JPS6212919A - 磁気記録媒体 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】本公報は電子出願前の出願データであるた
め要約のデータは記録されません。

Description

【発明の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 この発明は磁気記録媒体に関し、さらに詳しくは、磁性
粉末の分散性および充填性が良好で電気的特性に優れた
磁気記録媒体に関する。

〔従来の技術〕

磁気記録媒体は、通常、磁性粉末、結合剤成分、有機溶
剤およびその他の必要成分からなる磁性塗料をポリエス
テルフィルムなどの基体上に塗布、乾燥してつくられ、
電気的特性に優れたものが要求される。

そのため、使用される磁性粉末は分散性および充填性に
優れ、磁気記録媒体に優れた電気的特性を付与できるも
のであることが望ましいが、磁性粉末の表面は通常親水
性であるため、そのままでは親油性の結合剤樹脂中に良
好に分散することが難しい。

そこで、磁性粉末の分散性および充填性を良好にするた
め、分子の一端に親水基、他端に親油基を有する飽和も
しくは不飽和の脂肪酸などの分散剤と、低分子量のニト
ロセルロースとを磁性塗料中に混入させることが提案さ
れている。（特開昭５４−３３７０３号） 〔発明が解決しようとする問題点〕 ところが、これらの脂肪酸等の分散剤は、未だ磁性粉末
との結合力が弱くて結合剤樹脂とのなじみもそれほど良
好でなく、また低分子量のニトロセルロースは磁性粉末
表面への吸着が未だ不充分で、磁性粉末の表面に充分に
良好な粘性を付与することができず、磁性粉末の結合剤
樹脂中における分散性および充填性を未だ充分に改善す
ることができない。

〔問題点を解決するだめの手段〕

この発明は、かかる現状から種々検討を行った結果なさ
れたもので、ソルビン酸またはソルビン酸誘導体と、エ
チレンオキサイド−プロピレンオキサイドブロック共重
合体とを併用することによって、磁性粉末の分散性およ
び充愼性を充分に改善し、得られる磁気記録媒体の電気
的特性を充分に向上させたものである。

この発明において使用されるソルビン酸は、化学式ＣＨ
３ＣＨ＝ＣＨＣＨ＝ＣＨＣ０ＯＨで表される化合物で、
ともにトランスの二つの二重結合を有し、分子量が比較
的小さい。従って、分子中に有する共役二重結合により
、電子密度が分子内で局在し、分極率が高まるために官
能性が高められ、しかも、二重結合がともにトランスの
（トランス−トランス）構造を有するため、官能基が分
子の最外端側に位置することとなって統計的、幾何学的
に該分散剤表面部に官能基が偏在し易くなり、さらに炭
素数が６個以下で分子量が比較的小さく、適度の融点を
有するため、磁性粉末の粒子表面に良好に被着するとと
もに、磁性塗料に良好な流動性を与え、結合剤樹脂中に
混じりやすい。

しかして、このソルビン酸が磁性層中に含有されると、
磁性粉末表面に良好に被着し、また結合剤樹脂とのなじ
みもよく、磁性粉末の結合剤樹脂中における分散性が充
分に改善され、電気的特性が向上される。

また、この発明において使用されるソルビン酸誘導体も
、ソルビン酸と同様に、二つの二重結合がともにトラン
スで、分子量が比較的小さく、磁性粉末表面に良好に被
着し、また結合剤樹脂とのなじみもよい。従って、これ
らのソルビン酸誘導体を磁性層中に含有させた場合もソ
ルビン酸を使用した場合と同様な効果が得られ、磁性粉
末の結合剤樹脂中における分散性が充分に改善されて、
電気的特性が向上される。このようなソルビン酸誘導体
としては、たとえば、ソルビン酸のメチルエステルＣｓ
　Ｈｙ　ＣＯＯＣＨ３、エチルエステルＣ５Ｈ７ＣＯＯ
Ｃ２Ｈ５、プロピルエステルＣ５Ｈ，Ｃ００Ｃ３Ｈ，、
ブチルエステルＣ５Ｈ，Ｃ○ＯＣ，Ｈ９、アミドｃ、Ｈ
，ＣＯＮＨ２、ニトリ／Ｉ／Ｃ５Ｈ，ＣＮ、７ニリドＣ
ｓ　Ｈｙ　ＣＯＮ　ＨＣ６Ｈ５、フェニルヒドラジドＣ
５Ｈ，Ｃ０ＮＨＮＨＣ，Ｈ５等が好適なものとして使用
される。

また、この発明において使用されるエチレンオキサイド
−プロピレンオキサイドブロック共重合体は、ともに親
水性のオキサイド部分を有するエチレンオキサイドとプ
ロピレンオキサイドとのブロック共重合体で、比較的親
水性のエチレンオキサイド部分と比較的親油性のプロピ
レンオキサイド部分とを有しているため、比較的親水性
のエチレンオキサイド部分が、磁性層中の磁性粉末の粒
子表面に良好に被着し、粒子表面を活性化して充分に良
好な粘性を粒子表面に与え、また比較的親油性のプロピ
レンオキサイド部分が結合剤樹脂によくなじみ、結合剤
樹脂と非常によく相溶する。

従って、このエチレンオキサイド−プロピレンオキサイ
ドブロック共重合体が磁性層中に含有されると、磁性粉
末の結合剤樹脂中における分散性および充愼性が充分に
改善され、前記のソルビン酸またはソルビン酸誘導体と
併用すると、相溶性も良好で、両者の相乗効果が充分に
発揮され、磁性粉末の分散性および光層性が一段と向上
されて、電気的特性が充分に向上される。

このようなエチレンオキサイド−プロピレンオキサイド
ブロック共重合体としては、エチレンオキサイドとプロ
ピレンオキサイドとの配合割合が、前者対後者のモル％
比にして２０対８０〜６０対４０の範囲内にあるものが
好ましく使用され、具体例としては、たとえば、エチレ
ンオキサイド対プロピレンオキサイドのモル％比が４０
対６０のエチレンオキサイド−プロピレンオキサイドブ
ロック共重合体などが挙げられ、市販品の具体例として
は、たとえば、ＩＣ１社製、ソルスパーズ２００００等
が挙げられる。

このようなソルビン酸またはソルビン酸誘導体とエチレ
ンオキサイドーブロビレンオキサイドブロソク共重合体
との配合割合は、ソルビン酸またはソルビン酸誘導体対
エチレンオキサイド−プロピレンオキサイドブロック共
重合体にして重量比で７対３〜３対７の範囲内で併用す
るのが好ましく、ソルビン酸またはソルビン酸誘導体が
多すぎると磁性塗料の粘度が低下しすぎて磁性層の表面
平滑性が劣化するおそれがあり、エチレンオキサイド−
プロピレンオキサイドブロック共重合体が多すぎると磁
性塗料の粘度が高くなりすぎて塗料の流動性が低下する
。また、磁性層中での含有量は両者の合計量で磁性粉末
に対して０．１〜１０重量％の範囲内で含有させるのが
好ましく、少なすぎると所期の効果が得られず、多すぎ
るとブリードアウトを生じ、粘着するおそれがある。

このようなソルビン酸またはソルビン酸誘導体と、エチ
レンオキサイドープロピレンオキサイドプロノク共重合
体は、これらを磁性塗料調製時に直接添加するか、また
はこれらをアルコール、エーテル等の適当な溶剤に熔解
させ、この溶解によって得られた溶液を磁性塗料の調製
時に添加するか、あるいはこの溶液中に磁性粉末を浸漬
して、予め磁性粉末の表面処理を行い、この磁性粉末を
使用して磁性塗料を調製し、これを基体上に塗布、乾燥
するなどの方法で磁性層中に含有される。

このようにして磁性層中に含有されるソルビン酸および
ソルビン酸誘導体は、いずれか一種を単独で使用しても
よいが二種以上を併用してもよく、またエチレンオキサ
イド−プロピレンオキサイドブロック共重合体も、エチ
レンオキサイドとプロピレンオキサイドとの配合割合が
一定のものを単独で使用してもよいが、配合割合が異な
るものを二種以上併用してもよい。さらに、これらは他
の分散剤、たとえば、飽和脂肪酸類、不飽和脂肪酸類、
脂肪酸エステル類、リン酸エステル類、レシチン、金属
石鹸類、アルコール類等と併用してもよい。

この発明に使用する磁性粉末としては、たとえば、ｒ−
Ｆｅ２０３粉末、Ｆｅ３Ｏ４粉末、γ−Ｆｅ２０３粉末
とＦｅ３Ｏ４粉末の中間化合物粉末、Ｃｏ含有ｒ−Ｆｅ
２０３粉末、Ｃｏ含有Ｆｅ３　ｏ４粉末、ＣｒＯ２粉末
の他、ｃｘ−１；’６粉末、Ｃｏ粉末、Ｆｅ−Ｎｉ粉末
、Ｆｅ４Ｎ粉末などの金属粉末など従来公知の各種磁性
粉末が広く包含される。

また、結合剤樹脂としては、塩化ビニル−酢酸ビニル系
共重合体、繊維素系樹脂、ポリビニルブチラール系樹脂
、ポリウレタン系樹脂、ポリエステル系樹脂、エポキシ
系樹脂、ポリエーテル系樹脂、イソシアネート化合物、
放射線硬化型樹脂など従来から汎用されている結合剤樹
脂がいずれも用いられる。

有機溶剤としては、シクロヘキサノン、メチルエチルケ
トン、メチルイソブチルケトンなどのケトン系溶剤、酢
酸エチル、酢酸ブチルなどのエステル系溶剤、ベンゼン
、トルエン、キシレンなどの芳香族炭化水素系溶剤、ジ
メチルスルホキシドなどのスルホキシド系溶剤、テトラ
ヒドロフラン、ジオキサンなどのエーテル系溶剤など、
使用する結合剤樹脂を熔解するのに適した溶剤が、特に
制限されることなく単独または二種以上混合して使用さ
れる。

なお、磁性塗料中には通常使用されている各種添加剤、
たとえば、潤滑剤、研磨剤、帯電防止剤などを適宜に添
加使用してもよい。

〔作用〕

以上ノヨウニ、ソルビン酸またはソルビン酸誘導体と、
エチレンオキサイド−プロピレンオキサイドブロック共
重合体とを併用して磁性層中に含有させると、磁性層中
の磁性粉末の分散性および充虜性が充分に改善され、磁
気特性および電磁変換特性に優れた磁気記録媒体が得ら
れる。

〔実施例〕

次に、この発明の実施例について説明する。

実施例Ｉ ＣＸ−Ｆｅ粉末　　　　　　　　　１００　］ｉｉｔ部
ＶＡＧＨ（米国Ｕ、Ｃ，Ｃ社製、塩　１５〃化ビニル−
酢酸ビニル−ビニ ルアルコール共重合体） タケラックＥ−５５１Ｔ（武１）　８　〃薬品工業社製
、ポリウレタン 樹脂） コロネートし　（日本ポリ・ウレタ　　２　　〃ン工業
社製、三官能性低分子 量イソシアネート化合物） ソルビン酸　　　　　　　　　　　１．０〃ソルスパー
ズ２００００　（エチ　　１．０〃レンオキサイドープ
ロピレン オキサイドブロック共重合体） メチルイソブチルケトン　　　　８５〃トルエン　　　
　　　　　　　　８５〃この組成物をボールミル中で７
２時間混合分散して磁性塗料を調製した。この磁性塗料
を厚さ１１μｍのポリエステルフィルム上に乾燥厚が約
４μｍとなるように塗布、乾燥し、カレンダー処理を行
ったのち、所定の巾に裁断して磁気テープをつくった。

実施例２ 実施例１における磁性塗料の組成において、ソルビン酸
に代えて、ソルビン酸−ｎ−ブチルヲ同量使用した以外
は実施例１と同様にして磁気テープをつくった。

実施例３ 実施例１における磁性塗料の組成において、ソルビン酸
の使用量を１重量部から０．０４重量部に変更し、エチ
レンオキサイド−プロピレンオキサイドブロック共重合
体の使用量を１重量部から０．０４重量部に変更した以
外は実施例１と同様にして磁気テープをつくった。

実施例４ 実施例１における磁性塗料の組成において、ソルビン酸
の使用量を１重量部から０．０５重量部に変更し、エチ
レンオキサイド−プロピレンオキサイドブロック共重合
体の使用量をＬ重量部から０．０５重量部に変更した以
外は実施例１と同様にして磁気テープをつくった。

実施例５ 実施例１における磁性塗料の組成において、ソルビン酸
の使用量を１重量部から５重量部に変更し、エチレンオ
キサイドープロピレンオキサイドプロノク共重合体の使
用量を１重量部から５重量部に変更した以外は実施例１
と同様にして磁気テープをつくった。

実施例６ 実施例１における磁性塗料の組成において、ソルビン酸
の使用量を１重量部から６重量部に変更し、エチレンオ
キサイド−プロピレンオキサイドブロック共重合体の使
用量を１重量部から６重量部に変更した以外は実施例１
と同様にして磁気テープをつくった。

比較例１ 実施例１における磁性塗料の組成において、ソルビン酸
およびエチレンオキサイド−プロピレンオキサイドブロ
ック共重合体を省いた以外は実施例１と同様にして磁気
テープをつくった。

比較例２ 実施例１における磁性塗料の組成において、ソルビン酸
に代えてラウリン酸を同量使用し、エチレンオキサイド
−プロピレンオキサイドブロック共重合体に代えて低分
子量ニトロセルロースを同量使用した以外は実施例１と
同様にして磁気テープをつくった。

比較例３ 実施例１における磁性塗料の組成において、ソルビン酸
を省き、エチレンオキサイド−プロピレンオキサイドブ
ロック共重合体の使用量を１重量部から２重量部に変更
した以外は実施例１と同様にして磁気テープをつくった
。

比較例４ 実施例１における磁性塗料の組成において、エチレンオ
キサイド−プロピレンオキサイドブロック共重合体を省
き、ソルビン酸の使用量を１重量部から２重量部に変更
した以外は実施例１と同様にして磁気テープをつくった
。

各実施例および比較例において、磁性塗料の粘度を測定
した。また各実施例および比較例で得られた各磁気テー
プについて磁気特性として、保持力、残留磁束密度、角
型をそれぞれ測定し、また電磁変換特性として、感度（
３１５）１ｚ　、６．３　ＫＨｚ、１２．５　Ｋ　Ｈｚ
）を測定した。なお、表中の感度は、比較例１をＯｄＢ
として基準にとってそれとの差で表した。

下表はその結果である。

〔発明の効果〕

上表から明らかなように、実施例１ないし６で得られた
磁気テープは、比較例１ないし４で得られた磁気テープ
に比べて、角型が高く、感度が良好で、このことからこ
の発明によって得られる磁気記録媒体は、磁性粉末の分
散性および充填性が良好で、磁気特性および電磁変換特
性が向上されていることがわかる。

Claims (1)

【特許請求の範囲】
1. １、磁性粉末と、ソルビン酸またはソルビン酸誘導体と
   、エチレンオキサイド−プロピレンオキサイドブロック
   共重合体とが含まれてなる磁性層を有する磁気記録媒体