JPH01287222A - ばね用材料 - Google Patents
ばね用材料Info
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- JPH01287222A JPH01287222A JP11636588A JP11636588A JPH01287222A JP H01287222 A JPH01287222 A JP H01287222A JP 11636588 A JP11636588 A JP 11636588A JP 11636588 A JP11636588 A JP 11636588A JP H01287222 A JPH01287222 A JP H01287222A
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Classifications
-
- F—MECHANICAL ENGINEERING; LIGHTING; HEATING; WEAPONS; BLASTING
- F16—ENGINEERING ELEMENTS AND UNITS; GENERAL MEASURES FOR PRODUCING AND MAINTAINING EFFECTIVE FUNCTIONING OF MACHINES OR INSTALLATIONS; THERMAL INSULATION IN GENERAL
- F16F—SPRINGS; SHOCK-ABSORBERS; MEANS FOR DAMPING VIBRATION
- F16F1/00—Springs
- F16F1/02—Springs made of steel or other material having low internal friction; Wound, torsion, leaf, cup, ring or the like springs, the material of the spring not being relevant
Landscapes
- Engineering & Computer Science (AREA)
- General Engineering & Computer Science (AREA)
- Mechanical Engineering (AREA)
- Springs (AREA)
Abstract
(57)【要約】本公報は電子出願前の出願データであるた
め要約のデータは記録されません。
め要約のデータは記録されません。
Description
【発明の詳細な説明】
[産業上の利用分野コ
本発明は、例えば自動車の弁ばねや懸架用ばね等に好適
な高耐久性を有するばね用材料に関する。
な高耐久性を有するばね用材料に関する。
[従来の技術]
一般的な熱処理によって調質されたばね用材料の断面内
硬さ分布は第8図に模式的に示されるように表面から中
心部にわたって硬さがほぼ均等である。
硬さ分布は第8図に模式的に示されるように表面から中
心部にわたって硬さがほぼ均等である。
これに対し浸炭あるいは窒化処理が行なわれた材料は、
第9図に示されるように表面部の硬さが高くなっている
。浸炭あるいは窒化によって表面を強化した飼料は、硬
化深さが浅い割には硬さのピーク値aと中心部の硬さb
との差(a−b)が大きい。硬度差(a−b)がビッカ
ース硬さ(HMV)で150を越えるようになると、硬
さが変化する箇所C付近に応力集中を生じやすくなり耐
疲れ性はかえって低下する。
第9図に示されるように表面部の硬さが高くなっている
。浸炭あるいは窒化によって表面を強化した飼料は、硬
化深さが浅い割には硬さのピーク値aと中心部の硬さb
との差(a−b)が大きい。硬度差(a−b)がビッカ
ース硬さ(HMV)で150を越えるようになると、硬
さが変化する箇所C付近に応力集中を生じやすくなり耐
疲れ性はかえって低下する。
一方、特開昭62−74027号公報や特開昭[i2−
260015号公報あるいは特開昭[i2−26002
0号公報などに示されているばね材料は、第10図のよ
うに表面硬さdを中心部硬さbよりも低下させることに
よって切欠き感受性を緩和し、耐疲れ性を向上させてい
る。この場合、具体的には母材を熱処理によっである所
定硬さに調質後、高周波誘導加熱手段等の急速加熱手段
により、表面から所定の深さだけ軟化させている。
260015号公報あるいは特開昭[i2−26002
0号公報などに示されているばね材料は、第10図のよ
うに表面硬さdを中心部硬さbよりも低下させることに
よって切欠き感受性を緩和し、耐疲れ性を向上させてい
る。この場合、具体的には母材を熱処理によっである所
定硬さに調質後、高周波誘導加熱手段等の急速加熱手段
により、表面から所定の深さだけ軟化させている。
[発明が解決しようとする課題]
硬さに関して言えば、耐疲れ性に最も影響を与えるのは
材料の表面からやや内側に入った部分である。ところが
前記先行技術によって表面部を軟化させた材料は、表面
部を除くほぼ断面全域が同じ硬さと延性をもつから、所
望の耐疲れ性を発揮させるために一定レベル以上の硬さ
にすると、コイルばね等に成形する際に大きな力が必要
であるなど加工しに<<、かつ成形後のスプリングバッ
ク量も大きいといった問題がある。
材料の表面からやや内側に入った部分である。ところが
前記先行技術によって表面部を軟化させた材料は、表面
部を除くほぼ断面全域が同じ硬さと延性をもつから、所
望の耐疲れ性を発揮させるために一定レベル以上の硬さ
にすると、コイルばね等に成形する際に大きな力が必要
であるなど加工しに<<、かつ成形後のスプリングバッ
ク量も大きいといった問題がある。
従って本発明の目的は、切欠き感受性を緩和できるだけ
でなく優れた耐疲れ性を有しかつ加工性もよいばね用材
料を提供することにある。
でなく優れた耐疲れ性を有しかつ加工性もよいばね用材
料を提供することにある。
[課題を解決するための手段]
上記目的を果たすために本発明のばね用材料は、表面か
らやや内側に入った表層部に硬さのピークを生じさせ、
しかも表面の硬さが上記ピーク値よりも小さく、かつ表
層部よりも中心側の部分の硬さも上記ピーク値よりも小
さい硬さ分布となるように調質したものである。
らやや内側に入った表層部に硬さのピークを生じさせ、
しかも表面の硬さが上記ピーク値よりも小さく、かつ表
層部よりも中心側の部分の硬さも上記ピーク値よりも小
さい硬さ分布となるように調質したものである。
[作用コ
本発明のばね用材料においては、表面硬さを下げること
によって切欠き感受性が緩和されるとともに、耐疲れ性
の向上に最も効果のある表面からやや内側に入ったとこ
ろの表層部に硬さのピークがある。そしてこのピーク位
置よりも中心側の部分の硬さが下がっているから、表面
部のみが軟化している材料に比べると絞りで5〜20%
はど延性を大きくすることができ、同じ耐疲れ性であれ
ば延性が小さい分たけコイルばね等への成形が容易であ
る。
によって切欠き感受性が緩和されるとともに、耐疲れ性
の向上に最も効果のある表面からやや内側に入ったとこ
ろの表層部に硬さのピークがある。そしてこのピーク位
置よりも中心側の部分の硬さが下がっているから、表面
部のみが軟化している材料に比べると絞りで5〜20%
はど延性を大きくすることができ、同じ耐疲れ性であれ
ば延性が小さい分たけコイルばね等への成形が容易であ
る。
[実施例コ
第2図に模式的に示されたオースドローイング装置1を
用いて、母材としての鋼線Aのドローイングを行なう。
用いて、母材としての鋼線Aのドローイングを行なう。
鋼線Aは一例として線径4mmのsup 7であり、こ
れを線径3.8mmまで減面させる。
れを線径3.8mmまで減面させる。
減面率は約lO%である。この装置1は、加熱手段2と
、冷却槽3と、ダイス4と、冷却手段5と、引抜き用の
チャック6などを備えている。なお、加熱手段2と冷却
槽3との間に冷却空気を噴出する予備冷却手段7を設け
てもよい。ダイス4のダイス角αは15°であるが、α
=45°まで適用できる。
、冷却槽3と、ダイス4と、冷却手段5と、引抜き用の
チャック6などを備えている。なお、加熱手段2と冷却
槽3との間に冷却空気を噴出する予備冷却手段7を設け
てもよい。ダイス4のダイス角αは15°であるが、α
=45°まで適用できる。
加熱手段2としては急速加熱が可能な通電加熱装置ある
いは高周波誘導加熱装置が適するが、通常の加熱炉であ
ってもよい。冷却槽3には、冷却媒体の一例として鋼線
AのMs点以上の温度(400〜500°C)の溶融鉛
8が収容されている。
いは高周波誘導加熱装置が適するが、通常の加熱炉であ
ってもよい。冷却槽3には、冷却媒体の一例として鋼線
AのMs点以上の温度(400〜500°C)の溶融鉛
8が収容されている。
ダイス4はこの溶融船中に浸漬されている。チャック6
は鋼線Aを長手方向に引っ張るものであるが、引っ張り
と同時に軸回りに回転させることによって、鋼線Aをね
じりながらダイス4を通過させるようにしてもよい。冷
却手段5は、ダイス4から引出された鋼線AをMs点以
下の温度まで急冷するのに使われ、−例として低温の空
気を吹付けるノズルあるいは水等の冷却媒体を吹付ける
ノズルなどを備えている。
は鋼線Aを長手方向に引っ張るものであるが、引っ張り
と同時に軸回りに回転させることによって、鋼線Aをね
じりながらダイス4を通過させるようにしてもよい。冷
却手段5は、ダイス4から引出された鋼線AをMs点以
下の温度まで急冷するのに使われ、−例として低温の空
気を吹付けるノズルあるいは水等の冷却媒体を吹付ける
ノズルなどを備えている。
チャック6によって鋼線Aを引っ張りながら、加熱手段
2によって鋼線Aをオーステナイト化温度(例えば95
0℃)まで急速加熱する。予備冷却手段7を通過するこ
とにより表面温度が600℃程度まで下がった鋼線Aは
冷却槽3に導入されるとともに溶融鉛8によって過冷オ
ーステナイト化温度(例えば400°)まで急冷される
。引抜き速度は25mm1secである。
2によって鋼線Aをオーステナイト化温度(例えば95
0℃)まで急速加熱する。予備冷却手段7を通過するこ
とにより表面温度が600℃程度まで下がった鋼線Aは
冷却槽3に導入されるとともに溶融鉛8によって過冷オ
ーステナイト化温度(例えば400°)まで急冷される
。引抜き速度は25mm1secである。
ダイス4から引抜かれた鋼線Aは、冷却手段5によって
直ちにMs点以下の温度まで急冷されることによって短
時間で組織が凍結される。しかも表層部にはダイス4か
らの引抜きによって加工硬化したマルテンサイト組織が
得られる。これを450°C・45分間の焼戻しを行な
うことによって、第3図に示される硬さ分布のばね材料
A′が得られる。
直ちにMs点以下の温度まで急冷されることによって短
時間で組織が凍結される。しかも表層部にはダイス4か
らの引抜きによって加工硬化したマルテンサイト組織が
得られる。これを450°C・45分間の焼戻しを行な
うことによって、第3図に示される硬さ分布のばね材料
A′が得られる。
このような硬さ分布になる理由は、オースドローイング
された材料がもつ特有の焼入れ直後の硬さ分布と、焼戻
し軟化抵抗の相乗作用によるものと考えられる。第4図
に実線で示されるように、焼戻し軟化抵抗は表面側はど
大となる。つまり焼戻しを行なった時に表面側はど軟化
しにくい。これは、オースドローイングによる加工硬化
で表層部に歪んだ結晶が存在し、表層側はど転位の量が
多くて金属同志を強く結びつけているからである。
された材料がもつ特有の焼入れ直後の硬さ分布と、焼戻
し軟化抵抗の相乗作用によるものと考えられる。第4図
に実線で示されるように、焼戻し軟化抵抗は表面側はど
大となる。つまり焼戻しを行なった時に表面側はど軟化
しにくい。これは、オースドローイングによる加工硬化
で表層部に歪んだ結晶が存在し、表層側はど転位の量が
多くて金属同志を強く結びつけているからである。
一方、オースドローイング直後つまり焼入れ直後の硬さ
分布は、同第4図に破線で示すようにほぼ均一であるが
、最表面においては加工熱の発生による温度上昇により
変態生成物が生じたり、僅かなから脱炭か生じる傾向に
あり、更に焼戻し時に外面側から加熱を受けるために内
部に比べて高い熱量にさらされるために最表面の硬さは
僅かに下がる。従って焼戻し後の硬さ分布は、前述した
ように表層部に硬さのピークが生じ、かつ表面の硬さが
上記ピーク値よりも小さいとともに表層部よりも中心側
の部分の硬さも上記ピーク値よりも小さくなる。
分布は、同第4図に破線で示すようにほぼ均一であるが
、最表面においては加工熱の発生による温度上昇により
変態生成物が生じたり、僅かなから脱炭か生じる傾向に
あり、更に焼戻し時に外面側から加熱を受けるために内
部に比べて高い熱量にさらされるために最表面の硬さは
僅かに下がる。従って焼戻し後の硬さ分布は、前述した
ように表層部に硬さのピークが生じ、かつ表面の硬さが
上記ピーク値よりも小さいとともに表層部よりも中心側
の部分の硬さも上記ピーク値よりも小さくなる。
」−記硬さ分布をもつばね用材料は、表面が軟化してい
ることによって切欠き感受性が緩和されるとともに、耐
疲れ性の向上に最も効果のある表層部に硬さのピークが
ある。換言すると、硬さのピーク位置よりも中心側の部
分の硬さが下がっているから、表面部のみが軟化してい
る材料に比べると、同じ耐疲れ性であれば延性か大きい
分だけコイルはね等への成形が容易である。
ることによって切欠き感受性が緩和されるとともに、耐
疲れ性の向上に最も効果のある表層部に硬さのピークが
ある。換言すると、硬さのピーク位置よりも中心側の部
分の硬さが下がっているから、表面部のみが軟化してい
る材料に比べると、同じ耐疲れ性であれば延性か大きい
分だけコイルはね等への成形が容易である。
第1図は本発明によるばね用制料の断面内硬さ分布を模
式的に表わしたものであり、硬さが変化し始める箇所e
。から表面までの距離を11、硬さのピーク位置e〕か
ら表面までの距離を12としたとき、I!1を12の2
倍以上にするのが望ましい。なぜなら、第1図に2点鎖
線で示したようにelがeoに近イてjくほどeoにお
ける硬度変化が急になってe。(=I近に応力か集中し
やすくなりここが疲労破壊の起点になることがあるから
である。本発明者らの研究によると、)、≧2J!。で
あれば硬さの変化点e□での応力集中が充分に緩和され
、しかも硬さのピーク値Aと中心側部分の硬さBの差(
A−B)をHM V 150以下とすることによって、
硬さの変化点eQが疲労破壊の起点になることを防止で
きた。この図示例では表面の硬さCが中心部の硬さBよ
りも小さいが、CがBよりも大きくてもよい。好ましい
硬さA、B、Cは、HM V 350 ≦C:ll;
HM V 580 。
式的に表わしたものであり、硬さが変化し始める箇所e
。から表面までの距離を11、硬さのピーク位置e〕か
ら表面までの距離を12としたとき、I!1を12の2
倍以上にするのが望ましい。なぜなら、第1図に2点鎖
線で示したようにelがeoに近イてjくほどeoにお
ける硬度変化が急になってe。(=I近に応力か集中し
やすくなりここが疲労破壊の起点になることがあるから
である。本発明者らの研究によると、)、≧2J!。で
あれば硬さの変化点e□での応力集中が充分に緩和され
、しかも硬さのピーク値Aと中心側部分の硬さBの差(
A−B)をHM V 150以下とすることによって、
硬さの変化点eQが疲労破壊の起点になることを防止で
きた。この図示例では表面の硬さCが中心部の硬さBよ
りも小さいが、CがBよりも大きくてもよい。好ましい
硬さA、B、Cは、HM V 350 ≦C:ll;
HM V 580 。
HM V 350 ≦B ≦HM V 6
50 。
50 。
HM V 20≦A −B ≦HM V 150である
。
。
上記ばね用材料A′は、コイルばねに成形された後に周
知のショットピーング処理が施される。
知のショットピーング処理が施される。
第5図に実線mで示したように、ショットピーニングさ
れた材料の内部には、いわゆるクロッシングポインt−
c oを境に表面側が圧縮の残留応力で、内部側が引っ
張りの応力となる。また圧縮残留応力が最大となるピー
ク位置c1の深さは一般にクロッシングポイントcoの
深さの半分値である。
れた材料の内部には、いわゆるクロッシングポインt−
c oを境に表面側が圧縮の残留応力で、内部側が引っ
張りの応力となる。また圧縮残留応力が最大となるピー
ク位置c1の深さは一般にクロッシングポイントcoの
深さの半分値である。
このばね材料の曲げあるいはねじり応力分布は、同図に
破線nで示されるように中心側はど応力が小さくなる。
破線nで示されるように中心側はど応力が小さくなる。
このため、ばねとして使用される際の応力は、mとnの
合力(線分g)となり、最大応力を生じる位置c2はク
ロッシングポイントcoより少し内側にある。
合力(線分g)となり、最大応力を生じる位置c2はク
ロッシングポイントcoより少し内側にある。
残留応力の観点からすると、耐疲れ性を左右するのは材
料表面からクロッシングポイントcoに至る圧縮残留応
力の分布状態とその領域での硬さである。これに対し、
材料の断面内硬さ分布の観点からするとから、耐疲れ性
を左右するのは材料表面からやや内側に入った箇所の硬
さである。このため、前述した硬さのピーク値We、が
clがらc2の間にくるようにショットピーニング前に
調質を行なえば、耐疲れ性を向」ニさせる上できわめて
好結果か得られる。
料表面からクロッシングポイントcoに至る圧縮残留応
力の分布状態とその領域での硬さである。これに対し、
材料の断面内硬さ分布の観点からするとから、耐疲れ性
を左右するのは材料表面からやや内側に入った箇所の硬
さである。このため、前述した硬さのピーク値We、が
clがらc2の間にくるようにショットピーニング前に
調質を行なえば、耐疲れ性を向」ニさせる上できわめて
好結果か得られる。
具体的に言えは、−船釣なりロッジングポイントc。の
深さは、線径4mmの弁ばねザイズで0.15〜0.2
5mm、線径L2mmの懸架用ばねでも 0.2〜0.
3mmである。ばね使用時に最大応力を生じる箇所c2
はクロッシングポイントCQよりも僅かに内側、つまり
線径12mmの時にはおおむね0.4mm付近のところ
に生じる。一方、圧縮残留応力がピークとなる位置C1
の深さは一般的にクロッシングポイントcoの約1/2
であり、現行のショットピーニングでは最小で0.05
wnが限界である。従って弁ばねサイズ(線径4mm
から懸架用ばねサイズ(線径12mm)の範囲で使
われる場合には、第5図にハツチングで示したC1から
02間の領域は、0.05〜0.4mmである。この範
囲にelが入るようにするには、最小値0.05mmに
対して最大12mm(半径R=6)の線径ではノ2 /
R= 0.05/6 #0.008が最小であり、ま
た最大値0.4mmに対して最小線径4M(半径R=2
)では122/R−0,4/2−0.20となる。これ
らのことから本発明では、実用に供されるばねサイズで
耐疲れ性に最も効果のある硬さのピーク位置e1の深さ
ノ2を・ o、oog≦ノ2 / R≦0.20 の範囲に入れ
ることを推奨する。
深さは、線径4mmの弁ばねザイズで0.15〜0.2
5mm、線径L2mmの懸架用ばねでも 0.2〜0.
3mmである。ばね使用時に最大応力を生じる箇所c2
はクロッシングポイントCQよりも僅かに内側、つまり
線径12mmの時にはおおむね0.4mm付近のところ
に生じる。一方、圧縮残留応力がピークとなる位置C1
の深さは一般的にクロッシングポイントcoの約1/2
であり、現行のショットピーニングでは最小で0.05
wnが限界である。従って弁ばねサイズ(線径4mm
から懸架用ばねサイズ(線径12mm)の範囲で使
われる場合には、第5図にハツチングで示したC1から
02間の領域は、0.05〜0.4mmである。この範
囲にelが入るようにするには、最小値0.05mmに
対して最大12mm(半径R=6)の線径ではノ2 /
R= 0.05/6 #0.008が最小であり、ま
た最大値0.4mmに対して最小線径4M(半径R=2
)では122/R−0,4/2−0.20となる。これ
らのことから本発明では、実用に供されるばねサイズで
耐疲れ性に最も効果のある硬さのピーク位置e1の深さ
ノ2を・ o、oog≦ノ2 / R≦0.20 の範囲に入れ
ることを推奨する。
第6図に弁ばねサイズでの疲労試験結果を示す。
この場合の素材はswosc (S i −Cr添加
オイルテンパー線)を用い、前述した条件でオースドロ
一イングと焼戻しを行なったものである。本発明による
ばね用材料は、既存のオイルテンパー線に比べて2倍は
ど疲労強度が向上することが確認された。同じく弁ばね
サイズでの残留せん断ひずみ(締付応力120 K’i
f / M2.締付時間72hour)については、
室温で 1.OX to−’ 、 80℃において7X
lO−’であり、同一条件でのオイルテンパー線の残留
せん断ひずみ(室温で2.OX 10−’ 、 80”
Cで9X10−4)に比べて耐へたり性にも優れている
。
オイルテンパー線)を用い、前述した条件でオースドロ
一イングと焼戻しを行なったものである。本発明による
ばね用材料は、既存のオイルテンパー線に比べて2倍は
ど疲労強度が向上することが確認された。同じく弁ばね
サイズでの残留せん断ひずみ(締付応力120 K’i
f / M2.締付時間72hour)については、
室温で 1.OX to−’ 、 80℃において7X
lO−’であり、同一条件でのオイルテンパー線の残留
せん断ひずみ(室温で2.OX 10−’ 、 80”
Cで9X10−4)に比べて耐へたり性にも優れている
。
上記実施例ではオースドローイングによる加工熱処理と
焼戻しによって所望の硬さ分布をもたせたが、これ以外
の方法によって前記硬さ分布を実現することもできる。
焼戻しによって所望の硬さ分布をもたせたが、これ以外
の方法によって前記硬さ分布を実現することもできる。
例えば第7図に示されるように、冷間引抜き等の冷間加
工によって材料の表面部を加工硬化させたのちに、高周
波誘導加熱等の急速加熱によって短時間の表面焼戻しを
行なうことにより、中心部の硬さをほとんど変化させず
に表面部のみを軟化させるようにしてもよい。
工によって材料の表面部を加工硬化させたのちに、高周
波誘導加熱等の急速加熱によって短時間の表面焼戻しを
行なうことにより、中心部の硬さをほとんど変化させず
に表面部のみを軟化させるようにしてもよい。
[発明の効果]
本発明によれば、耐疲れ性に優れかつ延性が大きくコイ
ルばね等への成形が容易なばね用材料が得られる。
ルばね等への成形が容易なばね用材料が得られる。
第1図は本発明の一実施例によるばね材料の硬さ分布を
模式的に示す図、第2図はオースドローイングを実施す
るための装置の略縦断面図、第3図はオースドローイン
グと焼戻し後の材料の硬さを示す図、第4図は焼戻し軟
化抵抗と焼戻し後の硬さとの関係を示す図、第5図は残
留応力とばね使用時の応力の部体を示す図、第6図は弁
ばねサイズでの疲労試験結果を示す図、第7図は冷間加
工後の硬さ分布を示す図、第8図は普通熱処理を行なっ
た場合の硬さ分布を示す図、第9図は浸炭または窒化処
理による硬さ分布を示す図、第10図は表面部を軟化さ
せた従来例の硬さ分布を示す図である。 出願人代理人 弁理士 鈴江武彦 ΔWHで醜Y−顛4・、] ′:j::桑チY−¥八−,7 田、O 10°0
模式的に示す図、第2図はオースドローイングを実施す
るための装置の略縦断面図、第3図はオースドローイン
グと焼戻し後の材料の硬さを示す図、第4図は焼戻し軟
化抵抗と焼戻し後の硬さとの関係を示す図、第5図は残
留応力とばね使用時の応力の部体を示す図、第6図は弁
ばねサイズでの疲労試験結果を示す図、第7図は冷間加
工後の硬さ分布を示す図、第8図は普通熱処理を行なっ
た場合の硬さ分布を示す図、第9図は浸炭または窒化処
理による硬さ分布を示す図、第10図は表面部を軟化さ
せた従来例の硬さ分布を示す図である。 出願人代理人 弁理士 鈴江武彦 ΔWHで醜Y−顛4・、] ′:j::桑チY−¥八−,7 田、O 10°0
Claims (3)
- (1)表層部に硬さのピークがあり、しかも表面の硬さ
が上記ピーク値よりも小さくかつ表層部よりも中心側の
部分の硬さも上記ピーク値よりも小さい硬さ分布となる
ように調質されたことを特徴とするばね用材料。 - (2)上記硬さ分布において硬さが変化し始める箇所e
_0から表面までの距離をl_1、硬さのピーク位置e
_1から表面までの距離をl_2とした時、l_1≧2
l_2である特許請求の範囲第1項記載のばね用材料。 - (3)硬さのピーク位置e_1が、ショットピーニング
によって付与される圧縮残留応力のピーク位置c_1か
らばね使用時に最大応力を生じる位置c_2の間に入る
ような硬さ分布とした特許請求の範囲第1項記載のばね
用材料。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP63116365A JP2716141B2 (ja) | 1988-05-13 | 1988-05-13 | ばね用材料 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP63116365A JP2716141B2 (ja) | 1988-05-13 | 1988-05-13 | ばね用材料 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH01287222A true JPH01287222A (ja) | 1989-11-17 |
JP2716141B2 JP2716141B2 (ja) | 1998-02-18 |
Family
ID=14685161
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP63116365A Expired - Fee Related JP2716141B2 (ja) | 1988-05-13 | 1988-05-13 | ばね用材料 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP2716141B2 (ja) |
Families Citing this family (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2001304369A (ja) * | 2000-04-27 | 2001-10-31 | Tsubaki Nakashima Co Ltd | リターンチューブ式ボールねじの浸炭焼入硬化されたねじ軸 |
Citations (3)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JPS5156759A (en) * | 1974-11-15 | 1976-05-18 | Hitachi Metals Ltd | Onkanhikinukihoho oyobi sochi |
JPS53113715A (en) * | 1977-03-14 | 1978-10-04 | Sodetal | Method of making elongated highhstrength carbon steel member |
JPS62260015A (ja) * | 1986-05-02 | 1987-11-12 | Sumitomo Electric Ind Ltd | 耐疲れ性にすぐれたばねおよびその製造方法 |
-
1988
- 1988-05-13 JP JP63116365A patent/JP2716141B2/ja not_active Expired - Fee Related
Patent Citations (3)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JPS5156759A (en) * | 1974-11-15 | 1976-05-18 | Hitachi Metals Ltd | Onkanhikinukihoho oyobi sochi |
JPS53113715A (en) * | 1977-03-14 | 1978-10-04 | Sodetal | Method of making elongated highhstrength carbon steel member |
JPS62260015A (ja) * | 1986-05-02 | 1987-11-12 | Sumitomo Electric Ind Ltd | 耐疲れ性にすぐれたばねおよびその製造方法 |
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
JP2716141B2 (ja) | 1998-02-18 |
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