JPH0121091B2 - - Google Patents

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JPH0121091B2
JPH0121091B2 JP59034249A JP3424984A JPH0121091B2 JP H0121091 B2 JPH0121091 B2 JP H0121091B2 JP 59034249 A JP59034249 A JP 59034249A JP 3424984 A JP3424984 A JP 3424984A JP H0121091 B2 JPH0121091 B2 JP H0121091B2
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silica
purity
alkali silicate
producing high
solution
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JP59034249A
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Toshihiko Morishita
Hitoshi Koshimizu
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Nippon Chemical Industrial Co Ltd
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Nippon Chemical Industrial Co Ltd
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Description

【発明の詳細な説明】 本発明は高純度シリカおよびその製造方法に関
する。更に詳しくは、電子材料等、高純度を要す
る特殊な分野に用いられる樹脂等の充填剤、接着
剤、研磨剤、基板、パツケージ材料等の用途に適
用できる高純度シリカおよびその製造方法に関す
る。
従来、シリカはゴム、樹脂等の補強充填剤など
として広く利用されており、最近では電子技術の
発展により、利用する上でより高純度のシリカの
要望が多くなつてきている。たとえばLSI、或い
は超LSIのパツケージ材料として用いる場合、パ
ツケージ材料、樹脂中のα―放射体、特にウラ
ン、トリウム等が微量でも存在すると放射性崩壊
を伴つてα―粒子が放出され、これがICチツプ
中に貫入してダイナミツクRAM、CCDの記憶ノ
ード付近に大量の電子―正孔対を生成し、このた
めソフトエラーを生じ易く、従つて充填剤、基板
等の材料選択は重要である。その他たとえばナト
リウム、カリウム、カルシウムなどの金属、硫酸
根、塩化物などの電解質、その他の可溶性物質な
どのような不純物のない高純度シリカが望まし
い。
従来、汎用樹脂、ゴム等の充填剤として利用さ
れているシリカは主に珪酸アルカリと酸による中
和反応から得たり、気相反応により得たり、珪酸
エステル、四塩化珪素などの加水分解から得たり
して実用に供しているが、安価な珪酸アルカリを
原料とするシリカは純度の点で問題があり、気相
反応によるシリカや珪酸エステルなどの加水分解
によるものは高価であつたりして、純度および経
済性の点で上記用途に両立するシリカの出現が待
ち望まれていた。従来知られている湿式法シリカ
として、たとえば珪酸アルカリと酸の中和反応に
よつて得られる湿式法によるシリカ粉末は、生成
するシリカ沈殿中に母液中の塩類や不純成分のコ
ロイドなどが包含されており、これらを除去する
ために多量の洗浄水、酸液を必要とし極めて非能
率的であるのみならず、完全に除去できないの
で、特に電子材料用の高純度シリカの供給は不可
能とされていた。
他方、珪酸アルカリ水溶液より高純度シリカを
製造する方法としてはイオン交換樹脂を用いてシ
リカゾルを生成せしめ、次いで沈殿状シリカとし
て回収することが知られている(特公昭36―9415
号、特公昭36―18315号)、特公昭37―4304号)。
この方法ではいずれもシリカの沈殿の沈降性及び
過性が不良であるため、過洗浄に多大の時間
を要すばかりでなく、過ケーキの含水率が著し
く大であり、得られるシリカ中の夾雑不純分も充
分分離除去できないのみならず、粒状溶融物を得
るのには適さない。
他方、最近天然の高純度シリカ微粉砕品を火炎
中に流下処理して高純度シリカ溶融粒状品の製造
法が提案されている。(特開昭58―145613号) しかし、これは、原料が天然品であるため、純
度の点において産地に依存し、常に普偏的に供給
する場合には必ずしも工業的に合致しているとは
いい難い。
このような現状に鑑み、本発明者らは珪酸アル
カリ水溶液からより工業的に有利に高純度シリカ
を得るべく研究を鋭意行つた結果、本発明を完成
した。
すなわち、本発明は珪酸アルカリ水溶液から得
られるシリカであつて、放射性物質が10ppb以
下、シリカを煮沸浸出した抽出水の25℃における
電気伝導度が100μS/cm以下であつて、平均粒子
径が1〜100μmの範囲にあり、溶融化度が80%以
上である高純度シリカおよびその製造法である。
以下、本発明を詳細に説明する。
本発明にかかる高純度シリカの第1の特徴は、
出発原料として調製された珪酸アルカリ水溶液を
用いることである。
従つて、従来品のように天然物の加工又は精製
品でないことは勿論、四塩化珪素等の加水分解、
いわゆる乾式法により調製されるシリカとは異な
るものである。
つまり、湿式法シリカから得られるものであ
り、その第2の特徴として放射性物質が10ppb以
下でシリカを煮沸浸出した抽出水の電気伝導度が
100μS/cm以下という高純度のシリカである。
放射性物質としては、主としてウランである
が、他にトリウム等の高密度電離放射線であるα
線を放出する化学物質も含まれ、その量が放射化
分析に基づいて、メタル合計量として10ppb以
下、好ましくは5ppb以下であることが望ましく、
10ppbをこえると高集積度IC,LSI,VLSIの樹脂
封止剤フイラーとして用いた場合、前述の放射線
よるソフトエラーを発生する原因となるので好ま
しくない。
又、シリカを者沸浸出した抽出水の電気伝導度
は100μS/cm以下、好ましくは10μS/cm以下であ
り、その値はシリカ中に含有するイオン性不純物
に帰因し、たとえばアルカリ分および塩素イオン
の如きイオン性不純物はNa20およびClとして約
10ppm以下、好ましくは5ppm以下に相当し、電
気伝導度が100μS/cmをこえるとシリカを充填し
た樹脂封止剤として用いた場合、イオン性物質の
遊離によつて、IC,LSI,VLSIのリード線、リ
ードフレーム等への腐食が起り易くなるので好ま
しくない。
なお抽出水の電気伝導度は当該シリカを純水に
て10重量%スラリーとし、撹拌しながら、8時間
煮沸処理したのち、冷却後25℃における抽出液を
検体として測定された値である。
次に、第3の特徴として平均粒子径が1〜
100μmの範囲にあることが望ましい。本発明で粒
径を意味する場合は、コールターカウンター法に
基づく粒度分布測定法によるものとし、平均粒子
径とは、体積メデイアン径(R50)を意味し、そ
の値が1〜100μmの範囲にあることをいう。
この粒径は、製品の用途や製造法によつて大幅
に変化するが、大体上記の範囲にあり、特にR50
が10〜50μmの範囲にあることが好ましい。尚、
平均粒径が100μmをこえると樹脂中での均一性が
保たれず、また樹脂封止時の作業性が悪かつたり
するので好ましくない。
更に本発明にかかるシリカ製品の他の特徴は溶
融化度が80%以上の溶融粒状品からなるものであ
る。溶融化度が80%未満ではシリカ表面の活性に
起因する水酸基又は水分の吸着などがあつて、封
止剤特性の低下があるので好ましくない。
シリカ粒子が溶融しているか否かは、例えば実
体顕微鏡観察により容易に判別することができ、
溶融している粒子は透明ガラス体粒子として認め
られ、非溶融粒子は白い不透明粒子として認めら
れる。
従つて本発明において溶融化度(M・R)とい
うのは次式 M・R=溶融粒子数/顕微鏡視野の全粒子数×100 で表わされる。
顕微鏡視野は少なくとも2視野以上とし、かつ
1視野中には少なくとも50個以上の粒子が把握で
きることが望ましい。なお、観察される粒子にお
いて外側は溶融化し、芯部分に若干非溶融部分が
認められるような粒子は溶融粒子の範囲に含まれ
るものとする。
上記の如き特徴を有する高純度溶融シリカ粒子
は、新規物質であり、特にICパツケージ用樹脂
コンパウンドの充填剤として好適である。
次に、かかる高純度溶融シリカ粒子を工業的に
は以下の方法にて製造することができる。
すなわち、珪酸アルカリ水溶液をゲル化してシ
リカゲルを沈殿生成させる第1工程、該シリカゲ
ルを揮発性の酸で精製して含水シリカを得る第2
工程、該含水シリカを加熱脱水処理して脱水シリ
カを得る第3工程及び該脱水シリカを火炎中に噴
射して溶融処理する第4工程からなることを特徴
とする高純度シリカの製造法である。以下、各工
程について説明する。
第1工程 この工程は、いわゆる湿式法シリカの製法とし
て数多くの提案がなされており、多くの場合公知
の方法ということができる。
本発明において、この工程は大別して2つの態
様が採られうる。その1つは、珪酸アルカリ水溶
液と陽イオン交換樹脂と接触させて酸性シリカゾ
ルを生成させ、次いで、このシリカゾルをシリカ
の沈殿物としてゲル化する方法であり、他の方法
は珪酸アルカリ水溶液と硫酸又は塩酸などの酸と
の中和反応により直接シリカゲルを得る場合であ
る。
まずシリカゾルを経由してシリカゲルを得る場
合について述べる。珪酸アルカリ水溶液よりシリ
カゾルを生成させる方法は公知であり、常法に従
つてゾルを生成させるが、通常、SiO2として2
〜7重量%、好ましくは4重量%前後の濃度に希
釈した液を用いる。イオン交換操作において、イ
オン交換樹脂を充填したカラムに被処理溶液を通
過させる方法が一般的であるが、他の方法、例え
ばイオン交換樹脂と珪酸アルカリ水溶液とを直接
混合するバツチ方式も可能である。
該珪酸アルカリ水溶液をイオン交換樹脂と接触
させてアルカリ金属又はアルカリ土類金属の殆ん
ど全てを分離除去して酸性ゾルを得る。
この場合、本発明においては、珪酸アルカリ水
溶液の液性又はシリカの用途に応じて、前記接触
処理は1回又は複数回同種又は異種のイオン交換
樹脂および/又はキレート樹脂を所望に応じて用
い操作することができる。
通常、高純度のシリカを希望する場合には、酸
型にした陽イオン交換樹脂、次いで水酸型にした
陰イオン交換樹脂および陽イン交換樹脂による処
理を順次行つてゾルを生成させることが好まし
い。
この酸性ゾルはPH1.8ないし3.0で回収したもの
でゾルを構成するシリカ粒子の粒度は5mμ以下の
極めて活性なゾルであり、やや不安定で長時間放
置すると粘性が上がり最終的にはゲル状に固結す
るため長時間の放置は避けるべきである。
かかるイオン交換樹脂によるシリカゾルの生成
により原料溶液中にイオン状態で存在する不純物
は実質的に除去されるけれども、より完全に不純
イオンを除くために、必要に応じてイオン交換樹
脂と共にキレート樹脂を併用して接触処理するこ
とも差支えない。
かくして、精製されたシリカコロイドの酸性ゾ
ルは、含水シリカとして沈殿し回収するが、この
場合、沈殿の析出条件を誤まるとシリカの純度を
低下させるのみならず操作上のトラブルも生じる
ので、このシリカの析出条件が極めて重要とな
る。
従つて、本発明においては、上記の酸性ゾルに
アンモニア水をSiO21モル当り0.5モル以下、好ま
しくは0.2〜0.5モル添加して弱アルカリ性に調製
したゾルとアンモニウム塩水溶液とを撹拌状態に
おいて常にPHを10.5以下の弱アルカリ性条件下で
反応させることによりシリカの沈殿を析出させ
る。
この場合、反応時のPHが高すぎても、また中性
から酸性であつても、本発明において都合の良
い、良好な沈殿を得ることはできない。例えば、
反応の大部分が酸性乃至中性で行なわれると半透
明の寒天状の(シリカの)部分が多くなり、含水
率が高く過性の悪い沈殿となる。このような沈
殿は洗浄が極めて困難であるばかりでなく、乾燥
や焼成により収縮し、亀裂が生じたり、容易に粉
砕できない堅い塊となつてしまい以後の操作を著
しく妨害することになる。また、反応が強アルカ
リ性で行なわれると気化するアンモニアの量も多
くなり、作業環境が悪化するとともに生成したシ
リカは非常に微粒となり、過が困難になつた
り、沈降性が悪くなつてしまう。
該ゾルとアンモニウム塩水溶液との混合は、個
別的同時混合又は、アンモニウム塩水溶液の中へ
該ゾルを添加する方法がとられるが、一般的には
後者の方がよい。しかしその逆の添加、即ち、該
ゾルの中へアンモニウム塩水溶液の添加は避ける
べきである。
アンモニウム塩水溶液の濃度は、塩の種類によ
つて異なるが、通常5〜20重量%好ましくは、7
〜13重量%がよい。
アンモニウム塩濃度が、上記の範囲外であると
析出するシリカの一部又は大部分が透明性を帯び
た寒天状シリカとなつた嵩高の沈殿となり過性
が著しく悪化し、また含水率が非常に高く、つづ
く回収操作が困難となつたり、製品粒度のコント
ロールが出来なくなつたりする。
反応器中に予め仕込むアンモニウム塩水溶液の
量は添加するシリカゾルの添加速度、シリカ濃
度、アンモニウム塩水溶液の濃度、製品の所望粒
度などの付帯条件によつて異なるが少なくとも添
加するシリカゾルの量の1/5量以上は必要である。
シリカの凝析剤として使用するアンモニウム塩
としては、例えば塩化アンモニウム、炭酸アンモ
ニウム又は硝酸アンモニウム等加熱により分解揮
散する塩類が適当である。
なお、シリカを析出させる際の温度は、特に限
定する理由はなく、常温又は加温のいずれであつ
てもよいが反応系のPHは充分制御することが必要
で、常に弱アルカリ性の状態で穏やかに析出する
ことが好ましい。
かくして、得られた含水シリカの沈殿は、過
性の極めて良好なものであり、これを過により
母液と分離することができる。
次に、珪酸アルカリ水溶液と硫酸等の酸により
直接シリカを得る方法は、イオン交換樹脂による
シリカゾルの製法と同じく公知であり、例えば特
公昭38―17651号、特公昭51―25235号、特公昭56
―21726号など酸の分割添加方式がすぐれた工業
的製法としてあげられるが、これに限るものでは
ない。
唯、この直接法は中和に基づくシリカ沈殿の析
出条件により、シリカ中の不純物である放射性物
質やアルカリ分の含有量に大きな幅が生じ、その
量が多くなると後の精製工程で必ずしも効果的に
分離除去できなくなる傾向になるので、このよう
な場合、イオン交換樹脂との接触によるシリカゾ
ルを経てシリカの沈殿を生成させる方が好まし
い。
なお、使用する珪酸アルカリ水溶液は、その目
的からみて充分に精製されていることが好まし
く、例えば一般過は勿論プレコートフイルタ
ー、ミクロフイルターあるいは限外過などで微
細粒子を予め除去しておくとよい。
特に結晶性珪酸アルカリ、例えばメタ珪酸アル
カリ、セスキ珪酸アルカリなどの結晶物を溶解し
て調製した珪酸アルカリ水溶液は放射性不純物を
著しく低減できるので、必要に応じて再結晶して
用いれば極めて放射性物質の少ないシリカを得る
ことができる。この様な珪酸アルカリ水溶液とし
ては結晶性珪酸ソーダを溶解して調製した珪酸ソ
ーダ水溶液が好ましい。
第2工程 この工程は、前工程で得られた沈殿状シリカゲ
ルの精製すなわち、シリカゲル中に残留する放射
性物質、アルカリ土類金属塩、アルカリ金属塩等
のイオン性不純物を除去することにある。従つ
て、この工程は湿式法により高純度シリカを得る
ために不可欠な工程ということができる。
前工程において、出発原料として、よく精製さ
れた珪酸アルカリ水溶液を用いてイオン交換樹脂
によるシリカゾルを経て沈殿状シリカゲルを回収
した場合、該シリカは放射性物質等の不純物はか
なりの高いレベルまで除去できるけれども、高性
能を要求する樹脂封止剤用充填剤としては必ずし
も満足するものではない。しかして、この沈殿状
シリカゲルを揮発性の酸とよく混合して洗浄する
と、放射性物質は勿論、アルカリ土類金属塩、ア
ルカリ金属塩、その他、アルミニウム化合物等の
微量不純物を除去することが可能となる。
つまり、この工程は沈殿状シリカゲルの揮発性
酸による精製工程であり、この工程を採用するこ
とによつて湿式法シリカから、乾式法と全く遜色
ない高純度シリカを調製しうる道が開けたと云え
る。
ここで揮発性の酸というのは次の第3又は第4
工程の加熱によつて完全に揮散してしまうような
酸をいい、好ましくは硝酸、塩酸などをいう。
又、沈殿状シリカゲルとは第1工程の方法で得ら
れるシリカの沈殿で過により母液と分離しやす
い過性の良好なシリカゲルを意味する。
操作としてはSiO2として1〜40重量%のスラ
リー濃度において、0.1規定以上、好ましくは0.5
規定以上の酸濃度になるように酸を添加し、常温
又は加温により充分に混合処理する。この操作は
1回に限らず所望により2回以上の複数回あるい
は連続方式など、適宜設定して行えばよい。
かくして、精製された含水シリカは、実質的に
不純物は除去されて多くの場合SiO2当りU:
1ppb以下、Th:10ppb以下、Na:10ppm以下、
Fe:5ppm以下、Cl:10ppm以下の高純度のもの
である。
第3工程 この工程は次の第4工程において取扱い易い粒
状品を得るために含水シリカの脱水処理による粒
状化工程ということができる。
この工程では脱水処理によりある程度の流動性
のある粒状物が得られる操作であれば特に限定さ
れる理由はないけれども工業的には例えば含水シ
リカスラリーの噴霧乾燥による場合、あるいは該
スラリー又は過ケーキを所望の乾燥装置を用い
て乾燥させ、次いで粉砕する場合の2態様があげ
られる。
本発明では、エネルギーコストの点を除けば噴
霧乾燥に代表される流動乾燥によつて粒状化する
方が好適である。この理由は流動性がよいシリカ
粒子であるために、次の工程における加熱部分に
容易に供給できることのみならず、乾燥以外の粉
砕処理などが不要なために不純物の混入が極力避
けられるからである。
なお、この加熱脱水処理して得られる脱水シリ
カは通常含水率が15重量%以下にあることが必要
である。この理由は15重量%をこえると流動性の
ある粉体粒子が得られないのみならず、次の溶融
処理において火炎温度の低下に伴い、粒子への熱
負荷が増大して溶融化が達成し難くなることによ
る。
第4工程 この工程は従来のシリカ粉末と異なり、封止剤
の充填剤として第2工程と共に不可欠な工程であ
り、前工程で得られる脱水シリカ粉末を実質的に
溶融処理することにある。この溶融操作は、例え
ば酸素―水素炎、酸素―アセチレン炎、酸素―プ
ロパン炎あるいはプラズマ炎などの所定の火炎部
分に脱水シリカ粒子を連続的に供給することによ
つて、脱水シリカ粒子の溶融球状化を行なうもの
であり、この火炎溶融操作自体は無機粉体の溶融
に古くより知られている技術である。しかして、
一次粒子径が200mμ以下、特に20mμ程度のシリ
カ粒子を火炎溶融成形して、平均粒子径が1〜
100μmの球状又は円状溶融シリカとするためには
適度な火炎条件を必要とする。即ち燃料ガスを用
いた場合火炎温度を少なくとも3000℃以上でかつ
2000℃以上の火炎長を30cm以上必要とする。この
目的に利用出来るバーナーの構成は酸素―燃料ガ
ス系の場合、酸素をバーナー内側から、燃料ガス
を外側の多数の孔から噴射させ、脱水シリカは酸
素ガスに同伴射出させることが好ましい。プラズ
マアークの場合はアーク部の温度が酸素―燃料ガ
ス系に比べ著しく高いため粉体の注入量を過度に
しない限り問題なく処理出来る。この様にして得
られるシリカは高温部分での接触時間はわずかで
あるけれども溶融化度が80%以上となつて、実質
的に溶融されたガラス状の透明な球形乃至だ円形
粒子となつて極めて流動性の良好な粒子となる。
かくして、得られた溶融シリカ粒子は必要に応
じてガス流の冷却を施してからサイクロンで回収
するか又は水による湿式回収等を行つて本発明に
かかる高純度シリカ製品を得ることができる。
このように、本発明にかかる方法により珪酸ア
ルカリ水溶液を出発原料とする湿式シリカより、
高性能が要求される封止剤用充填剤としての高純
度溶融シリカ粒子を工業的に有利に大量供給する
ことが可能である。
以下、実施例を示し本発明をさらに具体的に説
明する。
実施例 1 市販の3号珪酸ソーダ水溶液(SiO228.6重量
%、Na209.4重量%、SiO2当りU100ppb、SiO2
りTh240ppb含有)を水で希釈してSiO24重量%
の希釈珪酸ソーダ水溶液とした。これを硫酸で再
生してある陽イオン交換樹脂(アンバーライト
IR―120B、オルガノ社製)で常法に従つて処理
してPH2.2のシリカゾル水溶液を得た。
常温で硝酸アンモニウム10.5重量%水溶液30l
を撹拌しながら、上記シリカゾル水溶液にアンモ
ニアを加えPH10.5にしたアルカリシリカゾル溶液
50を3時間かけて添加し、凝析沈殿させて沈殿
状シリカゲルを得た。次いでこれを過および置
換洗浄したのち、イオン交換水にSiO2濃度8重
量%となる様に再分散させ、この中に硝酸を
1M/lとなる様に加え95℃で3時間撹拌して処
理した。これを過、水洗して精製を行つて含水
率78重量%の精製シリカゲルのケーキを得た。
この精製シリカゲルのケーキを水に分散させて
15重量%のシリカゲル懸濁液となしたのち、アシ
ザワニロ社製プロダクシヨンマイナー型スプレー
ドライヤーで噴霧乾燥した。この処理条件は入口
温度340℃、出口温度120℃で熱源を電熱で行な
い、雰囲気空気流量は5.7m3/minで行なつた。
サイクロンに回収されたシリカ粒子の粒子形状は
第1図に示す様な一次粒子が100mμ以下のシリカ
微粒子の集合体であり、この含水率は800℃、60
分加熱による減量から推定して4.3重量%であつ
た。
こうして得た流動性の良好な脱水シリカ粉末を
火炎溶融処理して第2図に示す溶融シリカ粉末を
得た。
火炎溶融装置は中央部に酸素噴出孔を設け、こ
こから酸素及び脱水シリカを噴出させ、この外側
に酸素噴出口を取りまいて燃料ガス噴出孔をリン
グ状に設け、ここから燃料ガスを噴出させ、さら
にこの外側に酸素噴出孔、燃料ガス孔を設けたガ
スバーナーを用いた。燃料ガスは、アセチレンを
用い、その流量5Nm3/H、酸素流量5Nm3Hおよ
び脱水シリカ粒子の供給速度5Kg/Hで脱水シリ
カの溶融処理を行つた。なお、肉視出来る火炎の
長さは約40cmであつた。この燃焼ガスを水冷して
ある燃焼室を通したのち、サイクロンで回収した
溶融シリカの粒子形状を第2図に示す。このもの
は溶融化度が約90%、その物性を測定したところ
平均粒子径20μmであり、その不純物量は
Na2O1.5ppm、Cl不検出、U0.4ppb以下、Th4±
2ppbおよび抽出水の電気伝導度6μS/cmであつ
た。
実施例 2 3号珪酸ソーダ溶液の苛性ソーダ及び水を添加
してSiO214.6重量%、Na2O17.3重量%の水溶液
とした。これを50℃でゆつくり撹拌してメタ珪酸
ソーダ9水塩を得た。これを母液から分離して再
び水に溶解して、4重量%SiO2濃度として実施
例1と同様の一連の処理を施した。
回収された溶融シリカの粒子形状は実施例1と
同様の球状の溶融化度が約88%の溶融シリカであ
り、その物性は平均粒子径18μm、不純物含有量
はNa2O2.0ppm、Cl不検出、U0.4ppb以下、
Th0.7ppb以下および抽出水の電気伝導度5μS/cm
以下であつた。
実施例 3 実施例2と同じ操作で4重量%SiO2含有のメ
タ珪酸ソーダ水溶液と4重量%硫酸をPH9で同時
添加してシリカゲルを作成した。これを過して
水洗したのち、1N塩酸水溶液にSiO2濃度10重量
%となる様に分散させた。これを95℃で3時間撹
拌させたのち過した。この酸洗操作を3回行な
つたのち、水で洗浄し20重量%SiO2スラリーと
した。
このスラリーを実施例1と同じく噴霧乾燥及び
プロパン炎による火炎処理を施した結果、溶融化
度が93%の球状の溶融シリカが得られ、その物性
は平均粒子径11μmであり、不純物の含有量は
Na2O4.5ppm、Cl不検出、U2±1ppb、Th7±
2ppbおよび抽出水の電気伝導度8.5μS/cmであつ
た。
【図面の簡単な説明】
第1図は実施例1において脱水処理したシリカ
粒子の粒子構造を示す1000倍の顕微鏡写真であ
り、第2図は第1図に示すシリカ粒子の溶融によ
り得られる本発明にかかるシリカ製品の粒子構造
を示す250倍の顕微鏡写真である。

Claims (1)

  1. 【特許請求の範囲】 1 珪酸アルカリ水溶液から得られるシリカであ
    つて、放射性物質が10ppb以下、シリカを煮沸浸
    出した抽出水の電気伝導度が100μS/cm以下であ
    つて、平均粒子径が1〜100μmの範囲にあり、溶
    融化度が80%以上であることを特徴とする高純度
    シリカ。 2 珪酸アルカリ水溶液をゲル化してシリカゲル
    を沈殿生成させる第1工程、該シリカゲルを揮発
    性の酸で精製して含水シリカを得る第2工程、該
    含水シリカを加熱脱水処理して脱水シリカを得る
    第3工程及び該脱水シリカを火炎中に噴射して溶
    融処理する第4工程からなることを特徴とする高
    純度シリカの製造法。 3 珪酸アルカリ水溶液が結晶性珪酸ソーダを溶
    解して調製した珪酸ソーダ水溶液である特許請求
    の範囲第2項記載の高純度シリカの製造法。 4 珪酸アルカリ水溶液をイオン交換樹脂と接触
    せしめ、生成する酸性シリカゾルをゲル化する特
    許請求の範囲第2項記載の高純度シリカの製造
    法。 5 珪酸アルカリ水溶液を酸で中和してゲル化す
    る特許請求の範囲第2項記載の高純度シリカの製
    造法。 6 含水シリカを噴霧乾燥して加熱処理する特許
    請求の範囲第2項記載の高純度シリカの製造法。
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