JPH0123138Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本考案は、フオトマスクやレチクルの防塵に用
いられるペリクルの保存、輸送及び取り扱いのた
めの保護装置に関する。

〔従来の技術〕

ペリクルは光学的に透明な薄膜であつて、半導
体製造のための露光焼付によるリソグラフイー工
程において、フオトマスク或いはレチクル上に微
細な塵埃が付着するのを防止し、半導体の製品歩
留りを向上させることを目的としている。

ペリクルは厚さ0.5〜10μmの極めて薄い高分子
薄膜であつて、金属又はプラスチツクの支持枠に
周囲を支持させた状態で使用する。

そして、ペリクル自体が外部からの衝撃に弱い
ものであり、またペリクル自体に塵埃が付着し、
リソグラフイー工程に持ち込まれることも好まし
くないので、適当な収納容器に入れた状態で、保
存、輸送が行われている。

現在、市場で使用されているペリクル収納容器
の一例を第２図、第３図の略示断面図で説明す
る。１つは、第２図に示すようにプラスチツクカ
バー９、支持枠３、基板１０のそれぞれに突起と
凹部を設け、それらを嵌合又は圧着させて、支持
枠ごと固定し、それを組み立て、外袋８に入れて
密封するものである。又、第３図に示すように、
支持枠３の基板１０への固定方法として、着脱可
能な程度の粘着力を有する粘着剤４を使用するも
のもある。

〔考案が解決しようとする問題点〕

しかしながら、これらの収納容器では、収納時
の保存状況は良好に保つことが出来るが、フオト
マスクやレチクル、或いは露光装置内に装着する
ためにペリクルを容器から取り出す時に直接人の
手で扱わなければならず、その際に塵埃が発生、
付着するという問題がある。

〔問題点を解決する為の手段〕

本考案は上記問題点を解決し、装着時に塵埃の
付着することのないペリクル保護装置を提供する
ことを目的とする。

即ち本考案は、上面にペリクルを装着し、下面
に粘着剤層を有するペリクル支持枠と、片面に粘
着剤層を有する可撓性シートと、透明プラスチツ
クブリスターとからなり、該可撓性シートの粘着
層上に、離型紙を介してペリクル支持枠を着脱自
在に接着し、かつ同じ可撓性シートの粘着剤層上
に、支持枠つきペリクルを覆うように該ブリスタ
ーを着脱自在に接着してなるペリクル保護装置に
関するものである。

本考案は外装や基板を必要としない軽便な保護
装置であつて、ペリクル及び支持枠に直接手を触
れることなく取り扱うことができる保護容器であ
る。

〔実施例〕

以下、本考案の実施態様を図面により説明す
る。

第１図は本考案のペリクル保護装置の一実施例
を示す略示断面図である。

第１図において、１は透明プラスチツクブリス
ター、２はペリクル、３はペリクル支持枠、４は
ペリクル支持枠の粘着剤層、５は離型紙、６は可
撓性シートの粘着剤層、７は可撓性シートであ
る。

ブリスター１の材質は、ポリ塩化ビニル、ポリ
メチルメタアクリレート、ポリカーボネート、ポ
リスチレン、アクリルニトリル／スチレンコポリ
マーなどであつて、通常包装用に用いられている
ものより剛直で、且つ帯電防止処理が施されてい
るものが好ましい。ブリスターの形状の特徴とし
て、周縁部は一つの平面に対し平行になつてお
り、可撓性シートの粘着剤層６と、周縁部を着脱
自在に固定することによりブリスター１とシート
材料７の間に閉鎖された空間を形成し、その中に
支持枠つきペリクルを収納する。

可撓性シート７は、ポリエステル、ポリプロピ
レン、ポリエチレン、ポリアミドなどのフイルム
又は無塵紙を材質とし、片面に粘着剤層６を有す
るものである。

可撓性シート７とペリクル支持枠３は、離型紙
５を介してそれぞれの粘着剤層で固定される。こ
のとき、離型紙５とペリクル支持枠３との間の粘
着力は可撓性シート材料７と離型紙５との間の粘
着力よりも低く設定することが必要である。この
設定は粘着剤の選択、或いは離型紙５の表面の性
質を両面で異ならせることによつて達成できる。
このようにすることにより、ペリクル支持枠３と
離型紙５との間で着脱自在となるように可撓性シ
ート７と支持枠３を固定することができる。

可撓性シート７の上面にあつて、ブリスター１
又は離型紙５が載置されていない部分の粘着剤層
はブリスター／シート間の閉鎖空間に対して開放
されており、若しこの閉鎖空間内にゴミが存在し
た場合、これを捕捉し、ペリクル周辺の空間を無
塵に保つ役割を果たす。

支持枠付ペリクルを露光装置やフオトマスクに
装着する際は、ブリスター／シート間の接着を剥
離させ、ブリスター又はシート部分を把持しなが
ら、直接手を触れることなく装着用治具にペリク
ル支持枠を取り付けることができる。しかる後、
ブリスター及びシートを剥離し、以後自動的に装
着することができる。

即ち、本保護装置を用いると、装着の直前まで
充分にゴミや衝撃などから保護された状態でペリ
クルを扱うことができるのである。

【図面の簡単な説明】

第１図は本考案のペリクル保護装置の一実施例
を示す略示断面図であり、第２図及び第３図は従
来のペリクル収納容器を示す略示断面図である。 １……プラスチツクブリスター、２……ペリク
ル、３……ペリクル支持枠、４……粘着剤層、５
……離型紙、６……粘着剤層、７……可撓性シー
ト。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 上面にペリクルを装着し、下面に粘着剤層を有
   するペリクル支持枠と、片面に粘着剤層を有する
   可撓性シートと、透明プラスチツクブリスターと
   からなり、該可撓性シートの粘着層上に、離型紙
   を介してペリクル支持枠を着脱自在に接着し、か
   つ同じ可撓性シートの粘着剤層上に、支持枠つき
   ペリクルを覆うように該ブリスターを着脱自在に
   接着してなるペリクル保護装置。