JPH0468009B2 - - Google Patents

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JPH0468009B2
JPH0468009B2 JP63136652A JP13665288A JPH0468009B2 JP H0468009 B2 JPH0468009 B2 JP H0468009B2 JP 63136652 A JP63136652 A JP 63136652A JP 13665288 A JP13665288 A JP 13665288A JP H0468009 B2 JPH0468009 B2 JP H0468009B2
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acid
blood
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cellulose
aliphatic carboxylic
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Kazuo Imamura
Yoshito Ikada
Hikaru Konishi
Uuchen Koretsuji
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Asahi Chemical Industry Co Ltd
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Asahi Chemical Industry Co Ltd
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Description

【発明の詳細な説明】
〔産業上の利用分野〕 本発明は、人工腎臓用膜などとして用いられる
血液親和性に優れたセルロース系人工透析膜およ
びその製法に関する。 〔従来の技術〕 ある種の高分子膜は人工腎臓用膜、人工肺用
膜、プラズマフエレシス用膜などとして患者の治
療に広く用いられている。これらの高分子膜の最
も大きな特徴は患者の血液と直接的に接触するこ
とである。現在用いられている医療用高分子膜も
血液との接触によつて血栓が多少とも生成するの
で、治療時に患者の血液中に抗凝固剤であるヘパ
リンを投与して血栓の生成を防止している。しか
しこのような抗血液凝固剤の使用は出血性患者に
は避けるべきであり、また長期間にわたり繰り返
して使用していると、種々の障害が生じる。さら
に、高分子膜表面と血液が接触することにより、
生体の様々な防衛機構が作動することが指摘され
ている。再生セルロースからなる高分子膜で血液
透析を行つた場合、一過性の白血球減少や補体成
分の活性化が生じる。これらの現象と臨床症状と
の関連、或いは臨床的意義は明らかではないが、
再生セルロースからなる高分子膜の他の優れた性
能を損なわず、これらの現象を軽減することが望
まれている。 従つて、高分子膜の血液親和性を向上させる試
みが以前から行われている。その大きな流れは次
の二つである。一つは、血液の親和性を高める薬
剤、即ち抗凝固剤とか抗血小板剤を高分子膜に包
含させておくか、吸着させておいて、極少量づつ
血液中へ徐放させる方法である。他の一つは、血
液と接触する高分子膜表面の物理化学的特性を化
学修飾などによつて改良し、血液親和性を付与し
ようという方法である。しかし何れも一長一短が
ある。 前者の方法では、包含していた薬剤が枯渇する
とか、出血性患者にはやはり使用しにくいなどの
問題点がある。後者の方法として、各種ポリマー
やビタミンを再生セルロースからなる高分子膜の
表面にコーテイングする方法が既に提案されてい
るが、被膜の安定性や滅菌の方法が限定されるな
どの問題点がある。また、特開昭61−8105には再
生セルロース膜にイソシアネートプレポリマーを
反応させる方法が、特開昭60−118203にはブリツ
ジ剤を介してポリマー酸を化学的に結合させる方
法がそれぞれ提案されているが、いずれも反応物
質安定性、及び反応工程の複雑さなどの問題があ
る。さらに、特開昭61−113459にジエチルアミノ
エチルセルロース等の改変セルロースを用いて製
膜した透析膜が提案されているが、血液凝固を軽
減する面での改良は十分とは言えない。 〔発明が解決しようとする課題〕 上記のように、再生セルロースからなる高分子
膜の血液親和性を向上させる試みには、一長一短
がある。そこで、本発明の目的は、再生セルロー
スからなる高分子膜の優れた透析性能を損なうこ
となく、血液親和性を向上させた、改質されたセ
ルロース系高分子膜及びその製造法を提供するこ
とにある。 〔課題を解決するための手段及び作用〕 再生セルロースからなる高分子膜表面上には、
水酸基が存在する。このため補体成分が活性化さ
れるというマイナス面を持つが、一方それを足場
にしてグラフト鎖を植えつけられるというプラス
面を持つている。すなわち、水酸基と反応するよ
うな官能基、例えばカルボキシル基及びその誘導
体、イソシアネート基、ハロゲン基などを主鎖あ
るいは鎖末端に持つグラフト鎖を再生セルロース
からなる高分子膜表面と反応させることにより、
グラフト鎖が植えつけられる。グラフト鎖は、膜
上の水酸基をマスキングし、補体成分の活性化を
抑制できるだけでなく、膜表面の物理化学的性質
に影響を与え、他の血液親和性をも改善できる。
グラフト鎖の構造には多くの組合せが可能である
が、生体安全性、生体親和性、経済性、化学反応
性などを考慮し、種々研究を重ねた結果、本発明
の完成に到つた。 すなわち、本発明によれば、再生セルロースか
らなる高分子膜に脂肪族カルボン酸をエステル結
合させたことを特徴とする改質されたセルロース
系透析膜が提供される。 本発明によれば、さらに、脂肪族カルボン酸及
びエステル化触媒を反応媒体に溶解または分散さ
せた溶液で再生セルロースからなる高分子膜を処
理することにより、脂肪族カルボン酸と膜表面の
水酸基とのエステル化反応を行うことを特徴とす
る改質されたセルロース系透析膜の製造法が提供
される。 本発明で使用する『再生セルロース』とは、天
然セルロースを一旦化学的に或いは物理的に変化
させた後再生したものであつて、例えば、銅アン
モニウム法再生セルロース、ビスコースレーヨ
ン、セルロースエステルを鹸化したものが含まれ
るが、透析性能及び長年の実績により裏付られた
高い安全性等から銅アンモニウム法再生セルロー
スが好んで用いられる。 再生セルロースの形状は、平膜または中空糸膜
等何れの形状に成型されたものも用いることがで
きるが、中空糸膜が好ましい。例えば、特公昭50
−40168及び特開昭59−204912に開示されている
ような、膜厚が数μm〜60μmであり、外径が
10μm〜数百μmの真円形の横断面を有する中空
糸膜等が用いられる。 本発明で言うグラフト鎖とは、膜表面に少なく
とも一端が化学結合した分子鎖であり、本発明で
は、エステル結合した脂肪族カルボン酸残基が相
当する。膜上の水酸基のマスキング効果から、本
発明では、炭素数5個以上の脂肪族カルボン酸が
使用でき、官能基となるカルボキシル基は必ずし
も1個だけでなく2個あるいは3個でもよい。こ
のような脂肪族カルボン酸として、飽和または不
飽和脂肪酸、脂肪族ジカルボン酸等の脂肪族カル
ボン酸が挙げられる。例えば、吉草酸、カプロン
酸、エナント酸、カプリル酸、ペラルゴン酸、カ
プリン酸、ウンデシル酸、ラウリル酸、トリデシ
ル酸、シリスチン酸、ペンタデシル酸、パルミチ
ン酸、ヘプタデシル酸、ステアリン酸、ナノデカ
ン酸、アラキン酸、ベヘン酸、リグノセリン酸等
の飽和脂肪酸、オレイン酸、エライジン酸、セト
レイン酸、エルカ酸、ブラシジン酸、ソルビン
酸、リノール酸、リノレン酸、アラキドン酸等の
不飽和脂肪酸、及びグルタル酸、アジピン酸、ピ
メリン酸、スベリン酸、アゼライ酸、セバシン酸
等の脂肪族ジカルボン酸等が用いられる。 上記のように、脂肪族カルボン酸としてモノカ
ルボン酸のみならず、多官能のカルボン酸を使用
することができるが、後者の場合、反応中縮合に
よる脂肪族カルボン酸の高分子化のためか、反応
性低下が生じることがある。また、後述するよう
に、グラフト鎖は、一端が表面に結合しているほ
うが好ましく、多官能のカルボン酸の場合、二箇
所以上で表面に結合したループ状のグラフト鎖を
形成する可能性がある。このため、表面に結合さ
せる脂肪族カルボン酸としては、モノカルボン酸
がより好ましい。 脂肪族カルボン酸を再生セルロースからなる高
分子膜表面にエステル結合させるには、膜表面に
存在する水酸基とのエステル化反応によつて行わ
れる。一般によく知られたアルコールとカルボン
酸またはその酸誘導体とからの直接合成法が用い
られるが、エステル化触媒を使用してエステル化
を促進することが好ましい。本発明では、脂肪族
カルボン酸及びエステル化触媒を反応媒体に溶解
または分散させた溶液で再生セルロースからなる
高分子膜を処理することにより、脂肪族カルボン
酸と膜表面の水酸基とのエステル化反応を行う。 反応媒体としては、脂肪族カルボン酸と反応し
ないこと、エステル化触媒を失活させないこと、
再生セルロース膜からなる高分子膜に大きな形態
変化を生じせしめないことが必要である。従つ
て、反応媒体として、上記の要件を満たし、脂肪
族カルボン酸及びエステル化触媒を分散または溶
解させる溶剤は全て用いられる。反応の均一性、
円滑性から、脂肪族カルボン酸及びエステル化触
媒を溶解させる溶剤が好ましい。このような反応
媒体として、例えば、n−ヘキサン、n−ヘプタ
ン、シクロヘキサン、石油エーテル、石油ベンジ
ン、ベンゼン、トルエン等の炭化水素類、アセト
ン、メチルエチルケトン等のケトン類、酢酸メチ
ル、酢酸エチル、酢酸プロピル等のエステル類、
エチルエーテル、イソプロピルエーテル、ジオキ
サン等のエーテル類、1,1,2−トリクロロ−
1,2,2−トリフルオロエタン、トリクロロフ
ルオロメタン、1,1,2,2−ニトラクロロ−
1,2−ジフルオロエタン等の塩化弗化炭化水素
等が挙げられる。これらの反応媒体は、単独また
は混合して使用できる。生体への安全性や反応後
の除去の観点から、塩化弗化炭化水素、特に1,
1,2−トリクロロ−1,2,2−トリフルオロ
エタンを含む反応媒体が好ましく、1,1,2−
トリクロロ−1,2,2−トリフルオロエタンと
アセトンの混合溶媒が好んで用いられる。 反応を促進させるエステル化触媒として、硫
酸、塩酸などの鉱酸、芳香族スルホン酸などの有
機酸三フツ化ホウ素エーテラートなどのルイス
酸、ジシクロヘキシルカルボジイミドなどのカル
ボジイミド誘導体、カルボジイミド誘導体と4−
ジメチルアミノピリジン及び/また4−ピロリジ
ノピリジンとの混合触媒等が用いられる。本発明
では、反応を円滑に進める点から、反応媒体に可
溶のものが好ましく、用いる反応媒体によつて、
適宜選択され、カルボジイミド誘導体と4−ジメ
チルアミノピリジン及び/または4−ピロリジノ
ピリジンとの混合触媒が好んで用いられる。 また、触媒の使用量は、カルボン酸の種類、即
ちその反応性、反応系の組成、対象高分子膜の形
態、種類などによつて適宜選択されるべきである
が、できるだけ少量使用するのがよい。 エステル化反応は、上述のように、反応媒体に
脂肪族カルボン酸及びエステル化触媒を溶解また
は分散させた溶液を処理液として、再生セルロー
スからなる高分子膜を処理することによつて行わ
れる。即ち、処理液を充填した浸漬槽内に高分子
膜を浸漬させる、または高分子膜を充填した処理
槽に処理液を循環する等の方法が採用できる。さ
らに、再生セルロースからなる高分子膜を透析器
等に組み立てた後、少なくとも血液を流通させる
側に、処理液を循環させるまたは充填して放置さ
せる方法も当然採用できる。反応温度は、対象の
再生セルロースからなる高分子膜の物性に影響を
与えないように適宜低温となるよう選択するのが
よく、また反応時間も同じ見地からできるだけ短
時間で行うようにするのがよい。 またエステル化をした後、再生セルロースから
なる高分子膜を洗浄、精製することは、エステル
化反応に使用した反応試薬やエステル化触媒を除
去するうえで好ましい。この洗浄、精製のため
に、反応に使用した溶媒またはメチルアルコー
ル、エチルアルコールなど再生セルロースからな
る高分子膜に大きな形態変化を起こさせない溶媒
が使用される。 このようにして膜表面がエステル化された再生
セルロースからなる高分子膜では、実施例に示さ
れるように用いる高分子膜の優れた透析性能が損
なわれることなく、補体成分の活性化作用が抑制
され、白血球一過性減少が軽微になる。このよう
な効果は、本発明に於いてエステル化反応が高分
子膜表面でのみ起こり、膜内部の化学的及び物理
的構造が維持されているためと考えられる。ま
た、表面にグラフトされる量が、表面の物理化学
的及び生物化学的性質を改良するに十分な量であ
るが、水や物質の透過に悪影響を与えない程度の
極微量であるためと考えられる。 膜表面の物理化学的及び生物化学的性質の改良
の効果は、多の血液親和性にも指摘である。即
ち、グラフト鎖が、親水性の場合、血漿タンパク
質の吸着が抑制されている。この現象の一つの理
論的根拠は、ワイ・イカダ(Y.Ikada):アドバ
ンス・イン・ポリマー・サイエンス(Advance
in Polymer Science)、第57巻、1984年、第103
頁以下、に与えられているが、簡単に要約する
と、親水性グラフト鎖が植え付けられた血液接触
表面では、多量の水を含んだそのグラフト鎖が材
料の実質表面へのタンパク質吸着や血小板等の細
胞の付着を防止するという考えである。このた
め、血液凝固の原因になる血小板の血液接触表面
への粘着や活性化が起こり難く、また凝固因子の
接触相活性化が生じにくい。即ち、このような蛋
白質吸着が抑制されている血液接触表面では血栓
の生成が抑制されると考えられている。 一方、グラフト鎖が、疎水性の場合、血漿タン
パクのうちアルブミンが選択的に吸着される。ア
ルブミンは、血液中で脂肪酸のキヤリアーとして
働き、分子軸中心に疎水性のポケツトを有してい
るといわれている。このポケツトに、疎水性のグ
ラフト鎖が、結合するため選択的な吸着が起こる
と考えられる。このようにアルブミンが選択吸着
する血液接触表面では、血液凝固が起こり難いと
考えられている。その理論的根拠として、フイブ
リノーゲンや免疫グロブリンのような糖鎖を有す
る蛋白質は、この糖鎖を介して血小板と結合する
が、アルブミンは、このような糖鎖を持たず、血
小板との特異的な結合を起こさないため、血液中
からアルブミンを優先的に吸着する血液接触表面
では血液凝固が起こり難いと考えられている。 上記のような蛋白質の吸着抑制及びアルブミン
の選択吸着には、グラフト鎖が二箇所以上で高分
子膜表面に結合し、鎖の運動が抑制された状態よ
りも、一端が結合し他の末端が自由に運動できる
ほうが好ましい。これは自由なグラフト鎖のほう
が、高分子膜の実質表面を遮蔽し、蛋白質の吸着
を抑制するためであり、親水性グラフト鎖の場
合、水分の含有が増大する効果が加わる。 治療に使用する前に滅菌操作が必要であるが、
本発明のセルロース系透析膜は、各種の滅菌法を
利用することができる。即ち、組み込んだ透析器
を、そのまま乾燥状態で滅菌するエチレンオキサ
イドガス滅菌、高圧蒸気滅菌及びガンマー線滅菌
等が利用でき、または組み込んだ透析器に水また
は生理食塩水などを充填した後滅菌する高圧蒸気
滅菌、またはガンマー線滅菌などが利用できる。
このような滅菌操作によつて、改良された血液親
和性が変化することはない。 〔実施例〕 次に、実施例により本発明の内容をさらに詳細
に述べる。 なお以下の実施例中に記載されている測定項目
は、各々次の方法で測定したものである。 (1) 透水量 100本の中空繊維の束の両端を接着剤で固定
したモジユールを作り、中空部に水を満たした
後、片端を閉じ、開口部より200mmHgの圧力を
かけながら水を入れ、単位時間当たりの透水量
を測定する。中空繊維の膜面積は、内径及びモ
ジユールの有効長を測つて計算により求める。 (2) クリアランス (1)と同様のモジユールを作り、水の代わりに
1000ppmの尿素水溶液または100ppmのビタミ
ンB−12(VB12)水溶液を用いて、(1)と同様の
方法で透析液中の濃度を吸光度から求めて、次
式よりクリアランスを計算する。 クリアランス=(透析液中の濃度)/(透析前の濃度)
×(1分間当たりの透析液量) (3) 補体消費率 中空繊維を細断して2mm長として、ポリエチ
レン管に入れ、これにGVバツフアーで4倍に
稀釈したモルモツト補体(コーデイス・ラボ社
製)200μを加える。37℃でインキユベート
した後、上清中の補体価をマイヤー変法(エ
ム・エム・マイヤー(M.M.Mayer):イムノ
ケミストリー(Immunochemistry)第2版、
第133頁、シーシー・トーマス(C.C.Thomas)
出版者、1961年、参照)によつて求めた。即ち
補体の50%溶血価(CH50値)を求め、コント
ロールに対する補体消費率(%CH50)を算出
した。 (4) EIA(酵素免疫測定)法 中空繊維内にウサギ血漿を充填し、37℃で1
時間インキユベートする。その後ウサギ血漿を
押し出し、PBSバツフアーで数回洗浄する。
この中空繊維内表面に血漿を吸着させたサンプ
ル内にそれぞれアルブミン、イムノグロブリ
ン・ジー(IgG)、フイブリノーゲンに対する
ペルオキシダーゼ標識抗体(カペル社製)を充
填し、吸着している蛋白質と抗原抗体反応させ
る。PBSバツフアーで充分洗浄した後、中空
繊維を2mm長に細断し、ポリエチレン管に入れ
る。このポリエチレン管にペルオキシダーゼの
基質である3−(p−ヒドロキシフエニル)プ
ロピオン酸及び過酸化水素水を加え、酵素反応
を1時間行わしめて、生成する酸化物を蛍光分
光で測定する。 実施例 1 1,1,2−トリクロロ−1,2,2−トリフ
ルオロエタン−アセトン混合溶媒(アセトン
12.5wt%)250mlに、カプロン酸0.047g、4−ジ
メチルアミノピリジン0.01g、及びジシクロヘキ
シルカルボジイミド0.09gを加え、処理液を調合
した。この処理液にセルロース中空繊維(膜の厚
さ11μm、外径222μm、内径200μm、長さ約20
cm)約600本を垂直に2時間時々上下に動かしな
がら浸漬した。処理した中空繊維をメタノール中
に一昼夜浸漬した後室温で減圧乾燥し、セルロー
ス系透析膜を得た。補体消費率の測定結果を第1
表に示す。 実施例 2 カプロン酸の代わりに各種脂肪族カルボン酸を
用いた以外は実施例1と同様な方法でエステル化
し、各種セルロース系透析膜を得た。第1表に用
いた脂肪族カルボン酸とその使用量及びエステル
化されたセルロース系透析膜の補体消費率の測定
結果を示す。
【表】 実施例 3 実施例1、2のセルロース系透析膜について
EIA法の測定を実施した。結果を第2表に示す。
すなわち、抗アルブミン抗体を用いた場合の蛍光
強度をIa、抗イムノグロブリン抗体を用いた場合
の蛍光強度をIi、抗フイブリノーゲン抗体を用い
た場合の蛍光強度をIfとしたとき、Ia/Ii及び
Ia/Ifの値を未処理中空糸での値で除し、それぞ
れ(Alb/lgG)および(Alb/Fib)として示し
た。このようにして得られた値は1.00よりも大き
く、これら処理した中空糸膜では、未処理中空糸
よりもアルブミンを選択吸着している。
【表】 実施例 4 カプリル酸0.44g、4−ジメチルアミノピリジ
ン0.02g、ジシクロヘキシルカルボジイミド0.26
g及び1,1,2−トリクロロ−1,2,2−ト
リフルオロエタン−アセトン混合溶媒(アセトン
12.5wt%)700mlを加え、処理液を調合した。こ
の処理液にセルロース中空繊維(膜の厚さ11μ
m、外径222μm、内径200μm、長さ30cm)の束
(本数約7000本)を、時々上下しながら30分間垂
直に浸漬した。処理後のセルロース中空繊維束を
メチルアルコール中に一昼夜浸漬した後、室温で
減圧乾燥することによつてエステル化された中空
繊維束を得た。 第3表にエステル化処理を行つた中空繊維につ
いて透析性能及び補体消費率の測定結果を示す。 次に、この中空繊維を透析器に組込み、犬によ
る体外循環を行つた。犬は体重約10Kgのピーグル
犬を用い、頸部に造設したシヤントから100ml/
minの血流をとつて透析器血液側に流した。な
お、体外循環に先だつて、生理食塩水で透析器内
を洗浄した後、ヘパリン6000U/L含有の生理食
塩水で透析器及び血液回路内を充填し、その後血
液を流した。透析器入口部で血液を採取し白血球
を測定した。透析直前の白血球数を100とした時、
透析後15分及び30分の値は、それぞれ78及び82で
あつた。 参考例 第3表に未処理の再生セルロース中空糸膜につ
いての透析性能および補体消費率の測定結果を示
す。 次に、実施例4と同様に犬による体外循環を実
施したところ、透析後15分および30分の白血球数
は、透析直前の値を100としたとき、それぞれ13
および45と低下していた。
【表】 〓=〓
〔発明の効果〕 本発明は次のような顕著な効果を奏する。 イ 補体の活性化が抑制され、白血球一過性減少
が大幅に軽減される。 ロ 膜の透水性能や透過性能は未処理のセルロー
ス膜と殆ど変化がない。 ハ アルブミンの選択吸着性が増大し、血液親和
性を向上させる。 ニ 製造に要する反応温度が低く、また反応時間
も短いので、この点からもセルロース系高分子
膜の物性が変化することがない。 ホ 製造が容易であり、用いた試薬等を除去する
ことも容易であるので、経済的で安全性の高い
透析膜が得られる。

Claims (1)

  1. 【特許請求の範囲】 1 再生セルロースからなる高分子膜に炭素数5
    個以上の脂肪族カルボン酸をエステル結合させた
    ことを特徴とする改質されたセルロース系透析
    膜。 2 脂肪族カルボン酸及びエステル化触媒を反応
    媒体に溶解または分散させた溶液で再生セルロー
    スからなる高分子膜を処理することにより、脂肪
    族カルボン酸と膜表面の水酸基とのエステル化反
    応を行うことを特徴とする改質されたセルロース
    系透析膜の製造法。
JP63136652A 1988-06-04 1988-06-04 改質されたセルロース系透析膜及びその製造法 Granted JPH01307404A (ja)

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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPS605202A (ja) * 1983-06-21 1985-01-11 Teijin Ltd 多孔性セルロ−スエステル系中空繊維およびその製造方法
JPS60193504A (ja) * 1984-03-15 1985-10-02 Toyobo Co Ltd 透析用中空繊維膜

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