JPH0123238Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 本考案は、車体の下腹部下方に、軸心を車体前
後方向に向けて車輪駆動用伝動軸を架設すると共
に、奇数個の回転刃を車体横巾方向に並べて備え
ると共に入力部を上方に突出させたモアを、前記
伝動軸の下方において昇降操作自在に設けた草刈
機に関する。

かかる草刈機においては、モアを極力高く上昇
させて、非作業時における走行時にモアが他物と
接当して損傷することを回避させたい要望がある
が、従来一般に、車輪駆動用伝動軸が車体の横巾
方向中心位置に位置され、しかも、モアの入力部
は奇数個の回転刃のうち中央の回転刃支軸上に設
けられているので、この入力部も車体の横巾方向
中央位置に位置されることになるため、伝動軸と
入力部との接当を回避させる必要上、モアを充分
高く上昇させることができない不都合があつた。

上記不都合を解消する手段としては、例えば実
開昭56−33034号公報で示されるもののように、
モアを全体的に車体の横方向へずらすことによつ
て、伝動軸と入力部とが平面視において干渉しな
いようにすることが考えられる。

しかし、この手段ではモアが片寄るので、モア
の突出した側の草刈抵抗が大となり、走行時に車
体が常にモア突出側へ曲がろうとする等バランス
上走行性能に支障をきたすようになると共に、モ
ア突出側の小回りが行い難くなる等、操縦性も悪
化するようになり、改善の余地が残されていた。

本考案は、上記実情に鑑みて為されたものであ
つて、その目的は、簡単な改造によつて、走行性
能や操縦性を悪化させることなくモアを高く上昇
させることができるようにする点にある。

本考案は、冒頭に記した草刈機において、前記
車輪駆動用伝動軸と前記モアの入力部とを、この
入力部の回転刃支軸上とは別軸の箇所に設けるこ
とによつて、車体横巾方向に相対変位させて位置
させてあることを特徴とする。

すなわち、モアの入力部を中央の回転刃支軸上
とは別の軸の箇所に設けるようにすれば、この入
力部を車体の左右方向へずらして配置でき、これ
によつて車輪駆動用伝動軸とモアの入力部とがモ
アの上昇に伴い接当しないように、両者を車体横
巾方向に相対変位させて位置させるようにしてあ
るから、モアを充分高く上昇させることができる
のである。

同時に、入力部は従来のようにモアの左右中央
位置ではないので、奇数個の回転刃を備えたモア
を走行車体に対して中央に配置することが可能と
なり、走行性能や操縦性も良好なものになる。そ
して、本案によれば、モアの入力部を中央の回転
刃支軸上とは別軸の箇所に設けるという比較的簡
単な改造によつて上記利点を得るものであるか
ら、例えば、車輪駆動用伝動軸を車体に内装させ
るようにする等、大巾な改造を行なわずに所望の
目的に達することができるのであり、実用上の利
点大である。

次に、本考案の実施例を図面に基づいて説明す
る。

第１図及至第３図に示すように、左右一対のメ
インフレーム１，１の前端及び後端夫々を補助フ
レーム２，２にて連結して、平面視形状長方形の
機枠を構成し、そして、機枠前方側部分に搭載し
たエンジン３と機体後方側部分に搭載した走行変
速用油圧式無段変速装置HST４とを、エンジン
３に直結した多板型の走行クラツチ６、及び、自
在継手付き伝動軸７を介して連動連結すると共
に、無段変速装置４における前方及び後方に突出
する出力軸８を、機枠後端側部分に接続した後輪
駆動用差動装置９に対してギヤ伝動機構１０（第
５図参照）を介して連動連結すると共に、機体前
端側部分に接続した前輪駆動用差動装置１１に対
して車体の下腹部下方に軸心を車体前後方向に向
けて架設した自在継手付き車輪駆動用伝動軸１２
を介して連動連結して、乗用車体を構成し、さら
に、前記車輪駆動用伝動軸１２の下方に、回転刃
の一例として３個のデイスク状刃体１３Ａを車体
横巾方向に並べて備えるモア１３を後述の如く設
け、もつて、草刈機を構成してある。

第４図及び第５図に示すように、後輪駆動用差
動装置９の左右出力軸１４，１４を、左右後輪１
５，１５の車軸１５ａ，１５ａに減速ギヤ伝動機
構１６，１６を介して連動連結し、左右一対の走
行制動用のデイスク状摩擦板１７，１７の夫々を
前記左右出力軸１４，１４にスプライン外嵌着し
てある。そして、左右摩擦板１７，１７の夫々に
対する左右押圧用ピストン１８，１８の収納ケー
ス１９を、差動ケース２０の上部にボルト接続す
ると共に、左右摩擦板１７，１７の夫々に対する
受枠２１，２１を、ピストン収納ケース１９にボ
ルト接続し、さらに、ピストン収納ケース１９に
１つの油出入口２２を形成し、もつて、両摩擦板
１７，１７に対する操作構造を一体構造にして、
組付・分解の容易化を図るように構成し、しか
も、両ピストン１８，１８による摩擦板押圧力を
同一にさせて、両後輪１５，１５を極力同じ力で
制動させることができるように構成してある。

前記モア１３について詳述すると、第２図及び
第３図に示すように、カバー兼用のフレーム２３
に、前記各刃体１３Ａの回転支軸２４を支承する
と共に、フレーム２３の上部にボルト接続した伝
動カバー２５に、入力軸２６の支承ケース２７を
前記車輪駆動用伝動軸１２と車体横巾方向に異な
る位置で上方に突出させて支承し、入力軸２６に
ベベルギヤ連動されたカウンター軸２８と各回転
支軸２４とを連動連結する１本の伝動ベルト２９
を、前記伝動カバー２５内に配置させてある。そ
して、前記入力軸２６と前記後輪駆動用差動ケー
ス２０に貫通支承させた動力取出軸３０の前端部
とを自在継手付き伝動軸３１を介して連動連結す
ると共に、前記無段変速装置４の入力軸３２にカ
ツプリング連結された伝動軸３３と動力取出軸３
０の後端部とをベルト３４を介して連動連結し
て、モア１３をその昇降を許容する状態で駆動す
るように構成し、又、モアフレーム２３と機枠と
に亘つて上下一対の上下揺動リンク３５ａ，３５
ｂを設けると共に、モア昇降用Ｌ字状レバー３６
を前記上方揺動リンク３５ａに係止連結し、さら
に、レバー操作用油圧シリンダ３７を設け、もつ
て、モア１３を前記車輪駆動用伝動軸１２の下方
において昇降操作できるように構成してあり、し
かも、上述の如く、モア入力部Ａと車輪駆動用伝
動軸１２とを車体横巾方向に相対変位させて位置
させることにより、モア１３を充分高く上昇させ
ることができるように構成してある。

又、車体下腹部において、左右メインフレーム
１，１の間に、上昇状態における前記モア１３の
入力部Ａが入り込む空間Ｕを備えさせ、モア１３
を車体下腹部との接当を回避させながら一層高く
上昇させることができるように構成してある。

本考案は、５個以上多数個の刃体１３Ａを備え
るモア１３を装備する場合にも適用できる。

又、車輪駆動用伝動軸１２が、車体前部の動力
を後輪１５に伝動するのに使用される場合にも適
用できる。

又、モア入力部Ａの具体構造は、車体出力をモ
ア１３に伝動する構造に応じて各種変更可能であ
る。

【図面の簡単な説明】

図面は本考案による草刈機の実施例を示し、第
１図は草刈機の切欠き側面図、第２図は同機の概
略平面図、第３図は同機の概略側面図、第４図は
走行用制動装置の装着部を示す切欠き正面図、第
５図は同部を示す側面図である。 １２……車輪駆動用伝動軸、１３……モア、１
３Ａ……回転刃、２４……支軸、２８……別軸、
Ａ……入力部、Ｕ……空間。

Claims (1)

1. 【実用新案登録請求の範囲】 １ 車体の下腹部下方に、軸心を車体前後方向に
   向けて車輪駆動用伝動軸１２を架設すると共
   に、奇数個の回転刃１３Ａを車体横巾方向に並
   べて備えると共に入力部Ａを上方に突出つさせ
   たモア１３を、前記伝動軸１２の下方において
   昇降操作自在に設けた草刈機であつて、前記車
   輪駆動用伝動軸１２と前記モア１３の入力部Ａ
   とを、この入力部Ａを中央の回転刃支軸２４上
   とは別軸２８の箇所に設けることによつて、車
   体横巾方向に相対変位させて位置させてあるこ
   とを特徴とする草刈機。 ２ 前記車体下腹部に、上昇状態における前記モ
   ア１３の入力部Ａが入り込む空間Ｕを備えさせ
   てあることを特徴とする実用新案登録請求の範
   囲１項に記載の草刈機。