JP4033435B2 - 転写装置及びその転写装置を具備する画像形成装置 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、長手方向各端部が支持体に回転自在に支持された少なくとも3本のローラと、これらのローラに巻き掛けられて走行駆動される無端状の転写ベルトとを具備し、該転写ベルトの移動方向に沿って互いに隣り合う2本のローラ間の転写ベルト部分によって転写材を像担持体の表面に圧接させながら、該転写ベルト部分と像担持体との間に転写材を通過させて該像担持体上に形成されたトナー像を転写材上に転写する転写装置及びその転写装置を有する画像形成装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
電子複写機、ファクシミリ、プリンタ、プロッタ或いはこれらの少なくとも2つの機能を備えた複合機などとして構成される上記形式の画像形成装置及びその転写装置は従来より公知である(特開平6−35338号公報参照)。この形式の転写装置は、転写ベルトを少なくとも3本のローラによって支持しているので、2本のローラに転写ベルトを巻き掛けた転写装置に比べて、転写装置全体の捩り剛性を高めることができ、転写ベルトと像担持体の間を搬送される転写材を像担持体表面に均一に密着させやすくなる。
【0003】
ところが、複数のローラに巻き掛けられた転写ベルトには大きな引張力が加えられ、その転写ベルトが複数のローラを強く加圧しているので、複数のローラは、その長手方向中央部が互いに接近する向きに弾性変形する。このようにローラにたわみが発生すると、転写ベルトと像担持体の間を搬送される転写材が像担持体表面に密着せず、トナー像の転写不良が発生する。特に、広幅な転写材、例えば450mm以上の幅の転写材を使用できる画像形成装置においては、転写装置のローラも長くなるので、転写ベルトによって外力を加えられた複数のローラは、その長手方向中央部が互いに接近する向きに大きくたわみ、転写材と像担持体との密着性が低下する。
【0004】
上述のように、少なくとも3本のローラに転写ベルトを巻き掛けて成る転写装置は、2本のローラに転写ベルトを巻き掛けた転写装置に比べて、転写材を像担持体表面に密着させやすくなるが、特にローラの長さが長い場合には、ローラのたわみが大きくなるため、転写材をその幅方向全体に亘って像担持体表面に均等な圧力で密着させる効果を充分に発揮することができない。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
本発明の第1の目的は、転写材を像担持体表面に対して従来よりも均一に密着させることができ、少なくとも3本のローラを使用したことによる効果を充分に発揮させることのできる冒頭に記載した形式の転写装置を提供することにある。
【0006】
また、本発明の第2の目的は、上述した転写装置を具備する画像形成装置を提供することにある。
【0007】
【課題を解決するための手段】
本発明は、上記第1の目的を達成するため、冒頭に記載した形式の転写装置において、前記少なくとも3本のローラの長手方向中間部分を支える少なくとも1つのローラ支持部材を具備し、該ローラ支持部材は、転写ベルトの内側から各ローラを回転自在に支持すると共に各ローラの周面に密着する円弧状の軸受面を有していることを特徴とする転写装置を提案する(請求項1)。
同じく、本発明は、上記第1の目的を達成するため、冒頭に記載した形式の転写装置において、前記少なくとも3本のローラの長手方向中間部分を支える少なくとも1つのローラ支持部材を具備し、該ローラ支持部材の先端部にはボールベアリングの外輪が固定され、該ボールベアリングの内輪が各ローラの小径部に嵌合していることを特徴とする転写装置を提案する(請求項2)。
【0008】
また、上記請求項1又は2に記載の転写装置において、前記ローラ支持部材は、これに形成された孔を貫通する固定支持軸により支持されていると有利である(請求項3)。
【0009】
さらに、上記請求項3に記載の転写装置において、前記互いに隣り合う2本のローラの自重によるたわみをなくし、或いはそのたわみ量を減少させるように、前記固定支持軸に支持された少なくとも1つのローラ支持部材が、前記互いに隣り合う2本のローラを上方に向けて加圧していると有利である(請求項4)。
【0012】
また、本発明は、上記第2の目的を達成するため、請求項1乃至4のいずれかに記載の転写装置と、像担持体上にトナー像を形成する作像手段とを具備することを特徴とする画像形成装置を提案する(請求項5)。
【0013】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施形態例を説明し、併せて前述の欠点を図面に即してより具体的に明らかにする。
【0014】
図1は画像形成装置の一部を示す概略図であり、ここに示した画像形成装置は、像担持体1と、その像担持体上にトナー像を形成する作像手段2と、転写装置3と、その転写装置3と像担持体1の間の転写位置に転写材を給送する給送装置4と、転写材上のトナー像を定着する定着装置5とを有している。先ず、像担持体1とその表面にトナー像を形成する作像手段2の構成と作用を明らかにする。
【0015】
ここに一例として示した像担持体1は、反時計方向に回転駆動されるドラム状の感光体として構成されている。かかる像担持体1の表面が帯電装置6によって均一に所定の極性に帯電され、その帯電面には光書き込みユニットとして構成された露光装置7から出射する光変調されたレーザ光Lが照射され、これによって像担持体表面に静電潜像が形成される。この潜像は現像装置8によってトナー像として可視像化される。ここに示した現像装置8は、時計方向に回転しながら現像剤を担持して搬送する現像ローラ9を有し、その搬送される現像剤中のトナーが像担持体表面の静電潜像に静電的に移行して潜像が可視像化される。現像剤としては、トナーとキャリアを有する粉体状の二成分系現像剤のほかに、キャリアを有さない粉体状の一成分系現像剤や、液状現像剤などを用いることができる。このようにして像担持体表面に形成されたトナー像は、後述するように、転写装置3によって転写材上に転写され、そのトナー像転写後に像担持体表面に付着する転写残トナーは、クリーニング装置10のクリーニング部材11によって掻き取り除去される。表面をクリーニングされた像担持体1の表面には除電装置12からの光が照射され、その表面電位が初期化される。
【0016】
以上のように本例の作像手段は、像担持体1を帯電する帯電装置6と、その帯電面を露光して静電潜像を形成する露光装置7と、その静電潜像をトナー像として可視像化する現像装置8と、トナー像転写後の像担持体表面を清掃するクリーニング装置10と、必要に応じて設けられる除電装置12とを有しているが、他の適宜な作像手段を採用できることは周知のとおりである。
【0017】
一方、給送装置4は、転写紙などの転写材Pを所定のタイミングで送り出すレジストローラ対13を有し、そのレジストローラ対13により送り出された転写材Pは、像担持体1と転写装置3との間の転写位置を通過し、このとき像担持体表面に形成されたトナー像が転写材Pの表面に転写される。本例の画像形成装置は、450mm以上の幅を有する広幅転写材にトナー像を転写できるように構成されている。このような画像形成装置は、広幅機とも称せられている。
【0018】
転写位置を通過した転写材は、次いで、定着装置5の定着ローラ14と加圧ローラ15の間を通り、このとき熱と圧力の作用でトナー像が転写材上に定着される。定着装置5を通過した転写材は、画像形成装置本体外に排出されてスタックされる。
【0019】
図2は転写装置3の拡大図であり、図3はその斜視図である。これらの図に示した転写装置3は、転写材P(図1)の搬送方向、すなわち像担持体表面の移動方向に対してほぼ直交する方向に互いにほぼ平行に配置された3本のローラ16,17,18を有し、これらのローラ16,17,18はその長手方向各端部が、図3に示すように、転写装置3の側板、又は画像形成装置本体の側板などから成る支持体19,20に回転自在に支持されている。図3は、各ローラ16,17,18と、後述する固定支持軸21を支持体19,20から外した状態を示している。図示した例では3本のローラ16,17,18が用いられているが、4本以上のローラを用いることもできる。要は、転写装置が、少なくとも3本のローラを有しているのである。
【0020】
上述の複数のローラ16,17,18には、無端状の転写ベルト22が巻き掛けられており、この転写ベルト22は、例えば体積抵抗率が106乃至1014Ω・cm程度の中抵抗体より成る。3本のローラ16,17,18のうちの少なくとも1本のローラ、例えばローラ18が駆動ローラとして構成され、そのローラ18が図示していないモータにより時計方向に回転駆動されることにより、転写ベルト22は、矢印A方向に走行駆動される。
【0021】
3本のローラ16,17,18は、そのそれぞれが三角形の頂点をなすように互いに離間して位置し、転写ベルト22の移動方向Aに沿って互いに隣り合う2本のローラ16,17の間の転写ベルト部分23が像担持体の表面に圧接し、その転写ベルト部分23が当該転写ベルト22の移動方向Aに所定の幅(ニップ幅)Nをもって、像担持体1の表面に圧接している。また、ローラ17には、像担持体表面に形成されたトナー像のトナー帯電極性と逆極性の転写電圧が印加される。
【0022】
前述のようにレジストローラ対13により送り出された転写材Pは、上記転写ベルト部分23に担持されつつ、その転写ベルト部分23と、像担持体1との間の転写位置を搬送される。このとき、転写材Pは、転写ベルト部分23によって加圧されて像担持体1の表面に圧接すると共に、ローラ17には、上述の転写電圧が印加されているので、像担持体表面のトナー像が転写材P上に静電的に移行して当該トナー像が転写材P上に転写される。このように、転写装置3は、転写ベルト22の移動方向Aに沿って互いに隣り合う2本のローラ16,17間の転写ベルト部分23によって転写材Pを像担持体1の表面に圧接させながら、その転写ベルト部分23と像担持体1との間に転写材Pを通過させて像担持体上に形成されたトナー像を静電的に転写材上に転写する。
【0023】
ローラ18に接触する転写ベルト部分の表面には、クリーニングブレード24が圧接し、像担持体1から転写ベルト22の表面に移行して付着したトナーが、そのクリーニングブレード24によって掻き取り除去される。掻き取られたトナーは、転写ベルト22の下方に配置されたトナー受け25に落下し、その落下したトナーは、所定の場所に収容される。
【0024】
ローラ17を転写電圧の印加されるバイアスローラとして構成する代りに、転写ベルト22の表面に当接する専用のバイアスローラを設けてもよい。また、かかるバイアスローラを用いる代りに、転写ベルトの内側にコロナ放電器又は転写ブラシなどを設け、これらに転写電圧を印加して像担持体上のトナー像を転写材上に転写するように構成することもできる。また、像担持体が、感光体からトナー像を一次転写される中間転写体として構成されているときも、上述の構成の転写装置により、その像担持体上のトナー像を転写材上に二次転写することができる。
【0025】
上述の転写装置3は、3本のローラ16,17,18によって転写ベルト22を支持しているので、前述のように転写装置全体の捩り剛性を高めることができるが、転写ベルト22には大きな引張力が加えられ、その転写ベルト22は、図2に矢印Fで示すように、各ローラ16,17,18を大きな力で加圧している。
【0026】
このため、従来のこの種の転写装置においては、複数のローラの長手方向中央部が互いに接近する向きにたわみ、これによって、転写ベルトと像担持体の間を搬送される転写材の幅方向中央部分と像担持体との密着性が低下し、トナー像の転写効率が低下するおそれがあった。450mm以上の幅を有する転写材を使用できる広幅機の場合には、ローラの長さも長くなるため、そのローラの長手方向中央部分のたわみ量が特に大きくなり、トナー像の転写効率が低下しやすくなる。また、広幅機においては、ロール状に巻回された紙を引き出し、これをカットしたシート状の転写材を用いることが多いが、かかる転写材はその巻きぐせによりカールしているため、この転写材を像担持体と転写ベルトの間に送り込んでトナー像を転写するとき、その転写材と像担持体の密着性が著しく低下し、特に転写材の先端と後端に画像抜けが発生するおそれを免れない。このような理由で、従来は、転写ベルトを複数のローラに巻き掛けた転写装置を、広幅機に採用することは困難であるとされていた。
【0027】
本例の転写装置3においては、上述の従来の欠点を除去するため、図1、図2及び図4に示すように、3本のローラ16,17,18の長手方向中間部分を支えるローラ支持部材26が設けられている。このローラ支持部材26は、金属又は硬質樹脂などの高剛性材料により構成され、図5にも示すように、その中央部27から放射状に突出する複数のアーム部28を有し、その各アーム部28の先端部は、図6に明示するように、各ローラ16,17,18の周面に密着できる円弧状の軸受面29として構成されている。かかるローラ支持部材26は、転写ベルト22の内側に位置し、その各軸受面29が転写ベルト22の内側から各ローラ16,17,18を回転自在に支持している。図2乃至図6に示したローラ支持部材26は、その全体が転写ベルト22に接触していない。ローラ支持部材26は、ローラ16,17,18の長手方向中間部分、すなわち両支持体19,20の間の適宜な位置に配置することができるが、図4に示すように、ローラ16,17,18の長手方向中心に配置されていることが有利である。また、各軸受面29は、各ローラ16,17,18を回転自在に支える部分であるため、その軸受面の摩擦抵抗が小さくなるように、その軸受面29を加工することが好ましい。また、その軸受面29を、滑り軸受けを埋め込んで構成することもできる。ローラ支持部材26の数は、複数個であってもよく、その数は適宜設定できる(図8参照)。
【0028】
上述のように、転写装置は、少なくとも3本のローラの長手方向中間部分を支える少なくとも1つのローラ支持部材を具備し、そのローラ支持部材は、転写ベルトの内側から各ローラを回転自在に支持する軸受面を有している。かかるローラ支持部材26を設けることにより、各ローラ16,17,18は、そのローラ支持部材26によって転写ベルト22の内側から支えられるので、ローラ16,17,18に対し、転写ベルト22から図2に矢印Fで示す方向に大きな力が加えられても、その各ローラ16,17,18が、その力によって互いに接近する向きにたわむことを阻止し、或いはそのたわみ量を極く小さなものにすることができる。これにより、転写ベルト22と像担持体1の間を搬送される転写材Pをその全幅に亘って像担持体1に対して均等な圧力で密着させることが可能となり、トナー像の転写不良の発生を防止することができる。ローラ支持部材26は、転写ベルト22に接触しないため、その転写ベルト22がローラ支持部材26によって傷を付けられたり、その転写ベルトに波打ちができるおそれはない。
【0029】
ところで、ローラ16,17,18は、転写ベルト22から外力を受けるほか、ローラ自身の自重によって、その長手方向中央部が下方に突出する向きにたわもうとする。像担持体1に圧接するベルト部分23を支持する2本のローラ16,17の自重によるたわみ量が大きくなったとすると、これによっても転写材Pと像担持体1との密着性が低下する。特に、広幅機においては、ローラの長さが長く、その重量も大きくなるので、その自重によるたわみ量が大きくなるおそれがある。
【0030】
そこで、本例の転写装置3においては、上記不具合を阻止するため、前述のローラ支持部材26の中央部27に孔30が形成され、この孔30を固定支持軸21が貫通し、その固定支持軸21の長手方向各端部が、図3及び図4に示すように各支持体19,29にそれぞれ支持されている。これにより、ローラ支持部材26は固定支持軸21によって強固に支持される。固定支持軸21は各ローラ16,17,18に対してほぼ平行に延び、その固定支持軸21の各端部は、各支持体19,20に不動に固定されるか、又は回転可能に支持される。またローラ支持部材26の孔30を貫通する固定支持軸21を、そのローラ支持部材26に対して固着してもよいし、単に孔30に貫通させるだけであってもよい。
【0031】
上述のように、ローラ支持部材26は、これに形成された孔30を貫通する固定支持軸21により支持されているので、そのローラ支持部材26が2本のローラ16,17を下側から支え、これらのローラ16,17がその自重によってたわむことを阻止し、ないしはそのたわみ量を極くわずかなものに抑えることができる。これにより、転写材Pをその幅方向全体に亘って像担持体1に密着させる効果を一段と高めることができる。
【0032】
固定支持軸21には、その自重と、ローラ16,17及びローラ支持部材26からの荷重が作用するが、これによって固定支持軸21が大きくたわんでしまえば、上述した効果を充分に発揮することはできない。従って、固定支持軸21の曲げ剛性を、ローラ16,17の曲げ剛性よりも大きく設定することが好ましい。
【0033】
また、各ローラ16,17が自重により下方にたわまないと仮定したとき、これらのローラ16,17の長手方向中央部分が、図7に実線で誇張して示す如く、上方に向けてたわむように、その両ローラ16,17をローラ支持部材26によって上方に加圧するように構成することもできる。この構成によると、各ローラ16,17には、その自重が作用するので、実際には、これらのローラ16,17は、図7に実線で示した状態から下方に向け曲げ変形し、図7に鎖線で示すように、たわみが発生しない状態となる。ローラ16,17がその自重により曲げ変形したときのたわみ量分だけ、そのローラ16,17をローラ支持部材26により加圧して上方に持ち上げ、ローラ16,17の自重によるたわみを補正するのである。
【0034】
図7に示した例では1つのローラ支持部材26によってローラ16,17を上方に向けて加圧し、そのローラ16,17の自重によるたわみを補正しているが、複数のローラ支持部材26によってローラ16,17を上方に向け加圧するように構成してもよい。また、ローラ16,17の自重によるたわみが全く無くなるようにするのではなく、そのたわみ量が少なくなるように、ローラ支持部材26によってそのローラ16,17を上方に向けて加圧するように構成してもよい。
【0035】
なお、図7においては、固定支持軸21とローラ18が曲げ変形していない状態で示してあるが、ローラ16,17が鎖線で示す状態となることに伴って、固定支持軸21と、ローラ18は、図7の状態から下方に向けて曲げ変形する。これは、図8においても同様である。
【0036】
また、図8に示すように、3本のローラ16,17,18の長手方向中央部と、その中央部よりもローラ16,17,18の長手方向各端部の側とにそれぞれローラ支持部材26を設け、これらのローラ支持部材26として同一外形形状を有する部材を用いた場合、ローラの端部側に位置するローラ支持部材26の孔30を図9に実線で示す位置に形成し、ローラの中央部側に位置するローラ支持部材26の孔30を、図9に破線で示すように、端部側のローラ支持部材26の孔30よりも下方の位置に形成し、これらのローラ支持部材26の孔30に図8に示したように固定支持軸21を貫通させることもできる。この構成によっても、ローラ16,17が自重によりたわまないと仮定したとき、その2本のローラ16,17の長手方向中央部は、中央のローラ支持部材26によって上方に加圧されているので、図8に実線で示すように上方に突出する向きに曲げ変形する。そして、実際には、ローラ16,17には自重が作用するので、これらのローラ16,17は、図8に鎖線で示すように、たわむことのない直線状の状態となる。この場合も、ローラ16,17の自重によるたわみがなくなるように構成するほか、そのたわみ量が少なくなるように、これらのローラ16,17をローラ支持部材26によって加圧するだけであってもよい。
【0037】
上述のように、像担持体1の表面に圧接する転写ベルト部分23を支持する互いに隣り合った2本のローラ16,17の自重によるたわみをなくし、或いはそのたわみ量を減少させるように、固定支持軸21に支持された少なくとも1つのローラ支持部材26が、互いに隣り合う上記2本のローラ16,17を上方へ向けて加圧するように構成するのである。この構成により、転写ベルト22と像担持体1の間を搬送される転写材Pを、その幅方向全体に亘って、像担持体表面に均一に密着させてトナー像の転写不良の発生を防止する効果を一段と高めることができる。
【0038】
ところで、3本のローラ16,17,18を用いて転写装置3を構成すると、その全体の捩り剛性を高めることができるだけでなく、これらのローラ16,17,18に巻き掛けられた転写ベルト22の内側に大きな空間が区画され、ここにローラ支持部材26と固定支持軸21を配置して、ローラ16,17,18を強固に支持することが可能となる。例えば、図17に示すように、2本のローラ16A,17Aに転写ベルト22Aを巻き掛けて転写装置3Aを構成したとすると、その転写ベルト22Aによって区画された内部空間が狭くなり、しかも転写ベルト部分23Aには像担持体1Aが圧接して、その転写ベルト部分23Aがたわんでいるので、増々、転写ベルト22Aの内側の空間が狭くなる。このため、この空間に配置された固定支持軸21Aの径を大きくすることができず、その固定支持軸21Aがローラ支持部材26A、ひいてはローラ16A,17Aを強固に支持することができない。これに対し、図2に示したように、3本のローラ16,17,18を用いると、転写ベルト22の内側に大きな空間を確保できるので、この空間に配置された固定支持軸21の径を大きく設定でき、これによって、ローラ支持部材26、ひいては各ローラ16,17,18を強固に保持することができる。
【0039】
ところで、図2に示したように、像担持体1に圧接する転写ベルト部分23は、像担持体表面に均一な圧力で当接できるように、できるだけ平坦な状態となっていることが好ましい。そこで、これらのローラ16,17を、図10に示すように、剛体より成る芯軸31と、そのまわりに装着された弾性部材32によって構成することが好ましい。転写ベルト22は、これらのローラ16,17の弾性部材32の表面に巻き掛けられるので、転写ベルト部分23の平坦性が高められる。弾性部材32は、例えば、ゴム又は発泡体などの弾性材料により構成される。また、この弾性部材32を導電性材料により構成することもでき、さらに転写ベルト22に対する摩擦係数が大きな材料により弾性部材32を構成し、ローラ16,17と転写ベルト22とのスリップが少なくなるように構成することが好ましい。
【0040】
その際、弾性部材32が、芯軸31を覆う1つの部材から構成されていると、ローラ支持部材26の軸受面29を、その弾性部材32の外表面に当接させて、ローラ16,17を支えなければならない。ところが、このようにローラ支持部材26によって弾性部材32を支えるようにすれば、弾性部材32の摩擦係数が大きいため、ローラ16,17に対する支持安定性が害される。
【0041】
そこで、図10及び図11に示したローラ16,17は、そのローラ16,17の長手方向に互いに当接して隣り合う複数の弾性部材32を有している。各弾性部材32は、芯軸31が貫通する中心孔34を有する円筒状に形成されている。そして、図11及び図12に示すように、互いに隣り合う弾性部材32の間に、ローラ支持部材26の一部、すなわちその軸受面29(図6)の近傍の部分が、弾性部材32を弾性変形させて入り込み、その軸受面29が芯軸31に接触して当該芯軸31を支持している。この場合も、ローラ支持部材26が転写ベルト22に当接することはなく、その転写ベルト22がローラ支持部材26によって傷を付けられるようなことはない。
【0042】
また、図11から判るように、転写ベルト22は、ローラ支持部材26が入り込んだ弾性部材部分以外の弾性部材の部分33に接触しているが、この部分33は、弾性復帰し、互いに隣り合う弾性部材32の端部同士が接触し合っているので、転写ベルト22はこの部分33によって支えられ、当該転写ベルト22が局部的に窪んでしまう不具合を阻止できる。
【0043】
図10及び図11に示した構成は、図2に示したローラ18にも採用することができる。要は、少なくとも、転写ベルト22の移動方向に沿って互いに隣り合う2本のローラ16,17が、剛体より成る芯軸31と、その芯軸31のまわりに装着され、かつ当該ローラ16,17の長手方向に、互いに当接した状態で隣り合って位置する複数の弾性部材32とを有していて、ローラ支持部材26の一部が、転写ベルト22に接しない状態で、互いに隣り合う弾性部材32の間に、当該弾性部材32を弾性変形させて入り込み、ローラ支持部材26の軸受面29が芯軸31に接触して該芯軸31を支持するように構成するのである。
【0044】
その際、図11及び図13に示すように、互いに隣り合う弾性部材端部32の半径方向内側部分が環状に切り欠かれ、その切欠部35に、ローラ支持部材26の一部、すなわち軸受面29の近傍部分が入り込んでいる。この構成により、弾性部材32の長手方向端部の外周部が薄く形成されるので、互いに隣り合う弾性部材32の間にローラ支持部材26の一部が入り込んだとき、弾性部材32は、図11に示すように無理なく弾性変形すると共に、転写ベルト22が接触する弾性部材32の部分33は、迅速に元の形態に弾性復帰し、転写ベルト22を平坦な状態に維持しながら、当該転写ベルト22を安定して保持することができる。
【0045】
図14及び図15に示すように、ローラ支持部材26の各アーム部28の先端にボールベアリング36の外輪を固定し、その内輪をローラ16,17,18の小径部37に嵌合させることもできる。この場合には、その内輪の内周面がローラ16,17,18の軸受面29を構成する。より具体的には、各ローラ16,17,18を小径軸38と、これにローラ長手方向に隙間をあけて嵌着固定された外筒39とにより構成し、外筒39を小径軸38に嵌合する前に、ボールベアリング36を小径軸38に嵌合し、次いで小径軸38に外筒39を嵌合して固定する。この例の場合、図15に示すように、ボールベアリング36の外輪の外周面の一部が転写ベルト22の内側面に当接するが、これによって転写ベルト22が傷付けられたり、転写ベルト22に波打ちができるおそれはない。
【0046】
また、ボールベアリング36を用いた場合にも、図16に示すように、ローラ16,17を芯軸31と、そのまわりの弾性部材32によって構成し、ローラ支持部材26の一部、すなわちボールベアリング36の近傍の部分が、隣り合う弾性部材32の間に入り込み、その弾性部材32の一部を弾性変形させ、転写ベルト22が接する弾性部材32の部分33を弾性復帰させるように構成することができる。この場合には、ローラ支持部材26は、その全体が転写ベルト22に当接しない。
【0047】
本発明は、以上説明した実施形態例の構成に限定されるべきではなく、これを各種改変して構成することができる。
【0048】
【発明の効果】
請求項1及び2に係る各発明によれば、少なくとも3本のローラを転写ベルトの内側から支えるローラ支持部材を設けたので、これらのローラが転写ベルトから受ける力により大きくたわむことを阻止でき、転写材を像担持体に均一に密着させて、像担持体から転写材へのトナー像の転写不良の発生を抑えることができる。
【0049】
請求項3に係る発明によれば、ローラの自重による当該ローラのたわみを抑えることができるので、上述した効果をより確実なものにすることができる。
【0050】
請求項4に係る発明によれば、ローラ支持部材が互いに隣り合う2本のローラを上方に向けて加圧しているので、請求項3に係る発明の効果をより一層確実なものにすることができる。
【0053】
請求項5に係る発明によれば、上述した効果を奏する画像形成装置を供することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】画像形成装置の一例を示す概略構成図である。
【図2】転写装置の正面図である。
【図3】ローラ、転写ベルト及び固定支持軸を支持体から離脱して示す斜視図である。
【図4】転写ベルトを外した状態の転写装置の概略側面図である。
【図5】ローラ支持部材の正面図である。
【図6】ローラ支持部材の軸受面を示す斜視図である。
【図7】ローラ支持部材と固定支持軸の機能を説明する図である。
【図8】ローラ支持部材と固定支持軸の機能を説明する図である。
【図9】ローラ支持部材に形成する孔の位置を説明する図である。
【図10】芯軸と弾性部材より成るローラの斜視図である。
【図11】図10に示したローラの弾性部材間にローラ支持部材を挿入した状態を示す断面図である。
【図12】図10に示したローラの弾性部材間にローラ支持部材を挿入した状態を示す斜視図である。
【図13】弾性部材の端部を示す斜視図である。
【図14】ローラ支持部材の他の例を示す斜視図である。
【図15】図14に示したローラ支持部材によりローラを支えた様子を示す部分断面図である。
【図16】図14に示したローラ支持部材により、弾性部材を有するローラを支えた様子を示す部分断面図である。
【図17】2つのローラに転写ベルトを巻き掛けた転写装置の不具合を明らかにする正面図である。
【符号の説明】
1 像担持体
2 作像手段
3 転写装置
16 ローラ
17 ローラ
18 ローラ
19 支持体
20 支持体
21 固定支持軸
22 転写ベルト
23 転写ベルト部分
26 ローラ支持部材
29 軸受面
30 孔
36 ボールベアリング
37 小径部
A 移動方向
P 転写材
Claims (5)
- 長手方向各端部が支持体に回転自在に支持された少なくとも3本のローラと、これらのローラに巻き掛けられて走行駆動される無端状の転写ベルトとを具備し、該転写ベルトの移動方向に沿って互いに隣り合う2本のローラ間の転写ベルト部分によって転写材を像担持体の表面に圧接させながら、該転写ベルト部分と像担持体との間に転写材を通過させて該像担持体上に形成されたトナー像を転写材上に転写する転写装置において、
前記少なくとも3本のローラの長手方向中間部分を支える少なくとも1つのローラ支持部材を具備し、該ローラ支持部材は、転写ベルトの内側から各ローラを回転自在に支持すると共に各ローラの周面に密着する円弧状の軸受面を有していることを特徴とする転写装置。 - 長手方向各端部が支持体に回転自在に支持された少なくとも3本のローラと、これらのローラに巻き掛けられて走行駆動される無端状の転写ベルトとを具備し、該転写ベルトの移動方向に沿って互いに隣り合う2本のローラ間の転写ベルト部分によって転写材を像担持体の表面に圧接させながら、該転写ベルト部分と像担持体との間に転写材を通過させて該像担持体上に形成されたトナー像を転写材上に転写する転写装置において、
前記少なくとも3本のローラの長手方向中間部分を支える少なくとも1つのローラ支持部材を具備し、該ローラ支持部材の先端部にはボールベアリングの外輪が固定され、該ボールベアリングの内輪が各ローラの小径部に嵌合していることを特徴とする転写装置。 - 前記ローラ支持部材は、これに形成された孔を貫通する固定支持軸により支持されている請求項1又は2に記載の転写装置。
- 前記互いに隣り合う2本のローラの自重によるたわみをなくし、或いはそのたわみ量を減少させるように、前記固定支持軸に支持された少なくとも1つのローラ支持部材が、前記互いに隣り合う2本のローラを上方に向けて加圧している請求項3に記載の転写装置。
- 請求項1乃至4のいずれかに記載の転写装置と、像担持体上にトナー像を形成する作像手段とを具備することを特徴とする画像形成装置。
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