JP2730920B2 - 磁性粉末およびその製造方法ならびにこの磁性粉末を用いた磁気記録媒体 - Google Patents
磁性粉末およびその製造方法ならびにこの磁性粉末を用いた磁気記録媒体Info
- Publication number
- JP2730920B2 JP2730920B2 JP63239144A JP23914488A JP2730920B2 JP 2730920 B2 JP2730920 B2 JP 2730920B2 JP 63239144 A JP63239144 A JP 63239144A JP 23914488 A JP23914488 A JP 23914488A JP 2730920 B2 JP2730920 B2 JP 2730920B2
- Authority
- JP
- Japan
- Prior art keywords
- magnetic
- magnetic powder
- powder
- nitro group
- acid
- Prior art date
- Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
- Expired - Fee Related
Links
Landscapes
- Paints Or Removers (AREA)
- Magnetic Record Carriers (AREA)
Description
【発明の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 この発明は磁性粉末とその製造方法、並びにこの磁性
粉末を用いた磁気記録媒体に関し、さらに詳しくは分散
性に優れた磁性粉末とその製造方法、並びにこの磁性粉
末を用いて得られる磁気特性および耐久性に優れた磁気
記録媒体に関する。
粉末を用いた磁気記録媒体に関し、さらに詳しくは分散
性に優れた磁性粉末とその製造方法、並びにこの磁性粉
末を用いて得られる磁気特性および耐久性に優れた磁気
記録媒体に関する。
磁気記録媒体は、通常、磁性粉末、結合材樹脂、有機
溶剤およびその他の必要成分を混合分散して得た磁性塗
料を、ポリエステルフィルムなどの基体上に塗布、乾燥
してつくられ、磁気特性に優れたものが要求される。
溶剤およびその他の必要成分を混合分散して得た磁性塗
料を、ポリエステルフィルムなどの基体上に塗布、乾燥
してつくられ、磁気特性に優れたものが要求される。
そのため、使用される磁性粉末は分散性に優れ、磁気
記録媒体に優れた磁気特性を付与できるものであること
が望ましいが、磁性粉末の表面は通常親水性であるた
め、そのままでは親油性の結合剤樹脂中に良好に分散さ
せることが難しい。
記録媒体に優れた磁気特性を付与できるものであること
が望ましいが、磁性粉末の表面は通常親水性であるた
め、そのままでは親油性の結合剤樹脂中に良好に分散さ
せることが難しい。
そこで、磁性粉末の分散性を良好にするため、分子の
一端に親水基、他端に親油基を有する脂肪酸や脂肪酸エ
ステルなどを分散剤として磁性塗料中に添加することが
提案されている。
一端に親水基、他端に親油基を有する脂肪酸や脂肪酸エ
ステルなどを分散剤として磁性塗料中に添加することが
提案されている。
ところが、これらの脂肪酸や脂肪酸エステル等の分散
剤は、未だ磁性粉末との結合力が弱くて結合剤樹脂との
なじみもそれほど良好でなく、磁性粉末の分散効果を発
揮させるため磁性塗料中に多量に添加すると、磁性粉末
の分散性が改善される反面、磁性層の機械的強度が低下
し、ブルミーングなど好ましくない現象が発生するとい
う難点がある。
剤は、未だ磁性粉末との結合力が弱くて結合剤樹脂との
なじみもそれほど良好でなく、磁性粉末の分散効果を発
揮させるため磁性塗料中に多量に添加すると、磁性粉末
の分散性が改善される反面、磁性層の機械的強度が低下
し、ブルミーングなど好ましくない現象が発生するとい
う難点がある。
この発明は、かかる現状に鑑み、たとえば、γ−Fe2O
3磁性粉末の粒子表面では、表面に存在している−OH基
と分散剤の−COOH基との間に、 で示されるような共鳴状態が考えられ、この共鳴状態の
(b)に示すようなイオン化状態を安定化するような構
造を分散剤が有する場合、強い吸着が起きると予想され
ることに着目して、種々検討を行った結果なされたもの
で、磁性粉末を、ニトロ基を有するカルボン酸化合物、
ニトロ基を有するスルホン酸化合物、ニトロ基を有する
りん酸化合物、またはこれらの塩から選ばれる化合物を
溶解した溶液中に浸漬し、磁性粉末の粒子表面をこれら
の化合物で被覆させることによって、磁性粉末の磁性塗
料中における分散性を充分に改善し、この磁性粉末を使
用して得られる磁気記録媒体の磁性特性および耐久性を
充分に向上させたものである。
3磁性粉末の粒子表面では、表面に存在している−OH基
と分散剤の−COOH基との間に、 で示されるような共鳴状態が考えられ、この共鳴状態の
(b)に示すようなイオン化状態を安定化するような構
造を分散剤が有する場合、強い吸着が起きると予想され
ることに着目して、種々検討を行った結果なされたもの
で、磁性粉末を、ニトロ基を有するカルボン酸化合物、
ニトロ基を有するスルホン酸化合物、ニトロ基を有する
りん酸化合物、またはこれらの塩から選ばれる化合物を
溶解した溶液中に浸漬し、磁性粉末の粒子表面をこれら
の化合物で被覆させることによって、磁性粉末の磁性塗
料中における分散性を充分に改善し、この磁性粉末を使
用して得られる磁気記録媒体の磁性特性および耐久性を
充分に向上させたものである。
この発明において、磁性粉末の粒子表面を被覆するの
に使用するニトロ基を有するカルボン酸化合物、ニトロ
基を有するスルホン酸化合物、ニトロ基を有するりん酸
化合物、およびこれらの塩は、これらの化合物が有する
ニトロ基の電子吸引性が大きく、解離状態の安定性が増
すため、磁性粉末に対して強い吸着力を有する。また、
このニトロ基は親水性に乏しく、大きな双極子モーメン
トを持つため、吸着した磁性粉末の粒子表面に存在し
て、磁性塗料中の結合剤樹脂や有機溶剤中の極性基部分
と強く相互作用する。従って、これらの化合物を溶解し
た溶液中に磁性粉末を浸漬すると、これらの化合物が磁
性粉末の粒子表面に強固に吸着し、磁性塗料中における
分散性が充分に向上される。また、磁性粉末の分散性が
充分に向上される結果、この磁性粉末を使用して得られ
る磁気記録媒体は、磁気特性および耐久性が充分に向上
される。
に使用するニトロ基を有するカルボン酸化合物、ニトロ
基を有するスルホン酸化合物、ニトロ基を有するりん酸
化合物、およびこれらの塩は、これらの化合物が有する
ニトロ基の電子吸引性が大きく、解離状態の安定性が増
すため、磁性粉末に対して強い吸着力を有する。また、
このニトロ基は親水性に乏しく、大きな双極子モーメン
トを持つため、吸着した磁性粉末の粒子表面に存在し
て、磁性塗料中の結合剤樹脂や有機溶剤中の極性基部分
と強く相互作用する。従って、これらの化合物を溶解し
た溶液中に磁性粉末を浸漬すると、これらの化合物が磁
性粉末の粒子表面に強固に吸着し、磁性塗料中における
分散性が充分に向上される。また、磁性粉末の分散性が
充分に向上される結果、この磁性粉末を使用して得られ
る磁気記録媒体は、磁気特性および耐久性が充分に向上
される。
このようなニトロ基を有するカルボン酸化合物として
は、たとえば、p−ニトロ安息香酸、o−ニトロ安息香
酸、m−ニトロ安息香酸、3,5−ジニトロ安息香酸2,4−
ジニトロ安息香酸、p−ニトロフェニル酢酸、o−ニト
ロフェニル酢酸、m−ニトロフェニル酢酸、p−ニトロ
桂皮酸、o−ニトロ桂皮酸、m−ニトロ桂皮酸、p−ニ
トロフェノキシ酢酸、o−ニトロフェノキシ酢酸、m−
ニトロフェノキシ酢酸などが好適なものとして挙げら
れ、これらの塩としては、たとえば、p−ニトロ安息香
酸ナトリウム塩、m−ニトロ安息香酸ナトリウム塩、o
−ニトロ安息香酸ナトリウム塩などが挙げられる。また
ニトロ基を有するスルホン酸化合物およびその塩として
は、たとえば、m−ニトロフェニルスルホン酸、m−ニ
トロフェニルスルホン酸ナトリウムなどが好適なものと
して使用され、ニトロ基を有するりん酸化合物およびそ
の塩としては、たとえば、p−ニトロフェニルりん酸、
p−ニトロフェニルりん酸2ナトリウムなどが好適なも
のとして使用される。
は、たとえば、p−ニトロ安息香酸、o−ニトロ安息香
酸、m−ニトロ安息香酸、3,5−ジニトロ安息香酸2,4−
ジニトロ安息香酸、p−ニトロフェニル酢酸、o−ニト
ロフェニル酢酸、m−ニトロフェニル酢酸、p−ニトロ
桂皮酸、o−ニトロ桂皮酸、m−ニトロ桂皮酸、p−ニ
トロフェノキシ酢酸、o−ニトロフェノキシ酢酸、m−
ニトロフェノキシ酢酸などが好適なものとして挙げら
れ、これらの塩としては、たとえば、p−ニトロ安息香
酸ナトリウム塩、m−ニトロ安息香酸ナトリウム塩、o
−ニトロ安息香酸ナトリウム塩などが挙げられる。また
ニトロ基を有するスルホン酸化合物およびその塩として
は、たとえば、m−ニトロフェニルスルホン酸、m−ニ
トロフェニルスルホン酸ナトリウムなどが好適なものと
して使用され、ニトロ基を有するりん酸化合物およびそ
の塩としては、たとえば、p−ニトロフェニルりん酸、
p−ニトロフェニルりん酸2ナトリウムなどが好適なも
のとして使用される。
これらのニトロ基を有するカルボン酸化合物、ニトロ
基を有するスルホン酸化合物、ニトロ基を有するりん酸
化合物、およびこれらの塩は、これらをテトラヒドロフ
ラン、クロロホルム、トルエン、メチルエチルケトン、
アセトン、メチルイソブチルケトンなどの有機溶剤に溶
解して使用され、この溶解によって得られた溶液中に磁
性粉末を浸漬することによって、磁性粉末の粒子表面が
これらの化合物で被覆される。この被覆量は、磁性粉末
の分散性を充分に向上させるため、磁性粉末に対して0.
1〜5重量%の範囲内にするのが好ましい。
基を有するスルホン酸化合物、ニトロ基を有するりん酸
化合物、およびこれらの塩は、これらをテトラヒドロフ
ラン、クロロホルム、トルエン、メチルエチルケトン、
アセトン、メチルイソブチルケトンなどの有機溶剤に溶
解して使用され、この溶解によって得られた溶液中に磁
性粉末を浸漬することによって、磁性粉末の粒子表面が
これらの化合物で被覆される。この被覆量は、磁性粉末
の分散性を充分に向上させるため、磁性粉末に対して0.
1〜5重量%の範囲内にするのが好ましい。
ここで、これらの化合物で粒子表面が被覆される磁性
粉末としては、γ−Fe2O3粉末、Fe3O4粉末、Co含有γ−
Fe2O3粉末、Co被着γ−Fe2O3粉末、Co含有Fe3O4粉末、B
a−フェライト粉末、Fe粉末、Co粉末、Ni粉末、Fe−Ni
−Co粉末など、従来公知の各種磁性粉末が広く包含され
る。
粉末としては、γ−Fe2O3粉末、Fe3O4粉末、Co含有γ−
Fe2O3粉末、Co被着γ−Fe2O3粉末、Co含有Fe3O4粉末、B
a−フェライト粉末、Fe粉末、Co粉末、Ni粉末、Fe−Ni
−Co粉末など、従来公知の各種磁性粉末が広く包含され
る。
このようなニトロ基を有するカルボン酸化合物、ニト
ロ基を有するスルホン酸化合物、ニトロ基を有するりん
酸化合物、およびこれらの塩で、粒子表面が被覆された
磁性粉末を、磁気記録素子として使用する磁気記録媒体
の製造は、常法に準じて行われ、たとえば、この種の磁
性粉末を、結合剤樹脂、有機溶剤およびその他の必要成
分とともに分散混合して磁性塗料を調製し、この磁性塗
料をポリエステルフィルムなどの基体上に、吹きつけも
しくはロール塗りなど、任意の手段で塗布し、乾燥する
などの方法で行われる。
ロ基を有するスルホン酸化合物、ニトロ基を有するりん
酸化合物、およびこれらの塩で、粒子表面が被覆された
磁性粉末を、磁気記録素子として使用する磁気記録媒体
の製造は、常法に準じて行われ、たとえば、この種の磁
性粉末を、結合剤樹脂、有機溶剤およびその他の必要成
分とともに分散混合して磁性塗料を調製し、この磁性塗
料をポリエステルフィルムなどの基体上に、吹きつけも
しくはロール塗りなど、任意の手段で塗布し、乾燥する
などの方法で行われる。
ここで、結合剤樹脂としては、塩化ビニル−酢酸ビニ
ル系共重合体、繊維素系樹脂、ブチラール系樹脂、ポリ
ウレタン系樹脂、ポリエステル系樹脂、イソシアネート
化合物など、従来から汎用されている結合剤樹脂が広く
用いられる。
ル系共重合体、繊維素系樹脂、ブチラール系樹脂、ポリ
ウレタン系樹脂、ポリエステル系樹脂、イソシアネート
化合物など、従来から汎用されている結合剤樹脂が広く
用いられる。
また、有機溶剤としては、シクロヘキサノン、メチル
エチルケトン、メチルイソブチルケトン、酢酸エチル、
ベンゼン、トルエン、キシレン、ジメチルスルホキシ
ド、テトラヒドロフラン、ジオキサンなど、使用する結
合剤樹脂を溶解するのに適した溶剤が、特に限定される
ことなく単独または二種以上混合して使用される。
エチルケトン、メチルイソブチルケトン、酢酸エチル、
ベンゼン、トルエン、キシレン、ジメチルスルホキシ
ド、テトラヒドロフラン、ジオキサンなど、使用する結
合剤樹脂を溶解するのに適した溶剤が、特に限定される
ことなく単独または二種以上混合して使用される。
なお、磁性塗料中には通常使用されている各種添加
剤、たとえば、分散剤、潤滑剤、研磨剤、帯電防止剤な
どを適宜に添加してもよい。
剤、たとえば、分散剤、潤滑剤、研磨剤、帯電防止剤な
どを適宜に添加してもよい。
次に、この発明の実施例について説明する。
実施例1 3,5−ジニトロ安息香酸の2重量%テトラヒドロフラ
ン溶液1000重量部中に、γ−Fe2O3粉末100重量部を添加
し、充分に混合、分散して浸漬処理した後、濾過、洗
浄、乾燥を行って、3,5−ジニトロ安息香酸で粒子表面
を被覆したγ−Fe2O3粉末を得た。
ン溶液1000重量部中に、γ−Fe2O3粉末100重量部を添加
し、充分に混合、分散して浸漬処理した後、濾過、洗
浄、乾燥を行って、3,5−ジニトロ安息香酸で粒子表面
を被覆したγ−Fe2O3粉末を得た。
このようにして得られたγ−Fe2O3粉末を使用し、 γ−Fe2O3粉末 100 重量部 部分加水分解塩化ビニル−酢酸ビニル共重合体 12.5 〃 ニトロセルロース 12.5 〃 シクロヘキサノン 100 〃 トルエン 100 〃 の組成からなる組成物をボールミルで72時間混合分散し
て磁性塗料を調製した。この磁性塗料を厚さが14μmの
ポリエステルフィルム上に乾燥厚が5μmとなるように
塗布、乾燥し、カレンダー処理を行った後、所定の幅に
裁断して磁気テープをつくった。
て磁性塗料を調製した。この磁性塗料を厚さが14μmの
ポリエステルフィルム上に乾燥厚が5μmとなるように
塗布、乾燥し、カレンダー処理を行った後、所定の幅に
裁断して磁気テープをつくった。
実施例2 実施例1における磁性粉末の浸漬処理において、3,5
−ジニトロ安息香酸の2重量%テトラヒドロフラン溶液
に代えて、p−ニトロフェニルりん酸2ナトリウムの1
重量%テトラヒドロフラン溶液を同量使用した以外は、
実施例1と同様にして磁性粉末の浸漬処理を行い、p−
ニトロフェニルりん酸2ナトリウムで粒子表面を被覆し
たγ−Fe2O3粉末を得た。
−ジニトロ安息香酸の2重量%テトラヒドロフラン溶液
に代えて、p−ニトロフェニルりん酸2ナトリウムの1
重量%テトラヒドロフラン溶液を同量使用した以外は、
実施例1と同様にして磁性粉末の浸漬処理を行い、p−
ニトロフェニルりん酸2ナトリウムで粒子表面を被覆し
たγ−Fe2O3粉末を得た。
次いで、このようにして得られた磁性粉末を、実施例
1における磁性塗料の組成において、3,5−ジニトロ安
息香酸で粒子表面を被覆したγ−Fe2O3粉末に代えて同
量使用した以外は、実施例1と同様にして磁性塗料を調
製し、磁気テープをつくった。
1における磁性塗料の組成において、3,5−ジニトロ安
息香酸で粒子表面を被覆したγ−Fe2O3粉末に代えて同
量使用した以外は、実施例1と同様にして磁性塗料を調
製し、磁気テープをつくった。
実施例3 実施例1における磁性粉末の浸漬処理において、3,5
−ジニトロ安息香酸の2重量%テトラヒドロフラン溶液
に代えて、m−ニトロフェニルスルホン酸ナトリウムの
0.1重量%テトラヒドロフラン溶液を同量使用した以外
は、実施例1と同様にして磁性粉末の浸漬処理を行い、
m−ニトロフェニルスルホン酸ナトリウムで粒子表面を
被覆したγ−Fe2O3粉末を得た。
−ジニトロ安息香酸の2重量%テトラヒドロフラン溶液
に代えて、m−ニトロフェニルスルホン酸ナトリウムの
0.1重量%テトラヒドロフラン溶液を同量使用した以外
は、実施例1と同様にして磁性粉末の浸漬処理を行い、
m−ニトロフェニルスルホン酸ナトリウムで粒子表面を
被覆したγ−Fe2O3粉末を得た。
次いで、このようにして得られた磁性粉末を、実施例
1における磁性塗料の組成において、3,5−ジニトロ安
息香酸で粒子表面を被覆したγ−Fe2O3粉末に代えて同
量使用した以外は、実施例1と同様にして磁性塗料を調
製し、磁気テープをつくった。
1における磁性塗料の組成において、3,5−ジニトロ安
息香酸で粒子表面を被覆したγ−Fe2O3粉末に代えて同
量使用した以外は、実施例1と同様にして磁性塗料を調
製し、磁気テープをつくった。
比較例1 実施例1における磁性粉末の浸漬処理において、3,5
−ジニトロ安息香酸の2重量%テトラヒドロフラン溶液
に代えて、ステアリン酸の2重量%テトラヒドロフラン
溶液を同量使用した以外は、実施例1と同様にして磁性
粉末の浸漬処理を行い、ステアリン酸で粒子表面を被覆
したγ−Fe2O3粉末を得た。
−ジニトロ安息香酸の2重量%テトラヒドロフラン溶液
に代えて、ステアリン酸の2重量%テトラヒドロフラン
溶液を同量使用した以外は、実施例1と同様にして磁性
粉末の浸漬処理を行い、ステアリン酸で粒子表面を被覆
したγ−Fe2O3粉末を得た。
次いで、このようにして得られた磁性粉末を、実施例
1における磁性塗料の組成において、3,5−ジニトロ安
息香酸で粒子表面を被覆したγ−Fe2O3粉末に代えて同
量使用した以外は、実施例1と同様にして磁性塗料を調
製し、磁気テープをつくった。
1における磁性塗料の組成において、3,5−ジニトロ安
息香酸で粒子表面を被覆したγ−Fe2O3粉末に代えて同
量使用した以外は、実施例1と同様にして磁性塗料を調
製し、磁気テープをつくった。
比較例2 実施例1における磁性粉末の浸漬処理を省き、未処理
の磁性粉末を、実施例1における磁性塗料の組成におい
て、3,5−ジニトロ安息香酸で粒子表面を被覆したγ−F
e2O3粉末に代えて同量使用した以外は、実施例1と同様
にして磁性塗料を調製し、磁気テープをつくった。
の磁性粉末を、実施例1における磁性塗料の組成におい
て、3,5−ジニトロ安息香酸で粒子表面を被覆したγ−F
e2O3粉末に代えて同量使用した以外は、実施例1と同様
にして磁性塗料を調製し、磁気テープをつくった。
比較例3 実施例1における磁性粉末の浸漬処理を省き、未処理
の磁性粉末を、実施例1における磁性塗料の組成におい
て、3,5−ジニトロ安息香酸で粒子表面を被覆したγ−F
e2O3粉末に代えて同量使用し、新たにステアリン酸を1
重量部加えた以外は実施例1と同様にして磁性塗料を調
製し、磁気テープをつくった。
の磁性粉末を、実施例1における磁性塗料の組成におい
て、3,5−ジニトロ安息香酸で粒子表面を被覆したγ−F
e2O3粉末に代えて同量使用し、新たにステアリン酸を1
重量部加えた以外は実施例1と同様にして磁性塗料を調
製し、磁気テープをつくった。
実施例1〜3、比較例1で得られた磁性粉末、および
比較例2、3で使用した磁性粉末について、粒子表面の
性質および分散性を沈降速度と沈降体積で調べた。沈降
速度は磁性粉末1gを内径15mmの沈降管に入れ、さらにテ
トラヒドロフランを入れて30mlとし、充分に振とうした
後、静置して60分後の溶液表面から懸濁界面までの高さ
を測定して調べた。また沈降体積は100時間静置後の懸
濁液部分の体積を測定した。
比較例2、3で使用した磁性粉末について、粒子表面の
性質および分散性を沈降速度と沈降体積で調べた。沈降
速度は磁性粉末1gを内径15mmの沈降管に入れ、さらにテ
トラヒドロフランを入れて30mlとし、充分に振とうした
後、静置して60分後の溶液表面から懸濁界面までの高さ
を測定して調べた。また沈降体積は100時間静置後の懸
濁液部分の体積を測定した。
下記第1表はその結果である。
また、各実施例および比較例で得られた磁気テープに
ついては、角型比を測定し、耐摩耗性を調べた。耐摩耗
性は、直径3mmのルビー球を各磁気テープ上に摺接させ
て20gの荷重のもとで5000回往復摺動させ、その後各磁
気テープの表面を顕微鏡で観察して、摺動傷が全く認め
られないものを(◎)、摺動傷が若干認められるものを
(○)、摺動傷が多く認められるものを(×)として評
価した。
ついては、角型比を測定し、耐摩耗性を調べた。耐摩耗
性は、直径3mmのルビー球を各磁気テープ上に摺接させ
て20gの荷重のもとで5000回往復摺動させ、その後各磁
気テープの表面を顕微鏡で観察して、摺動傷が全く認め
られないものを(◎)、摺動傷が若干認められるものを
(○)、摺動傷が多く認められるものを(×)として評
価した。
下記第2表はその結果である。
〔発明の効果〕 前記第1表から明らかなように、この発明で得られた
γ−Fe2O3粉末(実施例1ないし3)は、比較例1で得
られたγ−Fe2O3粉末および比較例2、3の無処理のγ
−Fe2O3粉末に比し、沈降速度が遅くて、沈降体積が小
さく、このことからこの発明で得られる磁性粉末は分散
性に優れていることがわかる。また、前記第2表から明
らかなように、この発明で得られた磁気テープ(実施例
1ないし3)比較例1ないし3で得られた磁気テープに
比し、いずれも角型比が高くて、耐摩耗性がよく、この
ことからこの発明で得られる磁気記録媒体は、磁性粉末
の分散性が良好で、磁気特性および耐久性に優れている
ことがわかる。
γ−Fe2O3粉末(実施例1ないし3)は、比較例1で得
られたγ−Fe2O3粉末および比較例2、3の無処理のγ
−Fe2O3粉末に比し、沈降速度が遅くて、沈降体積が小
さく、このことからこの発明で得られる磁性粉末は分散
性に優れていることがわかる。また、前記第2表から明
らかなように、この発明で得られた磁気テープ(実施例
1ないし3)比較例1ないし3で得られた磁気テープに
比し、いずれも角型比が高くて、耐摩耗性がよく、この
ことからこの発明で得られる磁気記録媒体は、磁性粉末
の分散性が良好で、磁気特性および耐久性に優れている
ことがわかる。
Claims (3)
- 【請求項1】ニトロ基を有するカルボン酸化合物、ニト
ロ基を有するスルホン酸化合物、ニトロ基を有するりん
酸化合物、またはこれらの塩から選ばれる化合物によっ
て被覆された磁性粉末 - 【請求項2】磁性粉末を、ニトロ基を有するカルボン酸
化合物、ニトロ基を有するスルホン酸化合物、ニトロ基
を有するりん酸化合物、またはこれらの塩から選ばれる
化合物を溶解した溶液中に浸漬し、磁性粉末の粒子表面
をこれらの化合物で被覆させることを特徴とする磁性粉
末の製造方法 - 【請求項3】ニトロ基を有するカルボン酸化合物、ニト
ロ基を有するスルホン酸化合物、ニトロ基を有するりん
酸化合物、またはこれらの塩から選ばれる化合物によっ
て被覆された磁性粉末を、磁性層中に含有させたことを
特徴とする磁気記録媒体
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP63239144A JP2730920B2 (ja) | 1988-09-24 | 1988-09-24 | 磁性粉末およびその製造方法ならびにこの磁性粉末を用いた磁気記録媒体 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP63239144A JP2730920B2 (ja) | 1988-09-24 | 1988-09-24 | 磁性粉末およびその製造方法ならびにこの磁性粉末を用いた磁気記録媒体 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH0287318A JPH0287318A (ja) | 1990-03-28 |
JP2730920B2 true JP2730920B2 (ja) | 1998-03-25 |
Family
ID=17040414
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP63239144A Expired - Fee Related JP2730920B2 (ja) | 1988-09-24 | 1988-09-24 | 磁性粉末およびその製造方法ならびにこの磁性粉末を用いた磁気記録媒体 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP2730920B2 (ja) |
Families Citing this family (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP5622624B2 (ja) | 2010-03-19 | 2014-11-12 | 富士フイルム株式会社 | 磁気記録媒体およびその製造方法 |
Family Cites Families (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
US4743466A (en) * | 1987-06-05 | 1988-05-10 | Eastman Kodak Company | Corrosion inhibition of iron and its alloys |
-
1988
- 1988-09-24 JP JP63239144A patent/JP2730920B2/ja not_active Expired - Fee Related
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
JPH0287318A (ja) | 1990-03-28 |
Similar Documents
Publication | Publication Date | Title |
---|---|---|
JP2730920B2 (ja) | 磁性粉末およびその製造方法ならびにこの磁性粉末を用いた磁気記録媒体 | |
JPS61921A (ja) | 磁気記録媒体 | |
JPS63229612A (ja) | 磁気記録媒体 | |
JPS6098525A (ja) | 磁気記録媒体 | |
JPH01232530A (ja) | 磁気記録媒体 | |
JPS6275930A (ja) | 磁気記録媒体 | |
JPH01232531A (ja) | 磁気記録媒体 | |
JPH01232528A (ja) | 磁気記録媒体 | |
JPH031503A (ja) | 磁性紛末とこれを用いた磁気記録媒体 | |
JPS61133023A (ja) | 磁気記録媒体 | |
JP3154127B2 (ja) | 磁気記録媒体 | |
JP2745517B2 (ja) | 磁気記録媒体 | |
JPH0752508B2 (ja) | 磁気記録媒体 | |
JPS6161227A (ja) | 磁気記録媒体 | |
EP0157411B1 (en) | Magnetic recording medium | |
JPH02278512A (ja) | 磁気記録媒体 | |
KR910006585B1 (ko) | 자기기록 매체 | |
JPS6318978B2 (ja) | ||
JPS60211621A (ja) | 磁気記録媒体 | |
JPH01232529A (ja) | 磁気記録媒体 | |
JPH0736222B2 (ja) | 磁気記録媒体の製造方法 | |
JPS62275318A (ja) | 磁気記録媒体 | |
JPS6212919A (ja) | 磁気記録媒体 | |
DE4224227A1 (de) | Magnetisches aufzeichnungsmedium | |
JP2808635B2 (ja) | 磁気記録媒体 |
Legal Events
Date | Code | Title | Description |
---|---|---|---|
LAPS | Cancellation because of no payment of annual fees |