燥し、中空糸膜がエステル
化処理された透析器を取得した。
この透析器に対して実施例1と同様に、充填液の洗浄充
填及び高圧蒸気滅菌を施し、滅菌された透析器(実施例
6−1)を取得した。
また、上記と同様にエステル化処理された透析器に対し
て実施例2と同様に、充s液の洗浄充填、及びガンマ−
線滅菌を施し、滅菌された透析器(実施例6−2)を取
得した。
実施例6−1、実施例6−2及び上記と同様にエステル
化された滅菌前の透析器について、透析器の透析性能及
び補体消費率の測定を実施した。
結果を第6表に示す。エステル化処理により血液に対す
る適合性は改善され、滅菌操作により滅することはない
。また、透析性能はエステル化処理および滅菌操作によ
り変動しない。
第6表 実施例 実施例 滅菌前 透水量 (of/ rrf/mmHg/hr)   4.0  
4.0  3.9尿素 クリアランス (m7/m1n)       160  158  
161VB、□クリアランス (mI/m1n)        42   43  
 41補体消費率 (%)          14   12   13
実施例 7 実施例1.2.3−1.4−1.5−2.6−1の透析
器及び未処理の再生セルロース中空糸膜が組み込まれた
透析器(高圧蒸気滅菌及びガンマ−線滅菌)に対して、
それぞれ大による体外循環を行った。犬は体重約10k
gのピーグル大を用い、頚部に造設したシャントから1
QQaZ/sinの血流をとって透析器血液側に流した
。なお、体外循環に先だって、生理食塩水で透析器内を
洗浄した後、ヘパリン6.000U/L含有の生理食塩
水で透析器及び血液回路内を充填し、その後血液を流し
た。
透析器入口部で血液を採取し白血球数を測定した。
透析直前の白血球数を100とした時、透析後15分及
び30分の値を第7表に示す。本発明の透析器ではいず
れも白血球の低下が改善されている。
第  7  表 透析器       15分値  30分値実施例1 
      78    82実施例2       
81    94実施例3−1     85    
92実施例4−1     78    88実施例5
−2     80    89実施例6−1    
 79    92未処理 (高圧蒸気滅菌)     13    45(ガンマ
−vA滅菌>    18    44実施例 8 実施例1.2.3−1.3−2の透析器及び未処理の再
生セルロース中空糸膜が組み込まれた透析器(高圧蒸気
滅菌及びガンマ−線滅菌)を使用して、血漿蛋白質の選
択吸着をEIA(酵素免疫測定)法で測定した。すなわ
ち、透析器の血液側および透析液側を水1500mLで
洗浄し、洗浄液を排出後、透析器ハウジングを解体して
中空糸膜を取り出した。この中空糸膜内にウサギ血漿を
充填し、37℃で1時間インキュベートする。その後ウ
サギ血漿・を押し出し、リン酸バッファーで数回洗浄す
る。この中空糸膜内表面に血漿を吸着させたサンプル内
にそれぞれアルブミン、イムノグロブリン・ジー(Ig
G)、フィブリノーゲンに対するペルオキシダーゼ標識
抗体(カベル社製)を充填し、吸着している蛋白質と抗
原抗体反応させる。
PBSバッファーで充分洗浄した後、中空糸膜を2鶴長
に細断し、ポリエチレン管に入れる。このポリエチレン
管にペルオキシダーゼの基質である3−(p−ヒドロキ
シフェニル)プロピオン酸及び過酸化水素を加え、酸素
反応を1時間行わしめて、生成する酸化物を蛍光分光で
測定する。
得られた結果を第8表に示す。すなわち、抗アルブミン
抗体、抗イムノグロブリン・ジー抗体、または抗フィブ
リノーゲン抗体を用いて測定される蛍光強度をそれぞれ
Ia、Ii、Ifとした時、Ia/Ii及びIa/If
の値を求め、滅菌法が同じである未処理透析器(高圧蒸
気滅菌またはガンマ−線滅菌)からの中空糸膜での値で
除して、(Alb/IgG)及び(Alb/Fib)と
した。このようにして得られた値は、1.00よりも大
きく、これら改良された透析器の中空糸膜では、未処理
の中空糸膜よりもアルブミンを選択吸着していると言え
る。
第  8  表 実施例1       1.50  1.72実施例2
       1.55  1.69実施例3−1  
   1.34  1.58実施例3−2     1
.26  1.63実施例9 実施例5−1.5−2の透析器及び未処理の再生セルロ
ース中空糸膜が組み込まれた透析器(高圧蒸気滅菌及び
ガンマ−線滅菌)を使用して、血漿蛋白質の総吸着量を
測定した。すなわち、透析器の血液側および透析液側を
水1500mLで洗浄し、洗浄液を排出後、牛血漿を血
液側に37℃で流量150mL/分で3時間循環する。
次いで、生理食塩水を血液側に流通し洗浄した。その後
生理食塩水を排出し、透析器ハウジングを解体して中空
糸膜を取り出した。この中空糸膜を2龍長に細断し、ガ
ラス製サンプル瓶に移し、これにドデシルスルホン酸ナ
トリウム1%含有のリン酸バッファーを加えた。室温で
4時間攪拌して吸着している蛋白質を脱着させた後、上
清液を採取し、BCAプロティンアッセイ試薬(ピアー
ス社製)を用いた方法で上清液中の総蛋白質量を測定し
、これより吸着量を算出した。
得られた結果を第9表に示す。実施例5−1.5−2の
透析器では、蛋白質の吸着が未処理のものより減少して
いる。
第  9  表 透析器        総蛋白質吸着量(μg / c
al ) 実施例5−1       6 実施例5−2       8 未処理 (高圧蒸気滅菌)12 (ガンマ−線滅菌)10 (発明の効果〕 本発明は次のような顕著な効果を奏する。
イ、第1表〜第6表に示されるように、滅菌操作に関係
なく補体の活性化が抑制され、従って、第7表に示され
るように、本発明の透析器では白血球一過性減少が大幅
に軽減される。
口、また、第1表〜第6表に示されるように、膜の透水
性能や透過性能は、エステル化処理や滅菌操作によって
殆ど変動しない。
ハ、第8表、第9表に示されるように、表面の生物学的
性質に効果があり、親水性の有機カルボン酸アシル残基
が結合した場合、蛋白質の吸着量が減少し、疎水性の有
機カルボン酸アシル残基が結合した場合、アルブミンの
選択吸着性が増大し、何れも血栓生成を抑制し、膜の血
液親和性を向上させる。
二、製造に要する反応温度が低く、また反応時間も短い
ので、この点からも再生セルロース膜の物性が変化する
ことがない。
ホ、製造が容易であり、用いた試薬等を除去することも
容易であるので、本発明により経済的で安全性の高い透
析器が得られる。

Claims (1)

  1. 【特許請求の範囲】 1、再生セルロース膜系透析器において、少なくとも血
    液側の膜表面の水酸基に有機カルボン酸のアシル残基が
    エステル結合によりグラフトされている再生セルロース
    膜が組み込まれ、かつ充填液で該再生セルロース膜が湿
    潤された状態で滅菌されていることを特徴とする再生セ
    ルロース膜系透析器。 2、有機カルボン酸またはその官能性誘導体及びエステ
    ル化触媒を反応媒体に溶解または分散させた溶液で再生
    セルロース膜を処理し、膜表面の水酸基とエステル化反
    応を行なわしめ、続いて後処理した該膜を透析器に組み
    込んだ後、充填液で該膜を湿潤させ滅菌することを特徴
    とする再生セルロース膜系透析器の製造法。 3、有機カルボン酸またはその官能性誘導体及びエステ
    ル化触媒を反応媒体に溶解または分散させた溶液を、再
    生セルロース膜を組み込んだ透析器の少なくとも血液側
    に循環または充填放置し、膜表面の水酸基とエステル化
    反応を行なわしめ、続いて後処理した後、充填液で該膜
    を湿潤させ滅菌することを特徴とする再生セルロース膜
    系透析器の製造法。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2015533858A (ja) * 2012-06-25 2015-11-26 ヤグナ・リミテッド セルロース性表面を生分解可能に誘導体化する方法

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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPS6099260A (ja) * 1983-11-02 1985-06-03 東洋紡績株式会社 セルロ−スエステル中空繊維型分離膜のオ−トクレ−ブ滅菌法

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