JPH0125421Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 この考案は避雷器に電線路からのリード線を接
続する際に用いる避雷器用端子接続装置に関し、
更に詳しくはリード線を直接ネジ止め接続するタ
イプの避雷器に対して、ネジ止め作業及び特別な
補助金具等を一切不要にして、挿入するだけで確
実に接続できるようにした避雷器用端子接続装置
を提供するものである。

従来避雷器を電線に接続するには、第１図に示
すように、避雷器１の頭部の線路側端子２上面の
孔２ａに絶縁被覆を剥ぎ取つてむき出しにしたリ
ード線３の内部導体３ａを挿入し、線路側端子２
の側面に穿設したネジ孔２ｂ，２ｂから小ネジ
４，４をネジ込み、内部導体３ａを線路側端子２
の内壁に押圧して固定していた。なおこの線路側
端子２は避雷器１の内部から突出した線路側金具
５の先端にネジ止め固定され、さらにこの線路側
金具５は避雷器１に金属製の保護カバー６、金属
製のキヤツプ止金具７、バネ座金８と共にナツト
９でネジ止め固定されている。なお１０は上記キ
ヤツプ止金具７にネジ込まれ充電部を遮蔽する磁
器製の安全キヤツプである。

しかしながら、このような電線の接続構造では
使用時にリード線３が線路側端子２から抜ける事
故が発生することがある。また現場作業員がリー
ド線３を線路側端子２に強固に締め付け固定しよ
うとして小ネジ４，４を強固に締め付けると、内
部導体３ａの締め付け部が傷付き易い。そして接
続されたリード線３が屈曲されたり風等によつて
振動すると、この力が内部導体３ａの締め付け部
に集中的に作用する結果、断線事故が起こり易
い。またこのような接続は通常電柱等の足場の悪
い高所で行なわれるので、その作業は困難なもの
であつた。

そのため本出願人は先にこれを改善することを
目的として、第２図乃至第５図に示すような電線
側接続具ａと、これを使用するために線路側端子
２に付設する補助金具ｂを考案している。

まず電線側接続具ａについて説明する。

この電線側接続具ａの構成は、例えば架橋ポリ
エチレンよりなる円形の絶縁底板１１と、この絶
縁底板１１にネジ込まれた、例えば架橋ポリエチ
レンよりなる椀状の絶縁カバー１２と、一方に雌
端子１３が埋込成形され、他方に電線路接続用の
リード線３を一体に埋込成形した、例えば架橋ポ
リエチレンよりなる雌端子取付具１４と、この雌
端子取付具１４の外側に形成する段付部１４ａ及
び絶縁カバー１２の上板下面の間に挿入された押
圧用コイルバネ１５とからなるもので、上記雌端
子１３はその上部にリード線３先端の内部導体が
接続され、その下面には接続用の凹孔１３ａが穿
たれ、雌端子取付具１４から上方に延びるリード
線３は絶縁カバー１２の上板開口１２ａから外部
に出入自在に引き出されている。

又上記絶縁底板１１には、その中央に円筒状の
端子挿入孔１６が穿たれ、この端子挿入孔１６の
内周面下部には円筒状段部１７が形成されてい
る。この円筒状段部１７には、その一つの直径上
において、二個の案内溝１８，１８が相対して穿
たれ、この案内溝１８，１８の一側縁の上面１
９，１９を他側縁の上面２０，２０より低くし、
さらに前記円筒状段部１７の上面には上記直径と
90゜の角度を有する直径上において相対向して二
個の止溝２１，２１が穿設されている。又上記絶
縁底板１１の両側には、その直径上において相対
向して二個の突起２２，２２が形成されている。

次に補助金具ｂについて説明する。

この補助金具ｂは第５図に示すように、その直
径上において相対向して二個の突出ピン２３ａ，
２３ａを設けた円柱状下部端子２３と、円柱状下
部端子２３の下面に穿設された雌ネジ２３ｂに螺
合する雄ネジ２４ａが一端に形成され他端にスリ
ワリ２４ｂを形成した棒状下部端子２４と、棒状
下部端子２４外周に嵌め込む金属筒状の鍔付補強
筒体２５と、鍔付補強筒体２５の外周面に嵌め込
む、例えば架橋ポリエチレン製の鍔付絶縁筒体２
６と、バネ座金２７の集合体として構成されてい
る。補助金具ｂを避雷器１頭部の線路側端子２に
取り付けるには、まず安全キヤツプ１０をキヤツ
プ止金具７から外した状態にしておき、棒状下部
端子２４のスリワリ２４ｂを線路側端子２上面の
孔２ａ内に挿入し、線路側端子２の側面のネジ孔
２ｂ，２ｂに小ネジ４，４をネジ込んで固定す
る。そして次に安全キヤツプ１０をキヤツプ止金
具７にネジ込んで固定する。そして鍔付補強筒体
２５を嵌着した鍔付絶縁筒体２６を棒状下部端子
２４の上方から嵌挿し、さらにバネ座金２７を嵌
め、円柱状下部端子２３の雌ネジ２３ｂを棒状下
部端子２４の雄ネジ２４ａにネジ止め固着して、
第２図に示す如く安全キヤツプ１０から鍔付絶縁
筒体２６を介して円柱状下部端子２３のみが外側
に突出した状態の避雷器側端子構造を得ることが
できる。

この電線側接続具ａの円柱状下部端子２３への
取付けは次のようになされる。

まず絶縁カバー１２を握り、絶縁底板１１の端
子挿入孔１６を円柱状下部端子２３に被せて押し
下げ、円柱状下部端子２３の突出ピン２３ａ，２
３ａを絶縁底板１１の案内溝１８，１８に案内さ
せて、円柱状下部端子２３の上面を雌端子１３の
凹孔１３ａの底面に当てる。そして押圧用コイル
バネ１５の弾性に抗して、さらに押し下げ、円柱
状下部端子２３の突出ピン２３ａ，２３ａを円筒
状段部１７低い側の上面１９，１９のやや上部に
到達させる。この時絶縁底板１１及び絶縁カバー
１２を時計方向に90゜回動させると、突出ピン２
３ａ，２３ａは円筒状段部１７上面の両止溝２
１，２１の上方に位置する。ここで絶縁カバー１
２から手を離すと、絶縁カバー１２及び絶縁底板
１１が押圧用コイルバネ１５の弾性により上昇し
て、円柱状下部端子２３の突出ピン２３ａ，２３
ａが円筒状段部１７の両止溝２１，２１内に突入
してその底面に達し、円柱状下部端子２３と雌端
子１３との接続、すなわち円柱状下部端子２３と
雌端子取付具１４との接続が完了する。次にこの
接続状態の時円柱状下部端子２３と雌端子取付具
１４との接続を解くには、上記と反対の操作、す
なわち絶縁カバー１２と絶縁底板１１などを反時
計方向に90゜回動し、これらを上方に引き抜けば
良い。

しかしながら、上記電線側接続具ａを用いた電
線３の接続においては、複数の部品からなる補助
金具ｂを必要とし、部品数を増加させると共に、
避雷器１頭部を大型化させる問題が生じる。また
補助金具ｂをネジ締めにより固定する作業が必要
となり、小ネジ４，４が緩むと棒状下部端子２が
抜けるおそれもある。そしてこの作業は電柱上等
の足場の悪い場所で通常行なわれるので、上記各
問題点は、作業を一層困難なものにしていた。

そこでこの考案は上記欠点を除去するために、
前記補助金具ｂを使用せず、且つスパナやねじ廻
し等によるネジ締め作業を一切不用にして、安全
迅速に避雷器の端子に接続又は切り離しを行なう
避雷器用端子接続装置を提供したものである。

以下この考案を一実施例について説明する。

第６図において、Ｃはこの考案の避雷器用端子
接続装置であり、これを取付ける避雷器１は、第
１図に示したようなリード線３を直接ネジ止め接
続する従来タイプの構成から、金属製のキヤツプ
止金具７及び磁器製の安全キヤツプ１０、小ネジ
４，４等を取り除いたものである。この避雷器用
端子接続装置Ｃは、一端にリード線３の内部導体
３ａを挿入させてカシメて接続し、他端を避雷器
１頭部の線路側端子２上面の孔２ａ内に嵌挿する
突出部２８ａとした円筒状の電線取付部材２８
と、電線取付部材２８の中間部外周に円筒状の固
定金具２９を嵌め銀ロー付けにより固着し、この
固定金具２９の外側面にその根部が銀ロー付けに
より固着され下方に向けて花弁状に開いた複数の
接触片３０，３０…と、複数の接触片３０，３０
…を束ねるように外側から嵌着された環状のコイ
ルスプリング３１，３１と、上記電線取付部材２
８、絶縁被覆３′を持つリード線３、固定金具２
９、及び複数の接触片３０，３０…の根部をその
内部に、例えば架橋ポリエチレン等の絶縁材料の
充填材３２を用いて一体的に埋込成形し、その上
板のリード線挿通孔３３′からリード線３を外部
に導出した絶縁カバー３３とからなるものであ
る。なお絶縁カバー３３はその加工上の理由によ
り二分割されており、充填材３２が埋込成形され
た上部３３ａと、開口部３３ｂとを螺合して一体
化したものである。そして絶縁カバー３３の開口
部３３ｂ側下端には、避雷器１に被さり、その保
護カバー６等の充電部を覆う大径のスカート部３
４と、その内部上方に位置する案内孔３５とが設
けられ、案内孔３５の縁は鍔状に下方に突出し
て、避雷器１に被せた時、保護カバー６に当接す
る位置決め面３５ａとなつている。

この避雷器用端子接続装置Ｃを用いた線路側端
子２との接続操作は、第６図に示すように線路側
端子２の上方に位置させた避雷器用端子接続装置
Ｃを握つて、線路側端子２を絶縁カバー３３の案
内孔３５に通し、位置決め面３５ａが保護カバー
６に接するまで押し下げるだけでよい。すると線
路側端子２は、環状のコイルスプリング３１，３
１により外側から弾圧されてすぼまつている複数
の接触片３０，３０…を押し広げるようにして挿
入され、線路側端子２の上面が固定金具２９の下
面に到達する。この時線路側端子２の外側面は複
数の接触片３０，３０…により弾圧把持され、電
線路側端子２上面の孔２ａには電線接続部材２８
の突出部２８ａが挿入されて機械的に安定した状
態で取付けらている。また電気的接続も、電線接
続部材２８の突出部２８ａと線路側端子２とが直
接接続されると共に、電線取付部材２８に固定金
具２９を介して電気的に結合された複数の接触片
３０，３０…が線路側端子２の外側面に弾圧接触
するので確実になされる。また絶縁カバー３３下
部のスカート部３４が保護カバー６等を覆つて充
電部を遮蔽するので、第１図に示したような安全
キヤツプ１０を不要にしている。また、この避雷
器用端子接続装置Ｃを線路側端子２から外すに
は、絶縁カバー３３を把んで上方に引き抜くだけ
でよい。

なお上記実施例での線路側端子２にはリード線
３の内部導体３ａを直接ネジ締め固定する場合に
備えてネジ孔２ｂ，２ｂが穿設されているが、こ
の考案の避雷器用端子Ｃを用いる場合には不要
で、このネジ孔２ｂ，２ｂがない構造の線路側端
子を用いてもよい。

以上説明したように、この考案によれば、電線
路に接続したリード線３を避雷器１の線路側端子
２に接続するのに、ネジ締め作業及び特別な補助
金具ｂ等を一切用いることなく単に押し込むだけ
で、安全且つ迅速確実にその接続が行なえる。ま
た、従来のリード線を直接接続するタイプの避雷
器がそのまま使用できるから実用的効果が大き
い。さらに絶縁カバー下部のスカート部が従来の
安全キヤツプの代りに遮蔽作用をなすから部品数
を減らしてコストを下げることができる。

【図面の簡単な説明】

第１図は避雷器にリード線を直接接続する従来
の接続構造を示す側断面図、第２図は補助金具を
用いて接続を行なう従来の接続構造を示す側断面
図、第３図及び第４図はその絶縁底板の平面図及
び側面図、第５図は補助金具の分解斜視図、第６
図はこの考案一実施例の側断面図、第７図は、そ
の接続状態を示す側断面図である。 １……避雷器、２……線路側端子、２ａ……
孔、３……リード線、３ａ……内部導体、６……
保護カバー、２８……電線取付部材、２９……固
定金具、３０……接触片、３１……環状のコイル
スプリング、３２……充填材、３３……絶縁カバ
ー、３４……スカート部、３５……案内孔、３５
ａ……位置決め面、Ｃ……避雷器用端子接続装
置。

Claims (1)

1. 【実用新案登録請求の範囲】 一端にリード線の内部導体を挿入固着し、他端
   を避雷器頭部の線路側端子上面の孔に嵌挿する突
   出部とした電線取付け部材と、下方へ花弁状に拡
   開するように電線取付け部材にその基部を固設し
   た複数の接触片と、複数の接触片を集束するよう
   に外側から嵌着された環状のコイルスプリング
   と、 その上部に上記電線取付け部材を絶縁性の充填
   材により一体的に埋設し固着すると共に、その下
   方開口部に前記複数の接触片を収納し、その下端
   に避雷器の保護カバーに当接する位置決め面を下
   面周縁に設けた案内孔により、前記開口部と連通
   するスカート部を有する絶縁カバーとを具備した
   ことを特徴とする避雷器用端子接続装置。