JPH0130460B2 - - Google Patents

Info

Publication number
JPH0130460B2
JPH0130460B2 JP4362982A JP4362982A JPH0130460B2 JP H0130460 B2 JPH0130460 B2 JP H0130460B2 JP 4362982 A JP4362982 A JP 4362982A JP 4362982 A JP4362982 A JP 4362982A JP H0130460 B2 JPH0130460 B2 JP H0130460B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
cheese
curd
processed cheese
heated
casein
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Expired
Application number
JP4362982A
Other languages
English (en)
Other versions
JPS58162239A (ja
Inventor
Hitoshi Sano
Hozumi Tanaka
Toshiaki Ishii
Seiji Kurosawa
Koji Sekya
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Snow Brand Milk Products Co Ltd
Original Assignee
Snow Brand Milk Products Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Snow Brand Milk Products Co Ltd filed Critical Snow Brand Milk Products Co Ltd
Priority to JP57043629A priority Critical patent/JPS58162239A/ja
Publication of JPS58162239A publication Critical patent/JPS58162239A/ja
Publication of JPH0130460B2 publication Critical patent/JPH0130460B2/ja
Granted legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Dairy Products (AREA)

Description

【発明の詳細な説明】 本発明は加熱時に所望な流動性を呈する熱変形
(又は熱保形性)を有するプロセスチーズの製造
法に関する。
従来法で製造されたプロセスチーズはオーブン
等で加熱してもほとんど溶けないので適度な流動
性を望まれる用途(例えばハンバーガーやピザパ
イへの適用)に供し得ない欠点があつた。
一方、ナチユラルチーズは加熱時に過度に溶け
るため上記用途に適した場合ハンバーガーやピザ
パイから流れ出てしまうという欠点がある。
なお、従来、ナチユラルチーズの加熱時の保形
性を高める目的で該チーズに熱凝固性のアルブミ
ンを添加する方法(特開昭54−2372)、また、乳
化したプロセスチーズを高温下に保持することに
より加熱時の変形がほとんどみられないプロセス
チーズを得る方法(特公昭55−11292)が提案さ
れているが、前者の方法ではアルブミンの添加に
よるチーズの組織及び風味上に与える影響を無視
できず、又後者の方法では加熱溶遊して乳化した
プロセスチーズを再び高温下に加熱するという作
業上の煩雑さが避けられない。しかも、これらの
方法により得られた製品は加熱時の保形性が高す
ぎてほとんど変形しないので、ハンバーガーやピ
ザパイ等の適度の加熱変形を必要とする食品には
利用できない。
また、最近のチーズに関する嗜好調査の結果に
よると、チーズ独特のチーズ臭さあるいは食用時
に歯や上アゴに付着したり、口中でニチヤツクと
いう食感が、チーズに対する嗜好が低い人達の指
摘する要因となつている。
本発明は、上述したごとき現状に鑑みなされた
ものであつて、加熱時に所望な流動性を呈し、且
つ上述のような食感のない、マイルドな風味を有
するプロセスチーズを製造し得る方法を提供する
ことを目的とする。
以下本発明を詳しく説明する。
本発明の主要な特徴は、プロセスチーズの製造
において、常法により調製したカード(凝乳)を
−15゜乃至10℃の低温下に保持することにより該
カードの熟成を極力抑制したものを原料として用
いることにある。通常、プロセスチーズの製造に
おいては熟成度の異なるナチユラルチーズを数種
類配合して原料チーズの熟成度を平均化すること
により製品の風味や組織等の品質を管理している
が、本発明では上述のようにして熟成を極力抑制
したいわゆるグリーンカード(実質上熟成の進行
していないカードを意味する)のみを原料として
用いるものである。
本発明で出発原料として用いるカード(凝乳)
は常法により調製されたものであればよく、その
調製に際して用いる乳酸菌スターターとしてはス
トレプトコツカス・クレモリス単独のスターター
あるいはストレプトコツカス・ラクチスとストレ
プトコツカス・クレモリスとの混合スターターを
例示し得るが、このスターターの選択は製品のプ
ロセスチーズの風味に影響するのでチーズ臭の少
ないマイルドな風味の製品を得るにはその選択上
留意する必要がある。
なお、本発明では水分含量が40〜60%、好しく
は48〜53%のカードを用いる。
本発明で−15゜乃至10℃の低温下に保持して熟
成を極力抑制したグリーンカードを原料として用
いることの技術的根拠は次のような知見に基く。
カード(凝乳)の生成機構については、乳蛋白
がレンネツトの作用によりカゼインミセルの外側
のカツパ(K)カゼインがその構成アミノ酸のうちの
105番目のフエニルアラニンと106番目のメチオニ
ンとの間の結合が切断されることにより分解さ
れ、さらにカルシウムイオンを介してカゼインミ
セル同志の会合が生じてカードが形成されること
が知られている。而して、このようにして生成し
たカードはプレス工程及び加塩工程を経てグリー
ンカードとなり、これが発酵熟成するとナチユラ
ルチーズになるが、グリーンカードの状態ではそ
の微細構造は、極めて長い繊維状の多数のポリペ
プチド鎖が恰も糸まり状に折りたたまれて球状を
呈するカゼインがレンネツト(又は乳酸)の作用
により球状から次第に鎖状にほどけて互に絡み合
つて網状構造を呈しており(因みに、グリーンカ
ードの発酵熟成が進行するに伴い、上記カゼイン
の長鎖が切断されて短い鎖状となつて上記網状構
造が劣化してボロボロした剛性の大きな組織にな
る)、上記長いポリペプチド鎖のカゼインの含量
の多いチーズほど食用時に歯に付着するとか口中
でニチヤツクという食感及びチーズ臭が少くなる
ことが分つた。また、熟成を抑制した上記微細構
造を有するグリーンカードのみを原料として製造
したプロセスチーズは、従来のナチユラルチーズ
の配合物から製造したプロセスチーズにみられな
い、加熱時での所望な変形性(又は保形性)を呈
することが分つた。
しかし、グリーンカードの熟成を抑制するため
の条件は該カードを−15゜乃至10℃の低温下に保
持することが必要であり、−15℃より低い温度、
例えば−25℃の冷凍温度下に保持したものでは組
織がミイリー(mealy)になつてシエアーポンプ
やストーンミル等の物理的磨砕を施してもスムー
ズな組織にならない。
なお、本発明者の実験結果によるとグリーンカ
ードの熟成抑制を−5゜乃至0℃の温度下に保持す
ることにより行うのが品質安定上最も好しい。
因みに、グリーンカードを10℃を超える温度下
に保持する場合には、発酵による熟成が進行して
上述したごときカゼインの微細構造が失われるに
至る(すなわち、ナチユラルチーズになる)。
本発明においてグリーンカードを−15゜乃至10
℃の低温下に保持する時間は、目的とするプロセ
スチーズの所望な熱変形性(又は熱保形性)の程
度により変化されるものであつて、加熱時での保
形性の高い製品を目的とするときは上記時間を短
くし(例えば1日間程度)、一方加熱時での比較
的高い流動性が望しいときは(すなわちソフトタ
イプのプロセスチーズ)上記時間を長く(例えば
7日間程度)する。
次に本発明では上述のようにして一定範囲の低
温下に保持したグリーンカードの溶融塩を添加
し、加熱溶融し、均質化する。ここで用いる溶融
塩は従来のプロセスチーズの製造に用いられてい
るクエン酸ソーダやモノリン酸ナトリウムのほか
に、ジリン酸ナトリウム、ポリリン酸ナトリウム
及びウルトラリン酸ナトリウム等を包含する。
これらの溶融塩の使用に際してはカルシウム
イオンの封鎖作用又はイオン交換力、カゼイン
に対する水和作用あるいは解膠力及びPH緩衝能
等を測定して、目的とするプロセスチーズの特性
に適応した組合せ並びに添加量を選択することが
好ましい。これらの溶融塩は原料カードに対して
通常0.5乃至5重量%添加するとよい。なお、溶
融塩の好しい組合せ並びに添加量の例示は後記実
施例に示す。
上記溶融塩を添加したカードは常法に従つて、
例えばケトル乳化機を用いて85℃〜90℃程度の温
度に加熱して溶融して均質化し、次いで冷却、固
化して製品とする。
本発明により、上述のごとくして得られるプロ
セスチーズは、熟成の進行していないカード(す
なわち、グリーンカード)を原料として製造され
たものであるので、チーズのボデイーの微細構造
は、前述したように、長い繊維状の多数のポリペ
プチドの連鎖が絡みあつた網状構造を呈してお
り、本発明者の測定結果によると約95%以上のカ
ゼインが上記の長い繊維上を呈しており、しかも
製造後4週間経過後でも長い繊維状のカゼインが
約90%以上存在していることが分つた。因みに上
記カゼインの測定はチーズの全窒素に対する不溶
性蛋白質の比率を求めることにより行い得る。
したがつて、長い繊維上のカゼイン含量の高い
且つ上記網状構造を呈する、本発明によるプロセ
スチーズは、さきに述べたように、チーズ独特の
臭さや食用時に歯に付着したり、口中でニチヤツ
クといつた、従来チーズに対する嗜好性の低い人
にとつて不快とされていた食感が低減してマイル
ドな風味を呈するようになるので、これらの人に
対しても嗜好性が改善されると思料される。
また、本発明によるプロセスチーズは原料とし
て用いるカードの前記範囲の低温下での保持時間
をコントロールすることにより加熱時の変形性も
しくは保形性を加減し得るので、従来法で製造し
たプロセスチーズによつては期待し得ない用途
(例えばピザパイにおけるトツピング)にも供す
ることが可能となる利点がある。また、本発明に
よるプロセスチーズは成形性及び包装フイルムか
らの剥離性にも優れている。
叙上のごとく、本発明は原料として一定範囲の
低温下に保持してその熟成を抑制したカードを用
いることによつて、従来のプロセスチーズにみら
れない種々の改善される性質を有するプロセスチ
ーズを提供することを可能としたものであるか
ら、チーズ用途を拡げその利用上益するところが
大きいと考える。
以下に実施例を示して本発明をさらに具体的に
説明する。
実施例 1 本例は加熱時に適度に溶けるが保形性を有する
タイプのプロセスチーズの製造例を示したもので
ある。
常法により調製したカード(凝乳)を−5℃で
1日間保持したグリーンカードを原料とし、この
カードに、ジリン酸ナトリウム25重量%、ポリリ
ン酸ナトリウム65重量%及びモノリン酸ナトリウ
ム10重量%の混合物からなる溶融塩を2.6重量%
添加したものをシヨツク型乳化機を用いて120℃
まで加熱して溶融し、7分間高速撹拌して均質化
した。
得られた均質化溶融物をホツトパツク式スライ
スチーズ充填機を用いてスライス形態にフイルム
包装し、冷却、固化した。
このようにして得られたスライスチーズをハン
バーガーにはさみ、オーブントースターで加熱し
たところ、チーズは適度に溶けて変形したが流れ
落ちることがなかつた。
又、このチーズは口中でニチヤツクことがな
く、チーズ臭さもほとんどなく、マイルドな風味
であつた。更に、このチーズはカール性(折り曲
げた時のしなやかさ)に富むのでチーズ巻食品の
製造に適している。
実施例 2 本例は加熱時に適度の流動性を呈する、いわゆ
るソフトタイプのプロセスチーズの製造例を示し
たものである。
常法により調製したカード(凝乳)を0℃で7
日間保持したグリーンカードを原料とし、このカ
ードに、モノリン酸ナトリウム20重量%、ジリン
酸ナトリウム10重量%、ポリリン酸ナトリウム55
重量%及びクエン酸ソーダ15重量%の混合物から
なる溶融塩を2.5重量%添加したものをケトル乳
化機を用いて85℃まで加熱して溶融し、次いで得
られる溶融物をホツトパツク式スライス充填機を
用いてフイルム中にシート状に充填、包装した。
得られた包装物は直ちに水中で冷却、固化した。
このようにして得られたシート状のスライスプ
ロセスチーズの性質について調べた結果、水分
50%という高水分にもかかわらず保形性を有し、
加熱時に適度に溶けて流動性を呈し、ソフトタ
イプであるがいわゆる腰があり、各種包装材
(特にアルミ箔)に対する剥離性が非常に良好で
あり、保水性に富み、チーズ臭さがほとんど
なく、マイルドな風味を呈する等の特性を示す。

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 1 常法により調整したカード(凝乳)を−15゜
    乃至10℃の低温下に保持してその熟成を抑制した
    ものに溶融塩を添加し、この混合物を加熱溶融
    し、次いで冷却、固化することを特徴とする熱変
    形性を有するプロセスチーズの製造法。
JP57043629A 1982-03-18 1982-03-18 熱変形性を有するプロセスチ−ズの製造法 Granted JPS58162239A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP57043629A JPS58162239A (ja) 1982-03-18 1982-03-18 熱変形性を有するプロセスチ−ズの製造法

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP57043629A JPS58162239A (ja) 1982-03-18 1982-03-18 熱変形性を有するプロセスチ−ズの製造法

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JPS58162239A JPS58162239A (ja) 1983-09-26
JPH0130460B2 true JPH0130460B2 (ja) 1989-06-20

Family

ID=12669145

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP57043629A Granted JPS58162239A (ja) 1982-03-18 1982-03-18 熱変形性を有するプロセスチ−ズの製造法

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JPS58162239A (ja)

Also Published As

Publication number Publication date
JPS58162239A (ja) 1983-09-26

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP2011512816A (ja) 乳タンパク質ゲル
US5851577A (en) Processed cheese made with yogurt
US5358730A (en) Process for coagulating or gelling a nondenatured protein and product thereof
AU766053B2 (en) Method for making novel cheese products by processing an initial material
US4948613A (en) Manufacturing process for processed cheeses with an original texture and processed cheese obtained by this procedure
JP2001519176A (ja) チーズ及びビスケットを基材とする複合食品並びに製造方法
US20040037920A1 (en) Cheese-making method
JP3004911B2 (ja) チーズスプレッドおよびその製造方法
JP4431292B2 (ja) プロセスチーズ及びその製造方法
JP3103060B2 (ja) チ−ズの製造方法
JP3999431B2 (ja) プロセスチーズ及びその製造方法
JP2017510252A (ja) 繊維状チーズ製品の製造方法
JPH0130460B2 (ja)
JP4014346B2 (ja) ナチュラルチーズ及びその製造方法
JP3705564B2 (ja) プロセスチーズ及びその製造方法
JP5774823B2 (ja) プロセスチーズ類
EP0948897B1 (en) Spreadable Cheese
JP6092953B2 (ja) プロセスチーズ類
EP0923302B1 (en) Fresh cheese product and process for the manufacture thereof
JP2004350541A (ja) スモークナチュラルチーズ
EP0813818B1 (en) Processed cheese snack
JP2022039819A (ja) 薄削りチーズ
JP3927333B2 (ja) プロセスチーズ類の製造方法
JPS59198938A (ja) 耐熱保形性を有するチ−ズフ−ドの製造方法
JP2601323B2 (ja) 繊維状組織を有するチーズの製造法