JPH0126608Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本考案は、壜体の蓋栓構造に関するものであつ
て、壜体の開閉を達成する蓋体を壜体側にヒンジ
により一体的に連結した蓋栓の構造に関するもの
である。

〔従来の技術〕

従来、壜体の口筒部に組付けられて、壜体の開
閉を達成する蓋栓としては、特開昭56−106758号
公報のように、壜体の口筒部に密に組付けられる
組付き筒に注出口を開口形成し、この組付き筒に
一体にヒンジ結合された蓋体に、前記注出口を、
この注出口内に密嵌入して密閉する栓片を一体設
したものとか、実開昭57−177954号公報のよう
に、軟質材料製の栓を蓋体に密に組付け、この蓋
体に組付けられた栓を壜体の開口部に密嵌入する
ことにより、壜体の密閉を達成すると同時に蓋体
の壜体への組付けを達成維持するようにしたもの
とか、実公昭38−014884号公報のように、ほぼ半
球殻状に成形された本体の開放部外周に鍔を周設
し、この本体部を壜体の口筒部内に密嵌入させ
て、鍔によりこの本体の口筒部内への嵌入限を規
制し、もつて本体を半球殻状とすることにより、
この本体の口筒部内への密嵌入を達成し易くした
ものとか、実公昭41−019660号公報のように、壜
体の口筒部内に密嵌入される中蓋の天板部中央に
注出口を形成する筒片を突出設し、この中蓋を組
付けた口筒部に嵌装組付けされる外蓋の天板部中
央に、中蓋の筒片を嵌入位置させる突出筒部を形
成し、さらにこの外蓋に注出口を、この注出口を
嵌入して開閉する栓体を有する弾性材料製の板状
の栓体片を組付けて構成したものとか、さらには
実公昭44−023433号公報のように、壜体の口筒に
密に嵌合組付けされた蓋体の天板中央に吐出口を
形成する筒片を起立設し、この筒片を、蓋体に柄
杆で連結された球状の栓を密嵌入させることによ
り密閉するように構成したものとかがある。

〔考案が解決しようとする問題点〕

上記した各従来技術の内、開閉を達成する蓋体
単体で構成させものにあつては、使用時に壜体か
ら完全に離別した状態となる蓋体の紛失の恐れが
あり、また口筒部に対する蓋体の組付けに、手作
業による位置合わせが要求され、このため壜体に
対する組付けを含めて蓋体の取扱が面倒となると
云う問題があつた。

また、蓋体を、壜体の口筒部を直接開閉する栓
部分と、この栓部分を口筒部に組付ける組付け部
分とから構成し、組付け部分に栓部分をヒンジ結
合したものにあつては、上記した問題点を或る程
度解消してはいるものの、組付け部分に形成され
た注出口の栓片による確実な密閉を得るために、
栓片を注出口内に完全に嵌入させる構成となつて
おり、このため開状態から閉状態への切替えに比
較的大きな操作力を要すると共に、栓片を注出口
内に強引に嵌入させるので、栓片および注出口が
早期に不正変形して密閉保持能力が低下すると云
う問題がある。また、このように、組付け部分に
形成された注出口内に栓片を密嵌入させる構造で
あるので、組付け部分に形成される注出口の口径
を大きくすることができず、このためスクイズ性
の有る壜体にしか組付け使用することができない
と云う問題があつた。

本考案は、上記した従来技術における問題点を
解消すべく考案されたもので、球体のリング体に
対する位置合わせのし易さと、球体とリング体と
の組合せの発揮する密閉効果を蓋栓構造に有効に
利用することをその目的とする。

〔課題を解決するための手段〕

上記目的を達成する本考案の手段は、 壜体の口筒に密に外装組付けされる筒体の上半
分を上方に拡がる半球殻形状のテーパ円筒壁と
し、このテーパ円筒壁の内周面下端部にＯリング
状のシールリングを取付けた組付筒を有するこ
と、テーパ円筒壁上端口径とほぼ等しい直径を有
する球体を、テーパ円筒壁上端にヒンジを介して
連結すると共に、このヒンジ部分と反対側の球体
の周面に、テーパ円筒壁上端外周に係止する係止
片を設けた蓋球を有すること、 蓋球に設けた係止片をテーパ円筒壁に係止させ
た状態で、シールリングをその全周で蓋球に密に
圧接させること、 にある。

〔作用〕

組付筒のテーパ円筒壁は、上方に拡がつた半球
殻状をしており、このテーパ円筒壁の上端にヒン
ジ結合された球蓋は、このテーパ円筒壁の上端開
口部の口径とほぼ等しい直径を有しているので、
球蓋のテーパ円筒壁内への出入りが極めて円滑に
かつ容易に達成され、特にテーパ円筒壁内への球
蓋の嵌入に際して、強い嵌入操作力を要すること
は全くない。

球蓋をテーパ円筒壁内に嵌入させた状態、すな
わち球蓋がシールリング上に軽く搭載した状態か
ら、球蓋をテーパ円筒壁内に軽く押し込んで、球
蓋に設けた係止片をテーパ円筒壁の上端に係止さ
せると、シールリングはその全周を球蓋の外周面
に密に弾接させ、もつてテーパ円筒壁の下端開口
部、すなわち組付筒が形成する注出口を球蓋で密
閉させ、この状態を係止片のテーパ円筒壁に対す
る係止により保持する。

このように、球蓋は、その全体形状が球状であ
るので、テーパ円筒壁内への嵌入は、このテーパ
円筒壁に案内されて確実に達成され、またシール
リングは球蓋の形状が球状であることから、その
全周を確実に球蓋の外周面に均等にかつ密に弾接
させ、もつて球蓋による注出口の密閉を確実に達
成維持させることができる。

〔実施例〕

以下、本考案の一実施例を、図面を参照しなが
ら説明する。

化粧液等を収納した壜体１は、胴部中央が膨ら
んだ有底筒形状をしていて、肩部２を介して直線
円筒形状の口筒３が立設され、この口筒３の外周
面には螺条４が刻設されている。

口筒３に外装組付けされる組付筒５は、円筒形
状をしていて、筒体の中央部がくびれていて、こ
のくびれ部分よりも上半分をテーパ円筒壁６、下
半分をスカート壁８としている。

テーパ円筒壁６の上端外周面の一部には、周方
向に沿つた係止条７が突設されており、またスカ
ート壁８は、下端の外径が壜体１の肩部２部分の
外径と等しく設定されていて、組付筒５が壜体１
に組付けられた状態で、壜体１と組付筒５との組
付き境界部分が円滑に連続した面となるようにし
ている。この組付筒５の壜体１への組付きは、ス
カート壁８の内周面上端から垂下設された螺合筒
９を口筒３に螺合させることにより達成される。
また、螺合筒９の内周面上端には、フランジと介
して口筒３内に密嵌入する短円筒部１０が垂下設
されており、このフランジ上面にシールリング２
１組付け用の周溝１１が形成されている。

蓋球１２は、基本的にテーパ円筒壁６の上端開
口部の口径と等しい外径を有する球殻形状の球体
１３から構成されている。

球体１３は、一対の半球１６，１７を上下に接
合した構成となつていて、上位半球１６はヒンジ
を介して組付筒５４に一体に連結されており、こ
のヒンジ結合された部分とは反対側の部分には、
指掛片１４が突設され、この指掛片１４の下面
に、係止条７に、この係止条７を乗り越えて下方
から係止する係止片１５を設けている。下位半球
１７は、その上端部分を直線円筒形状とし、この
直線円筒形状をした上端部分を上位半球１６の開
放した下端部内に強固に嵌入させることにより、
上位半球１６に組付けられている。

組付筒５と球蓋１２とを結合するヒンジは、ミ
ラーヒンジ構造となつていて、上端を上位半球１
６のほぼ中央高さ位置に、そして下端をテーパ円
筒壁６のほぼ中央高さ位置にそれぞれ第一のヒン
ジ１９で連結した弾性板としてのヒンジ片１８
と、このヒンジ片１８の左右に位置し、上位半球
１６下端とテーパ円筒壁６上端とを直接ヒンジ結
合する一対の第二のヒンジ２０とから構成されて
いる。

テーパ円筒壁６内周面下端、すなわち注出口を
形成する短円筒部１０を設けたフランジの上面に
形成された周溝１１に組付け固定されたシールリ
ング２１は、軟質弾性材料により製造されてお
り、球蓋１２が押圧されていない状態で、その上
面をテーパ円筒壁６の内周面が形成する球弧面か
らわずかに突出するようにしている。

〔考案の効果〕

本考案は、上記した構成となつているので、以
下に示す効果を奏する。

球蓋による注出口の開閉は、この球蓋を半球殻
状のテーパ円筒壁内に出し入れすることにより達
成されるのであるが、テーパ円筒壁内への球蓋の
出し入れは、その相互形状からして極めて行い易
いものであるので、開閉操作そのものも行い易い
ものとなる。

注出口の密閉は、球蓋をテーパ円筒壁内に嵌入
させることによるシールリング上への搭載により
達成されるので、注出口密閉のために強引な嵌入
操作とか、締付け操作が全く不要であり、またテ
ーパ円筒壁内に嵌入された球蓋は、このテーパ円
筒壁に案内されてシールリング上に正確にかつ変
位することなく搭載するので、球蓋による注出口
の密閉が確実に達成できると共に、この密閉状態
を安定して維持することができる。

注出口の球蓋による開閉制御は、球蓋を注出口
開口部上端部に搭載することにより達成されるの
で、球蓋により開閉制御できる注出口の口径範囲
は広いものとなり、これにより充分に大きいな口
径の注出口を有するスクイズ性を有さない壜体に
組付けて使用することも可能である。

壜体上に球体が搭載した外観となるので、従来
にはない壜容器の外観を得ることができ、かつこ
の外観も面白味の有るものとなるので、壜容器全
体の外観形状に面白味を出すことができる。

【図面の簡単な説明】

第１図は、本考案の一実施例の閉状態を示す全
体縦断面図である。第２図は、第１図に示した実
施例の平面図である。第３図は、第１図に示した
実施例の開状態を示す半縦断面図である。 符号の説明、１……壜体、３……口筒、５……
組付筒、６……テーパ円筒壁、７……係止条、１
２……蓋球、１……球体、１５……係止片、１８
……ヒンジ片、２１……シールリング。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 壜体の口筒に密に外装組付けされる筒体の上半
   分を上方に拡がる半球殻形状のテーパ円筒壁と
   し、該テーパ円筒壁の内周面下端部にＯリング状
   のシールリングを取付けた組付筒と、前記テーパ
   円筒壁上端口径とほぼ等しい直径を有する球体
   を、前記テーパ円筒壁上端にヒンジを介して連結
   すると共に、該ヒンジ部分と反対側の前記球体の
   周面に、前記テーパ円筒壁上端外周に係止する係
   止片を設けた蓋球とから構成され、前記蓋球の係
   止片を前記テーパ円筒壁に係止させた状態で、前
   記蓋球を前記シールリングに密に圧接させて成る
   壜体の蓋栓構造。