JPH0122008B2 - - Google Patents
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- JPH0122008B2 JPH0122008B2 JP55149235A JP14923580A JPH0122008B2 JP H0122008 B2 JPH0122008 B2 JP H0122008B2 JP 55149235 A JP55149235 A JP 55149235A JP 14923580 A JP14923580 A JP 14923580A JP H0122008 B2 JPH0122008 B2 JP H0122008B2
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Landscapes
- Separation Using Semi-Permeable Membranes (AREA)
- Manufacture Of Porous Articles, And Recovery And Treatment Of Waste Products (AREA)
- Polymers With Sulfur, Phosphorus Or Metals In The Main Chain (AREA)
- Artificial Filaments (AREA)
Description
本発明は、乾燥ポリスルホン半透膜の製造方法
に関するものである。 芳香族ポリスルホンは、耐熱性、耐薬品性、機
械的特性に優れていることから、限外過、透
析、バツテリー用セパレーターなどの半透膜とし
て広く使われるようになつた。 これらの用途に使用する非対称構造の芳香族ポ
リスルホン膜の製造方法は、多くの特許や文献に
公表されているが、もとんど湿式法を用いてい
る。これらの方法は、重合体を溶剤に溶かす溶解
工程、この溶液を支持体上に流延して液状フイル
ムを形成させるか、もしくは中空糸状の液状フイ
ルムを形成させるキヤステイング工程、このフイ
ルムを重合体の非溶剤であるが、ポリスルホンの
溶剤と相溶する液体に浸して凝固するゲル化工程
からなることを共通の特徴としている。しかし、
ゲル化工程以後の処理方法については、あまり知
られておらず、高流速を有する乾燥ポリスルホン
膜も、まだ得られていない。この乾燥膜は保存、
装置の組立、接着、衛生、輸送などの面で、濡れ
た膜よりもはるかに有利である。 湿式法による芳香族ポリスルホン膜の製造方法
は、アミコン・コーポレーシヨン(特公昭50−
22508、特公昭52−29712)、鐘淵化学工業(株)(特
開昭51−42765、54−16381)、旭化成工業(株)(特
開昭54−16378、54−145379)に記されている。 特公昭50−22508及び52−29712では、 を繰返し単位とするポリスルホン膜の製法が述べ
られているが、特に特公昭52−29712の実施例1
にはゲル化を終了した繰返し単位が
に関するものである。 芳香族ポリスルホンは、耐熱性、耐薬品性、機
械的特性に優れていることから、限外過、透
析、バツテリー用セパレーターなどの半透膜とし
て広く使われるようになつた。 これらの用途に使用する非対称構造の芳香族ポ
リスルホン膜の製造方法は、多くの特許や文献に
公表されているが、もとんど湿式法を用いてい
る。これらの方法は、重合体を溶剤に溶かす溶解
工程、この溶液を支持体上に流延して液状フイル
ムを形成させるか、もしくは中空糸状の液状フイ
ルムを形成させるキヤステイング工程、このフイ
ルムを重合体の非溶剤であるが、ポリスルホンの
溶剤と相溶する液体に浸して凝固するゲル化工程
からなることを共通の特徴としている。しかし、
ゲル化工程以後の処理方法については、あまり知
られておらず、高流速を有する乾燥ポリスルホン
膜も、まだ得られていない。この乾燥膜は保存、
装置の組立、接着、衛生、輸送などの面で、濡れ
た膜よりもはるかに有利である。 湿式法による芳香族ポリスルホン膜の製造方法
は、アミコン・コーポレーシヨン(特公昭50−
22508、特公昭52−29712)、鐘淵化学工業(株)(特
開昭51−42765、54−16381)、旭化成工業(株)(特
開昭54−16378、54−145379)に記されている。 特公昭50−22508及び52−29712では、 を繰返し単位とするポリスルホン膜の製法が述べ
られているが、特に特公昭52−29712の実施例1
にはゲル化を終了した繰返し単位が
【式】のポリスルホン膜
を室温で乾燥すると乾燥前の透水量460〔/m2・
hr・Kg/cm2〕が12〔/m2・hr・Kg/cm2〕に低下
すると記載まれている。特開昭51−42765、54−
16381、54−16378及び54−145379には、芳香族ポ
リスルホン膜の乾燥に関する記載は全く見られな
い。 従つて従来の技術では高性能の乾燥ポリスルホ
ン半透膜は得られない。 本発明者等は、高性能の乾燥ポリスルホン半透
膜を得るために鋭意研究した結果、本発明に到達
した。即ち本発明は、ポリスルホンの溶液を支持
体上に流延して液状のフイルムを形成させるか又
は、中空糸状の液状フイルムを形成させた後、そ
れを該ポリスルホンの非溶剤でしかも水と相溶す
る液体に浸して、液状フイルムを凝固させ、更に
80℃以上の温水又は水を主体とする水性液体に1
分以上3時間以下浸してから該ポリスルホン膜の
熱変形温度以下で乾燥することを特徴とする乾燥
芳香族ポリスルホン半透膜の製造方法を内容とす
る。この乾燥ポリスルホン半透膜のスキン層の厚
みは、0.01〜1ミクロンであることが膜の性状か
ら好ましい。本発明に使用するポリスルホンは、
下記の繰返し単位を有するものである。 〔−O−Ar′−O−SO2−Ar〕− 式中、Ar、Ar′はそれぞれフエニル基、ジフエ
ニル基、もしくは非解離基を持つたこれらの置換
体である。このようなポリスルホンの代表的なも
のに、次の または、
hr・Kg/cm2〕が12〔/m2・hr・Kg/cm2〕に低下
すると記載まれている。特開昭51−42765、54−
16381、54−16378及び54−145379には、芳香族ポ
リスルホン膜の乾燥に関する記載は全く見られな
い。 従つて従来の技術では高性能の乾燥ポリスルホ
ン半透膜は得られない。 本発明者等は、高性能の乾燥ポリスルホン半透
膜を得るために鋭意研究した結果、本発明に到達
した。即ち本発明は、ポリスルホンの溶液を支持
体上に流延して液状のフイルムを形成させるか又
は、中空糸状の液状フイルムを形成させた後、そ
れを該ポリスルホンの非溶剤でしかも水と相溶す
る液体に浸して、液状フイルムを凝固させ、更に
80℃以上の温水又は水を主体とする水性液体に1
分以上3時間以下浸してから該ポリスルホン膜の
熱変形温度以下で乾燥することを特徴とする乾燥
芳香族ポリスルホン半透膜の製造方法を内容とす
る。この乾燥ポリスルホン半透膜のスキン層の厚
みは、0.01〜1ミクロンであることが膜の性状か
ら好ましい。本発明に使用するポリスルホンは、
下記の繰返し単位を有するものである。 〔−O−Ar′−O−SO2−Ar〕− 式中、Ar、Ar′はそれぞれフエニル基、ジフエ
ニル基、もしくは非解離基を持つたこれらの置換
体である。このようなポリスルホンの代表的なも
のに、次の または、
【式】
の構造の繰返し単位から成るポリスルホンがあ
り、それぞれユニオン・カーバイド社、アイ・シ
ー・アイ社から販売もされている。 ゲル化にいたるまでの製造方法については、特
に限定しない。即ち、通常一般のすべての方法に
よつて得られた膜に対して、本発明を適用するこ
とができる。 ゲル化後にそのまま乾燥すると特公昭52−
29712に述べられているように膜特性、特に透水
量が著るしく低下する。本発明者等の経験によれ
ば、乾燥の際に加熱空気を使用しても同様な低下
が起つた。従つて加熱空気を用いる熱処理は本発
明には適用しない。 本発明の熱処理で使用する液体として、一般
に、水性液体であれば特に限定されるものではな
いが、水以外の成分を多量に含むものは種々の欠
点を有する。例えば、水よりも沸点の低い有機溶
剤と水との混合液を使用すると熱処理中、また乾
燥中に、雰囲気が爆発限界を越える恐れがある。
逆に水よりも沸点の高い有機溶剤と水との混合液
の場合には、乾燥と共に膜中の有機溶剤の濃度が
高くなり、ポリスルホンの熱変形温度以下でも、
この溶剤が膜を可塑化させ膜性能を低下させるこ
とが予想される。実際に、グリセリンや、エチレ
ングリコールなどは、ポリスルホンの非溶剤であ
るが、このような可塑効果を持つている。又、無
機塩類の水溶液も、機器の腐蝕を促進させるので
好ましいとは言えない。従つて、熱処理用の液体
は出来る限り純粋な水であることが好ましい。 熱処理温度が、特定の値になつて突然熱処理の
効果が現われるのではないが、80℃未満では十分
な効果を与えるために長い浸漬時間が必要で、経
済的にむしろ不利となるので本発明では80℃以上
を熱処理温度とした。80℃以上になると数分間の
熱処理でも顕著な効果を発揮する。 熱処理中に、芳香族ポリスルホン膜は、ほとん
ど形状変化しない。このことから推測されるよう
に、また本発明者等によつて実際に確認されたよ
うに、乾燥しない限り、芳香族ポリスルホン膜
は、ゲル化後の性能を80℃以上の熱処理後もその
まま保持している。即ち、特に熱処理の効果は認
められない。従つて、芳香族ポリスルホン膜にあ
たつては、熱処理の効果は、その後で乾燥するこ
とによつて始めて見出される。即ち熱処理しない
乾燥膜との大きな差が認められるのである。 熱処理までの工程が膜中の溶剤を出来るだけ少
なくすることが、乾燥時の膜の可塑化を避ける上
でも、また完成膜の衛生上からも望ましい。この
ためにも熱処理の際にできるだけ純粋な水を使う
ことが望ましい。 最適な熱処理時間は、熱処理温度が高くなると
短かくなる。この時間を越えると逆に膜性能が低
下する。また補強材を有する膜は、有しない膜よ
りも最適時間が長くなる傾向がある。このような
最適時間の理由については不明である。ゲル化後
にも残つている溶剤が熱処理中に更に除かれるこ
とが原因であるとも考えられたが、ゲル化まで全
く同じ工程で作つた三枚の膜を、濃度の異なる三
つの膜素材の溶剤の水溶液に浸して、同じ温度、
時間で熱処理した後、102℃で乾燥して膜性能を
比べたがほとんど差がなかつた。乾燥後の膜中の
溶剤量が8500ppm、1200ppm、25ppmであつたに
も係わらずである。従つて、熱処理は、単なる溶
剤の除去ではないと言える。 熱処理後の膜は、この素材の熱変形温度以下の
任意の温度で乾燥することが可能である。この温
度は前例の芳香族ポリスルホンの場合には170〜
200℃程度である。しかし前記したように膜を可
塑化する成分が残つていると、当然、その可塑化
温度より低温で乾燥しなければ膜性能が低下す
る。乾燥中に、この可塑化が起らない限り、乾燥
温度による性能の変化は生じない。 代表的な膜素材とその吸水率を次表に示す。
り、それぞれユニオン・カーバイド社、アイ・シ
ー・アイ社から販売もされている。 ゲル化にいたるまでの製造方法については、特
に限定しない。即ち、通常一般のすべての方法に
よつて得られた膜に対して、本発明を適用するこ
とができる。 ゲル化後にそのまま乾燥すると特公昭52−
29712に述べられているように膜特性、特に透水
量が著るしく低下する。本発明者等の経験によれ
ば、乾燥の際に加熱空気を使用しても同様な低下
が起つた。従つて加熱空気を用いる熱処理は本発
明には適用しない。 本発明の熱処理で使用する液体として、一般
に、水性液体であれば特に限定されるものではな
いが、水以外の成分を多量に含むものは種々の欠
点を有する。例えば、水よりも沸点の低い有機溶
剤と水との混合液を使用すると熱処理中、また乾
燥中に、雰囲気が爆発限界を越える恐れがある。
逆に水よりも沸点の高い有機溶剤と水との混合液
の場合には、乾燥と共に膜中の有機溶剤の濃度が
高くなり、ポリスルホンの熱変形温度以下でも、
この溶剤が膜を可塑化させ膜性能を低下させるこ
とが予想される。実際に、グリセリンや、エチレ
ングリコールなどは、ポリスルホンの非溶剤であ
るが、このような可塑効果を持つている。又、無
機塩類の水溶液も、機器の腐蝕を促進させるので
好ましいとは言えない。従つて、熱処理用の液体
は出来る限り純粋な水であることが好ましい。 熱処理温度が、特定の値になつて突然熱処理の
効果が現われるのではないが、80℃未満では十分
な効果を与えるために長い浸漬時間が必要で、経
済的にむしろ不利となるので本発明では80℃以上
を熱処理温度とした。80℃以上になると数分間の
熱処理でも顕著な効果を発揮する。 熱処理中に、芳香族ポリスルホン膜は、ほとん
ど形状変化しない。このことから推測されるよう
に、また本発明者等によつて実際に確認されたよ
うに、乾燥しない限り、芳香族ポリスルホン膜
は、ゲル化後の性能を80℃以上の熱処理後もその
まま保持している。即ち、特に熱処理の効果は認
められない。従つて、芳香族ポリスルホン膜にあ
たつては、熱処理の効果は、その後で乾燥するこ
とによつて始めて見出される。即ち熱処理しない
乾燥膜との大きな差が認められるのである。 熱処理までの工程が膜中の溶剤を出来るだけ少
なくすることが、乾燥時の膜の可塑化を避ける上
でも、また完成膜の衛生上からも望ましい。この
ためにも熱処理の際にできるだけ純粋な水を使う
ことが望ましい。 最適な熱処理時間は、熱処理温度が高くなると
短かくなる。この時間を越えると逆に膜性能が低
下する。また補強材を有する膜は、有しない膜よ
りも最適時間が長くなる傾向がある。このような
最適時間の理由については不明である。ゲル化後
にも残つている溶剤が熱処理中に更に除かれるこ
とが原因であるとも考えられたが、ゲル化まで全
く同じ工程で作つた三枚の膜を、濃度の異なる三
つの膜素材の溶剤の水溶液に浸して、同じ温度、
時間で熱処理した後、102℃で乾燥して膜性能を
比べたがほとんど差がなかつた。乾燥後の膜中の
溶剤量が8500ppm、1200ppm、25ppmであつたに
も係わらずである。従つて、熱処理は、単なる溶
剤の除去ではないと言える。 熱処理後の膜は、この素材の熱変形温度以下の
任意の温度で乾燥することが可能である。この温
度は前例の芳香族ポリスルホンの場合には170〜
200℃程度である。しかし前記したように膜を可
塑化する成分が残つていると、当然、その可塑化
温度より低温で乾燥しなければ膜性能が低下す
る。乾燥中に、この可塑化が起らない限り、乾燥
温度による性能の変化は生じない。 代表的な膜素材とその吸水率を次表に示す。
【表】
これらの数値から見るとポリスルホンは、中程
度の親水性を有している。親水性の膜をゲル化後
にそのまま乾燥すると大きく収縮し、性能も著る
しく劣化する。ところがポリ塩化ビニル膜の場合
には、本発明者等によつて確認もされたが、ゲル
化後、そのまま乾燥してもほとんど形状変化がな
く、性能も変化しない。このような差は親水膜中
には、樹脂と結合(水素結合など)して膜構造の
一部となつた水があり、撥水性の膜中にはこのよ
うな水がないことに起因していると考えられてい
る。これらの膜に比べるとゲル化後のポリスルホ
ン膜中には、弱く結合した水があり、この水は80
℃以上の熱処理によつて樹脂から離れると考えら
れる。その結果、熱変形温度以下であれば、乾燥
温度による膜性能の変化が生じないと考えられ
る。 乾燥したポリスルホン膜に対する水の接触角は
約65〜70℃で撥水性を有するので、透水前に予め
この膜の臨界表面張力以下の表面張力を持ち、水
と相溶する液体、例えばメタノール、エタノー
ル、これらの水溶液、セツケン水などに浸して膜
中にこれらの液体を充填しておく必要がある。こ
のような処理をした膜を水に浸すと膜中の液体は
相互拡散によつて自然に水と置きかわる。 透水量の測定は、このような処理をした膜に1
Kg/cm2程度に加圧した水を接して、その透過量で
求められる。その結果、熱処理を加えた膜は、乾
燥前の透水量の20〜80%を示すが、熱処理しなか
つたものは高々5%に達するのみである。従つ
て、本発明の方法によつて透水量が15〜2500
〔/m2・hr・Kg/cm2〕のポリスルホン乾燥膜が
得られる。 以上述べたように、本発明によれば従来の方法
では得られなかつた高性能の乾燥ポリスルホン膜
が得られる。この膜は従来の用途にてそのまま使
用でき、かつ保存、装置の組立て、衛生、輸送面
で濡れた膜よりも多くの利点を有する。 以下、実施例によつて本発明を具体的に説明す
る。 実施例 1 芳香族ポリスルホンP1700(ユニオン・カーバ
イド社、商品名)20部(重量、以下同じ)をプロ
ピレングリコール15部とN−メチル−2−ピロリ
ドン65部との混合液に溶かした。この溶液をガラ
ス板上に105μの厚さで流延し、直ちに30℃の流
水に浸してゲル化し、そのまま1時間放置した。
この膜から多数の試験片を切り出し第1表に示し
た処理を加えて性能の評価を行なつた。但し、透
水テストの前には前記したように50%エチルアル
コール水溶液に乾燥膜を10分間浸し、次いで水に
浸す処理を行なつた。透水量は、膜の緻密層側に
約1Kg/cm2に加圧した約25℃の水を接し1時間後
の測定値を粘度補正(測定時の水の粘度÷25℃の
水の粘度を測定値に乗ずる)して単位(/m2・
hr・Kg/cm2)で表わした。排除率は有効面積5cm
×30cmの膜を使い断面の寸法が50mm(巾)×1mm
(高さ)の流路に約500ppmのポリエチレングリコ
ール(和光純薬製、PEG#20000)水溶液を平均
流速1m/秒、平均圧力0.3Kg/cm2で流し、1時
間後の値で表わした。但し、 排除率=供給液の濃度−透過液の濃度/供給液の濃度×
100(%) また含水率は、次式で求めた。 乾燥後の膜重量−150℃で5分間乾
燥した後の膜重量/150℃で5分間乾燥した後の膜重量
×100%
度の親水性を有している。親水性の膜をゲル化後
にそのまま乾燥すると大きく収縮し、性能も著る
しく劣化する。ところがポリ塩化ビニル膜の場合
には、本発明者等によつて確認もされたが、ゲル
化後、そのまま乾燥してもほとんど形状変化がな
く、性能も変化しない。このような差は親水膜中
には、樹脂と結合(水素結合など)して膜構造の
一部となつた水があり、撥水性の膜中にはこのよ
うな水がないことに起因していると考えられてい
る。これらの膜に比べるとゲル化後のポリスルホ
ン膜中には、弱く結合した水があり、この水は80
℃以上の熱処理によつて樹脂から離れると考えら
れる。その結果、熱変形温度以下であれば、乾燥
温度による膜性能の変化が生じないと考えられ
る。 乾燥したポリスルホン膜に対する水の接触角は
約65〜70℃で撥水性を有するので、透水前に予め
この膜の臨界表面張力以下の表面張力を持ち、水
と相溶する液体、例えばメタノール、エタノー
ル、これらの水溶液、セツケン水などに浸して膜
中にこれらの液体を充填しておく必要がある。こ
のような処理をした膜を水に浸すと膜中の液体は
相互拡散によつて自然に水と置きかわる。 透水量の測定は、このような処理をした膜に1
Kg/cm2程度に加圧した水を接して、その透過量で
求められる。その結果、熱処理を加えた膜は、乾
燥前の透水量の20〜80%を示すが、熱処理しなか
つたものは高々5%に達するのみである。従つ
て、本発明の方法によつて透水量が15〜2500
〔/m2・hr・Kg/cm2〕のポリスルホン乾燥膜が
得られる。 以上述べたように、本発明によれば従来の方法
では得られなかつた高性能の乾燥ポリスルホン膜
が得られる。この膜は従来の用途にてそのまま使
用でき、かつ保存、装置の組立て、衛生、輸送面
で濡れた膜よりも多くの利点を有する。 以下、実施例によつて本発明を具体的に説明す
る。 実施例 1 芳香族ポリスルホンP1700(ユニオン・カーバ
イド社、商品名)20部(重量、以下同じ)をプロ
ピレングリコール15部とN−メチル−2−ピロリ
ドン65部との混合液に溶かした。この溶液をガラ
ス板上に105μの厚さで流延し、直ちに30℃の流
水に浸してゲル化し、そのまま1時間放置した。
この膜から多数の試験片を切り出し第1表に示し
た処理を加えて性能の評価を行なつた。但し、透
水テストの前には前記したように50%エチルアル
コール水溶液に乾燥膜を10分間浸し、次いで水に
浸す処理を行なつた。透水量は、膜の緻密層側に
約1Kg/cm2に加圧した約25℃の水を接し1時間後
の測定値を粘度補正(測定時の水の粘度÷25℃の
水の粘度を測定値に乗ずる)して単位(/m2・
hr・Kg/cm2)で表わした。排除率は有効面積5cm
×30cmの膜を使い断面の寸法が50mm(巾)×1mm
(高さ)の流路に約500ppmのポリエチレングリコ
ール(和光純薬製、PEG#20000)水溶液を平均
流速1m/秒、平均圧力0.3Kg/cm2で流し、1時
間後の値で表わした。但し、 排除率=供給液の濃度−透過液の濃度/供給液の濃度×
100(%) また含水率は、次式で求めた。 乾燥後の膜重量−150℃で5分間乾
燥した後の膜重量/150℃で5分間乾燥した後の膜重量
×100%
【表】
【表】
この表に見られるように熱処理後の膜は、乾燥
温度が変つても性能は変化しない。また処理温度
によつて最適な処理時間が異なることを示してい
る。 実施例 2 ポリスルホンP1700、プロピレングリコール、
N−メチル−2−ピロリドンの重量比が22:14:
64の溶液を内径24.3mm、外径24.9mm、長さ3mの
ポリエステル製不織布管の内側に190μの厚さで
塗布した後、直ちに40℃の流水中に浸してゲル化
し、そのまま1時間放置した。同様にして、数本
の管状膜を作つた。これらの膜を95〜98℃の熱水
中に時間を変えて浸した後、室温で一昼夜乾燥し
てから実施例1と同様にして膜性能を評価した。
結果を第2表に示す。
温度が変つても性能は変化しない。また処理温度
によつて最適な処理時間が異なることを示してい
る。 実施例 2 ポリスルホンP1700、プロピレングリコール、
N−メチル−2−ピロリドンの重量比が22:14:
64の溶液を内径24.3mm、外径24.9mm、長さ3mの
ポリエステル製不織布管の内側に190μの厚さで
塗布した後、直ちに40℃の流水中に浸してゲル化
し、そのまま1時間放置した。同様にして、数本
の管状膜を作つた。これらの膜を95〜98℃の熱水
中に時間を変えて浸した後、室温で一昼夜乾燥し
てから実施例1と同様にして膜性能を評価した。
結果を第2表に示す。
【表】
実施例 3
ポリスルホンP1700、プロピレングリコール、
N−メチル−2−ピロリドンの重量比が14:20:
66の溶液を使用した以外実施例2と同様にして膜
性能を評価した。結果を第3表に示す。
N−メチル−2−ピロリドンの重量比が14:20:
66の溶液を使用した以外実施例2と同様にして膜
性能を評価した。結果を第3表に示す。
【表】
実施例 4
ポリエーテルスルホンP300(アイ・シー・アイ
社、商品名)、プロピレングリコール、N−メチ
ル−2−ピロリドンの重合比が26:13:61の溶液
を使つた以外実施例2と同様にして膜性能を評価
した。結果を第4表に示す。
社、商品名)、プロピレングリコール、N−メチ
ル−2−ピロリドンの重合比が26:13:61の溶液
を使つた以外実施例2と同様にして膜性能を評価
した。結果を第4表に示す。
Claims (1)
- 【特許請求の範囲】 1 ポリスルホンの溶液を支持体上に流延して液
状のフイルムを形成させるか、又は中空糸状の液
状フイルムを形成させた後、該ポリスルホンの非
溶剤で、しかもポリスルホンの溶剤と相溶する液
体に浸して液状フイルムを凝固させ、更に80℃以
上の温水又は水を主体とする水性液体に1分間以
上3時間以下浸してからポリスルホン膜の熱変形
温度以下で乾燥することを特徴とする乾燥芳香族
ポリスルホン半透膜の製造方法。 2 ポリスルホンが下記の繰返し単位()、
()又は()からなる重合体である特許請求
の範囲第1項記載の乾燥ポリスルホン半透膜の製
造方法。 (但し、式中、Ar、Ar′は、それぞれフエニル
基、ジフエニル基もしくは非解離基を持つたこれ
らの置換体である。)
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP14923580A JPS5771606A (en) | 1980-10-23 | 1980-10-23 | Dry polysulfone semipermeable membrane and manufacture thereof |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP14923580A JPS5771606A (en) | 1980-10-23 | 1980-10-23 | Dry polysulfone semipermeable membrane and manufacture thereof |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPS5771606A JPS5771606A (en) | 1982-05-04 |
JPH0122008B2 true JPH0122008B2 (ja) | 1989-04-25 |
Family
ID=15470825
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP14923580A Granted JPS5771606A (en) | 1980-10-23 | 1980-10-23 | Dry polysulfone semipermeable membrane and manufacture thereof |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JPS5771606A (ja) |
Families Citing this family (9)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JPS588504A (ja) * | 1981-07-08 | 1983-01-18 | Toyobo Co Ltd | ポリスルホン中空繊維気体分離膜 |
JPS5849403A (ja) * | 1981-09-16 | 1983-03-23 | Nitto Electric Ind Co Ltd | ポリスルホン乾燥半透膜の湿潤化方法 |
JPS60156509A (ja) * | 1983-10-21 | 1985-08-16 | Daicel Chem Ind Ltd | チユ−ブ状半透膜の製造方法 |
JPS60190204A (ja) * | 1984-03-09 | 1985-09-27 | Sumitomo Bakelite Co Ltd | ポリスルホン系樹脂膜の改質方法 |
JPS6227025A (ja) * | 1985-07-29 | 1987-02-05 | Teijin Ltd | 気体分離用複合膜 |
DE3614594A1 (de) * | 1986-04-30 | 1988-01-07 | Basf Ag | Hochtemperaturbestaendige formmassen |
JPH0729030B2 (ja) * | 1986-11-05 | 1995-04-05 | ダイセル化学工業株式会社 | 中空糸型膜モジユ−ルの製造方法 |
DE3719632A1 (de) * | 1987-06-12 | 1988-12-29 | Basf Ag | Polymermischungen auf der basis von polyarylethersulfonen |
RU2617652C1 (ru) * | 2015-12-24 | 2017-04-25 | Открытое акционерное общество "Институт пластмасс имени Г.С. Петрова" | Способ коагуляционного выделения полисульфона |
Citations (3)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JPS50141585A (ja) * | 1974-05-02 | 1975-11-14 | ||
JPS54144456A (en) * | 1978-05-03 | 1979-11-10 | Rhone Poulenc Ind | Polymer composition for membrane |
JPS54146279A (en) * | 1978-05-03 | 1979-11-15 | Rhone Poulenc Ind | Ultraafiltration membrane and its manufacture |
-
1980
- 1980-10-23 JP JP14923580A patent/JPS5771606A/ja active Granted
Patent Citations (3)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JPS50141585A (ja) * | 1974-05-02 | 1975-11-14 | ||
JPS54144456A (en) * | 1978-05-03 | 1979-11-10 | Rhone Poulenc Ind | Polymer composition for membrane |
JPS54146279A (en) * | 1978-05-03 | 1979-11-15 | Rhone Poulenc Ind | Ultraafiltration membrane and its manufacture |
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
JPS5771606A (en) | 1982-05-04 |
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