JPS6026841Y2 - 正倒立両用噴霧器の倒立用吸込弁 - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 本案は正倒立両用噴霧器の倒立用弁に係る。

従来、噴霧器は、液体を入れる容器と、該容器に装着の
液体送出用ポンプと、該ポンプに連設されて該ポンプに
より送出される容器中の液体を霧化噴出する噴霧ノズル
とからなり、通常、ポンプは容器の底近くから液体を吸
上げるようになっている。

従って、これを倒立させると、液体が転移するために、
ポンプが容器中の空気を吸込んでしまい、噴霧作用が得
られない。

そこで、正立時と倒立時に切換え使用するところの向き
の異なる２つの吸込経路を設け、その経路切換えを弁で
自動的に行えば、正倒立両用が可能となる。

本案は斯様にして正倒立両用とする際に好都合な倒立用
吸込弁を提供しようとするものである。

以下、図示の実施例について説明する。

第１図は、その一例であり、正倒立両用噴霧器をほぼ全
体に示している。

第１図において、１は容器、２は容器の口部に装着の手
動縦型往復ポンプ、３は往復ポンプに装着の噴霧ヘッド
であり、該噴霧ヘッドは噴霧ノズル４を有し、往復ポン
プ２の流路管兼プランジャ２ｂの上端に取付けられてい
る。

往復ポンプ２は、縦型シリンダ２ａを容器１内へ垂下し
て、その上端部において螺筒２ｃを以て容器１の口部に
着脱自在に且つ気密に螺着し、シリンダ２ａ内には、プ
ランジャ押上げ用コイルスプリング２ｄを内装し、上記
プランジャ２ｂは、シリンダ２ａ内へそのスプリング２
ｄに抗して押下げ摺動可能に上方から挿入しており、シ
リンダ２ａ内の下部に吸込弁２ｅを、プランジャ２ｂ内
等に吐出弁（図示せず）を設け、シリンダ２ａ下端に真
直な垂下小筒２ｆを一体に突設し、該垂下小筒の中途に
横孔５ｃ、５ｃを穿設している。

また、上記シリンダ２ａの外側には、これよりも長い筒
体６を嵌着しており、上記垂下小筒２ｆの下端外周に筒
体６の中途内面を水密嵌合させ、更に筒体６の下端に吸
上げパイプ７を嵌着垂設し、該吸上げパイプ７は容器１
の底近くに至り、垂下小筒２ｆ並びにそれ以下の筒体６
下部及び吸上げパイプ７で正立用吸込経路Ａを構成して
いる。

上記筒体６のシリンダ２ａとの嵌合部内面には、容器１
内上部から垂下小筒２ｆの横孔５ａ。

５ｃへと通じる溝等からなる倒立用吸込経路６ａｔ６ａ
を形威し、つまり、正立用吸込経路Ａの路壁を横孔で開
孔して倒立用吸込経路６ａ、６ａを分岐している。

また、その分岐点即ち垂下小筒２ｆの内面には、ゴム、
軟質合成樹脂等の弾性材からなり内部が液通自在な筒状
弁体５ａを嵌着し、該筒状弁体５ａの外周面で上記横孔
５ｃ、５ｃを内側から適度な力で閉塞し、而して、横孔
５ｃ、５ｃを弁孔とし且つ垂下小筒２ｆ内面を弁座とし
て筒状弁体５ａとで倒立用吸込弁５を構成している。

上記筒状弁体５ａは、下端を基部とするものであり、故
郷において変形しないよう内向きフランジ５ｂを有して
いる。

上記垂下小筒２ｆの下端面は、下方に面するテーパ弁座
８ｂとし、該テーパ弁座の下方において筒体６下部内に
テーパ弁座へ着座しこれを閉塞する玉野８ａを可動に遊
挿し、これの下方に主弁受皿８ｃを設けている。

該主弁受皿８Ｃは、上記テーパ弁座８ｂの下方において
、筒体６内適所に嵌着固定しており、適宜高さの周壁８
ｄから底壁８ｅにかけて、複数の溝或いは突条等を形成
して、これによる液体通路８ｆ・・・を有している。

なお、筒体６の側に溝や突条等を形成して液体通路とし
てもよい。

主弁受皿８Ｃは筒体６と一体でもよい 上記テーパ弁座８ｂとこれの玉野８ａとは、倒立時の空
気吸込防止弁８をなす。

而して、噴霧ヘッド３をスプリング２ｄに抗して押下げ
、また、これを放すことによって往復ポンプ２が作動す
る。

なお、この作動当初、往復ポンプ２内の空気が外へ排出
されて、容器中の液体に置換される。

この点の説明は省略する。さて、正立姿勢で噴霧ヘッド
３を押下げると、往復ポンプ２において、プランジャ２
ｂが下降し、吸込弁２ｅが閉じ、シリンダ２ａ内の液体
が加圧され、吐出弁（図示せず）が開いて、加圧液体が
噴霧ヘッド３の噴霧ノズル４から霧化噴出する。

次に、その噴霧ヘッド３を放すと、スプリング２ｄによ
りプランジャ２ｂ及び噴霧ヘッド３が上昇し、吐出弁が
閉じ、シリンダ２ａ内が負圧化し、吸込弁２ｅが開いて
、シリンダ２ａ内に、正立用吸込経路Ａ１倒立用吸込弁
体５ａ内を経て容器１内の液体が吸込まれる。

この吸込みの際、倒立時用の空気吸込防止弁８は、玉野
８ａが自重で玉野受皿８Ｃ中にあって開であり、吸込ま
れる液体が主弁受皿８ｃの周りにある液体通路８ｃを流
れ、玉野８ａが主弁受皿８Ｃの周壁８ｄでカバーされる
ので、その液体の流れが急速でも、玉野８ａがその流れ
によって踊ることはなく、踊りにより不意にテーパ弁座
８ｂに着座する即ち空気吸込防止弁８が閉じることはな
く、液体の流れ従って吸込みは円滑である。

また、この吸込みの際には、倒立用吸込弁５が閉じてお
り、従って、容器１内に上部にある空気が流入すること
はない。

なお、倒立用吸込弁５の筒状弁体５ａが開くかに思える
かもしれないが、下方からの液体吸上げに抵抗はなく、
筒状弁体５ａが筒形状により十分閉塞の弾力を有してい
るので、その心配はない。

倒立姿勢で噴霧ヘッド３を押すと、この場合も上記の通
り往復ポンプ２が作動しく図示の吸込弁２ｅは天井タイ
プであるが玉野は加圧により押上げられて閉じる）、噴
霧ノズル４から液体が霧化噴出して、噴霧ヘッド３を放
せば、上記の通りに噴霧ヘッド３が復帰動すると共にシ
リンダ２ａ内に容器１中の液体を吸込むが、この際には
、空気吸込防止弁８が、自重による玉野８ａのテーパ弁
座８ｂへの着座で閉塞し、吸上げパイプ７の側から容器
１内の空気が流入することはなく、また、これの閉塞に
より、倒立用吸込弁５が、筒状弁体５ａの変形で開とな
り、容器１の口部の側にある液体が筒体６の倒立用吸込
経路６ａ、６ａ、横孔５ｃ、５ｃを経てシリンダ２ａ内
に流入する。

なお、吸込弁２ｅは、その設置箇所が上述の箇所に限ら
ないし、そのタイプも図示例に限らない。

第２図、第３図は、それぞれ他の例を示すものであり、
これらは倒立吸込弁５の筒状弁体５ａの下端面（基部）
Ｐを倒立時用空気吸込防止弁８の弁座に利用したもので
ある。

また、第２図の場合は、空気吸込防止弁８の玉野８ａを
受ける主弁受皿に代え天井受は用突千８ｇを設けており
、第３図の場合は、筒状弁体５ａの基部に外向きフラン
ジ５ｄを設けて、これを垂下小筒２ｆの下端と筒体６の
内面適所に形成の段部６ｂとで挟持固定したものである
。

第４図は、更に他の例であり、この場合は、倒立時用空
気吸込防止弁８のテーパ弁座８ｂを筒体６の側に設け、
その下方筒体内面に玉野８ａ案内用の縦突条８ｈ・・・
を設け、テーパ弁座８ｂの直上で凹溝５ｅを周設し、第
３図の例の如き基部に外向きプランジ５ｄを有する筒状
弁体５ａのその外向きフランジ５ｄを嵌着固定している
。

なお、凹溝５ｅを設けないで、第３図の例のように段部
を設けて垂下小筒２ｆの下端とで外向きフランジ５ｄを
挟持してもよい。

本案によれば、正立用吸込経路の一部であり且つ真直な
部分においてその路壁を開孔して倒立用吸込経路を分岐
し、該分岐点において正立用吸込経路内に内部が液通自
在で且つ上記倒立用吸込経路を周面で常閉するゴム、軟
質合成樹脂等の弾性材からなる筒状弁体を設けているの
で、その筒状弁体は内部で通液してそれ自体が液体通路
をなして正立用吸込経路の一部となり、正立用吸込経路
に支障なく内在させることができて、簡潔に小型にしか
も安価に倒立用吸込弁を構成でき、また、ポンプ本体シ
リンダに筒体を重合してこれにより倒立用吸込経路を極
めて簡潔にスペースをとることなくしかも強靭に構成で
きることになり、総じて小型に且つ組立容易になり、実
用上類る有益である。

【図面の簡単な説明】

図面は本案実施例で、第１図は一部截断側面図、第２図
乃至第４図はそれぞれ他の例の要部の断面図である。 １・・・・・・容器、２・・・・・・往復ポンプ、３・
・・・・・噴霧ヘッド、４・・・・・・噴霧ノズル、５
・・・・・・倒立用吸込弁、６・・・・・・筒体、７・
・・・・・吸上げパイプ、６ａ・・・・・・倒立用吸込
経路、Ａ・・・・・・正立用吸込経路、２ｆ・・・・・
・垂下小筒、５ａ・・・・・・筒状弁体、５ｃ・・・・
・・横孔、８・・・・・・空気吸込防止弁、８ａ・・・
・・・玉野、８ｂ・・・・・・デーパ弁座、８ｃ・・・
・・・天井受皿。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 正立用吸込経路の一部であり且つ真直な部分においてそ
   の路壁を開孔して倒立用吸込経路を分岐し、該分岐点に
   おいて正立用吸込経路内に内部が液通自在で且つ上記倒
   立用吸込経路を周面で常閉するゴム、軟質合成樹脂等の
   弾性材からなる筒状弁体を設けたことを特徴とする正倒
   立両用噴霧器の倒立用吸込弁。