JPH01268857A - 金色層を有する外装品 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】本公報は電子出願前の出願データであるた
め要約のデータは記録されません。

Description

【発明の詳細な説明】 ［産業上の利用分野］ この発明は、金色の外装品、例えば、時計の側、バンド
あるいは指環、ネックレス、眼鏡等の装身具に利用でき
るものである。

［従来の技術］ 時：１゛、そのバンド、あるいは指環、ネックレス、眼
鏡等の装身具の材料は従来からその色調と耐食性が優れ
ているという理由で金が用いられ、あるいは金がメツキ
されて用いられていた。

しかし、金は高価な金属であるので十分な耐食性と耐摩
耗性を備える程厚い被覆層を形成することは経済的な負
担が大きかった。

この負担を軽減するために従来金色を呈する種々の合金
が提案され、広く用いられているが、十分満足できるも
のではなかった。

この頃、イオンブレーティングやスパッタリング等の方
法で金色を呈する金属の窒化物、例えば、窒化チタン（
以下ＴｉＮと記載する）からなる基部層を設け、その上
に金または金合金からなる仕上層を設けた金色被覆層を
有する外装部品が提案されている。

しかし、ＴｉＮはその組成が簡単であるために色調が単
調である反面、その層の形成条件が少し変動すると形成
されたＴｉＮ層の物性が変わって製品としての品質を均
一にするのが困難であった。

［発明が解決しようとする課題］ この発明は従来技術の上記問題点を解決し、ＴｉＮより
色調の範囲が広く、かつ、耐摩耗性が大きい被覆層を有
する外装品を提供することを目的としている。

［課題を解決するための手段］ 上記課題を解決するためのこの発明の構成は、チタニウ
ム（Ｔｉ）とアルミニウム（ＡＩ）のモル比が２７８な
いし８／２の範囲にあるチタニウムとアルミニウムとの
複合窒化物からなる基部層と、その上に設けた金または
合金からなる仕上層を有する外装品ならびに特に上記仕
上層の成分が金、インジウム（Ｉ　ｎ）ならびにニッケ
ル（Ｎｉ）またはパラジウム（Ｐ　ｄ）からなる外装品
である。

上記基部層におけるＴｉとＡＩとのモル比によって基部
層の色調が変化する。Ｔｉの含有量がモル比で２Ｘ８未
満になるとグレー色傾向が強まり、これが５１５を越え
るとブラウン色傾向になる。最適のモル比は７／３で金
色傾向になる。

更に、８／２を越えると緑色を帯びてきて、金色として
は実用性がなくなり、硬度も著しく低下する。

この基部層の厚さは０．５μｌが適当であり０．１μｍ
未ＩＪ４では色調の安定が得られず、また耐食性に問題
が有り、５．０μｍを越えるとマイクロクラック発生の
危険性がある。大体０．１〜５．０μｌの範囲が適当で
ある。

この基部層の形成手段はスパッタリングが適当であるが
、イオンブレーティングで形成することもできる。

この基部層は、従来行われていたＴｉＮ層（ヴイッカー
ス硬度約１０００ＨＶ）より硬く、ヴイッカース硬度は
約２０００１１Ｖ以上である。またその表面は金または
金合金のメツキの表面より少し粗いので、このＴ　ｉ　
−Ａ　Ｉ複合窒化物からなる基部層の表面に金または金
合金メツキをすると、これらの金属のメツキ層が強く結
合するだけではなく、表面の金属メツキ層が摩耗しても
、基部層の四部にメツキされた金属は凸部の硬い窒化物
層によって保護されて摩滅することがないので、表面の
金属メツキ層の色調が全く失われることがなく外装品と
しての寿命が長い。

上記基部層の上にメツキする金または金合金層（仕上層
）について説明すると、まず、このメツキ層の厚さは０
．１μｌが適当である。０．０５μ１未満では色調が不
安定であり、ＬＯｕ　ｍを越えると不経済である。大体
０．０５〜１．０μｍの範囲が適当である。

仕上層の成分のうち、金は目的とする金色の基礎成分で
あり、その量は９０〜９９．９％が適当である。

インジウムは色調を整える成分であり、その適当量は０
．１％〜３％である。

ニッケルは色調を整え、かつ、硬度を増す成分であり、
その適当量は０．１％〜５％である。

パラジウムは色調を整え、かつ、硬度および耐食性を増
す成分であり、その量はｏ、１％〜５％である。

この金または金合金メツキ層を形成するには真空蒸着ま
たは通常の電気化学メツキ法が用いられる。

［実施例］ 以下実施例によって、この発明を具体的に説明する。

実施例１ ステンレススチール製の腕時計バンドを有機溶剤で洗浄
し、スパッタリング装置にセットした。この場合モル比
７／３のＴ　ｉ　−Ａ　Ｉターゲットを一方に準備し、
他方はＡｕ−Ｎｉ−Ｉｎの２３．５ｋＬの金合金から成
るターゲットを準備した。

次にスパッタリング装置を３Ｘ１０’ミリバールに真空
化し、そして腕時計バンドをエツチングする目的でアル
ゴンガスを　１．７Ｘ　１０’　ミリバールの分圧まで
導入し、そして腕時計バンドに＋４００Ｖの直流電圧を
印加し約２５分間エツチングを実施した。

エツチング終了後排気を行いそして窒素ガスを５０ｍ１
／ｓｅｃ及びアルゴンガスを１８０ｍ１／ｓｅｃの条件
で装置に導入した。

次いで腕時計バンドに１５７Ｖの基板電圧を印加し、ま
たＴ　ｉ　−Ａ　Ｉターゲットに５５０ｖの直流電圧を
印加して、プラズマを形成し、腕時計バンドの表面に金
色の７／３モル比のＴｉ−ＡＩＮ皮膜を１．０μｍ膜厚
で形成させた。更にＴｉ−ＡＩＮ皮膜が被覆された腕時
計バンドに９５Ｖの基板電圧を印加し、そしてＡｕ−Ｎ
ｉ−Ｉｎターゲットに５５０ｖ直流電圧を印加して、プ
ラズマを形成し、Ｔｉ−ＡＩＮ皮膜上にＡｕ−Ｎｉ−Ｉ
ｎの皮膜を０．１μｍの膜厚で形成させた。

この様にして得られた腕時計バンドは従来の湿式金メツ
キと同様の国際規格の　ＩＮ　１４および２Ｎ１８の範
囲が得られ、また湿式金メツキより優れた外観・品質が
得られた。

仕上層の金の膜厚は湿式メツキと比べると極端に薄いが
、基部層のＴｉ−ＡＩＮ色調が仕上Ａｕ−Ｎｉ−Ｉｎ層
と類似しているため仕上層が摩耗してもほとんど口立つ
事もなく、また基部層のＴｉ−ＡＩＮ層は一般的な金色
Ｔ　ｔ　Ｎ層の約２倍（２０００ＨＶ以上）の硬度を有
するためにステンレススチール素地が露出する事もない
。

そしてＴｉ−ＡＩＮ層は硬さのみならず、緻密な皮膜特
性のために耐食性にも大変優れ、常温３％塩水半浸漬試
験２４時間連続及び人工汗全浸漬試験２４時間連続試験
の結果も錆、変色等の異常は全く認められなかった。

また耐摩耗性試験では５００ｇｖ１ｆｆｃ牛皮によって
試験を実施したが従来の金メツキの１００倍以上の耐摩
耗性が得られた。

実施例２ 真鍮および洋白材の腕時計ケースを湿式メツキによりニ
ッケルメッキそしてＰｄ−Ｎｉメツキで処理し、その後
に実施例１と同じ条件でＴｉ−ＡＩＮそしてＡｕ−Ｎｉ
−Ｉｎの仕上層の形成を行う。

真鍮および洋白材は素材のままでは耐食性が悪く、その
素材上にニッケルメッキそしてＰｄ−Ｎｉメツキで処理
する事により耐食性が大巾に向上し、そして金色のＴｉ
−ＡＩＮそしてＡｕ−Ｎｉ−Ｉｎを被覆する事によって
従来の湿式金メツキ品質より優れた色調と外観か得られ
、また耐食性、耐摩耗性に優れた腕時計ケースを得る事
ができた。

実施例３ ステンレススチール製の腕時計ケースを有機溶剤で洗浄
し、イオンブレーティング装置にセラ　　ト　し　た　
。

イオンブレーティング装置を　５ＸＩＯ′ｓミリバール
まで真空化、そしてアルゴンガスを２×１０°２ミリバ
ール迄導入し、セットされた腕時計ケースに約８００Ｖ
の直流電圧を印加し、ボンバードを行い、そして排気後
窒素ガスを導入し　７ＸＩＯ’−ミリバールの条件にて
別々に準備された蒸発源のＴｉおよびＡ１を別々の電子
ビーム加熱によって蒸発させて腕時計ケースに７／３モ
ル比のＴｉ−ＡＩＮの合金皮膜を１．０μｍの膜厚で形
成させた。

次いで同じイオンブレーティング装置で２×１０″ｓミ
リバール迄排気後３ＸｌＯ−’ミリバール迄アルゴンガ
スを導入し、抵抗加熱源にてＡｕ−Ｎｉ−１ｎを蒸発さ
せ０．１μｌの膜厚でＡｕ−Ｎｉ−Ｉｎ合金からなる仕
上層を被覆した。

この様にして得られた腕時計側は実施例１同様の特性が
得られた。

実施例においては、素材として腕時計用の外装品のうち
、バンド、ケースに用いるステンレススチール、ニッケ
ルメッキ、およびＰｄ−Ｎｉ合金メツキをした真鍮や洋
白材を用い、その上に基部層と仕上層を形成する例を示
したが、これらの素材以外のものにも本発明を実施でき
る。例えば、ニッケルメッキとＮｉ−Ｃｒメツキをした
亜鉛素材及びプラスチック素材、あるいはニッケルメッ
キとＰｄ−Ｎｉ合金メツキをした銅または銅合金素材に
も本発明が適用できる。

また、眼鏡フレームであれば、チタン材、Ｎｉ−Ｃｒ合
金、Ｎｉ−Ｐｄ合金メツキをした洋白材等に本発明が適
用できる。

［発明の効果］ 以上説明したように、本発明の金色層を有する外装品は
仕上層である金または金合金が薄くても優れた金色を呈
し、しかも耐摩耗性に優れ、基部層のＴｉ−ＡＩＮの付
き廻りが優れているために耐食性も優れた外装品である
。

特許出願人　株式会社服部セイコー 有限会社岩崎メツキ

Claims (2)

【特許請求の範囲】
1. （１）チタニウムとアルミニウムのモル比が２／８ない
   し８／２の範囲にあるチタニウムとアルミニウムとの複
   合窒化物からなる基部層と、その上に設けた金または金
   合金からなる仕上層を有することを特徴とする金色層を
   有する外装品。
2. （２）仕上層の成分が金、インジウムならびにニッケル
   またはパラジウムからなることを特徴とする上記特許請
   求の範囲（１）記載の金色層を有する外装品。