JPH0128839Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 産業上の利用分野 本考案はエアゾール装置に係るものであつて、
芳香剤をゲル化した、ゲル状芳香剤をエアゾール
容器中に充填することにより、長期間の安定した
芳香を得ることができるとともに容器の転倒等に
よつても、芳香剤が飛散したりすることのない安
定した使用を可能とするものである。

従来の技術 従来液状の芳香剤を充填したエアゾール装置に
は種々のものが存在するが、液状の芳香剤をエア
ゾール化したものは芳香の持続時間が短かく、頻
繁にエアゾール芳香剤の噴射を行なわなければな
らないとともに空気中に芳香剤が噴霧されるた
め、体内に吸入される等の欠点を有していた。ま
たゲル状芳香剤は上述の如き欠点を有しないもの
の、ゲル状芳香剤の全量が気密性を有しない部分
に露出されているものであるため、ゲル状芳香剤
中の芳香成分中で揮発速度の早いものが先に揮発
し、使用の初期には強い芳香を生じるものの、時
間の経過によつて芳香が弱くなり、芳香の質も異
なつたものとなる欠点を有していた。

考案が解決しようとする問題点 本考案は上述の如き欠点を除去したものであつ
て、空中噴霧芳香剤に比し、芳香の持続時間が長
いとともに空中噴霧芳香剤の如く体内に吸入され
ることもないゲル状芳香剤を用いて、使用の初期
から使用の終期まで芳香の質が異なることのない
芳香剤を得ることを目的としたものである。

問題点を解決するための手段 本考案は上述の如き問題点を解決するため、ゲ
ル状芳香剤を充填したエアゾール容器のステム
に、ゲル状芳香剤の導入室を設けた接続体を、ス
テムの押圧可能に接続し、導入室とステムとを接
続体に設けた導出路で接続するとともに導入室に
ゲル状芳香剤揮発用の揮発口を開口して成るもの
である。

作 用 本考案は上述の如く、ゲル状芳香剤をエアゾー
ル容器に充填したものであるから、噴出前のゲル
状芳香剤はエアゾール容器の気密性により、芳香
を揮発することなく保持されている。ゲル状芳香
剤を使用するには、接続体を介してステムを押圧
し、エアゾール容器のバルブ機構を開弁すること
により、導出路を介して接続体の導入室にゲル状
芳香剤を導入する。この導入室に導入されたゲル
状芳香剤は、揮発用の揮発口から従来公知のゲル
状芳香剤と同様に芳香を揮発するが、この芳香の
揮発は導入室に導入された小量のゲル状芳香剤に
ついてのみ行なわれるから、ゲル状芳香剤中の一
部の芳香が早く揮発しても、小量のゲル状芳香剤
全体の揮発時間と大きく異なることはなく、噴出
したゲル状芳香剤は使用の初期から使用の終期ま
で、芳香の質が異なることは殆どないとともに揮
発の完了後は、次の噴射を行うことによつて、気
密性を有するエアゾール容器内の新たなゲル状芳
香剤を導出できるから、エアゾール容器全体のゲ
ル状芳香剤としても、使用の初期から使用の終期
まで芳香の質が異なることのない芳香揮発を可能
とするものである。

実施例 以下本考案の一実施例を図面に於て説明すれ
ば、１はエアゾール容器で、胴部２の上端に固定
したマウンテイングカツプ３の中央から、内部の
バルブ機構と接続したステム４を突出するととも
に内部には、芳香剤をゲル化したゲル状芳香剤を
充填している。このエアゾール容器１のステム４
に、ゲル状芳香剤の導入室５を透明の被覆壁６に
て被覆して設けた接続体７を、マウンテイングカ
ツプ３との間に押下間隔８を設けてステム４の押
圧可能に接続する。上記導入室５とステム４と
は、接続体７の軸方向に貫通して設けた導出路１
０で接続するとともにこの導出路１０一端の導入
室５内にゲル状芳香剤の導出孔１１を形成してい
る。この導出孔１１は導入室５内の上部方向に、
導入室５の下底１２から突出して形成するととも
に導出路１０の軸方向に対して側面に開口し、導
出路１０の軸方向の被覆壁６に開口したゲル状芳
香剤揮発用の揮発口１３から、ゲル状芳香剤が外
部に噴出することのないよう形成している。また
接続体７の外周には、一部をマウンテイングカツ
プ３の外周面に固定した保持体１４を位置し、接
続体７を保持体１４に対し摺動自在とすることに
より、接続体７のステム４押圧を安定良く行なえ
るよう形成している。

上述の如く構成したものに於て、ゲル状芳香剤
を使用するには、接続体７を介してステム４を押
圧し、エアゾール容器１のバルブ機構を開弁する
ことにより、導出路１０を介して導出孔１１より
導入室５に、下底１２から適宜の位置まで、ゲル
状芳香剤を導入する。この導入室５へのゲル状芳
香剤の導入状態および揮発状態は、被覆壁６を透
明とすることによつて、外部から容易に確認でき
るものである。

考案の効果 上述の如く導入室に導入されたゲル状芳香剤
は、揮発用の揮発口から従来公知のゲル状芳香剤
と同様に芳香を揮発するが、この芳香の揮発は、
導入室に導入された小量のゲル状芳香剤について
のみ行なわれるから、ゲル状芳香剤中の一部が芳
香が早く揮発しても、小量のゲル状芳香剤全体の
揮発時間と大きく異なることはなく、噴出したゲ
ル状芳香剤は、使用の初期から使用の終期まで、
芳香の質が異なることは殆どないとともに揮発の
完了後は、次の噴射を行うことによつて、気密性
を有するエアゾール容器内の新たなゲル状芳香剤
を導出できるから、エアゾール容器全体のゲル状
芳香剤としても、使用の初期から使用の終期まで
芳香の質が異なることのない芳香揮発を可能とす
る。またゲル状芳香剤を小量づつ揮発するもので
あつても空中噴霧芳香剤に比較すれば、芳香の持
続時間が著るしく長いものであり、また空中噴霧
芳香剤の如く、体内に吸入されることもなく、エ
アゾール容器転倒等によつて芳香剤が外部に流出
することのないから、安全な使用を可能とするも
のである。

【図面の簡単な説明】

図面は本考案の一実施例を示すもので、第１図
は断面図、第２図は平面図である。 １……エアゾール容器、４……ステム、５……
導入室、７……接続体、１０……導出路、１３…
…揮発口。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. ゲル状芳香剤を充填したエアゾール容器のステ
   ムに、ゲル状芳香剤の導入室を設けた接続体をス
   テムの押圧可能に接続し、導入室とステムとを接
   続体に設けた導出路で接続するとともに導入室に
   ゲル状芳香剤揮発用の揮発口を開口したことを特
   徴とするエアゾール装置。