JPH0121496B2 - - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】

本発明は、連続処理式自動現像機のスクイズワ
イパー装置に関し、特に帯状カラーフイルム、帯
状モノクロフイルム、帯状カラーペーパー、帯状
モノクロペーパーなどの帯状材料またはシート状
に切断されたカラーペーパー、モノクロペーパー
などのシートの迅速処理に適したスクイズワイパ
ー装置に関するものである。 近年、写真材料の迅速処理に対する要望は強
く、従つて特開昭48−58835号、特公昭49−27046
号公報などに記載されている様に、写真材料の支
持体としてポリエチレンラミネート紙を使用する
ことによつて、迅速処理に適した写真材料が開発
されており、さらには特公昭48−3289号公報など
の記載されている様に漂白定着浴を脱銀工程とし
て導入することによつて、処理工程を短縮させる
ことが行なわれている。 一方、連続処理式自動現像機における連続して
搬送されている帯状材料またはシートの搬送スピ
ードを上昇させることによつて、処理時間を短縮
させることも知られている。しかしながら、かか
る搬送スピードの上昇は、そのスピードの上昇に
従つて帯状材料またはシートが前の処理液を次の
処理液槽に持ち込む量を増大させることになるの
で、各種の欠陥を惹き起こしている。例えば、後
浴の処理液の劣化が速められたり、あるいはその
劣化を抑えるために余分な補充液を供給しなけれ
ばならなくなつている。また、乾燥装置に導入さ
れる前の帯状材料またはシートに付着した液の増
大による乾燥負荷の増大を惹き起こすことであ
り、さらには水洗浴への処理液持ち込み量の増大
による環境汚染の増大を惹き起こしている。従つ
て、これらの問題点を解消するために、従来の連
続処理式自動現像機の各処理槽のクロスオーバー
部さらには最終水洗槽と乾燥装置のクロスオーバ
ー部には、連続して搬送されている帯状材料また
はシートの長手方向に対して直角の角度をなすス
クイズワイパー装置あるいはスクイズローラー装
置が取り付けられている。しかしながら、これら
従来のスクイズワイパー装置あるいはスクイズロ
ーラー装置は、例えば実開昭49−140101号、同50
−157944号、同53−134833号公報などに記載され
ているが、処理液除去効率が悪く、特に前述の迅
速処理用連続処理式自動現像機のスクイズ装置と
しては、十分に機能しているものとは言えるもの
ではない。 本発明の目的は、処理液除去効率を改善したス
クイズワイパー装置を提供することにある。 また、本発明の別の目的は、迅速処理に適した
連続処理式自動現像機のスクイズワイパー装置を
提供することにある。 本発明のかかる目的は、連続処理式自動現像機
の各処理液槽間にクロスオーバー部および最終処
理液槽と乾燥装置のクロスオーバー部の少なくと
も１個所に具備されたスクイズワイパー装置にお
いて、前記スクイズワイパー装置が、連続搬送さ
れている帯状材料またはシートが平面をなすクロ
スオーバー部で帯状材料またはシートの両側に具
備され、かつ帯状材料またはシートの長手方向に
対して鋭角若しくは鈍角をなすことを特徴とする
連続処理式自動現像機のスクイズワイパー装置に
より達成される。 本発明の帯状材料またはシートが平面をなすク
ロスオーバー部とは、前に処理液槽で処理された
帯状材料またはシートが搬出される部分から、次
の処理液槽または乾燥装置へ導入されるまでの部
分で、帯状材料またはシートの長手方向の断面が
曲線を示さない個所を指称する。 本発明のスクイズワイパー装置は、連続搬送さ
れている帯状材料またはシートの長手方向に対し
て鋭角若しくは鈍角の角度を有していることによ
り、処理液除去効率を向上できるが、一般的に設
備設計上帯状材料またはシートの長手方向に対し
て60゜〜85゜の角度若しくは95゜〜120゜の角度をなす
ことが好ましく、特に65゜〜80゜の角度若しくは
100゜〜115゜の角度をなすことが好ましい。また、
本発明のスクイズワイパー装置の材質としては、
特に制限されるものではないが、一般的に硬質ゴ
ム、シリコンゴム、テフロンゴム、プラスチツク
材などの可撓性のものを使用することが好まし
い。 以下、本発明を図面に従つて説明するが、勿論
本発明は、下述の図面に従つた実施態様に限定さ
れるものではない。 第１図および第２図は、本発明のスクイズワイ
パー装置の帯状材料またはシートの長手方向に対
する設置角度を示す。第３図−イ〜ハは、本発明
のスクイズワイパー装置の側面図を示す。第４図
は、本発明のスクイズワイパー装置を用いた連続
処理式自動現像機の側面図を示す。第５図は、２
段スクイズワイパー装置の平面図を示す。第６図
はスクイズワイパーユニツトの平面図、第７図は
第６図に示すスクイズワイパーユニツトのＡ〜Ｂ
断面図である。 第１図および第２図において、１は帯状カラー
フイルム、帯状モノクロフイルム、帯状カラーペ
ーパー、帯状モノクロペーパーなどの帯状材料ま
たはシート状に切断されたカラーペーパーまたは
モノクロペーパーなどのシートを示し、２は本発
明のスクイズワイパー装置を示す。搬送方向ａに
連続搬送している帯状材料またはシート１の長手
方向に対してスクイズワイパー装置２は、鋭角θ₁
若しくは鈍角θ₂の角度を有している。鋭角θ₁は前
述したとおり一般的に60゜〜85゜の角度を有してい
ることが好ましく、特に65゜〜80゜の角度が適して
いる。また、鈍角θ₂は一般的に95゜〜120゜の角度を
有していることが好ましく、特に100゜〜115゜の角
度が適している。こうした本発明のスクイズワイ
パー装置を用いることによつて、従来のスクイズ
ワイパー装置（連続搬送している帯状材料または
シートの搬送方向に対して90゜の角度を有するス
クイズワイパー装置）の場合と比較して処理液除
去効率が非常に改善される。この点については、
下述の実施例でさらに詳述する。 第３図−イは、本発明のスクイズワイパー装置
２が搬送方向ａの帯状材料またはシート１の垂直
方向に対して鋭角θ₃の角度で設置された実施態様
を示す。スクイズワイパー装置２の先端部は、図
に示す様に鋭角に切りとつて弾力性を与えること
が好ましい。また、第３図−ロは、スクイズワイ
パー装置２が搬送方向ａの帯状材料またはシート
１に対して90゜の角度で設置された実施態様を第
３図−ハは、スクイズワイパー装置２が搬送方向
ａの帯状材料またはシート１の垂直方向に対して
鋭角θ₄の角度で設置された実施態様を、それぞれ
示す。 本発明のスクイズワイパー装置２は、第４図に
示す様に帯状材料またはシートの両側に設ける。
また、３はスクイズワイパー装置２の固定部材を
示す。 また、本発明は、連続液除去効率を一層向上さ
せるためにスクイズワイパー装置を第５図に示す
様に２段若しくはそれ以上で設置することも可能
である。特に、設備設計上、コスト上および効果
上２段式スクイズワイパー装置が好ましい。スク
イズワイパー装置２１および２２は、帯状材料ま
たはシート１の長手方向に対して、それぞれθ₅お
よびθ₆の角度で設置される。θ₅およびθ₆は、鋭角
または鈍角をなしており、鋭角の場合で一般的に
60゜〜85゜の角度をなし、特に好ましくは65゜〜80゜
の角度が適している。また、鈍角の場合で一般的
に95゜〜120゜の角度をなし、特に好ましくは100゜〜
115゜の角度が適している。θ₅とθ₆は、それぞれ同
一の角度をなしていてもよいが、互いに異なつて
いてもよい。 第４図において、４はカラー現像液槽、５は漂
白定着液槽、６は水洗浴槽、７は乾燥装置、８は
ロールに巻き取られた処理済みの帯状材料１を、
それぞれ示す。本発明によるスクイズワイパー装
置２は、カラー現像液槽４と漂白定着液槽５のク
ロスオーバー部Ａ、漂白定着液槽５と水洗浴槽６
のクロスオーバー部Ｂおよび水洗浴槽６と乾燥装
置７のクロスオーバー部Ｃに設置されている。従
つて、搬送方向ｂに搬送されている帯状材料１
は、映像露光された後カラー現像液槽４でカラー
現像されて次の漂白定着液槽５へ搬送されるが、
この際帯状材料１はクロスオーバー部Ａに設置さ
れたスクイズワイパー装置２によつて持ち出した
カラー現像液がほとんんど掻き落とされるので、
漂白定着液槽５に持ち込むカラー現像液の量を低
減することができる。また、水洗処理された帯状
材料１はクロスオーバー部Ｃに設置されたスクイ
ズワイパー装置２によつて持ち出した水洗水がほ
とんど除去されるので、乾燥装置７における乾燥
負荷が低減される。尚、図面においては帯状材料
１で示したが、勿論シート１であつて差し支えな
い。 また、本発明は、第６図および第７図に示す様
なスクイズワイパー装置のユニツトとするものも
できる。９は、スクイズワイパーユニツトを示
し、１０ａ〜１０ｄは、搬送方向ａに連続走行し
ている帯状材料またはシート１の長手方向に対し
て鋭角若しくは鈍角をなすスクイズワイパー装置
を示す。 次に、本発明により奏される効果を実施例に従
つて説明する。 実施例 １ 連続処理式自動現像機として「プロセツサー
RPE2100」（ノーリツ剛材(株)製）を使用した。こ
の自動現像機のカラー現像液槽と漂白定着液槽の
クロスオーバー部に帯状カラーペーパーの長手方
向に対して75゜および垂直方向に対して30゜の角度
を有するスクイズワイパー装置をカラーペーパー
の写真乳剤層側とその反対側で取り付け、またカ
ラー現像液槽にはそのオーバーフロー口までカラ
ー現像機を満たした。また、スクイズワイパー装
置によつて掻き落とされたカラー現像機は、カラ
ー現像液槽に戻した。帯状カラーペーパーとして
「オリエンタルカラーペーパーRP」（オリエン
タル写真工業(株)製；ペーパー幅8.25cm）を使用
し、このカラーペーパーを２連にしてカラー現像
液と漂白定着液を無補充で下記処方により４時間
処理した。この時のカラーペーパーの処理量は
480ｍであつた。（但し、この時に使用したカラー
現像液と漂白定着液は、それぞれオリエンタル写
真工業(株)製の「P20E発色現像液」および「Ｐ−
20漂白定着液」を使用した） 処理工程 処理時間 処理温度 １ カラー現像 ３分30秒 33℃ ２ 漂白定着 １分30秒 33℃ ３ 水 洗 ３分 30℃ ４ 乾 燥 その後、カラーペーパーにより持ち出されたカ
ラー現像液槽のオーバーフロー口まで満たすため
に必要なカラー現像液の量を計測することによつ
て観察した（テストNo.１）。 また、別の例としてカラー現像液槽と漂白定着
液槽のクロスオーバー部に前記同様のスクイズワ
イパー装置をカラーペーパーの写真乳剤層側とそ
の両側でそれぞれ第５図に示す様な２段のスクイ
ズワイパー装置にして設置した以外は、前記テス
トNo.１と同様のテストを繰り返した（テストNo.
２）。 比較例としてカラー現像液槽と漂白定着液槽の
クロスオーバー部にカラーペーパーの長手方向に
対して90゜の角度をなすスクイズワイパー装置を
カラーペーパーの写真乳剤層側とその反対側の両
側で設置した以外は、前記テストNo.１と同様のテ
ストを実施した（テストNo.３）。これらの結果を
下記表１に示す。尚、表中の数値は、カラーペー
パー処理中の蒸発液量650ml／４時間の値を減算
した数値で示した。

【表】 上記表から明らかな様に、本発明（テストNo.１
および２）は従来のスクイズワイパー装置（テス
トNo.３）と比較して処理液除去効率が高いもので
ある。

【図面の簡単な説明】

第１図および第２図は、本発明のスクイズワイ
パー装置の帯状材料またはシートの長手方向に対
する角度を示す平面図、第３図−イ〜ハは、本発
明のスクイズワイパー装置の帯状材料またはシー
トの垂直方向に対する角度を示す側面図、第４図
は、本発明のスクイズワイパー装置を用いた連続
処理式自動現像機の側面図、第５図は、２段のス
クイズワイパー装置の帯状材料またはシートの長
手方向に対する角度を示す平面図である。第６図
は、スクイズワイパーユニツトの平面図、第７図
は、第６図に示すスクイズワイパーユニツトのＡ
−Ｂ断面図である。

Claims (1)

【特許請求の範囲】
1. １ 連続処理式自動現像機の各処理液槽間のクロ
   スオーバー部および最終処理液槽と乾燥装置のク
   ロスオーバー部の少なくとも１個所に具備された
   スクイズワイパー装置において、前記スクイズワ
   イパー装置が、連続搬送されている帯状材料また
   はシートが平面をなすクロスオーバー部で帯状材
   料またはシートの両側に具備され、かつ帯状材料
   またはシートの長手方向に対して鋭角若しくは鈍
   角をなすことを特徴とする連続処理式自動現像機
   のスクイズワイパー装置。