JPH0123562Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 本考案は、液体を噴霧するスプレー装置に関す
るものであつて、少ない部材で構成することを目
的とする。

壜体内に収納された液体を噴霧する装置とし
て、スプレーが広く知られている。

従来のこの種スプレー装置は、壜体の口筒に嵌
め込まれるキヤツプに組み付けられるボデイの一
部に第一の逆止弁を設け、前記ボデイ内に摺動自
在に組み付けられるトリガーの先端にノズルを螺
合組み付けして主要な構成部材とし、さらにトリ
ガーとノズルとの間に第二の逆止弁を形成する部
材を配すると共に、トリガーの先端面に対向する
ノズル内面に、液体を噴霧状態にするためのスピ
ンナー用の部材を配さなければならず、構成が甚
だ複雑であつて組み立てに手間がかかり、製作コ
ストが嵩むといつた種々の欠点、不都合が存し
た。

本考案は上述した従来の欠点、不都合を解消す
るべく考案されたスプレー装置に関するものであ
つて、トリガー先端部に、ノズル内周面と密接す
る第二の逆止弁を周設すると共に、ノズル孔を中
心にしたノズル内面にスピンナー溝を刻設した構
成である。

以下本考案の一実施例を図面に従つて説明す
る。

図中１は有頂短筒形状のキヤツプであつて、液
体を収納した壜体の口筒（図示省略）に螺合組付
けされるが、このキヤツプ１の頂板中央には大径
の孔２が穿設されていて、この孔２内にインテイ
ク４が嵌め込まれ、インテイク４下面には、壜体
の口筒上端面に当接するリング状のパツキン３が
配される。

上記インテイク４は、内筒壁５と外筒壁６と底
板７とから成る二重壁短筒形状であつて、外筒壁
６の外径は前記孔２の直径と等しく、また底板７
の直径はキヤツプ１の内径に等しく、従つて底板
７の周端部が鍔状となつていてキヤツプ１下方か
ら組み付けられる。

上記内筒壁５は底板７を貫通して底板７下方ま
で突出しており、内周面中央部に弁座片８が設け
られ、該弁座片８より上位の内周面には縦溝９が
刻設され、この内周壁５内上部に弁球１２が嵌め
込まれて第一の逆止弁が形成される。

なお、内筒壁５下部内には、他端が壜体の底部
に至る吸上管１３の一端部が密嵌入される。

また外筒壁６外周面には、アンダーカツト状の
係合溝１０が周設され、さらに内筒壁５と外筒壁
６との間の底板７部分には通気孔１１が穿設され
ている。

次に筒形状のボデイ１４は、前記インテイク４
に嵌め込まれる組付筒部１５と、該組付筒部１５
上端に直角に屈曲連設される突出筒部１６とより
構成される。

組付筒部１５は、インテイク４の外筒壁６外径
とほぼ等しい内径を有する外筒１７と、インテイ
ク４の内筒壁５外径とほぼ等しい内径を有する内
筒１８とより成る二重壁構造で、外筒１７下端部
内周面には、前記係合溝１０と上下方向に係合す
る突条１９が周設され、組付筒部１５上端に設け
られた隔板２０中央には、突出筒部１６と連通す
る吸入孔２１が穿設され、さらに外筒１７と内筒
１８との間であつて突出筒部１６の突出方向側の
前記隔板２０には通気孔２２が穿設されている。

また突出筒部１６は、同じく外筒２３と内筒２
４より構成される二重壁構造であつて、先端が開
口しているが、内筒２４は外筒２３よりも短か
く、前記隔板２０を延出する形態となる外筒２３
下端には、先端から長さ方向に沿つてスリツト状
の切欠部２５が設けられ、さらに内筒２４基端に
は、前記組付筒部１５の外筒１７と内筒１８とに
よつて形成される空間と連通する通気孔２６が穿
設されている。

次にトリガー２７は、組付外筒２８と組付内筒
２９とを有する二重壁筒体であつて、組付外筒２
８の外径はボデイ１４の突出筒部１６の外筒２３
内径とほぼ等しく、組付外筒２８よりも短かい組
付内筒２９の外径は前記突出筒部１６の内筒２４
内径とほぼ等しく、また先端部内における組付外
筒２８と組付内筒２９との間には連通３１が穿設
された隔板３０が鍔状に設けられ、さらに組付外
筒２８下端部先端寄りにはレバー３２が垂下設さ
れている。

組付外筒２８の先端部はやや直径が小さく、周
面に螺条３３が刻設されていて、先端が開口して
いるが、組付内筒２９の先端には端板３４が設け
られ、かつこの端板３４の周端部を削切して円形
突部３５が突出形成され、さらに組付内筒２９先
端部周面には先端方向に広がつたスカート状の弁
座片３６が周設されている。

上述した構成のトリガー２７は、組付外筒２８
が突出筒部１６の外筒２３内に、組付内筒２９が
内筒２４内に、レバー３２が切欠部２５内に、そ
れぞれ嵌入して、前進後退動自在にボデイ１４の
突出筒部１６内に組み込まれるが、組付外筒２８
の基端は外筒２３内周面に密接し、内筒２４先端
は組付内筒２９外周面に密接して、ボデイ１４内
に、吸入孔２１から吸入される液体の圧力室Ａが
形成されることになる。

そして組付内筒２９内から突出筒部１６の内筒
２４内にかけては、一端が組付内筒２９先端に弾
接し、他端が内筒２４基端に弾接する弾発スプリ
ング３７が配されており、トリガー２７を前進方
向に付勢している。

さらにノズル３８は、有頂短筒形状であつて、
螺合外筒３９と嵌入内筒４０との二重壁構造であ
り、螺合外筒３９の外径は前記ボデイ１４の突出
筒部１６の外筒２３内径よりもわずかに小さく、
内周面には、トリガー２７の組付外筒２８先端部
外周面の螺条３３と螺合する螺条４１が刻設さ
れ、嵌入内筒４０の外径は組付外筒２８先端部の
内径にほぼ等しく、ノズル３８はトリガー２７先
端部に螺合組付される。

ノズル３８の頂板４２中心にはノズル孔４３が
穿設されているが、この頂板４２の内面には、前
記トリガー２７先端の円形突部３５が嵌入するリ
ング突条４４が設けられ、このリング突条４４で
囲まれた頂板４２内面には、ノズル孔４３を中心
にして複数のスピンナー溝４５が刻設されている
（第２図参照）。

そしてトリガー２７の組付外筒２８にこのノズ
ル３８が螺合組付けされた状態で、組付内筒２９
の弁座片３６先端は嵌入内筒４０内周面に密接し
ており、ここに第二の逆止弁が形成されることに
なる。

さて上述した構成にあつて、その作用を以下説
明する。

いま、第１図の状態でノズル３８を回動してト
リガー２７との螺合を緩め、円形突部３５とリン
グ突条４４との間に間〓を形成し、レバー３２を
介してトリガー２７を弾発スプリング３７の弾力
に抗して後退させると、後述するように液体が収
納されている圧力室Ａ内には圧力が高まり、イン
テイク４内の弁球１２には弁座片８に当接して内
筒壁５を封鎖し、液体は通孔３１を通つてトリガ
ー２７の弁座片３６を開き、円形突部３５とリン
グ突条４４との間〓に流入し、スピンナー溝４５
により渦流となつてノズル孔４３から噴霧される
ことになる。

このトリガー２７の後退時に、突出筒部１６の
内筒２４とトリガー２７の組付内筒２９とによつ
て形成される空間内の空気は、内筒２４基端の通
気孔２６を介して外部に流出する。

さて、トリガー２７の後退により圧力室Ａ内の
液体は噴霧されるが、後退限でレバー３２を離す
と、トリガー２７は弾発スプリング３７の弾力に
よつて前進するが、これに伴ない圧力室Ａ内は負
圧となり、第二の逆止弁である弁座片３６は吸引
されてノズル３８の嵌入内筒４０内周面に密接し
てノズル孔４３から空気が吸引されないように封
鎖し、同時に第一の逆止弁であるインテイク４内
の弁球１２は弁座片８から離れて吸上管１３を開
口せしめ、壜体内の液体は、この吸上管１３から
第一の逆止弁、縦溝９および吸入孔２１を通過し
て圧力室Ａ内に吸入されるのである。

このトリガー２７の前進によつて液体が吸い上
げられると壜体内が負圧となるので、この負圧を
解消するべく、インテイク４とボデイ１４にはそ
れぞれ通気孔１１，２２が設けられ、外部と連通
させている。

なお非使用時には、ノズル３８とトリガー２７
に確固と螺合せしめればリング突条４４内に円形
突部３５が密嵌入するので、密封が確保される。

以上の説明から明らかなように、本考案のスプ
レー装置によれば、ノズル近傍で第二の逆止弁を
形成する弁座片はトリガーの一部に付設され、液
体を渦流にして噴霧させるスピンナー溝はノズル
の内面に直接刻設された構成であるので、構成が
簡単であつて部材を最小限にとどめることがで
き、組み立てが容易であつて製作コストも安価と
なり、しかも所望の噴霧操作を確実に達成するこ
とができる等、多くの優れた作用効果を有する。

【図面の簡単な説明】

第１図は本考案の一実施例を示す断面図であ
る。第２図はノズルの内面を示す平面図である。 符号の説明、４：インテイク、８：弁座片、１
２：弁球、１４：ボデイ、１５：組付筒部、１
６：突出筒部、２３：外筒、２４：内筒、２７：
トリガー、２８：組付外筒、２９：組付内筒、３
０：隔板、３１：通孔、３５：円形突部、３６：
弁座片、３７：弾発スプリング、３８：ノズル、
３９：螺合外筒、４０：嵌入内筒、４３：ノズル
孔、４４：リング突条、４５：スピンナー溝、
Ａ：圧力室。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 液体が収納された壜体の口筒に組み付けられる
   キヤツプに嵌め込まれるボデイの一部に第一の逆
   止弁を配し、前記ボデイ内に弾発スプリングを介
   して前進後退動自在に組み付けられるトリガーに
   よつて、前記ボデイ内に、吸い上げられた液体を
   収納する圧力室を形成し、さらに前記トリガー先
   端に螺合組み付けされるノズルによつて、前記ト
   リガー先端部との間に第二の逆止弁を形成したス
   プレー装置であつて、先端部が組付外筒と組付内
   筒との二重壁構造となつた前記トリガーの組付内
   筒先端に設けられた端板に円形突部を設けると共
   に、前記組付内筒の先端部外周面に、螺合外筒と
   嵌入内筒との二重壁構造となつた前記ノズルの嵌
   入内筒内周面に密接する第二の逆止弁を形成する
   弁座片を周設し、さらに前記ノズルの頂板内面
   に、前記トリガーの円形突部が密嵌入するリング
   突条を設けると共に、該リング突条内にノズル孔
   を中心にして複数のスピンナー溝を刻設して成る
   スプレー装置。