JPH01232531A - 磁気記録媒体 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】本公報は電子出願前の出願データであるた
め要約のデータは記録されません。

Description

【発明の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 この発明は磁気記録媒体に関し、さらに詳しくは、磁性
粉末の分散性が良好で磁気特性に優れた磁気記録媒体に
関する。

〔従来の技術〕

磁気記録媒体は、通常、磁性粉末、結合剤成分、有機溶
剤およびその他の必要成分からなる磁性塗料をポリエス
テルフィルムなどの基体上に塗布、乾燥してつくられ、
磁気特性に優れたものが要求される。

そのため、使用される磁性粉末は分散性に優れ、磁気記
録媒体に優れた磁気特性を付与できるものであることが
望ましいが、磁性粉末の表面は通常親水性であるため、
そのままでは親油性の結合剤樹脂中に良好に分散するこ
とが難しい。

そこで、磁性粉末の分散性を良好にするため、分子の一
端に親水基、他端に親油基を有する脂肪酸などを分散剤
として磁性塗料中に混入させることが提案されている。

（特開昭５４−３３７０３号） 〔発明が解決しようとする課題〕 ところが、これらの脂肪酸等の分散剤は、未だ磁性粉末
との結合力が弱くて結合剤樹脂とのなしみもそれほど良
好でなく、磁性粉末の結合剤樹脂中における分散性を未
だ充分に改善することができない。

〔課題を解決するための手段］ この発明は、かかる現状から磁性粉末の結合剤樹脂中へ
の分散にさらに有効なものを見出すべく、親油基と親水
基をともに有する化合物群について種々検討を行った結
果、テルピネオールおよびテルピネオール誘導体が特に
優れた分散能力を有することがわかりなされたもので、
テルピネオールまたはテルピネオール誘導体を使用する
ことによって、磁性粉末の分散性を充分に改善し、得ら
れる磁気記録媒体の磁気特性を充分に向上させたもので
ある。

かかるテルピネオールおよびテルピネオール誘導体が、
如何なる理由で優れた分散能力を有するかについては、
未だ明確には解明されていないが、その固有の化学構造
につき考察すると、水酸基やエステル基のような親水基
と、親油基の脂環とを併せもつため、磁性粉末との結合
力が強化されるとともに、結合剤樹脂とのなじみが良好
になることが考えられる。

この発明において使用されるテルピネオールは、α−テ
ルピネオールが、化学式 で表され、またβ−テルピネオールが、化学式で表され
る化合物で、分子量が比較的小さく、親水性の水酸基と
、親油性の脂環を有する。しかして、これらのテルピネ
オールは、分子中に有する親水性の水酸基により表面が
親水性の磁性粉末と強固に結合し、また親油基として脂
環を有するため、親油性の結合剤樹脂となじみやすい。

従って、これらのテルピネオールが磁性層中に含有され
ると、磁性粉末表面に良好に被着して、磁性粉末の結合
剤樹脂中における分散性が充分に改善され、磁気特性が
充分に向上される。

また、この発明で使用されるテルピネオール誘導体とし
ては、たとえば、酢酸チルビニルなどが好適なものとし
て使用され、このテルピネオール誘導体も前記の化学式
で表されたテルピネオールと同様に、分子量が比較的小
さく、親水性のエステル基と、親油性の脂環を有する。

従って、このテルピネオール誘導体も磁性層中に含有さ
れると、磁性粉末表面に良好に被着して、結合剤樹脂と
なじみやすく、磁性粉末の結合剤樹脂中における分散性
が充分に改善され、磁気特性が充分に向上される。

このようなテルピネオールまたはテルピネオール誘導体
は、これらを磁性塗料調製時に直接添加するか、または
これらをアルコール、エーテル等の適当な溶剤に溶解さ
せ、この溶解によって得られた溶液を磁性塗料の調製時
に添加するか、あるいはこの溶液中に磁性粉末を浸漬し
て、予め磁性粉末の表面処理を行い、この磁性粉末を使
用して磁性塗料を調製し、これを基体上に塗布、乾燥す
るなどの方法で磁性層中に含有される。

このようにして磁性層中に含有されるテルピネオールお
よびテルピネオール誘導体は、いずれか一種を単独で使
用してもよいが二種以上を併用してもよく、磁性層中で
の含有量は磁性粉末に対して０．１〜１０重量％の範囲
内にするのが好ましい。また、これらは他の分散剤、た
とえば、飽和脂肪酸類、不飽和脂肪酸類、脂肪酸エステ
ル類、リン酸エステル類、レシチン、金属石鹸類、アル
コール類等と併用してもよい。なお、これらのテルピネ
オールおよびテルピネオール誘導体化合物は、独特の匂
いを発するが人体に全く無害であり、むしろ快適な匂い
である。

この発明に使用する磁性粉末としては、たとえば、７Ｆ
ｅｚＯｘ粉末、Ｆｅ５ｅｓ粉末、Ｔ−ＦｅｚＯｚ粉末と
Ｆｅ、０４粉末の中間化合物粉末、Ｃｏ含有７−Ｆｅ２
Ｏ，粉末、ＣＯ含有Ｆｅ３Ｏ４粉末、Ｃｒｙ、粉末の他
、ａニーＦｅ粉末、Ｃｏ粉末、Ｆｅ−Ｎｉ粉末、Ｆｅｘ
Ｎ粉末、Ｆｅ−Ｃｏ粉末、Ｂａ−フェライト粉末など従
来公知の各種磁性粉末が広く包含される。

また、結合剤樹脂としては、塩化ビニル−酢酸ビニル系
共重合体、繊維素系樹脂、ポリビニルブチラール系樹脂
、ポリウレタン系樹脂、ポリエステル系樹脂、エポキシ
系樹脂、ポリエーテル系樹脂、イソシアネート化合物、
放射線硬化型樹脂など従来から汎用されている結合剤樹
脂がいずれも用いられる。

有機溶剤としては、シクロヘキサノン、メチルエチルケ
トン、メチルイソブチルケトンなどのケトン系溶剤、酢
酸エチル、酢酸ブチルなどのエスチル系溶剤、ヘンゼン
、トルエン、キシレンなどの芳香族炭化水素系溶剤、ジ
メチルスルホキシドなどのスルホキシド系溶剤、テトラ
ヒドロフラン、ジオキサンなどのエーテル系溶剤など、
使用する結合剤樹脂を溶解するのに適した溶剤が、特に
制限されることなく単独または二種以上混合して使用さ
れる。

なお、磁性塗料中には通常使用されている各種添加剤、
たとえば、潤滑剤、研磨剤、帯電防止剤などを適宜に添
加使用してもよい。

また、この発明の磁気記録媒体は、磁気テープ、磁気デ
ィスク、磁気カード等、従来公知の各種の形状の磁気記
録媒体を包含する。

〔実施例〕

次に、この発明の実施例について説明する。

実施例Ｉ Ｃｏ含有ｒ　　ＦｅｚＯ５８００重量部ＶＡＣ；Ｈ（米
国Ｕ、Ｃ，Ｃ，社製、塩　１２０〃化ビニル−酢酸ビニ
ル−ビニ ルアルコール共重合体） α−テルピネオール　　　　　　　２０〃メチルイソブ
チルケトン　　　　４００〃トルエン　　　　　　　　
　　　４００〃この組成物をボールミル中で７２２時間
混分散したのち、 タケラックＥ−５５１Ｔ　（武田薬　　６５重量部品工
業社製、ポリウレタン樹 脂） コロネー）Ｌ（日本ボリウレタ　　１５〃ン工業社製、
三官能性低分子 量イソシアネート化合物） を添加し、さらに１時間混合分散して磁性塗料を調製し
た。この磁性塗料を厚さ１１μｍのポリエステルフィル
ム上に乾燥厚が約４μｍとなるように塗布、乾燥し、カ
レンダー処理を行ったのち、所定の巾に裁断して磁気テ
ープをつくった。

実施例２ 実施例１における磁性塗料の組成において、α−テルピ
ネオールに代えて、酢酸チルビニルを１６重量部使用し
た以外は、実施例１と同様にして磁気テープをつくった
。

比較例１ 実施例１における磁性塗料の組成において、α−テルピ
ネオールを省いた以外は、実施例１と同様にして磁気テ
ープをつくった。

比較例２ 実施例１における磁性塗料の組成において、α−テルピ
ネオールに代えてラウリン酸を同量使用した以外は、実
施例１と同様にして磁気テープをつくった。

各実施例および比較例で得られた磁気テープについて、
保磁力、角型、残留磁束密度及び飽和磁束密度を測定し
た。

下記第１表はその結果である。

第１表 〔発明の効果］ 上記第１表から明らかなように、この発明で得られた磁
気テープ（実施例１および２）は従来の磁気テープ（比
較例１および２）に比べて、角型、残留磁束密度および
飽和磁束密度がいずれも高く、このことからこの発明に
よって得られる磁気記録媒体は、磁性粉末の分散性が良
好で、磁気特性が一段と向上されていることがわかる。

Claims (1)

【特許請求の範囲】
1. １、磁性粉末と、テルピネオールおよびテルピネオール
   誘導体から選ばれる少なくとも１種とが含まれてなる磁
   性層を有する磁気記録媒体