JPS5829020Y2 - 蓄圧充填蒸発容器 - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 本考案は揮発性物質の蒸発装置に関する。

防臭剤、殺虫剤、あるいは吸入薬剤等の揮発性物質を持
続的に空間に放出することはしばしば必要で゛ある。

その目的のためには、これまで゛ウィック（爆心）から
の蒸発、半固形ゲル（寒天ゲル）からの蒸発、蓄圧充填
製品（エアゾール、ｐｒｅｓｓｕｒｉｚｅｄｐａｃｋａ
ｇｅ）の間けつ噴霧その他種々の手段が講ぜられてきた
が、いずれも欠点がある。

ウィック型のものは転倒した時に周囲を汚染するし、蒸
発させられるべき薬剤が揮発性の異なる成分の混合物で
あるときは、揮発性の高い成分から先に蒸発し、揮発性
の低い成分が後に残る。

半固形ゲル型のものは、転倒による汚染の欠点は除かれ
、揮発性を異にする成分の混合物の蒸発の一様性はウィ
ック型のものより多少は改良されるが、製造過程で加熱
されるため、揮発性の高い成分の使用は限定される。

エアゾールのような機械的分与手段によるものは、間け
つ噴霧のための装置が高価であったり、そうでなければ
作動が不確実であったりする。

本考案は上の目的を遠戚するための改良された揮発性物
質の蒸発装置を提供するものである。

本考案によれば、容器と；その開口部を閉塞する貫通孔
を有する、弾性材料よりなり、貫通孔の中央部にボール
弁を密接保持する拡大部を有し、該貫通孔の内側端部が
ボール弁の通過を許すように拡張可能であるように構成
されている閉塞部材と；該閉塞部材を容器開口部に密着
固定させる手段と；閉塞部材の下端に装着されたボール
弁の直径より大きな内径を有する吸上げ管と；多孔性物
体と、それに連通ずる前記閉塞部材の貫通孔の外側端部
に密着挿入される墓前からなる蒸発ヘッド部材とで構成
される蒸発ヘッドからなる蓄圧充填蒸発装置が提供され
る。

次に図面を参照して１具体例について本考案を詳細に説
明する。

第１図に示されるように、本考案の装置は、容器４と、
閉塞部材１と、該閉塞部材を容器開口部に固定する手段
３と、蒸発ヘッド５よりなる。

容器４はプラスチック、金属、ガラス等の剛性の材料で
形成され、その開口部には（必須ではないが）その上縁
に閉塞部材のフランジとの密接を利するためにリッジ４
ａが設けられ、またその頚部には後に詳細に述べる閉塞
部材固定手段３をかしめっけるための段部ないし溝部４
ｂが設けられている。

閉塞部材１は弾性材料、通常エラストマー（好適例は合
成ゴム、軟質ポリエチレン等）で製造され、中心軸に沿
って貫通孔１ａを有するが、その中央部はボール弁２を
密接保持するために拡大部１ｂとなっている。

しかし貫通孔は拡大部１ｂより外側（上方）では細く、
ボール弁２が押し上げられても逸出することはないが、
拡大部１ｂより内側（下方）では太く、ボール弁が押し
下げられる時は容器内に押し出されるように構成されて
いる。

このように構成された閉塞部材１は容器４の開口部に装
着され、固定手段３で固定される。

この実施態様の場合、固定手段はフェルールとよばれる
軟質の金属でできた円筒状の蓋状物であり、閉塞部材１
と容器開口にかぶせられ、そのスカート部３ａの下縁３
ｂが、対応する位置にある容器開口部の段部４ｂに巻き
しめ機でかしめつけられる。

閉塞部材の容器への固定はいわゆるマウンティングカッ
プによってもよい。

その場合はマウンティングカップはその中心部で閉塞部
材を保持し、周辺において容器開口にかしめつけられる
。

このことは当業者には周知の事実であるからその態様に
ついては詳細に述べない。

ただしその場合は、閉塞部材は軟質ポリエチレンのよう
な材料で造るのが適当で゛あろう。

蒸発ヘッド部材５は墓前部５ａと側壁部５ｂと多孔性物
体６，７．８を入れる凹所５Ｃからなっている。

蒸発ヘッド部材５はプラスチック、金属等１．多少とも
弾性を有する剛性材料でつくるのが有利である。

多孔性物体６は紙を含む圧縮したせんい材料、半焼結ガ
ラス粉末、素焼き陶磁等どんな材料でもよいが、内容物
が蓄圧充°眞されている事実にかんがみ可なり緻密な材
料である必要がある。

図示のように緻密度のことなる複数個の多孔性体を重ね
て重環してもよく、肉厚のもの１個でもよく、軟質の材
料の場合は最上層８を孔あきの押え板にしてもよい。

多孔性体もしくは押え板を固定するために、蒸発ヘッド
部材の凹所５Ｃの上縁にはビード５ｄを設けるのが好都
合である。

また閉塞部材５を容器開口に固定するためにその側壁部
５ｂの下縁に内向きのビード５Ｃを設ける。

このように構成された蒸発ヘッドは、その墓前５ａが閉
塞部材の貫通孔１ａの外側部（上側部）に挿入され、そ
のビード５Ｃが容器開口部の頚部の段４ｂに嵌合するよ
うに装着される。

この状態では、ボール弁２は閉塞部材中に密接保持され
て、この蒸発容器は閉じられている。

蒸発ヘッドを容器内に押し込むときは、墓前５ａはボー
ル弁２を下方に容器内に押し出して蓄圧充填容器を開放
する。

蒸発ヘッド部材５をこの状態に固定するために、容器頚
部の蒸発ヘッド部材の下縁ビード５ｅに対応する位置に
溝４ｄを設けておくのが好都合である。

閉塞部材の下端１Ｃは吸上げ管９が取りつけられる。

この吸上げ管はボール弁の直径より大きな内径を有する
。

吸上げ管は容器底部に到達する長さにしておくのが好都
合で、この場合は内容物が残らないように欠刻９ａを設
けておく。

この蓄圧充填蒸発装置の充填は通常のエアゾール処方物
（液化推進ガスと原液の混合物）の冷却充填による。

この充填は当業者にとって周知であるから詳しく述べる
必要はない。

本考案の充填物は噴霧用蓄圧充填（エアゾール）製品よ
りは一般に内圧が低い。

しかし蓄圧充填の内圧の故に揮発性の低い成分もとにか
く多孔性物体までは強制的に押し上げられ、複数個の多
孔性物体のうち一番外側に位置するものを最も緻密にす
ることによって、多少とも均一蒸発に利することができ
る。

第２図は、第１図に示す装置の蒸発ヘッド５を押し込ん
でボール弁２をはずして蒸発装置を開放した状態を示す
と同時に、この装置に蓋１１を施したところを示す。

前述のように本発明の装置は蓄圧充填であるが比較的低
圧である。

故に短期間なら密閉ねじ蓋を施して蒸発を阻止すること
ができる。

即ち第２図において１１はインキ瓶の栓のごときねじ蓋
であり、１２はゴムのようなエラストマーのバッキング
である。

このような蓋を施すことによって、不必要な時に蒸発を
防いで長期間使用できるようにすることができる。

またこのねじ蓋を第３図に示すように、その側壁に通気
孔１１ ｂを設け、その頂部に鎖やひもを取りつけるた
めの環１１ ａを設けるように構成すれば、本考案の蒸
発装置をペンダントとして使用することができる。

即ち、必要に応じねじ蓋をゆるめるなら、バッキング１
２蒸発ヘッドを開放し、蒸発は通気孔１１ ｂを通って
逸出し、芳香などを放つ。

本考案は以上二三の具体例について詳細に説明したが、
実用新案登録請求の範囲に記載される技術思想の範囲内
で多様の変法が可能であることが理解さるべきである。

【図面の簡単な説明】

第１図は本考案の装置の１実施態様を示す断面図であり
、第２図は第１図に示す装置の使用状態ならびにねじ蓋
を施した状態を示す断面図であり、第３図はこのねし蓋
の別の態様を示す断面図である。 これらの図において、４：容器、１：閉塞部材、３：閉
塞部材固定手段、６，７，８ ：多孔性物体、５：蒸発
ヘッド、１１：ねじ蓋。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 容器と；その開口部を閉塞する貫通孔を有する、弾性材
   料よりなり、貫通孔の中央部にボール弁を密接保持する
   拡大部を有し、該貫通孔の内側端部がボール弁の通過を
   許すように拡張可能であるように構成されている閉塞部
   材と；該閉塞部材を容器開口部に容器内圧に耐えるよう
   に密着固定させる手段と；閉塞部材の下端に装着された
   ボール弁の直径より大きな内径を有する吸上げ管と；多
   孔性物体と、それに連通ずる前記閉塞部材の貫通孔の外
   側端部に密着挿入される墓前からなる蒸発ヘッド部材と
   で構成される蒸発ヘッドからなる蓄圧充填蒸発装置。