JPH01207421A - 耐炎化装置及び耐炎化方法 - Google Patents

耐炎化装置及び耐炎化方法

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JPH01207421A
JPH01207421A JP2891488A JP2891488A JPH01207421A JP H01207421 A JPH01207421 A JP H01207421A JP 2891488 A JP2891488 A JP 2891488A JP 2891488 A JP2891488 A JP 2891488A JP H01207421 A JPH01207421 A JP H01207421A
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fibers
gas
sealing
precursor
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JP2891488A
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Tatsuo Akimoto
秋本 龍夫
Masashi Ogasawara
小笠原 正史
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Original Assignee
Toray Industries Inc
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Abstract

(57)【要約】本公報は電子出願前の出願データであるた
め要約のデータは記録されません。

Description

【発明の詳細な説明】 [産業上の利用分野] 本発明は、前駆体繊維の耐炎化処理に関し、とくに熱媒
粒子の流動層を用いた耐炎化装置及びその方法に関する
[従来の技術] 通常、耐炎化繊維は、ポリアクリロニトリル(以下PA
Nと略す)系繊維、再生セルローズ系繊維、フェノール
系繊維、ピッチ系繊維等の有機重合体から成る前駆体繊
維を先ず空気または他の酸化性ガス雰囲気中にて、20
0〜300℃で耐炎化(ピッチ系繊維では一般に不融化
と称しており、更に高温の450℃程度までの処理を行
っている)して得られる。このように耐炎化された繊維
は、次いで窒素、アルゴン等の不活性ガス雰囲気中にて
800〜2000℃で炭化せしめて炭素繊維としたり、
また、さらに2000’C以上の不活性ガス雰囲気中で
黒鉛化を行ない、弾性率が一段と高い黒鉛繊維を製造す
ることも行なわれる。
上記耐炎化工程は酸化と環化を伴なう反応であって、高
温で処理する程反応速度を上げて耐炎化に必要な処理時
間を短縮できる。しかしながら、反応発熱を伴うため、
処理温度を高温にし過ぎたり、前駆体繊維を高密度に多
数充填したりすると、反応熱が該繊維内に蓄熱して単糸
間の融着や糸切れ、場合によっては発火現象を生じる。
そのため、耐炎化工程の生産効率を上げるためには、当
該繊維の反応発熱を効率良く除去しつつ可能な限り高温
で処理できるプロセスであることが肝要である。
このような目的に合致した耐炎化方法としては、従来前
駆体繊維に熱風を吹き付けたり、加熱固体表面に間欠的
に接触さけたりして、前者においては処理時間20〜1
20分で、後者においては20分前後で耐炎化処理する
方法が良く知られている。
ところが、上記公知の方法においては、耐炎化工程にお
ける前駆体繊維の加熱効率、反応熱の除去効率に限界が
あるため、処理時間を大幅に短縮することが困難である
という問題、および前駆体繊維が太デニールになると該
繊維束内部の効果的な加熱あるいは除熱が難しくなるた
め、前駆体繊維の太デニール化、ひいては処理密度の向
上が困難でおるという問題がある。また、上記熱風を吹
き付ける方法では、通常エネルギー節約の面から熱風を
循環使用し、使用済み熱風の一部のみを排気するように
しているが、所望の加熱、除熱量を達成するには大きな
熱風循環間が必要となり、設備、循環系に設けられるヒ
ータ重量、さらには熱風使用量が相当大になるという問
題もある。
このような問題に対し、前駆体繊維の加熱、除熱効率を
向上して処理FR間を短縮し、かつ使用熱風量を大幅に
削減できる方法として、熱媒粒子の流動層中で耐炎化処
理する方法がある。特公昭44−25375号公報には
、ポリアクリロニトリルのフィラメントを第1段階に於
いて酸化性雰囲気中200乃至300℃の範囲の温度に
加熱し、次いて第2段階に於いて不活性雰囲気中100
0℃付近の温度でこれを炭化してフィラメント状炭素を
製造する方法に於いて、酸化性雰囲気中で加熱する該第
1段階が処理されるフィラメントに対し化学的に不活性
な固体熱伝導物の流体床(流動層)中で行われることを
特徴とする方法が提案されている。
また、流動床の中でエツチング処理する少くとも1段階
を包含する耐炎化方法として特公昭47−18896号
公報が公知である。
また、上記公知の方法では、処理時間短縮効果がまだ不
十分であるため、処理時間をさらに大幅に短縮し、かつ
得られる炭素繊維の優れた物性を確保するために、まだ
出願未公開の段階であるが、先に本出願人により、前駆
体繊維を分散手段上の流動層中で加熱処理して耐炎化す
る方法において、重量の80%以上が粒度10メツシユ
以下の固体粒子を熱媒とし、上面レベルから分散手段ま
での前記熱媒粒子の静置時深ざH[m]を下記の範囲と
して分散手段上に流動層を形成せしめ、前記流動層中で
前駆体繊維を200〜550℃で加熱処理することを特
徴とする前駆体繊維の耐炎化方法が提案されている。
20Mf/(ρυCp A) <H<500 /ρυこ
こで、 Mf:流動層中に存在する前駆体繊維重量[Kg]ρυ
:熱媒粒子の嵩密度[Kg/Trt3]CP:熱媒粒子
の比熱[Kcal/Ny℃]A :流動層の流動化面積
[m2] である(特願昭62−190301号)。
ところが、上述のような流動層による耐炎化処理には、
次のような技術的課題が残されている。
すなわち、熱媒粒子の流動層中に前駆体g&維を3Mシ
て耐炎化処理するには、所定量の熱媒粒子を炉中に収容
し、該炉中で加熱熱媒粒子流動層を形成し、この流動層
加熱耐炎化炉中に前駆体繊維を通過させる必要がある。
そして、前駆体繊維の流動層内への導入部および流動層
内からの導出部には、熱媒粒子の炉外への流出を防止す
るためのシール手段が設けられる。このシール手段とし
ては、通過する前駆体繊維保護のためシールガスによる
非接触式シールが望ましく、このようなシール構造とし
ては特開昭54−28212号公報、実公昭61−18
030号公報に示されるようなもの7が知られている。
しかしながら、上記公報等に開示された技術をそのま耐
炎化炉の前駆体繊維導入・導出部に適用すると、以下の
ような問題を生じる。
シールガスにより熱媒粒子のシールを行うには、シール
ガスに相当の流速が要求される。ところが、特開昭54
−28212号公報に開示された構造では、第7図に示
すように、シール手段201に供給されるシールガス2
02が、走行中の前駆体繊維203に高速で鋭角に当た
ることになるので、その衝突エネルギで該繊維に毛羽等
の損傷を与え易いという問題がある。また、実公昭61
−18030号公報開示の構造でも、供給シールガスが
走行中の前駆体1維に直角に衝突することになるので、
同様の問題を生じる。
さらに、特開昭54−28212号公報開示の構造では
、シールガス供給路が流動層中に埋没されているので供
給されるシールガスが最終的に流動層内で受ける温度付
近まで予熱されるが、このような高温に予熱されたシー
ルガスを前駆体繊維導入部に用いると次のような問題が
生じる。シールガスとして酸化性気体(たとえば空気)
を使用するとき、シール手段内でも耐炎化反応が起こる
が、シールガスによる気相での耐炎化反応時の除熱能力
は、流動層中での除熱能力に比べはるかに小さいので、
上記のように高温に予熱された酸化性シールガスを用い
ると、前駆体繊維自身の反応発熱によりシール手段内が
蓄熱されて異常高温になり、該繊維の溶断や発火による
糸切れが生じるおそれがある。
[発明が解決しようとする課題] 本発明は、熱媒粒子の流動層を使用する耐炎化処理にお
いて、前駆体繊維の流動層への導入、導出部におけるガ
スシールを前駆体繊維に損傷を与えることなく確実に行
うとともに、導入部において前駆体繊維をトラブルの生
じない温度に抑え、安定した耐炎化処理を行わしめるこ
とを目的とする。
[課題を解決するための手段] この目的に沿う本発明の耐炎化装置は、熱媒粒子を酸化
性気体で流動化せしめた流動層中で前駆体繊維を連続的
に加熱処理する耐炎化装置において、前記前駆体繊維の
前記流動層内−への導入部および流動層内からの導出部
に、前駆体繊維の通過孔とシールガス供給孔とを有する
前記熱媒粒子のシール手段を設け、該シール手段内に設
けられ、前記シールガス供給孔から供給され前記前駆体
繊維と初期接触するシールガスの流れを制御する流れ制
御部材を、前記通過孔の中心軸と並行に延設したものか
ら成る。
また、本発明に係る耐炎化方法は、熱媒粒子を酸化性気
体で流動化せしめた流動層中で前駆体繊維を連続的に加
熱処理する耐炎化方法において、前記前駆体繊維の前記
流動層内への導入部および流動層からの導出部に設けら
れた前駆体繊維の通過孔を有するシール手段内にシール
ガスを供給し、該シール手段内に供給されたシールガス
の少なくとも一部を流動層の方向に向かう前駆体繊維の
糸道と並行な流れに制御するとともに、前記流動層内へ
の導入部に設けられたシール手段には不活性ガス又は流
動層とは実質的に熱的に遮断された酸化性気体のいずれ
かのシールガスを供給する方法から成る。
本発明において前駆体繊維とは、ポリアクリロニトリル
(PAN)系、再生セルローズ系、フェノール系、ピッ
チ系等に代表される有機重合体を紡糸して得られるフィ
ラメント、ストランド、トウ状の連続体もしくは不連続
体及びその紡績糸、織物や織物等をいい、特にその形態
を問わない。
本発明における流動層とは、固体熱媒粒子を気体で流動
化した状態下で加熱処理する手段であって、前記熱媒粒
子が酸化性気体で流動化された状態と所定の温度好まし
くは200℃以上、より好ましくは240℃以上に加熱
された状態がこの流動層内で共存された状態をいう。
本発明において酸化性気体とは、空気の他含硫黄気体等
、前記前駆体繊維に対して加熱時広義の開化反応を生ず
る気体を含む。
本発明に係る熱媒粒子とは、気体で流動化された状態で
用いる固体粒子をいい、耐炎化に必要な加熱温度に耐え
得る耐熱性、即ら350℃以上好ましくは400 ’C
以上の耐熱性を有する、例えば、主成分として炭素、ア
ルミナ、炭化ケイ素、ジルコニア、シリカ等が単独ある
いは共存して構成されるセラミックやガラス等の無機物
粒子を用いることができる。
更に、当該熱媒粒子の内、炭素を主成分とする粒子(炭
素粒子)であることが好ましい。
前記炭素粒子としては、カーボンブラック、サーマルブ
ラック、炭素中空球、活性炭粉末、球状活性炭、グラッ
シーカーボン粉末、メソフェーズピッチビーズ、人造黒
鉛粉末、顆粒黒鉛、天然黒鉛粉末等に代表され、その組
成上50%以上、好ましくは90%以上の炭素成分から
成る炭素粒子であり、灰分中に炭化工程で炭素と反応す
る金属成分、例えばFe、Ca、MCI、Mn、Cu、
Zn、Cr、Ni等が少ない程好ましい。炭素を主成分
とする熱媒粒子の場合、その熱媒粒子が繊維に付着して
たとえ耐炎化繊維を炭素繊維とする炭化工程に持ち込ま
れたとしても、粒子中に含まれる金属成分は該粒子の炭
素と反応するだけであるから、本質的に炭素繊維の物性
を低下させることがない。
また、該粒子が耐炎化時に当該繊維の単糸間中へ侵入す
ることによって単糸間融着を防止できるので、粒径の細
かい方の限定は特にない。
また、粒径としては、JIS Z B2O2、黒鉛粉末
についてはJIS H8511−1960による測定方
法で、重量の80%以上が粒度10メツシユ(タイラー
式)以下、好ましくは28メツシユ以下の小径の粒子が
良い。粒径がこれ以上大き過ぎると、流動化に必要な気
体流量を多量に要し、該粒子が前駆体繊維へ衝突する際
の運動エネルギーが大きくなるため毛羽等の物理的損傷
を生じ易い。逆に粒径が小さいと、流動化に必要な気体
流量も減少するし、該繊維への損傷も低減できる。
当該熱媒粒子の形状としては、特に限定しないがシャー
プエツジの無い球形状に近い粒子の方が、前駆体繊維へ
の物理的損傷が少ないため好ましい。
なお、粒径が、ある程度大きい方が該繊維への付着Mが
少なく、除去もし易いので、除去を要する場合の粒径の
下限値は400メツシユが好ましく、200メツシユが
より好ましい。
本発明における上記のような耐炎化処理方法は、流動化
された固体熱媒粒子が前駆体繊維に間欠的に接触伝熱し
つつかつ該繊維外周の温度境界層を剥離するため、該繊
維への加熱および除熱の効率が前述した従来の方法に比
へて著しく高く、そのため耐炎化処理温度を従来法より
高く、例えばPAN系前駆体繊維ではおよそ200〜4
00℃、好ましくは240〜350℃、ピッチ系では2
50〜550’C。
好ましくは270〜500℃での処理が可能になる。
その結果、例えば、PAN系前駆体繊維の処理を二段階
の温度で行った場合は、単糸が0.73デニールのもの
を12000本では2.5分、24000本では4分、
48000本では9分程度の処理時間で耐炎化できる。
本発明における耐炎化処理方式としては、バッチ処理で
あっても連続処理であっても良い。パッチ処理の場合は
伽等に巻き付けたり、ネットに入れたりして処理できる
。連続処理の場合は、例えばローラ間で連続的に走行さ
せつつ流動層を通過させて処理できる。その際前駆体繊
維を並行して多糸条で処理することも、また流動層を分
割したり複数化して温度を変えて多段処理することも可
能であるが、前記特公昭47−18896号公報に記載
されている如く、前駆体繊維を流動層中のローラの上を
曲りくねった通路をなして通過せしめる方法は、該ロー
ラと該繊維の間に熱媒粒子を噛み込むため該繊維に物理
的損傷を与え易い。そのため、少くとも流動層中では、
前駆体繊維をローラやガイドで屈曲ざゼることなく所定
の張力下で直進させて処理するのが好ましい。
また、流動化する熱媒層の上面レベルから、該熱媒層の
床面を構成しかつ流動化のための気体を熱媒層中に均一
に吹き込むための分散板までの深さは、深くなる程流動
化せしめるための気体圧力が増加するとともに、粒子の
運動エネルギーが大きくなり前駆体繊維に損傷を与え易
くなる傾向にあるため、前記繊維・を埋没できる深さで
あれば浅い方が好ましい。
次に、本発明に係る耐炎化装置及び耐炎化方法、該方法
によって得られた耐炎化繊維の炭化について説明し、次
いで流動層への導入、導出部に設けられるシール手段部
について説明する。
第1図において、前駆体繊維101は、パッケージ30
から繰り出される。該繊維101を耐炎化処理を行うた
めの流動層加熱耐炎化炉1゛を通して、所定の張力下に
おいて耐炎化処理し耐炎化繊維102と成し、次いで必
要なら該繊維に付着残留した熱媒を除去する除去手段2
0を通過せしめて所定の耐炎化繊維103とした後、パ
ッケージ31として巻き取るように構成した。もちろん
、得られる耐炎化繊維102の用途によっては、熱媒除
去手段20を必ずしも必要としない場合もあり得るが、
次いでこれを炭化して炭素繊維と成す場合には、第1図
に示す如く耐炎化後もしくは炭化工程で炭化前に、除去
手段20で該熱媒を除去することが高物性の炭素繊維を
得る上で好ましい。
この熱媒について、炭素粒子単独で耐炎化し、引続いて
炭化処理し炭素繊維を製造する場合には、該粒子中に含
まれる、炭素と反応可能な金属成分は炭化時に炭素粒子
自身と反応するので、炭化前に必ずしも除去する必要が
なく最も好ましい。しかし、他のN機粒子や他の無機粒
子と炭素を併用し熱媒粒子として耐炎化し、引続いて炭
化処理し炭化繊維を製造する場合には、当該無機粒子中
に含まれて、炭化工程で炭素と反応する金属成分(Fe
、Ca、MCI、Mn5cu、znScr、Ni>の総
重母がその組成上1%以下であって、かつ、当該無機粒
子の耐炎化繊維に付着残留した無機粒子重量を、耐炎化
繊維を含む重量に対して1%以下とするのが好ましい。
上記金属成分は、試料を空気巾約600℃で4時間加熱
灰化後塩酸に溶解して、日立社製170−30型原子吸
光光度計を用い原子吸光光度法により検出、定量する。
また、付着残留熱媒重量は、熱媒の付着した耐炎化繊維
を試料として上記方法で検出、定量される金属成分重量
から、該繊維を得るための前駆体繊維のみを試料として
上記方法で検出、定量される金属成分重量を差し引いて
求められた付着残留′  熱媒中の金属成分重量と、そ
の熱媒中の金属成分割合とから求める。
上記のような除去を行うことによって、前記金属成分を
1100pp以下、好ましくは10ppm以下となる付
着残菌量である条イ1下で炭化することができるので、
高物性の炭素繊維を得る上で好ましい。
即ち、炭素以外の無機粒子や炭素粒子とこれらを併用す
る場合には、後続の炭化工程へかけてローラやガイド等
の接触時に、繊維に付着熱媒体による物理的な損傷(キ
ズ、毛羽)を生じさせたり、該粒子中の金属成分が容易
に炭化途中の炭素繊維と反応し、jqられる炭素繊維の
物性に悪影響を及ぼさないだけの量に抑えることが望ま
しい。
耐炎化炉1は、本実施例においては仕切板12によって
前駆体繊維101の通過方向に分割されており、夫々ヒ
ータ6.7を有する二つの加熱域3.4を構成する。酸
化性気体は、例えば圧空を供給孔9.9′から各加熱域
へ個別に導入され、焼結金網や焼結金属、多孔板からな
る分散板8.8−で分散されて熱媒粒子5を流動化せし
めた後排気孔10から導出される。当該繊維が本耐炎化
炉の流動層へ導入出される導入・導出孔は開放のままだ
と熱媒や加熱空気が流出するので、シール手段11.1
1′を設け、シールガスをシールガス供給孔13.13
−から夫々へ供給し、該シール手段内界囲気圧を炉内の
雰囲気圧より若干高目の圧力にして熱媒と加熱空気をシ
ールする。
また、耐炎化炉1はひとつの炉内を仕切板12で分割し
て二つの加熱域を構成する例で示したが、更に多段に分
割することもできるし、加熱流動層を有する炉を複数個
設けて温度を変えて順次耐炎化処理することもできる。
本発明の耐炎化方法によって得られた耐炎化繊維102
あるいは103は、必要なら次いで第2図に示すように
炭化炉2を用いて連続的に炭化し炭素繊維104のパッ
ケージ32としたり、バッチ的に炭化して炭素繊維とす
ることも可能である。
炭化炉2の加熱方法は、不活性ガス、例えばN2 、A
r、He等の雰囲気で使用できて所定の炭化温度が得ら
れるものでおれば、抵抗加熱、誘導加熱等の方法が可能
で特に限定されない。
第1図および第2図に示した例では、耐炎化と炭化処理
を分離して行う例で示したが、耐炎化処理俊耐炎化繊維
102もしくは103を続いて更に連続的に炭化処理し
て炭素繊維104を得ることもできる。
なお、第1図および第2図における37.38.39.
40はガイドロールを示し、33.34.35.36は
駆動ロール、50は不活性ガス供給孔、51は不活性ガ
ス排気孔をそれぞれ示している。
上記のような工程において、前駆体繊維101の熱媒粒
子流動層5への導入、導出部に設けられ、シールカス供
給孔13.13′を有するシール手段11.11−には
、前駆体繊維101の通過孔14.14−が設けられる
。該シール手段11.11′内には、シールカス供給孔
13.13−から供給され前駆体繊維と初期接触するシ
ールガスの流れを制御する流れ制御部材15.15−が
設けられており、該流れ制御部材15.15−は、通過
孔14.14′の中心軸(第1図における前駆体繊維1
01の糸道と一致)と並行に延設されている。
このような構造をとることにより、シールガスは走行中
の前駆体繊維101に対し並行流としてシール手段内に
供給され、その流れ、とくに初期接触するシールガスの
流れが前駆体繊維101に衝突しないので、前駆体繊維
101には毛羽等の損傷が生じることがない。また、シ
ールガス並行流の大部分が流動層方向に向けられること
により、熱媒粒子5のシール手段11.11−内への侵
入、流出が効率よく抑えられ、より確実なシールが行わ
れる。
また、前駆体繊維導入部においては、シールガスとして
酸化性気体を使用する場合、前述の如く反応発熱による
蓄熱のおそれがあるが、シールガスが加熱流動層5とは
離れた位置の熱的に遮断された経路でシールガス供給孔
13.13′、シール手段内へと供給されるので、シー
ルガスの温度は熱媒粒子流動層5内に比べはるかに低い
温度となり、気相であっても大きな除熱効果が得られる
。その結果、反応発熱による前駆体繊維101の溶断や
発火による糸切れが防止される。
導入部シールガスとして不活性ガスを使用すれば、酸化
を伴わないので反応発熱は発生しない。
したがって、不活性ガスの場合は、その供給経路にとく
に制限はない。つまり供給不活性ガスが流動層側から伝
熱により加熱されたとしても、その温度は高々流動層の
温度であるから、前駆体繊維101に溶断や発火が生じ
ることはない。
[実施例] 上記シール手段部について、望ましい実施例を以下に説
明する。
実施例1 第3図は、前駆体繊維101の熱媒粒子流動層5への導
入部に設けられるシール手段11の一実施例を示してい
る。シールガス供給孔13から供給されたシールガスは
、リング状の圧力室74、多孔リング73を介して、円
環状ガス通路である噴出孔71から前駆体繊維101に
接するようにシール手段内に噴出される。前駆体繊維1
01は、通過孔70、糸道ガイド72を通して流動層内
へと送られるが、前記噴出シールガスの流れを制御する
流れ制御部材75は、前駆体繊維101と初期接触する
シールガスが前駆体繊維101に対し並行流となるよう
に、通過孔70の中心軸(図上101に一致)に対し並
行に延設されている。シールガスの流れは、第3図に示
す導入部においては前駆体繊維101の走行方向と同一
方向になり、導出部においては逆方向の並行流となる。
上記流れ制御部材75の走行前駆体繊維101と平行な
部分の長さゑは、その断面外形が円形でおればその外径
、矩形であればその短い方の辺dとの関係が、0.5≦
1/d≦5となるよう設定することが並行流を得る上で
好ましい。また、シールガスの供給流量としては、糸道
ガイド72の糸道断面における供給シールガスの流速が
0.5 m/s以上10TrL/S以下になるような流
量が好ましい。通糸断面を流れる流量は、供給シールガ
スの流量と吸引される炉外の空気流量との和となるので
、実際には上記の何倍もの流速になる。上記以下の流量
だと、熱媒粒子が流れに逆らって漏れ出るおそれがあり
、これ以上の流量だと繊維の傷みが激しくなるおそれが
ある。なお、糸道ガイド72には、繊維の擦過による損
傷が生じないようなセラミックス等を用いるのが好まし
い。
実施例2 第4図は、前駆体繊維101の流動層5への導入部に設
けられるシール手段11の別の実施例を示している。本
実施例では、入口、出口部に糸道ガイド72.72−が
設けられ、供給シールガスの大部分は流動層方向に流れ
るが一部はその逆方向(流出方向)にも流れる。流出量
を低減するには、第5図に示すようにラビリンス80を
付加すればよい。
供給ガス母全量を強制的にシールに用いる実施例1に比
べ、両方向への流れによってシールが達成され、両排出
孔のバランスによりそれぞれからの排出流量を決定でき
るとともに、前駆体繊維101にとってよりマイルドな
シールが可能になり、該繊維の毛羽等の発生を一層確実
に抑えることが可能になる。本実施例におけるシールガ
スの供給流量は、流動層側の糸道ガイド72−の通糸断
面におけるシールガス流速が2m/S以上40m/S以
下となるような流量が好ましい。なお、!/dの好まし
い範囲は実施例1と同じである。
比較例 第6図は、初期接触する供給シールガスの流れが前駆体
繊維101の通過孔70の中心軸に対し鋭角の流れの場
合を示しており、鋭角の噴射孔76を有するシール手段
77を用いて熱媒をシールしつつ耐炎化処理してみたが
、前駆体繊維101には多量の毛羽が発生し、使用に耐
えなかった。
[発明の効果] 以上説明したように、本発明によるときは、次のような
効果が1qられる。
(至)流動層への導入、導出部において、前駆体繊維糸
道に対しシールガスを並行方向に流すようにしたので、
該繊維へガスが衝突することがなく、毛羽等の損傷の発
生を防止することができる。
(2)不活性ガスあるいは流動層とは熱遮断された低温
の酸化性気体をシールガスとして使用するので、反応発
熱による溶断や発火による糸切れの発生を防止すること
ができる。
Q9  更に、流動層への方向と逆方向へもシールガス
を流すようにすれば、よりマイルドなシール状態が実現
できるから毛羽等の損傷をより確実に低減することがで
きる。
【図面の簡単な説明】
第1図は本発明に係る耐炎化装置の一実施例を示す概略
模式図、 第2図は得られた耐炎化繊維を炭化する方法の一実施例
を示す概略模式図、 第3図は本発明に係るシール手段部の一実施例を示す断
面図、 第4図は別の実施例に係るシール手段部の断面図、 第5図は第4図のシール手段部にラビリンスを付加した
場合の断面図、 第6図は比較例に係るシール手段部の断面図、第7図は
従来のシール手段の概略構成図、である。 1:耐炎化炉 2:炭化炉 3:第1段目の加熱域 4:第2段目の加熱域 5:熱媒粒子(流動層) 6.7:ヒータ 8.8′二分散板 9.9′:給気孔 10:排気孔 11.11′:シール手段 12:仕切板 13.13−:シールガス供給孔 20:熱媒除去手段 30:前駆体繊維パッケージ 31:耐炎化繊維パッケージ 32:炭素繊維パッケージ 33.34.35.36:駆動ローラ 37.38.39.40:ガイド口−ラ50:不活性ガ
ス給気孔 51:不活性ガス排気孔 70:通過孔 7に噴出孔 72.72′:糸道ガイド 73:多孔リング 74:圧力至 75:流れ制御部材 76:噴射孔 77:シール手段 80:ラビリンス 101:前駆体繊維 102.103 :耐炎化繊維 104:炭素繊維

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. (1)熱媒粒子を酸化性気体で流動化せしめた流動層中
    で前駆体繊維を連続的に加熱処理する耐炎化装置におい
    て、前記前駆体繊維の前記流動層内への導入部および流
    動層内からの導出部に、前駆体繊維の通過孔とシールガ
    ス供給孔とを有する前記熱媒粒子のシール手段を設け、
    該シール手段内に設けられ、前記シールガス供給孔から
    供給され前記前駆体繊維と初期接触するシールガスの流
    れを制御する流れ制御部材を、前記通過孔の中心軸と並
    行に延設したことを特徴とする耐炎化装置。
  2. (2)熱媒粒子を酸化性気体で流動化せしめた流動層中
    で前駆体繊維を連続的に加熱処理する耐炎化方法におい
    て、前記前駆体繊維の前記流動層内への導入部および流
    動層からの導出部に設けられた前駆体繊維の通過孔を有
    するシール手段内にシールガスを供給し、該シール手段
    内に供給されたシールガスの少なくとも一部を流動層の
    方向に向かう前駆体繊維の糸道と並行な流れに制御する
    とともに、前記流動層内への導入部に設けられたシール
    手段には不活性ガス又は流動層とは実質的に熱的に遮断
    された酸化性気体のいずれかのシールガスを供給するこ
    とを特徴とする耐炎化方法。
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Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPH06173123A (ja) * 1992-09-14 1994-06-21 Nippon Steel Corp ピッチ系炭素繊維不融化炉のシール方法およびその装置
JPH06173124A (ja) * 1992-09-14 1994-06-21 Nippon Steel Corp 不融化炉と炭化炉間の雰囲気調整方法およびその装置
EP2868785A4 (en) * 2012-06-27 2015-07-08 Mitsubishi Rayon Co CARBONIZATION OVEN FOR THE PRODUCTION OF CARBON FIBER BUNNELS AND METHOD FOR THE PRODUCTION OF CARBON FIBER BUNDLES

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