JP3661261B2 - フラットケーブル - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、電子機器内部に実装した部品間、例えばプリント配線板間を接続するフラットケーブルに関する。
【0002】
【従来の技術】
従来のフラットケーブルを図9に図示し、図10にフラットケーブルを介して接続するプリント配線板の一例を示す。
【0003】
図10において、電気的に接続しようとする2つのプリント配線板1-1,1-2 は、選択した側縁が近接して対向するように、図示省略した電子機器筐体内に搭載されている。
【0004】
一方のプリント配線板1-1 の側縁に沿ってn個のパッド2-1a,2-1b,・・・・,2-1n を等ピッチで配列している。また他方のプリント配線板1-2 の側縁に沿って、前記のパッド2-1a,2-1b,・・・・,2-1n に対向して同数のパッド2-2a,2-2b,・・・・,2-2n を配列している。
【0005】
両者のプリント配線板1-1,1-2 を電気的に接続する配線材として、フラットケーブルが最適である。
図9に図示したように従来のフラットケーブル100 は、複数(プリント配線板のパッド数に等しい本数)の断面が矩形状の導電性金属(例えば銅)からなる心線110 を、帯状の絶縁被覆層(ポリイミド樹脂層,ポリエステル樹脂層等)120 内に等ピッチ(パッドの配列ピッチに等しいピッチ)で平行に並べて固着している。
【0006】
またそれぞれの心線110 の端末は、絶縁被覆層120 の対向する端面から外側に延伸させ心線を裸出させて接合部110aとしている。
このようなフラットケーブルは、数十μm の厚さの銅箔を絶縁フィルム(ポリイミドフィルム,ポリエステルフィルム等)の全面に貼着した後に、所定幅の所望の本数の心線を銅箔をエッチングして配列形成する。そして絶縁フィルムの心線が形成された面に他の絶縁フィルムを貼着し、配列した心線を2枚の絶縁フイルムで挟んだ状態で製作されている。
【0007】
或いは厚さが約0.1mm ,幅が所望寸法の銅条を、等ピッチで配列して絶縁被覆層内にインサート成形して製作されている。
上述のようにフラットケーブルは、厚さが薄くて柔軟性に富む心線を、薄くて柔軟な絶縁被覆層でサンドウィッチ状にしたものであるから、可撓性が優れている。
【0008】
このようなフラットケーブル100 を用いて、プリント配線板1-1,1-2 間を接続するには、まず一方のプリント配線板1-1 のパッド2-1a,2-1b,・・・・,2-1n に、フラットケーブル100 の心線110 の一方の接合部110aをそれぞれを重ね半田付けする。そして、他方のプリント配線板1-2 のパッド2-2a,2-2b,・・・・,2-2n に、フラットケーブル100 の心線110 の他方の接合部110aをそれぞれを重ね半田付けするものである。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】
一般に、断面矩形状の材料は、板材の表面に垂直方向には撓み性があるが、板材の表面に平行な方向の剛性が大きいので表面に平行する面内では可撓性は殆どない。
【0010】
フラットケーブルは、上述のように断面矩形状の心線がその表面が絶縁被覆層の面に平行するように組み込まれたものであるから、フラットケーブルの表面に垂直方向の可撓性及び捩じれ性に富んでいる。しかしフラットケーブルの表面に平行する面内では可撓性は殆どない。
【0011】
ところで、電気的に接続すべき対向して実装されたプリント配線板1-1,1-2 が図11に図示したように一方のプリント配線板1-1 のパッド2-1a,2-1b,・・・・,2-1n と、他方のプリント配線板1-2 のパッド2-2a,2-2b,・・・・,2-2n が同一線上になくてずれ(a) がある場合に、一方のプリント配線板(例えばプリント配線板1-1 )のパッドに接合部(心線の端部)を先に半田付けし、その後、他方のプリント配線板(例えばプリント配線板1-2 )のパッドに反対側の接合部(心線の他方の端部)を半田付けしようとすると、その接合部を対応するパッドに位置合わせすることが困難になる。
【0012】
即ち、近接して対向配置した部品(例えばプリント配線板)の接続部(例えばパッド,スルーホール等)にずれがあると、この両部品をフラットケーブルを介して接続することが出来なくなるという問題点があった。
【0013】
本発明はこのような点に鑑みて創作されたもので、対向配置された部品の接続部に位置ずれがあっても、接続作業が容易なフラットケーブルを提供することを目的としている。
【0014】
【課題を解決するための手段】
上記の目的を達成するために本発明は、図1に例示したように、複数の心線11が絶縁被覆層12内を並列して貫通するフラットケーブルにおいて、
絶縁被覆層12は、絶縁被覆層12の両端部以外の箇所の心線11をそれぞれ部分的に分離するスリット13を有するスリット形成部15を有し、心線11は、スリット形成部15の断面形状が方形であり、表面が絶縁被覆層12の表面に対して傾斜している構成とする。
【0015】
或いは、スリット形成部15の傾斜角が、90度であるものとする。
上述のように、絶縁被覆層12にスリット13を設けてそれぞれの心線11を部分的に分離し、さらにスリット形成部15の方形の心線の表面を傾斜させたことにより、スリット形成部15は、絶縁被覆層12の表面面に平行する方向に対して断面二次モーメントが小さくなり可撓性を有することになる。また、スリット形成部15以外の部分は絶縁被覆層12の表面に垂直の方向の可撓性を有する。
【0016】
したがって、電気的に接続すべき対向配置されたプリント配線板の接続すべき対応するパッド等の接続部間に位置ずれがあっても、接続作業が容易となる。
上述のスリット形成部15の心線部分は、それぞれ心線被覆層12a により被覆されているので、スリット形成部が屈曲して隣接したスリット形成部に接触することがあっても、スリット形成部の心線同士が短絡することがない。
【0017】
また本発明に係わる心線の素材を箔状又は平板条とする。或いは心線の素材を図4に例示したように丸線又は正方形線とする。
図5に例示したように、絶縁被覆層12層の前後の両端部に形成された裸出した心線11が並列した端接合部帯11A と、絶縁被覆層12の帯状部分が等ピッチで中断され、中断された部分に形成された裸出した心線11が並列した中間接合部帯11B と、それぞれの端接合部帯11A と中間接合部帯11B の間に形成された心線の表面が傾斜したスリット形成部15とを、有する構成とする。
【0018】
上述のように構成されたフラットケーブルは、所謂多数個取りのフラットケーブルとなる。即ち絶縁被覆層12の帯状部分内に設けた中間接合部帯11B のそれぞれの心線11を2等分するように切断することで、複数のフラットケーブルに分離することができる。
【0019】
図6に図示したように、フラットケーブルの端部に、裸出した心線が並列した端接合部帯11A を有し、絶縁体よりなる補強板19を、端接合部帯11A の一方の片面と片面に隣接する絶縁被覆層12の片面に架橋するように貼着した構成とする。
【0020】
このように補強板19を有するフラットケーブルは、プリント配線板に搭載したソケットの開口にフラットケーブルの端部を差し込むことが容易となる。したがって、フラットケーブルをプリント配線板に着脱自在に接続できる。
【0021】
図7に例示したように、帯状の絶縁被覆層22と、断面形状が方形で方形の表面が絶縁被覆層22の表面面に対して傾斜し絶縁被覆層22内を並列して貫通する複数の心線21と、心線21をそれぞれ部分的に分離すべく絶縁被覆層22の両端部以外の箇所の心線21間に設けた複数のスリット23とを有する構成とする。
【0022】
上述のようなフラットケーブル20は、心線21の表面が絶縁被覆層22の表面に対して傾斜しているので、絶縁被覆層22の表面面に平行する方向に対して可撓性がある。
【0023】
したがって、同一平面内に実装されたパッドに位置ずれがあるプリント配線板間を接続するフラットケーブルに適用して効果がある。
なお、心線が裸出した接合部を設けてない上述のフラットケーブル20は、フラットケーブル端部に圧接型コネクタを装着し、この圧接型コネクタをプリント配線板に搭載したプリントコネクタにプラグインすることで、プリント配線板間を接続できる。
【0024】
図8に例示したように、心線の少なくとも一方の端部が、絶縁被覆層22の端縁から裸出して突出して接合部21a となり、接合部21a の表面が絶縁被覆層22の表面に平行している構成とする。
【0025】
このような接合部21a を設けることで、プリント配線板のパッドに接合部21a を半田付けして接続することが容易となる。
【0026】
【発明の実施の形態】
以下図を参照しながら、本発明を具体的に説明する。なお、全図を通じて同一符号は同一対象物を示す。
【0027】
図1は本発明の実施形態(1)の図、図2は本発明のフラットケーブルの使用状態を示す図、図3は実施形態(2)の平面図である。
図4は心線の一実施形態の斜視図、図5は実施形態(3)の平面図であり、図6は実施形態(4)の図である。
【0028】
図7は実施形態(5)の図であり、図8は実施形態(6)の平面図である。
図1,2において、11は、断面が矩形状の導電性金属(例えば銅)からなる心線である。12は、ポリイミド樹脂又はポリエステル樹脂等の絶縁性の絶縁被覆層である。
【0029】
複数(プリント配線板のパッド数に等しい本数)の心線11が絶縁被覆層12内を並列して貫通している。それぞれの心線11の端部は、心線被覆層12a がなくて心線が裸出している接合部11a とし、絶縁被覆層12の前後の端縁からそれぞれ突出させている。したがって、フラットケーブル10の前後の端部には、図2に示すプリント配線板の配列したパッド群に接続する端接合部帯11A となっている。
【0030】
一方、絶縁被覆層12のほぼ中央部のそれぞれの心線11間にスリット13を設け、心線11を分離してスリット形成部15としている。スリット形成部15の心線11の外周面が心線被覆層12a で被覆されていることは勿論のことである。
【0031】
そして、このスリット形成部15の心線は断面が矩形であり、その表面は、詳細を図1の(B)に図示したように絶縁被覆層12の表面に対して90度傾斜させている。
【0032】
上述のように、絶縁被覆層12にスリット13を設けてそれぞれの心線11が部分的に分離されたスリット形成部15を設け、スリット形成部15の断面矩形状の心線の表面を傾斜させているので、スリット形成部15は絶縁被覆層12の表面に平行する方向に対して断面二次モーメントが小さくなり可撓性を有し、スリット形成部15以外の部分は絶縁被覆層12の表面に垂直の方向に可撓性を有する。
【0033】
一方、図2に図示したように、電気的に接続しようとする2つのプリント配線板1-1,1-2 は、選択した側縁が近接して対向するように、図示省略した電子機器筐体内に搭載され、一方のプリント配線板1-1 の側縁に沿ってn個のパッド2-1a,2-1b,・・・・,2-1n が等ピッチで配列している。
【0034】
また他方のプリント配線板1-2 の側縁に沿って、前記のパッド2-1a,2-1b,・・・・,2-1n に対向して同数のパッド2-2a,2-2b,・・・・,2-2n を配列している。しかしプリント配線板1-2 のパッド2-2a,2-2b,・・・・,2-2n は、プリント配線板1-1 のパッド2-1a,2-1b,・・・・,2-1n とはずれ(a)がある。
【0035】
このようなフラットケーブル10を用いて、プリント配線板1-1,1-2 間を接続するには、まず一方のプリント配線板1-1 のパッド2-1a,2-1b,・・・・,2-1n に、フラットケーブル10の一方の端接合部帯11A の接合部110aをそれぞれを重ね半田付けする。
【0036】
そして、スリット形成部15部分でフラットケーブル10を絶縁被覆層12の表面方向に曲げ、他方のプリント配線板1-2 のパッド2-2a,2-2b,・・・・,2-2n に、フラットケーブル10の他方の端接合部帯11A の接合部110aをそれぞれを位置合わせして重ね半田付けする。
【0037】
図3に図示したフラットケーブルは、並列したスリット形成部15を帯状の絶縁被覆層12内に2箇所に設けたものである。
このように複数の並列したスリット形成部15を設けることで、ずれ量が大きいパッド間の接続に効果がある。
【0038】
上述の図1,2,3に図示したフラットケーブル10は、数十μm の厚さの銅箔を絶縁フィルムの全面に貼着(銅箔の前後の側縁は絶縁フィルムより外側に突出させて貼着する)した後に、所定幅の所望の本数の心線11を銅箔をエッチングして配列形成する。
【0039】
そして、絶縁フィルムの心線が形成された面に他の絶縁フィルムを貼着し、配列した心線を2枚の絶縁フイルムで挟んだ状態で製作し、その後心線11間にスリット13を設けてスリット形成部15とし、このスリット形成部15を治具を用いて90度捩じり、スリット形成部15の面を絶縁被覆層12の面に対して90度にする。
【0040】
或いは厚さが約0.1mm ,幅が所望寸法の銅条からなる心線11を、等ピッチで配列して絶縁被覆層内にインサート成形して製作した後に、前述と同様にスリット13を設け、スリット形成部15の表面を傾斜させても良い。
【0041】
図4に図示したフラットケーブルの心線11-1の素材は、直径が0.1mm 前後の銅線である。
このような円線状の心線11-1は、後工程の絶縁被覆層にスリットを設ける対応する箇所を予め圧延して、断面ほぼ矩形状のスリット形成部15-1を設け、スリット形成部15-1の表面が絶縁被覆層の表面に垂直になるようにモールド型を用いてでインサート成形し、フラットケーブルとする。
【0042】
また図示省略したが、心線の素材を円線に代わって、正方形線としても良い。素材が円線(又は正方形線)の心線を有するフラットケーブルは、絶縁被覆層12の端縁から外側に突出した接合部の断面が、円形(又は正方形) である。
【0043】
したがって、フラットケーブルの端部にコネクタを装着し、このコネクタを接続すべきプリント配線板に搭載したプリント板コネクタに、プラグインしてプリント配線板間を接続するのに効果的である。
【0044】
また、心線の端部が絶縁被覆層の側縁縁から突出していないフラットケーブルは、心線の端末を圧接型コネクタの端子のフォーク部に圧入することで、フラットケーブルの端部に簡単に圧接型コネクタを装着することができる。
【0045】
この圧接型コネクタを接続すべきプリント配線板に搭載したプリント板コネクタに、プラグインしてプリント配線板間を接続するのに効果的である。
図5に図示したフラットケーブルは、心線11が裸出した接合部11a が並列した端接合部帯11A を絶縁被覆層12の前後の両端部に設けている。また、絶縁被覆層12の帯状部の中央部を中断して、心線11を裸出させて、中間接合部帯11B を設けている。
【0046】
また、それぞれの端接合部帯11A と中間接合部帯11B との間にスリット13を設けて、このスリット11に隣接する部分に、心線の表面が絶縁被覆層12の表面に対して傾斜したスリット形成部15を設けている。
【0047】
上述のように構成されたフラットケーブルは、所謂多数個取りのフラットケーブルとなる。即ち絶縁被覆層12の帯状部分内に設けた中間接合部帯11B のそれぞれの心線の接合部11a を2等分する鎖線ZーZに沿って切断することで、2個のフラットケーブルに分離することができる。
【0048】
図6は他の実施形態の図で、 (A)は表面図、(B) は接続状態を示す正面図である。
図6の(A) に図示したように、フラットケーブル10は、複数(プリント配線板の接続端子数に等しい本数)の心線11が絶縁被覆層12内を並列して貫通し、絶縁被覆層12の端縁から突出したそれぞれの心線11の端部は、心線被覆層12a がなくて接合部11a となっている。
【0049】
また絶縁被覆層12のほぼ中央部のそれぞれの心線11間に、図示省略したスリットを設け、心線の表面が傾斜したスリット形成部15を設けている。
そして、絶縁被覆層12の心線11が裸出した接合部11a が並列してなる端接合部帯11A の片面と、端接合部帯11A の片面に隣接する絶縁被覆層12の片面に架橋するよう、剛性ある絶縁板よりなる補強板19を貼着している。
【0050】
このように接合部帯11A に補強板19を設けたフラットケーブル10は、プリント配線板に搭載したソケットに接続するものである。
図6の(B) に図示したように、電子機器の筐体内に、一方のプリント配線板1-1 が実装され、そのプリント配線板1-1 の下方に平行して他方のプリント配線板1-2 が実装されている。
【0051】
一方のプリント配線板1-1 の側縁にソケット3-1 が搭載され、他方のプリント配線板1-2 の対向する側縁に、ソケット3-1 と同型の他のソケット3-2 が搭載されている。
【0052】
プリント配線板1-2 に実装されたソケット3-2 は、上方のプリント配線板1-1 に搭載された対向するソケット3-1 とはずれ(a)がある。
ソケットは、図6の(A) に図示したようにハウジング端面側が開口した挿着孔を有し、挿着孔内に弾性ある接触子3-1aを配設している。
【0053】
前述のように接合部帯11A に部分に補強板19を有するフラットケーブル10は、相対的に位置ずれした状態でプリント配線板に搭載されたソケットの挿着孔に、端末の接合部帯11A を差し込むことで、それぞれの心線11の接合部11a が対応するソケットの接触子3-1aに圧接し接続される。
【0054】
したがって、前述のフラットケーブル10は、挿抜自在にソケットに接続することができるという効果を有する。
図7において、21は、断面形状が矩形状(板厚がほぼ0.1mm 前後)の良導電材(例えば銅条)からなる心線である。
【0055】
矩形の表面が絶縁被覆層の表面に対して90度傾斜するように、複数の心線21が等ピッチで配列して絶縁被覆層22内にインサート成形され、さらに、心線間の両端部以外の箇所に心線21をそれぞれ部分的に分離する複数のスリット23を設けてフラットケーブル20としている。
【0056】
上述のようなフラットケーブル20は、心線21の表面が絶縁被覆層22の面に直角であるので、絶縁被覆層の面に平行する方向に対して可撓性があり、且つ捩れ性にも富んでいる。
【0057】
なお、心線21の面が90度傾斜していなくて、例えば45度傾斜しているフラットケーブル20は、絶縁被覆層22の面に垂直の方向、及び絶縁被覆層22の面に平行する方向の両者に対して可撓性がある。また捩れ性に富んでいることは勿論である。
【0058】
図7に図示したように心線21の端部と絶縁被覆層の端縁が一致しているフラットケーブル20は、心線21の心線の端末を圧接型コネクタの端子のフォーク部に圧入して、フラットケーブルに圧接型コネクタを装着し、この圧接型コネクタを接続すべきプリント配線板に搭載したプリント板コネクタに、プラグインしてプリント配線板間を接続する。
【0059】
図8に図示したフラットケーブル20は、図7に図示したそれぞれの心線21の一方の端部を、絶縁被覆層22の端縁から突出させ裸出して接合部21a としている。そしてこの接合部21a は、表面が絶縁被覆層22の表面に平行するように成形されている。
【0060】
上述のように絶縁被覆層22の表面に平行する表面を有する心線21の接合部21a を設けたフラットケーブル20は、それぞれの接合部21a をプリント配線板のパッドに半田付けするものとする。
【0061】
【発明の効果】
本発明は、以上のように構成されているので、以下に記載されるような効果を奏する。
【0062】
絶縁被覆層の心線間に両端部以外の箇所で心線をそれぞれ部分的に分離するスリットを設け、スリット形成部の表面を絶縁被覆層の表面に対して傾斜した構成としたことにより、絶縁被覆層の表面に平行する方向に対しても可撓性が付与されるので、水平面内或いは上下に対向配置されたプリント配線板の接続すべき対応するパッド等の接続部間に位置ずれがあっても、一対のプリント配線板をフラットケーブルを介して接続することが簡単となる。
【0063】
心線が裸出した端接合部帯、スリット形成部、心線が裸出した中間接合部帯、スリット形成部、をこの順に交互に形成し最後に端接合部帯を設けたフラットケーブルは、多数個取りのフラットケーブルとなるので量産向きで、得られるフラットケーブルが低コストである。
【0064】
裸出した心線が並列した端接合部帯の片面と、端接合部帯の片面に隣接する絶縁被覆層の片面に架橋するよう絶縁板よりなる補強板を貼着したフラットケーブルは、プリント配線板に搭載したソケットの開口にフラットケーブルの端部を差し込むことが容易となり、フラットケーブルをプリント配線板に着脱自在に接続できる。
【0065】
帯状の絶縁被覆層と、断面形状が矩形で表面が絶縁被覆層の面に対して所望の角度だけ傾斜して絶縁被覆層内を並列して貫通する心線と、心線をそれぞれ部分的に分離べく心線間の両端部以外の箇所に設けた複数のスリットとを備えたフラットケーブルは、心線の表面が絶縁被覆層の表面に対して傾斜しているので、絶縁被覆層の面に平行する方向に対しても可撓性がある。
【0066】
裸出した心線が並列した接合部を設けてない上述のフラットケーブルは、フラットケーブル端部に圧接型コネクタを装着することで、接続すべき対向する部品間をコネクタ接続することができる。
【0067】
それぞれの心線の少なくとも一方の端部を、絶縁被覆層の端縁から突出させ心線を裸出させ接合部とし、接合部の表面を絶縁被覆層の表面に平行するように成形したフラットケーブルは、プリント配線板のパッドに半田付けして接続することが容易である。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の実施形態(1)の図で、
(A)は平面図、(B) は(A) の鎖線X−X部分の断面図である。
【図2】 本発明の使用状態を示す図である。
【図3】 実施形態(2)の平面図である。
【図4】 心線の一実施形態の斜視図である。
【図5】 実施形態(3)の平面図である。
【図6】 実施形態(4)の図で、
(A)は表面図、(B) は接続状態を示す正面図である。
【図7】 実施形態(5)の図で、
(A)は平面図、(B) は(A) の鎖線X−X部分の断面図である。
【図8】 実施形態(6)の平面図である。
【図9】 従来のフラットケーブルの平面図である。
【図10】 プリント配線板の斜視図である。
【図11】 問題点を説明する図である。
【符号の説明】
1-1,1-2 プリント配線板
3-1,3-2 ソケット
3-1a 接触子
10,20,100 フラットケーブル
11,11-1,110 心線
11a,21a,110a 接合部
11A 端接合部帯
11B 中間接合部帯
12,22,120 絶縁被覆層
12a,22a 心線被覆層
13,23 スリット
15,15-1 スリット形成部
19 補強板
2-1a,2-1b,・・・・,2-1n,2-2a,2-2b,・・・・,2-2n パッド

Claims (7)

  1. 複数の心線が絶縁被覆層内を並列して貫通するフラットケーブルにおいて、
    該絶縁被覆層は、該絶縁被覆層の両端部以外の箇所の該心線間に、該心線をそれぞれ部分的に分離するスリットを有するスリット形成部を有し、
    該スリット形成部における該心線の断面形状が方形であり、該心線の表面がスリット形成部以外の該絶縁被覆層の表面に対して傾斜していることを特徴とするフラットケーブル。
  2. 前記スリット形成部の傾斜角が、90度であることを特徴とする請求項1記載のフラットケーブル。
  3. 前記心線の素材が箔状又は平板状であることを特徴とする請求項1又は2記載のフラットケーブル。
  4. 前記心線の素材が丸線又は正方形線で、前記スリット形成部の断面形状が方形であることを特徴とする請求項1または2記載のフラットケーブル。
  5. 前記絶縁被覆層の前後の両端部に形成された裸出した心線が並列した端接合部帯と、
    該絶縁被覆層の帯状部分が等ピッチで中断され、該中断された部分に形成された裸出した心線が並列した中間接合部帯と、
    それぞれの該端接合部帯と該中間接合部帯の間に形成された表面が傾斜した前記スリット形成部とを有することを特徴とする、請求項1,2,3又は4記載のフラットケーブル。
  6. 請求項1記載のフラットケーブルの端部に、裸出した心線が並列した端接合部帯を有し、絶縁体よりなる補強板を、該端接合部帯の一方の片面と該片面に隣接する前記絶縁被覆層の片面に架橋するように貼着したことを特徴とするフラットケーブル。
  7. 請求項記載の心線の少なくとも一方の端部が、前記絶縁被覆層の端縁から裸出し突出して接合部となり、
    該接合部の表面が該絶縁被覆層の表面に平行していることを特徴とするフラットケーブル。
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