JPH0121574Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 〔考案の技術分野〕 本考案は、ジヤンパー線により電気的に接続し
たまま複数個に分割可能なプリント配線板に関す
る。

〔考案の技術的背景とその問題点〕

一般に、プリント配線板の組立ては、電気部品
及びジヤンパー線を自動挿入機によつてプリント
配線板に挿入し、半田付けの後上記ジヤンパー線
とほぼ直交する方向に上記プリント配線板を分割
することによつて行なつている。

この種のプリント配線板は、第１図及び第２図
に示す如くの構成になつている。即ち、プリント
配線板１０に複数のミシン孔１による分割線を設
けて、このプリント配線板１０を基板１１，１２
に分割可能に形成すると共に、ミシン孔１の両側
に挿入孔２を穿設してこれら挿入孔２にジヤンパ
ー線３の両端部を夫々挿入固定して基板１１，１
２を電気的に接続したものである。なお、４は電
気部品、５は銅箔、６はジヤンパー線３の両端部
を銅箔５に接続固定する半田であり、１３は上記
プリント配線板１０の折曲時に、ジヤンパー線３
への引張力を極力小さくする効果を有する丸孔で
ある。

上記構成のプリント配線板１０を第３図に示す
如くミシン孔１に沿つて分断し、基板１１，１２
を直角に折り曲げて、プリント配線板組立てを行
なう。しかし、この折り曲げの際丸孔１３にて上
記ジヤンパー線３が引伸ばされるを極力押えてい
るものの、これでもやはり挿入孔２、銅箔５及び
半田６に引張力が加わり、挿入孔割れ、銅箔剥
れ、半田付け外れ等の不都合が生じさらには、ジ
ヤンパー線３の切断事故が生じる欠点があつた。
そのため、ジヤンパー線３をプリント配線板１０
から浮かして挿入することが考えられるが、その
長さの調整が難しく、自動挿入の作業性が悪くな
るという問題点を有する。

そこで、上記欠点を解決するべく第４図及び第
５図に示す如くのプリント配線板が提案された。
なお、第１図乃至第３図と同一機能を有する部分
には同一番号を付してその説明を省略する。即
ち、このプリント配線板２０は第１図乃至第３図
における丸孔１３の換わりに、ジヤンパー線３に
沿つて細長い長孔２３を設けたものである。この
長孔２３の長孔長を大きく設定しておけば、上述
の折り曲げ時の引張力が加わらないので挿入孔割
れ、銅箔剥れ、半田付け外れ等の不都合及びジヤ
ンパー線３の切断事故が生じることはなく、さら
にジヤンパー線３に緩みを必要としないため自動
挿入機によるジヤンパー線３の自動配線処理が良
好に行なえ、作業性を向上させることができた。

しかしながら、長孔２３の長孔長を大きくする
ことはジヤンパー線３及び電気部品４等を自動挿
入した後の自動半田付け工程において、フラツク
スが電気部品４等に付着するという問題がある。
即ち、半田付け前においてプリント配線板２０へ
フラツクスが付着したり、あるいは半田付け時に
おけるフラツクスの飛散により電気部品４等へフ
ラツクスが付着する。このフラツクスの付着によ
り、例えば電気部品４がボリユームである場合に
は可変不良が生じ、またスイツチの場合には切換
不良が発生していた。特に、近年のボリユームは
カバーで覆われておらず、抵抗部分が露呈してい
るボリユームを用いるのがポータブル音響機器に
おいては一般的であり、これが上記フラツクスが
付着して生じる接触不良の頻発原因となつてい
た。

〔考案の目的〕

本考案は、組立、調整時等における断線事故を
防止することができると共に、半田付け工程時に
おける電気部品等の接触不良をも防止することが
可能なプリント配線板を提供することを目的とす
る。

〔考案の概要〕

この考案では、ジヤンパー線により電気的に接
続され複数に分割可能なプリント配線板におい
て、上記ジヤンパー線を略直交して設けられた２
条の切り込みによつて先端部がジヤンパー線と垂
直方向に可動する切片を形成するとともに、上記
切り込みの延長上に分割するためのミシン孔を穿
設することによつて上記目的を達成している。

〔考案の実施例〕

以下、図面を参照して本考案のプリント配線板
に係る一実施例について説明する。なお、第１図
乃至第６図と同一機能を有する部分には同一番号
を付してその説明を省略する。

本実施例を示す第７図及び第８図において、複
数に分割されるべき基板３１，３２には、２条の
切り込み部３５が設けられ、先端部が上記基板３
１，３２と略垂直方向に可動する切片３３，３４
が形成されている。この基板３１，３２及び切片
３３，３４は上記切り込み部３５及びこの切り込
み３５の延長上に穿設されたミシン孔１により分
割可能となつている。また、切り込み部３５の両
側に挿入孔２が穿設され、これら挿入孔２にジヤ
ンパー線３の両端部を夫々挿入して銅箔５に半田
６によつて固定することにより基板３１，３２を
電気的に接続している。また、上述の如く切り込
み部３５によつて分割した切片３３，３４がこれ
の先端部から基板３１，３２とジヤンパー線３と
ともに湾曲するが、孔３６を切り込み部３５と直
交して穿設することによつて、切片３３，３４は
この孔３６を支点としてさらに湾曲しやすくな
る。

上記のように構成されたプリント配線板３０を
第９図に示す如くミシン孔１及び切り込み部３５
に沿つて分断し、基板３１，３２を直角に折り曲
げるプリント配線板組立てについて説明する。上
述した如く切片３３，３４はジヤンパー線３と垂
直方向に可動するので、基板３１，３２を折り曲
げる際のジヤンパー線３に加わる引張力は切片３
３，３４が撓むことによつて吸収される。そのた
め、ジヤンパー線３の切断事故及び挿入孔割れ、
銅箔剥れ、半田付け外れ等の不都合は生じない。
さらに、ジヤンパー線３を緩みを持たせて挿入孔
２に挿入する必要がないので、自動挿入機による
ジヤンパー線３の自動挿入処理が良好に行なえ、
作業性を向上させることができる。

また、上記構成のプリント配線板３０において
は、ミシン孔１、挿入孔２、切り込み部３５、孔
３６の面積は非常に微少である。従つて、ジヤン
パー線３及び電気部品４等を自動挿入した後の自
動半田付工程において、従来問題となつていたフ
ラツクスが電気部品４へ付着するという状態がな
くなる。そのため、フラツクスによる電気部品４
の接触不良等が発生せず、半田付け工程における
歩留りが向上する。

次に第１０図を参照して、本考案の他の実施例
について説明する。

この実施例においては、第７図に示す実施例で
は切片３３，３４が内側に対向して形成されてい
たのに対し、切片４３，４４は外側に向けて形成
されている。従つて、ジヤンパー線３の切断事故
及び電気部品４へのフラツクスの付着等を防止で
きるとともに、ジヤンパー線３を基板４１，４２
の縁部に配設することができる。

〔考案の効果〕

本考案によれば、自動半田付け工程においてフ
ラツクスによる電気部品の接触不良を防止でき
る。さらに、プリント配線板組立てにおいて、ジ
ヤンパー線の切断事故、挿入孔割れ、銅箔剥れ、
半田付け外れをも防止することが可能である。

【図面の簡単な説明】

第１図及び第４図は従来のプリント配線板の平
面図、第２図及び第５図は夫々第１図及び第４図
のＡ−A′線による断面図、第３図及び第６図は
夫々第１図及び第４図の一使用例を示す断面図、
第７図は本考案のプリント配線板に係る一実施例
を示す平面図、第８図は第７図のＡ−A′線によ
る断面図、第９図は第７図の一使用例を示す断面
図、第１０図は本考案の他の実施例を示す平面図
である。 １……ミシン孔、２……挿入孔、３……ジヤン
パー線、４……電気部品、３１，３２，４１，４
２……基板、３３，３４，４３，４４……切片、
３５，４５……切り込み部、３６，４６……孔。

Claims (1)

1. 【実用新案登録請求の範囲】 複数に分割される基板と、 この基板に設けられた２条の切り込み及び分割
   孔によつて形成され、該基板の分割時に除去され
   る補助基板と、 この補助基板に前記２条の分割孔側を基端部と
   して前記２条の切り込み側の先端部が前記基板か
   ら遊離して形成されるものであつて、該先端部が
   該基板と略垂直方向に可動する可動切片と、 この可動切片をまたいで前記基板に配置され、
   分割される該基板を電気的に接続するジヤンパー
   線とを具備したことを特徴とするプリント配線
   板。