JPS5842050Y2 - 正倒立両用液体噴霧器 - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 本案は正倒立用の液体噴霧器に係る。

従来手動式の液体噴霧器として液体収納用の容器体内に
シリンダを垂設させると共に該シリンダ上端から噴霧ヘ
ッドを突出させ、該ヘッドの押下げによりシリンダ内へ
形成されたポンプ室上方の吐出弁が開いて該室内液体が
ヘッドから噴霧され、又該ヘッドを離すことにより該ヘ
ッドが元位置まで上昇してこのときポンプ室下方に設け
た吸込み弁が開いて該室内へ容器体内液体が吸上げられ
るよう設けた手動式噴霧器が広く知られている。

しかしこの種噴霧器では、上記シリンダ下端から容器体
の底壁まで吸上げパイプを垂設させて該吸上げパイプを
介してポンプ室内まで液体が吸上げられるよう設けてい
るために、その噴霧器を倒立させると液体は容器体の口
部側へ自重により移動するものであり、このため吸上げ
パイプ下端はその液面上へ露出し、よってポンプ室内へ
液体を吸上げ出来ないものであった。

本案に係る噴霧器は、上記の欠点を除去してしかもその
正倒立の反復操作に拘らず故障が生じ難く、かつ又液体
補充のために噴霧器本体を着脱する際容器体に触れて破
損の原因となるような上記シリンダからの突出部を設け
なくてよいよう設けたものである。

以下図面について説明すると、１は液体収納用の容器体
、２は外面に螺条３を設けたその容器体の口頚部である
。

その日頂面へは該容器内へ垂設させたシリンダ４の口部
外面に付設させた外向きフランジ５が載置させてあり、
そのシリンダ内へ下部を挿入させて上端に噴霧ヘッド６
を付設させた噴霧部材７が該ヘッドおよび連通管上部を
突出させて設けである。

噴霧ヘッドの下部外周にはフランジ８が周設される。

９はキャップで噴霧ヘッド押えを兼ねる。

即ち周壁１０内面に設けたねじ１１で口頚部２へ螺合さ
せ、該周壁上端から内方へ突出させた内向きフランジ状
壁部１２と容器体内液体との間でシリンダの外向きフラ
ンジを挾持し、該壁部の内端から起立させた筒状壁部１
３上端に付設させた内向きフランジ１４内へ上記噴霧ヘ
ッドを下方から挿入させて該フランジへ噴霧ヘッドのフ
ランジ８を保合可能としている。

上記シリンダ４の下端部は小外径部４ａに形成させる。

又シリンダ内には図示しないがポンプ室があり、該ポン
プ室下方に吸込み弁を又上方に吐出弁を設けて噴霧ヘッ
ドの押下げにより吐出弁が開きポンプ室内液体が噴霧ヘ
ッドのノズル孔６ａから噴霧され、又離すと連通管下端
のスカート状のピストン部が上昇することによりポンプ
室内が負圧化し、そのため吸込み弁が開いてポンプ室内
に容器体内液体が吸込まれるものである。

向上記構造に関しては従来周知のもの（蓄圧式のものを
含む）と同様である。

上記シリンダの小外径部には噴霧用液体よりも比重の大
きい、例えばセラミック、ステンレススチール、硝子等
材質製の筒体１５を水密にかつ上下動自在に嵌合させる
。

その筒孔１６の下端は小径とするがよい。

又該筒体およびシリンダ外面へは第２シリンダ１７を嵌
合させる。

該第２シリンダは底部１８を有し、その底部下端へ吸上
げパイプ１９上端を嵌合させてあり、底部内面中心に穿
設させた弁７Ｌ ２０とそのパイプ上端との間を弁体２
１を封入した弁室２２とする。

弁孔２１の下面周縁は弁座２３として第３図が示すよう
に容器体側立状態において弁孔２０が弁体２１によって
閉塞される。

又第２シリンダの周壁内面の上端から下端までの間には
部方向に液体流入溝２４を形成させるものであり、但し
第１図が示すように容器体止立状態にあっては筒体１５
の下端面が第２シリンダの底部内面１８ ａへ気密に接
することにより閉塞される。

このとき弁孔２０と筒孔１６とは直接に連通ずる。

上記構成において、容器体止立状態にあっては、上記の
ように液体流入溝２４と筒孔１６との連通が遮断され、
又筒孔１６と弁孔２０とが連通ずることにより噴霧操作
される。

即ちシリンダ内が負圧化すると吸上げパイプ、弁孔２０
、筒孔１６を介して容器体内液体が吸上げられ、噴霧ヘ
ッドの押下げによりノズル孔６ａから噴霧する。

又容器体を第３図のように倒立させると吸上げパイプ先
端は液面２５上に露出するが、このとき弁体２１が弁孔
２０を閉塞して空気がシリンダ内に流入することを防止
し、代って筒体１５が下降してその下面は第２シリンダ
の底部内面１８ ａから離れ、従ってその筒孔１６と液
体流入溝２４とが連通される。

よって該状態でシリンダ内が負圧化したとき液体流入溝
の上端（第３図では下端）から該溝および筒孔１６を通
ってシリンダ内に液体が入り、噴霧されるものである。

本案は上記構成とし、シリンダ下部に筒体１５を嵌合さ
せ、又該筒体およびシリンダ外面へ第２シリンダを嵌合
させるだけでよいから部材数が少く構造が簡易であると
共に組立ても容易であり、又筒体１５はシリンダ下部の
小外径部４ａに対して水密にかつ上下動自在に嵌合させ
てあり、又容器体止立状態において筒体下面が直接に第
２シリンダ底部内面に気密に接しかつその筒孔１６と弁
孔２０とが連通させて設けであるから弁孔２０を介して
その液体吸上げ時においてその液体が筒体を押上げる力
は極めて弱く、よって筒体が押上げられて空気がシリン
ダ内に入ることがない。

又外形上シリンダには第２シリンダを嵌合するだけであ
って該第２シリンダは吸上げパイプを垂設するだけであ
るから、容器体内への液体補充に際してのシリンダの出
入時に邪魔となるものがなく、その操作は極めて迅速に
行い得、又その際その第２シリンダを容器体口部にぶつ
ける等しても第２シリンダはシリンダに嵌着できるため
各部材が分解するようなこともない。

【図面の簡単な説明】

第１図は本案噴霧器の縦断面図、第２図は第１図ＩＩ−
ＩＩ線の断面図、第３図は噴霧器を倒立させた状態での
縦断面図である。 １・・・・・・容器体、４・・・・・・シリンダ、６・
・・・・・噴霧ヘッド、１５・・・・・・筒体、１６・
・・・・・筒孔、１７・・・・・・第２シリンダ、１８
・・・・・・底部、２０・・・・・・弁孔、２１・・・
・・・弁体。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 液体収納用の容器体１内にシリンダ４を垂設させると共
   に、該シリンダ内から上方へ連通管を突出させて、該連
   通管上端に嵌着させた噴霧ヘッド６を押下げると、シリ
   ンダ内に形成されたポンプ室上方の吐出弁が開いて該室
   内液体が上記ヘッドから噴霧され、該ヘッドを離すと該
   ヘッドが上昇して、このときポンプ室下方の吸込み弁が
   開いて該室内に容器体内液体が吸上げられるよう設けた
   手動式噴霧器において、上記シリンダ下部を小外径部４
   ａとして、該小外径部外面に噴霧液体よりも比重の大き
   い筒体１５を、水密にかつ噴霧器の正倒立により自重で
   摺動自在に嵌合させ、該筒体および上記シリンダ外面に
   、底部１８に逆止弁を有すると共に、該逆止弁と連通ず
   る吸上げパイプ１９を容器体底部方向へ垂設させた第２
   シリンダ１７を嵌合させ、又該第２シリンダの周壁内面
   には上端から下端まで液体流入溝２４を穿設させ、更に
   上記逆止弁と筒体とは、容器体止立状態で逆止弁が開弁
   すると共に、筒体下端面が、該筒体自重により第２シリ
   ンダ底面に水密に接して液体流入溝と筒体の筒孔１６と
   の連通を遮断し、又容器体側立状態で、逆止弁が閉じる
   と共に、筒体が自重により降下して、筒体下端面と第２
   シリンダ底部上面との間に上記筒孔と液体流入溝とを連
   通ずる隙間が出来るよう形成させたことを特徴とする正
   倒立両用液体噴霧器。