JPH0130145B2 - - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 本発明は、特に電子写真複写機、印刷機等の移
動する物体の表面に付着した粉体、液体等の物質
を弾性ブレードのエツジを利用して除去するブレ
ードクリーニング装置に関するものである。

従来、移動する物体の表面に付着した物質を除
去する方法において、例えば、電子写真複写機の
ブレードクリーニング方式としては次の２つが知
られていた。第１の方式は、カウンターブレード
クリーニング方式と呼ばれるもので、弾性ブレー
ドの先端が感光体の移動方向に対して逆方向に向
くように取り付けられている。第２の方式はトレ
ーリングブレードクリーニング方式と呼ばれるも
ので、弾性ブレードの先端が感光体の移動方向と
同方向に向くように取り付けられている。

このようなブレードクリーニング方式は他に知
られている多くのクリーニング方式よりもクリー
ニング効果が優れているという利点があるが、反
面、ブレードを感光体のような被クリーニング面
に強く圧接しなければならず、そのため後述する
ような問題もあつた。

クリーニングブレード方式の中でも第１のカウ
ンターブレードクリーニング方式の方がクリーニ
ング効果が高いが、感光体を傷付け易く、その設
定条件が厳格である。ブレード１の被クリーニン
グ面２への圧接力は通常第１図に示すようにブレ
ード１を撓ませることによつて得ている。ブレー
ド自体を撓ませるだけであるのでその撓み量が大
きく長時間使用すると圧接力が次第に弱まるとい
う傾向がある。なお符号３はブレードホルダーで
ある。

一方、トレーリングブレードクリーニング方式
は感光体を傷付ける恐れは少ないが、第２図に示
すように、ブレード４の先端に作用する垂直抗力
Ｎと摩擦力Ｆとの合成抗力Ｒはブレード４を被ク
リーニング面２から引き離す方向であるので、そ
のトナー等の残留物５を先端エツジ部で阻止する
力が弱くなり、トナー等の残留物５がブレード４
の下を通過してしまつて、いわゆるクリーニング
不良が発生する可能性がある。

本発明は上述の問題を解消し、クリーニング効
果の高いブレードクリーニング装置を提供するこ
とを目的とする。

本発明の特徴は弾性ブレードを、該弾性ブレー
ドよりも低弾性率の支持部材を介して固定部材に
取り付けたブレードクリーニング装置にある。

以下、本発明を実施例について添付図面を参照
しながら詳細に説明する。

第３図は本発明の第１実施例を示すブレードク
リーニング装置の断面図である。本実施例は本発
明のブレードクリーニング装置６を電子写真複写
機のクリーニング装置に適用した例である。感光
体ドラム７は例えばセレン感光体を表面に有し、
反時計方向に回転している。感光体ドラム７は図
示しない像形成手段によりその上に静電潜像が形
成され、現像部において上記静電潜像が可視像化
され、転写部において可視像は転写紙に転写され
る。転写後、感光体ドラム７上には未転写のトナ
ーが残留しており、該感光体ドラム７を再使用す
るに当り、この残留トナーを清掃しなければなら
ない。残留トナーをクリーニングするブレードク
リーニング装置６はケーシング８内に配設された
ブレード装置９を有している。ブレード装置９は
回動可能な軸１０と、該軸１０に固着された固定
部材１１と、先端のエツジが感光体ドラム７の表
面に圧接された弾性ブレード１２と、該弾性ブレ
ード１２と固定部材１１との間に介在された支持
部材１３とから構成されている。弾性ブレード１
２はウレタン、ニトリル、シリコン等の合成ゴム
や天然ゴムが使用されている。支持部材１３は上
記弾性ブレード１２よりも低弾性率の物質で構成
され、例えば発泡ポリウレタン、多孔質ゴム等が
使用されている。本例では発泡ポリウレタンを使
用した場合を示している。固定部材１１は断面が
Ｌ字形状で、金属、樹脂等の剛体で構成されてい
る。弾性ブレード１２も支持部材１３も感光体ド
ラム７の軸方向に長く延びた板形状であり、互い
に対向接触する面はほぼ同じ面積である。両面は
接着剤によつて密着され、完全に重ね合わされて
いる。支持部材１３の固定部材１１と接触する他
方の面も、同様に接着剤によつて上記固定部材１
１と貼り合せられている。軸１０を回動させて、
弾性ブレード１２を感光体ドラム７の表面に圧接
するように設定すると、弾性ブレード１２と固定
部材１１との間に介在する支持部材１３は弾性ブ
レード１２より軟らかいために図示のように圧縮
変形させられる。この結果、弾性ブレード１２自
体は従来の如く大きく撓むことはない。そして、
感光体ドラム７が回転すると、弾性ブレード１２
に作用する力は次のようになる。垂直抗力Ｎと摩
擦力Ｆとの合成力Ｒは、弾性ブレード１２と感光
体ドラム７との接点Ｃと軸１０を結んだ線の感光
体ドラム７の進行方向後側に向いている。この合
成力Ｒの一部は弾性ブレード１２の弾性歪として
貯えられ、他は全て有効なクリーニング力として
作用し、弾性ブレード１２は摩擦力Ｆの方向に押
されるために、感光体ドラム７上の残留トナーの
阻止力が大きくなり、弾性ブレード１２の下をト
ナーが通過することは殆んどない。

弾性ブレード１２によつて除去されたトナーは
下方に落下し、ケーシング８の底部に回転可能に
配置されたトナー搬送部材１４によつてケーシン
グ８の外に排出される。トナー搬送部材１４はス
クリユー、コイル等が使用出来る。これによつて
回収されたトナーは現像装置又はトナー補給装置
へ戻して再使用するようにしてもよい。

第４図及び第５図は固定部材の形状と軸の位置
が第１実施例と異なる第２、第３の実施例を示し
ている。第４図の固定部材１５は断面が逆Ｌ字形
状であり、軸１６のまわりに回動出来る。なお、
弾性ブレード、支持部材は第１実施例と同じ構成
である。第５図の固定部材１７は断面がＴ字形状
であり、軸１８のまわりに回動出来る。何れもク
リーニング効果において差は認められない。

第６図は本発明の第４の実施例を示すもので、
弾性ブレード１２と支持部材１３は第１実施例と
同様に両者の対向接触する面の面積はほぼ同じで
あるが、支持部材１３と対向接触する固定部材１
９の側面１９ａの面積は支持部材１３のそれより
は大きい。従つて、固定部材１９の側面１９ａに
は支持部材１３が貼着されていない部分が感光体
ドラム７の未クリーニング側に存在する。要する
に、弾性ブレード１２によつて支持部材１３が圧
縮変形されるが、その支持部材１３の弾性ブレー
ド１２との接触面と反対側の面が固定部材１９に
よつて支持されていることが必要なのである。従
つて、弾性ブレード１２及び支持部材１３の各先
端が固定部材から突き出さないようにしなければ
ならない。

第７図は本発明の第５の実施例を示すもので、
固定部材２０の一部が弾性ブレード１２及び支持
部材１３の各後端をも保持している。第１実施例
と同様に弾性ブレード１２は支持部材１３に、該
支持部材１３は固定部材２０にそれぞれ接着され
ているが、固定部材２０の一部２０ａに弾性ブレ
ード１２と支持部材１３の後端がそれぞれ接触さ
れている。これはクリーニング装置を図示のよう
に配設して使用すると、弾性ブレード１２、支持
部材１３、固定部材２０との接着部分に剪断力が
作用して、それが剥れることを防止するためにな
されたものである。何れの実施例もクリーニング
効果に差はない。

上述の実施例は電子写真複写機における感光体
ドラム上の残留トナーのクリーニング装置に本発
明を適用した場合について説明したが、これに限
定されるものではなく、移動表面に存在する液
体、粉体を完全に除去する必要のある部分に適用
可能である。

また、弾性ブレードの先端が被クリーニング面
の移動方向に向いたトレーリングブレードクリー
ニング方式にも同様に使用可能であることは云う
までもない。

以上のように、本発明によれば、弾性ブレード
のエツジ部でのトナーの阻止力を、弾性ブレード
自体を強く圧接しなくても大きくすることが可能
なので、効果の高いクリーニングを行うことが出
来、寿命の上で好都合である。また、弾性ブレー
ド、支持部材とも必要最小限の部分しか変形しな
いので、その部分以外を取り除くことが出来、弾
性ブレード等を短くすることが出来る。その結
果、装置も小型化が可能となる。

【図面の簡単な説明】

第１図は従来のカウンターブレードクリーニン
グ方式のクリーニング装置の断面図、第２図は従
来のトレーリングブレードクリーニング方式のク
リーニング装置の断面図、第３図は本発明の第１
の実施例を示すブレードクリーニング装置の断面
図、第４図は、その変形例である第２実施例を示
すクリーニング装置の要部のみ示す断面図、第５
図は、第３実施例を示すクリーニング装置の要部
のみ示す断面図、第６図は本発明のさらに別の第
４実施例であるクリーニング装置の要部のみ示す
断面図、第７図は本発明の第５実施例であるクリ
ーニング装置の要部のみ示す断面図である。 ２，７……感光体ドラム、６……ブレードクリ
ーニング装置、１，４，１２……弾性ブレード、
９……ブレード装置、１３……支持部材、１１，
１５，１７，１９，２０……固定部材。

Claims (1)

1. 【特許請求の範囲】 １ 移動する物体の表面に付着した物質を弾性ブ
   レードのエツジを上記物体の表面に圧接して除去
   するブレードクリーニング装置において、上記弾
   性ブレードをこの弾性ブレードよりも低弾性率の
   支持部材を介して固定部材に取り付けたことを特
   徴とするブレードクリーニング装置。 ２ 上記固定部材と接触する支持部材の面は全面
   に亘り固定部材と接触しており、互いに対向接触
   する支持部材と弾性ブレードとの接触面はほぼ同
   面積であることを特徴とする特許請求の範囲第１
   項記載のブレードクリーニング装置。