JPH0130586B2 - - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 本発明は連続鋳造機の鋳片冷却用気水噴霧ノズ
ルに関するものである。さらに詳しくいえば、水
に加圧空気を混合し、空気の運動エネルギーを水
の運動エネルギー及び微細化エネルギーに変換す
ることによつて、ノズルからの噴出時に発生した
霧状の水滴を鋳片の緩冷却に用いるための気水噴
霧ノズルに係るものである。

本発明はこのような気水噴霧ノズルにおいて、
最少の空気消費で効果的な気水噴霧が可能な、換
言すれば霧化特性の良好なノズル構造を提供しよ
うとするものである。

第２図に従来構造の気水噴霧ノズルの断面を示
す。１は空気配管、２は水配管である。３は水用
オリフイス、４は空気用オリフイス、５は空気と
水の混合物を噴出するノズルチツプである。

オリフイス２と４を通る間に加速された水と空
気は混合部Ａで混合撹拌されてノズルチツプ５に
より霧状に吐出される。この混合部Ａでは水と空
気の相対速度差によつて決まる空気の剪断力によ
つて水は一部微細化される。しかし従来型の構造
ではオリフイス２を通過したのちの水の流れは柱
状の塊のため、水の微細化に大きなエネルギーを
要し、このため霧化特性はよくない。

本発明はこのような従来技術の問題を解決した
もので、その構成を要約すると水の流れを極力薄
いフイルム状として混合部に導入するため、空気
用オリフイスを中心に、該空気用オリフイスの外
周と空気配管との間に形成される環状狭窄部から
フイルム状の水の流れをつくり、これをへて混合
部に導入して空気の流れを分断し、微細水滴と
し、その微細水滴を更にノズルチツプ内の段部と
球面状凹部とに繰り返し衝突させて細分化し、細
分化された微細水滴をさらにノズルチツプの孔か
ら大気中に噴出させて、圧力差及び噴出力とによ
り微細水滴を効率よく作ろうとするものである。

第１図を参照して上記構成の好ましい実施例に
ついて説明する。さて水配管２から入つた水は水
用オリフイス３を通つたのち、環状の水溜り部Ｂ
に入り次に空気用オリフイス４の外側の狭窄部４
ｂを通り、薄いフイルム状の流れとなつて混合部
Ａに導入される。又空気は空気配管１から流入
し、空気用オリフイス４の中央部に設けた孔４ａ
より混合部Ａに導入される。混合部Ａに導入され
たフイルム状の水は、混合部Ａで微細水滴とな
り、更にノズルチツプ５の孔５ａから大気中に出
る時圧力差及び噴出力の両作用で更に細分化され
る。

空気用オリフイス４は空気配管１内に設けた空
気用オリフイス取付部材６に取付けられたその先
端外周を大径にし、空気配管１の内径との間に環
状の狭窄部４ｂを形成している。この狭窄部４ｂ
を通る間に水は薄いフイルム状の流れとなる。前
記環状の水溜り部Ｂは空気配管１の内側と空気用
オリフイス４及び空気用オリフイス取付部材６と
で形成されている空間で、この環状の水溜り部Ｂ
により、環状の狭窄部４ｂを通過する水は、どの
通過部でも同等の圧力となる。

ノズルチツプ５は空気配管１の下端に接続さ
れ、ノズルチツプ５の下端中央部に前記孔４ａと
ほぼ同等径の孔５ａを設け、又ノズルチツプ５の
内側で環状の狭窄部４ｂと対向した位置に段部５
ｂを形成すると共に、孔５ａの周囲に球面状凹部
５ｃを形成している。しかも孔４ａと孔５ａとを
ほぼ同等径にして、ノズル５の孔５ａより噴出す
る微細水滴を空気配管から供給された空気圧より
余り下がらないようにしているので、効率良く微
細水滴を作ることができる。

上記の構成により本発明では、水配管２から環
状の水溜り部Ｂに入つた水は、環状の水溜り部Ｂ
内に充分ゆきわたり、環状の狭窄部４ｂの水の流
れ入口部で同等圧となつて環状の狭窄部４ｂを通
過し、フイルム状に形成された混合部Ａに流れ
る。

そして空気用オリフイス４の孔４ａから噴出し
た空気の流れによつてフイルム状の水が容易に分
断され、微細水滴となる。

しかも空気の流れで分断されずに通過したフイ
ルム状の水があつたとしても、段部５ａがあるの
でその段部５ａに衝突してフイルム状の微細水滴
に細分化する。そして、その衝突の反動で跳返つ
た微細水滴を、更に孔４ａからの噴出した空気の
分断力で細分化され、微細水滴とする。

またノズル５の内側に設けられた球面状凹部５
ｃに、前記夫々の微細水滴同志が孔４ａから噴出
した空気の衝撃で衝突し、それが繰り返されなが
ら更に細分化される。そしてノズル５の孔５ａよ
り大気中に出て圧力差及び噴出力の作用で更に超
微細水滴となる。

第３図は噴霧ノズルにおける水量と霧化に必要
な空気量との関係グラフである。図中△印は従来
型、〇印は本発明の場合であるが、本発明の場合
は従来型に比し、約30％少い空気量で霧化が可能
なことが判る。

以上説明した如く、本発明においては、水の流
れを薄いフイルム状にしたのち混合部に導入して
空気の流れにより分断し、微細水滴を作り、しか
もノズルの段部と球面状凹部とに微細水滴を衝突
させて更に細分化する。その上混合部で細分化さ
れた微細水滴がノズルの孔から大気中に噴出され
る際の圧力差及び噴出力の両作用で更に細分化さ
れるので、混合部に導入されてからの水の微細化
のためのエネルギーが小さくてすみ、霧化特性を
一段と向上させることができる。

しかも、水溜り部を環状の狭窄部の手前に設け
て、水が環状の狭窄部を通過する際、狭窄部入口
に充分ゆきわたるようにしているので、フイルム
状に水の圧力が一定になり、均一な微細水滴を造
ることができる。

しかも空気オリフイスの外周面を水をフイルム
化するための狭窄部形成にも兼用させたので、ノ
ズルの構成の単純化にも寄与している。

【図面の簡単な説明】

第１図は本発明に係る気水噴霧ノズルの断面
図。第２図は従来型気水噴霧ノズルの断面図。第
３図は水量と霧化に要する空気量との関係を示す
グラフ。 図において；１…空気配管、２…水配管、３…
水用オリフイス、４…空気用オリフイス、４ａ…
（空気用オリフイスの中央部の）孔、４ｂ…（環
状の）狭窄部、５…ノズルチツプ、５ａ…（ノズ
ルチツプの）孔、５ｂ…段部、５ｃ…球面状凹
部、６…空気用オリフイス取付部材、Ａ…混合
部、Ｂ…環状の水溜り部。

Claims (1)

1. 【特許請求の範囲】 １ 空気配管内に中心部に空気導入用孔を設けた
   空気用オリフイスを設け、該空気用オリフイスの
   外周面と空気配管の内側との間に水導入用の環状
   の狭窄部を形成し、前記空気配管先端に中心部に
   前記空気導入用孔とほぼ同等径の孔を有するノズ
   ルチツプを設け、前記環状の狭窄部より流出した
   フイルム状の水を、空気用オリフイスの孔より噴
   出する空気の流れにより分断して微細水滴とし、
   該微細水滴及び微細水滴にならなかつたフイルム
   状の水を、前記環状の狭窄部と対向した位置に設
   けられた段部に衝突させて細分化し、その細分化
   された水滴を更に前記空気の流れで分断して微細
   水滴とし、その微細水滴を空気の流れでノズルチ
   ツプ内の孔の周囲に形成された球面状凹部に衝突
   させながら更に細分化し、該細分化された微細水
   滴をノズルチツプの孔から大気中に噴出させて圧
   力差及び噴出力によつて、より微細な水滴を造る
   ことを特徴とする連続鋳造機の鋳片冷却用気水噴
   霧方法。 ２ 空気配管内に中心部に空気導入用孔を設けた
   空気用オリフイスを設け、該空気用オリフイスの
   外周面と空気配管の内側との間に水導入用の環状
   の狭窄部を形成し、前記空気配管先端に中心部に
   前記空気導入用孔とほぼ同等径の孔を有するノズ
   ルチツプを設け、前記狭窄部と対向した位置に段
   部を形成すると共に、該段部に続いてノズルチツ
   プの孔の周囲に球面状凹部を形成したことを特徴
   とする連続鋳造機の鋳片冷却用気水噴霧ノズル。 ３ 空気配管内に先端外周を大径にして中心部に
   空気導入用孔を形成した空気用オリフイスを設
   け、該空気用オリフイスの大径の先端外周面と空
   気配管の内側との間に水導入用の環状の狭窄部を
   形成すると共に、該環状の狭窄部より空気導入側
   で空気配管の内側と空気用オリフイスとの間に環
   状の水溜り部を形成し、前記空気配管先端に中心
   部に前記空気導入用孔とほぼ同等径の孔を有する
   ノズルチツプを設け、該ノズルチツプの内側で前
   記狭窄部と対向した位置に段部を形成すると共
   に、ノズルチツプの孔の周囲に球面状凹部を形成
   したことを特徴とする連続鋳造機の鋳片冷却用気
   水噴霧ノズル。