JP2015030936A - 炭素化炉 - Google Patents

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Abstract

【課題】 炭素化炉を休転させることなく、高い稼働率で炭素化炉を運転できる炭素化炉を提供する。
【解決手段】 外部から内部中空の炭素化炉本体4内に供給される耐炎化繊維を、不活性雰囲気下で300〜700℃に加熱することにより炭素化して炭素化炉本体4外に排出する炭素化炉本体4と、炭素化炉本体4にその一端を連結する排気管14と、一端側に排気管14の他端が連結される直線状煙道16と、煙道16の他端側下面に気密且つ着脱自在に取付けられ、その中に、煙道内壁26に付着したシリカパウダー、毛羽及びタールからなるケバ巻込みタール22aが掻き落とされるケバ巻込みタール収納ボックス24と、煙道16の一端から煙道16内に摺動自在に挿入される煙道清掃治具18とからなる炭素化炉2。
【選択図】 図1

Description

本発明は、炉本体と煙道とを有する炭素化炉であって、炉の長期安定運転を行うための煙道構造を有する炭素化炉に関する。
炭素繊維の製造方法においては、例えば前駆体繊維としてのポリアクリロニトリル(PAN)系繊維を200〜300℃の酸化性雰囲気下で延伸又は収縮を行いながら耐炎化処理を施して耐炎化繊維を得る。次いで、得られた耐炎化繊維を、400℃以上の不活性雰囲気下の炭素化炉内に供給して加熱することにより炭素化して得られる炭素繊維を炭素化炉外に排出し、これをワインダーに巻き取って炭素繊維を製造する方法が一般に採用されている。
なお、上記炭素化工程は、必要に応じて複数の工程に分け、例えば350〜800℃の不活性雰囲気下の第1炭素化炉で熱処理した後、1000℃以上の不活性雰囲気下の第2炭素化炉で熱処理することにより耐炎化繊維の炭素化処理が施される場合もある。
また、上記炭素化工程においては、原料の耐炎化繊維の1繋がり(1パッケージ)が完全に消費されると炭素化炉を休転し、タール等で閉塞されやすい部分の清掃を行い、次の炭素化炉の運転に備えている。
しかし、この炭素繊維の製造方法においては、1パッケージ分の原料の耐炎化繊維の炭素化炉への供給が終了する度に、焼成設備ラインを休転することになる。そのため、上記炭素繊維の製造方法では、設備稼働率が低くなって生産量が減少すると共に、コスト高になる問題を抱えている。
そこで、設備稼働率を上げるために、原料の耐炎化繊維の複数のパッケージを繋ぎながら連続的に炭素化炉を運転する方法も採られるようになってきている。
なお、炭素化炉の運転においては、耐炎化繊維質量の20〜50%が炭素化炉内でガス化される。この発生ガスは、同炭素化炉で耐炎化繊維から発生する毛羽と共に、排ガス通路を通過して排煙処理装置へ導かれる(例えば、特許文献1参照)。
図2は従来の炭素化炉(第1炭素化炉及びその周辺装置からなる)の一例を示す概略正面断面図であり、(A)は、煙道清掃治具により煙道内壁に付着したシリカパウダー、毛羽、タールなどの異物(後述のケバ巻込みタール)を掻き落とす前の状態を示し、(B)は、煙道清掃治具により煙道内壁に付着した異物を掻き落とした後の状態を示す。
図2に示すように従来の炭素化炉42において、炭素化炉本体44内を水平に且つ炭素化炉本体44の側壁46に平行にパス48を形成して走行する耐炎化繊維を熱処理する際、発生ガスは炭素化炉本体44の頂部50の下面に沿って広がる。この発生ガスは通常、炭素化炉本体44にその一端を連結する排気管52と、煙道54の一端側に排気管52の他端が所定角度で連結される断面が所定形状の直線状煙道54と、煙道54の他端に連結する排煙処理装置56とを通って系外へ排出される。
耐炎化繊維がシリコーンオイル等でオイル処理されている場合、発生ガスとの反応によりシリカパウダーや毛羽が発生する。このシリカパウダーや毛羽の多くは、発生ガスと共に排気管52、煙道54、排煙処理装置56を通って系外へ排出される。しかし、排煙処理装置56入口までの排ガス通路内、即ち排気管52内、煙道54内において発生ガスは凝縮してタール化すると共にシリカパウダーや毛羽も一緒に巻き込んでしまう。このように、一部のシリカパウダーや毛羽はタールと共に所謂ケバ巻込みタールとして、排気管52内壁58、煙道54内壁60及びその近傍に付着する。
そのため、排気管52及び煙道54は、炭素化炉42の運転中に徐々に沈着するタールにより閉塞していき、最終的には排気が十分にできなくなり、発生ガスが炭素化炉で逆流し、炭素化処理中の繊維を汚染してしまう問題がある。排気管52及び煙道54の閉塞により、炭素繊維の連続生産期間にも限度が生じ、炭素化炉42の運転開始から10日間程度で停止せざるを得ない問題もある。
この問題に対して、特許文献1では、排気管及び煙道にそれぞれ排気管清掃治具及び煙道清掃治具を設けることが提案されている。しかし、特許文献1には排気管及び煙道のケバ巻込みタールを掻き取ったものの受け止めについては、その対策が示されていない。
一方、排気管のケバ巻込みタールを掻き取ったものの受け止めについては、排気ポート(排気管)の下方かつパスの上方に、排気管のパス走行方向長さよりも長いパス走行方向長さの整流板(受止皿)であって、熱処理装置(炭素化炉)におけるストランド(耐炎化繊維)入口側の内壁及び耐炎化繊維出口側の内壁から離されて設けられた受止皿が、排気管のパス走行方向長さ全体を覆って設けられているものが、従来より提案されている(例えば、特許文献2参照)。
他方、煙道のケバ巻込みタールを掻き取ったものの受け止めについては、以下のように問題がある。
図2に示すように、煙道清掃治具62を例にとって説明すると、煙道清掃治具62は通常、柄62aと柄62aの先の平板状清掃板62bとを有する。この清掃板62bは、煙道54の断面とほぼ同じ形状の平板であって、煙道54内壁60を摺動する平板である。例えば、煙道54が円筒の場合は、清掃板62bは円盤となる。
この構造の煙道清掃治具62を、柄62aの軸方向に1〜5回往復させるだけで、煙道54内壁60に付着したケバ巻込みタール64aを容易に掻き取って除去することができる。
しかし、煙道清掃治具62によって煙道54内壁60から掻き取られたケバ巻込みタール64bは、排煙処理装置56内に落とされることになる。
排煙処理装置56内には、排煙燃焼用ガスバーナー66、場合によっては、排煙処理装置56で発生する排ガス燃焼熱を有効利用するための熱交換器68が設けられている(例えば、特許文献3参照)。
排煙処理装置56内にケバ巻込みタール64bが落とされると、排煙燃焼用ガスバーナー66や熱交換器68にケバ巻込みタール64bが付着して排煙処理装置56の運転に支障を来し、惹いては頻繁に炭素化炉42を休転させることになり、稼働率を低下させることになる。
熱交換器68の伝熱面には、排煙処理装置56における排ガスの成分が付着したケバ巻込みタールを除去する手段が備えられている。伝熱面に付着した異物を除去する方法としては、高圧空気で異物を吹き飛ばして除去する方法、振動若しくは超音波により異物を落下・除去する方法などが挙げられる。
以上の旨の対策案が特許文献3には記載されている。しかし、これらの手段を備えても、排煙処理装置56が煩雑になるばかりで、炭素化炉42の休転を回避する効果はさほど高くない。
特開2004−360080号公報 特開2004−332155号公報 特開2005−163200号公報
本発明の目的は、上記従来技術の課題を解決し、炉の長期安定運転を行うための煙道構造を有する炭素化炉を提供することにある。
本発明者は、上記課題について鋭意検討しているうち、発生ガスが通過する煙道の所定の位置に気密且つ着脱自在に取付けられ、その中に、煙道内壁に付着したシリカパウダー、毛羽及びタールからなるケバ巻込みタールが掻き落とされるケバ巻込みタール収納ボックスを設けることにより、ケバ巻込みタール除去のために頻繁に炭素化炉を休転させることなく、高い稼働率で炭素化炉を運転できることを見出し、本発明を完成するに至った。
上記目的を達成する本発明は、以下に記載のものである。
〔1〕 外部から内部中空の炭素化炉本体内に供給される耐炎化繊維を、不活性雰囲気下で300〜700℃に加熱することにより炭素化して生成する炭素繊維を炭素化炉本体外に排出する炭素化炉本体と、
前記炭素化炉本体にその一端を連結する排気管と、
一端側に前記排気管の他端が連結される直線状煙道であって、煙道を300〜700℃に温度制御する手段を備える直線状煙道と、
前記煙道の他端に連結する排煙処理装置と、
前記煙道の他端側下面に気密且つ着脱自在に取付けられ、その中に、煙道内壁に付着したシリカパウダー、毛羽及びタールを含むケバ巻込みタールが掻き落とされるケバ巻込みタール収納ボックスと、
前記煙道の一端から煙道内に摺動自在に挿入される煙道清掃治具とからなる炭素化炉。
〔2〕 前記排気管と前記煙道との連結部と、前記ケバ巻込みタール収納ボックス取付け部との間の煙道内壁温度を、その他の領域の煙道内壁温度よりも20〜200℃だけ低温に保つ温度制御手段を備える〔1〕に記載の炭素化炉。
〔3〕 前記その他の領域が、排煙燃焼用ガスバーナー、圧力計又は温度計の取付け部分を含む〔2〕に記載の炭素化炉。
〔4〕 前記煙道清掃治具が、柄部と、前記柄部の一端に取付けた清掃板部とからなる〔1〕に記載の炭素化炉。
本発明の炭素化炉は、発生ガスの通路として炭素化炉本体から順に排気管、煙道、排煙処理装置を有し、煙道の排煙処理装置側下面に気密且つ着脱自在に取付けられ、その中に、煙道内壁に付着したシリカパウダー、毛羽及びタールからなるケバ巻込みタールが掻き落とされるケバ巻込みタール収納ボックスを設けている。よって、ケバ巻込みタールは排煙処理装置には落とされないので、排煙処理装置内のケバ巻込みタール除去のために頻繁に炭素化炉を休転させることなく、長期間の連続運転が可能であり、稼働率が高い。
また、排気管と煙道との連結部と、ケバ巻込みタール収納ボックス取付け部との間の煙道内壁温度を、その他の煙道内壁温度よりも20〜200℃だけ低温に保つ温度制御手段を備えた場合は、煙道清掃治具ではケバ巻込みタールの除去ができない煙道内壁部分におけるケバ巻込みタールの蓄積を抑制することができるので、炭素化炉の稼働率を更に高くすることができる。
本発明の炭素化炉(第1炭素化炉及びその周辺装置からなる)の一例を示す概略正面断面図であり、(A)は、煙道清掃治具により煙道内壁に付着したケバ巻込みタールを掻き落とす前の状態を示し、(B)は、煙道清掃治具により煙道内壁に付着したケバ巻込みタールを掻き落とした後の状態を示す。 従来の炭素化炉(第1炭素化炉及びその周辺装置からなる)の一例を示す概略正面断面図であり、(A)は、煙道清掃治具により煙道内壁に付着したケバ巻込みタールを掻き落とす前の状態を示し、(B)は、煙道清掃治具により煙道内壁に付着したケバ巻込みタールを掻き落とした後の状態を示す。
以下、図1を参照して本発明を詳細に説明する。
図1は本発明の炭素化炉(第1炭素化炉及びその周辺装置からなる)の一例を示す概略正面断面図であり、(A)は、煙道清掃治具により煙道内壁に付着したシリカパウダー、毛羽、タールなどからなるケバ巻込みタールを掻き落とす前の状態を示し、(B)は、煙道清掃治具により煙道内壁に付着したケバ巻込みタールを掻き落とした後の状態を示す。
図1において、2は炭素化炉である。耐炎化処理装置(不図示)において耐炎化処理を施された耐炎化繊維は、300〜700℃、好ましくは350〜600℃に昇温された炭素化炉本体(第1炭素化炉本体)4内を水平に且つ炭素化炉本体4の側壁6に平行にパス8を形成して走行し、熱処理(第1炭素化処理)され、次いで必要により、1000℃以上に昇温された第2炭素化炉(不図示)において熱処理(第2炭素化処理)されて炭素繊維にされる。
本例において用いられる耐炎化繊維とは、前駆体繊維を耐炎化させることによって得られる繊維のことであり、好ましくは臨界酸素指数が30〜60の繊維のことである。
耐炎化繊維の原料となる前駆体繊維としては、ポリアクリロニトリル(PAN)系、ピッチ系、フェノール系、レーヨン系など従来公知のいずれの繊維でも用いられる。なお、紡績を行う上では、強度、伸度の比較的高いPAN系耐炎化繊維が最も好適である。例えばPAN系耐炎化繊維は、PAN系繊維を空気中、高温で処理することにより環化反応を生じさせ、酸素結合量を増加させて不融化、難燃化させる耐炎化処理によって得られる。
具体的な耐炎化処理としては、例えばPAN系繊維では、PAN系繊維を200〜300℃の酸化性雰囲気下で耐炎化処理を施して得られる。更に具体的には、空気中、初期耐炎化温度220〜250℃でPAN系繊維を10分間耐炎化処理後、昇温速度0.2〜0.9℃/分で、最高温度250〜280℃まで加熱し、この温度で5〜30分間保持する条件により得られる。
第1炭素化熱処理において、炭素化炉本体4内最高温度470〜700℃に耐炎化繊維が曝される場合、耐炎化繊維の20〜50%がガス化して発生ガスとなる。この発生ガスの大部分はタール成分であり、このタール成分に混ざって耐炎化繊維からのシリカパウダーや毛羽も混在して排気される。
炭素化炉本体4の頂部10には、その一端が連結された排気管12であって、上記発生ガスを炭素化炉本体4内から外部に排出するための排気管12が設けられている。この排気管12の他端が、煙道14の一端側に所定角度で連結される断面が所定形状の直線状煙道14が設けられている。この煙道14の他端には、排煙処理装置16が設けられている。
排気管12と煙道14との連結角は70〜110度が好ましく、90度が特に好ましい。煙道14の断面形状は、矩形、楕円形又は円形が好ましく、円形が特に好ましい。
炭素化炉本体4内の発生ガスは、排気管12に向かい、この排気管12を通り、更に煙道14と、排煙処理装置16とを通って系外へ排出される。
煙道14内部には、煙道清掃治具18の清掃板部18bが挿入されている。煙道清掃治具18の例としては、柄部18aと、柄部18aの一端に取付けられる清掃板部18bとからなるものが挙げられる。
煙道14の断面形状が円形の場合、煙道清掃板部18bは、煙道14内壁20を摺動する円盤や一部を切欠いた半円板が好ましい。
煙道14を300〜700℃、好ましくは350〜600℃、より好ましくは350〜500℃に温度制御する手段を、煙道14は備えている。
煙道14の排煙処理装置16側下面には気密且つ着脱自在に取付けられ、煙道清掃治具18により煙道14内壁20に付着したケバ巻込みタール22aをケバ巻込みタール22bとして掻き落とされるケバ巻込みタール収納ボックス24が設けられている。
煙道清掃治具18を用いた付着ケバ巻込みタール22aの除去は、以下の操作により行うことができる。
煙道清掃治具18を、柄部18aの軸方向に沿って1〜5回往復させる。この操作は定期的に好ましくは4〜96時間毎に、特に好ましくは8〜24時間毎に行う。
以上の煙道清掃治具18の操作により、ケバ巻込みタール22bは、排煙処理装置16内に落とされるのではなく、ケバ巻込みタール収納ボックス24内に落とされる。
なお、排煙処理装置16内には、排煙燃焼用ガスバーナー32を設けている。場合によっては、必要に応じて排煙処理装置16で発生する排ガス燃焼熱を有効利用するための熱交換器34を設けても良い。
ケバ巻込みタール22bは排煙処理装置16内に落とされないばかりか、発生ガス中に残っているケバ・タール成分は排煙処理装置16において焼却される。そのため、排煙燃焼用ガスバーナー32や熱交換器34には、ケバ巻込みタールは付着しないか付着しても僅かであり炭素化炉2を休転させる程にはならない。よって、本発明においては、排煙処理装置16内のケバ巻込みタール除去のために頻繁に炭素化炉2を休転させることなく、炭素化炉2の稼働率が高い。
煙道清掃治具18により掻き出された後の、煙道14における、排気管12と煙道14との連結部と、ケバ巻込みタール収納ボックス24の煙道14への取付け部と、の間の内壁26には薄くケバ巻込みタールが残っていても良い。この残っているケバ巻込みタールの量は、発生ガスの排気に支障のない範囲のものである。
ケバ巻込みタール収納ボックス24の容量は、炭素化炉2の運転を10日間以上続けられる容量以上が好ましく、45〜60日間続けられる容量がより好ましい。
煙道14における、排気管12と煙道14との連結部と、ケバ巻込みタール収納ボックス24の煙道14への取付け部と、の間の内壁26の温度を、煙道14におけるその他の内壁28a、28bの温度よりも20〜200℃だけ低温に保つ温度制御手段30を設けることが好ましく、50〜100℃だけ低温に保つことがより好ましい。
温度制御手段30について説明すると、炭素化炉2の運転時には、煙道14における、排気管12と煙道14との連結部と、ケバ巻込みタール収納ボックス24の煙道14への取付け部と、の間の内壁26、並びに、煙道14におけるその他の内壁28a、28bには、感知部が埋込まれて備えられた温度計が、それぞれの部分における内壁温度を感知して温度制御手段30に知らせる。
また、煙道14における、排気管12と煙道14との連結部と、ケバ巻込みタール収納ボックス24の煙道14への取付け部と、の間の内壁26、並びに、煙道14におけるその他の内壁28a、28bには、ヒーター等の加熱手段、必要に応じて冷却手段が埋込まれて備えられている。
なお、必要に応じ、煙道14における、排気管12と煙道14との連結部と、ケバ巻込みタール収納ボックス24の煙道14への取付け部と、の間の内壁26、並びに、煙道14におけるその他の内壁28a、28bには、感知部が埋込まれて備えられた圧力計が、それぞれの部分における煙道14内圧力を感知して温度制御手段30に知らせる。
温度制御手段30においては、それぞれ感知された内壁温度に応じて加熱手段及び/又は冷却手段に出力制御信号を発信させる。これにより、煙道14における、排気管12と煙道14との連結部と、ケバ巻込みタール収納ボックス24の煙道14への取付け部と、の間の内壁26の温度は、煙道14におけるその他の内壁28a、28bの温度よりも好ましくは20〜200℃だけ低温に保つように制御される。
この温度範囲への制御は、以下のことに基いている。
本発明においては、炭素化炉本体4内最高温度470〜700℃で、好ましくは500〜600℃で炭素化炉本体4を運転する。発生ガスは冷却されて温度が450℃以下になると、凝縮してタール化すると共にシリカパウダーや毛羽も一緒に巻き込んでケバ巻込みタールを形成する。タールの形成を避けるため、煙道14におけるその他の内壁28a、28b、排気管12内壁36は、470〜700℃に保温することが好ましく、500〜600℃に保温することがより好ましい。
以上の状況に際し、煙道14における、排気管12と煙道14との連結部と、ケバ巻込みタール収納ボックス24の煙道14への取付け部と、の間の内壁26の温度が、煙道14におけるその他の内壁28a、28bの温度よりも20〜200℃だけ低温になると、即ち、煙道14における内壁26の温度が450℃以下になると、選択的に煙道14における内壁26にケバ巻込みタール22aが付着する。
これに対し、煙道14における、排気管12と煙道14との連結部と、ケバ巻込みタール収納ボックス24の煙道14への取付け部と、の間の内壁26よりも高温域である煙道14におけるその他の内壁28a、28bでは、ケバ巻込みタールの蓄積が抑制され、ケバ巻込みタールは付着しないか付着しても僅かであり炭素化炉2を休転させる程にはならない。
なお、煙道14におけるその他の内壁28a、28bのうち、排煙処理装置16側の内壁28bでは、ケバ巻込みタールの蓄積が抑制され、ケバ巻込みタールが付着しないか付着しても僅かであり、更には、煙道清掃治具18の清掃板部18bと排煙燃焼用ガスバーナー32とがぶつからないので、その内壁28b近傍の煙道14から排煙処理装置16の入口にかけた位置に排煙燃焼用ガスバーナー32を配置し、排煙燃焼用ガスバーナー32の着火点を排煙処理装置16の入口に位置させることができる。
この位置に排煙燃焼用ガスバーナー32を配置させることにより、発生ガスは排煙処理装置16の入口で確実に着火するため、排煙処理装置16における排ガス燃焼の効率は高くなる。
また、煙道14におけるその他の内壁28a、28bに備えられる、温度計、加熱手段、冷却手段、圧力計については、内壁28a、28bに埋込まないで、内壁28a、28bに形成された凹み(取付け部分)に引込んで備えることもできる。即ち、内壁28a、28bに形成された凹みは、煙道清掃治具18ではケバ巻込みタールの除去ができない部分であって、所謂煙道内壁におけるデッドスペースになる。それにも拘らず、このデッドスペースも、内壁28a、28bと同様に内壁26よりも20〜200℃だけ高温に保つことにより、ケバ巻込みタールの蓄積を抑制することができる。
なお、上記説明においては、煙道の温度制御に加熱手段等とそれらの制御部を用いた。しかし、これに限られず、煙道等を被覆する保温材の量を調節することにより煙道各部の温度を制御しても良い。
以下、本発明の熱処理装置を実施例及び比較例を用いて説明するが、本発明はこれら実施例及び比較例に限定されるものではない。
(実施例1)
図1に示す炭素化炉2において、パス8にオイル処理を施した耐炎化繊維を用い、第1炭素化熱処理を行った。炭素化炉本体4内最高温度550℃に耐炎化繊維は曝され、耐炎化繊維の30%がガス化して発生ガスとなった。この発生ガスの大部分はタール成分であり、このタール成分に混ざって耐炎化繊維からのシリカパウダーや毛羽も混在して排気された。炭素化炉2の運転において、排気管12の温度は500℃、煙道14の温度は480℃、耐炎化繊維の処理量は500kg/hrであった。
18は煙道清掃治具であり、この煙道清掃治具18は定期的に駆動され、煙道14内壁26に蓄積されたケバ巻込みタール22aは、この煙道清掃治具18により掻きだされてケバ巻込みタール収納ボックス24に落とされた。煙道清掃治具18により掻き出された後の煙道14内壁26には薄くケバ巻込みタールが残っていた。しかし、発生ガスの排気には支障のない範囲のものであった。
この清掃を8時間毎に繰り返すことにより煙道14内は支障のない範囲に空間は保たれた。
清掃により掻き落とされたケバ巻込みタール22bは、ケバ巻込みタール収納ボックス24内に蓄積された。なお、ケバ巻込みタール収納ボックス24には十分な容量があるため、45日間の運転においてもケバ巻込みタール収納ボックス24の容量の70%までで抑えることができた。
(実施例2)
煙道14における、排気管12と煙道14との連結部と、ケバ巻込みタール収納ボックス24の煙道14への取付け部と、の間の内壁26の温度を420℃に設定し、煙道14におけるそれ以外の部分の内壁28a、28bの温度を500℃に設定した以外は、実施例1と同様に炭素化炉を運転した。
その結果、煙道14における、排気管12と煙道14との連結部と、ケバ巻込みタール収納ボックス24の煙道14への取付け部と、の間の内壁26は、他の部分の内壁28a、28bに対し温度が低いためケバ巻込みタールが凝縮し易かった。
また、内壁26におけるケバ巻込みタールの皮膜の成長も、500℃設定の煙道14におけるその他の内壁28a、28bよりも早かった。しかし、内壁26に付着したケバ巻込みタールは、清掃治具により掻き出されたため、炭素化炉2の運転への支障はなかった。
煙道14におけるその他の内壁であって、排気管12と煙道14との連結部の内壁28a、及び、ケバ巻込みタール収納ボックス24の煙道14への取付け部からバーナーノズル30の設置部分までの内壁28bは、煙道14における、排気管12と煙道14との連結部と、ケバ巻込みタール収納ボックス24の煙道14への取付け部と、の間の内壁26よりも50℃高温に保たれた。そのため、ケバ巻込みタールは付きにくく、45日間の炭素化炉2の運転でも煙道14におけるその他の内壁28a、28bもきれいに保たれた。即ち、ケバ巻込みタールが、優先的に煙道14の低温部分に凝縮したために、煙道14の高温部は正常な状態を維持することが出来た。
煙道14が正常な状態を維持されたばかりでなく、炭素化炉2から産出された炭素繊維も、生産の初期から最終日まで高品質の状態が維持され、毛羽が含まれない高品位の良好な炭素繊維が、生産の初めから終わりまでを通して得られた。
(比較例1)
図2に示す炭素化炉42を用いた以外は、実施例1と同様に炭素化炉を運転した。そこでは、煙道54内壁60に蓄積されたケバ巻込みタール64aは、この煙道清掃治具62により掻きだされ、排煙処理装置56に落とされた。
その結果、排煙処理装置56内に設けられている排煙燃焼用ガスバーナー66、熱交換器68にケバ巻込みタール64bが付着した。そのため、排煙処理装置56の運転に支障を来し、惹いては運転7日目で炭素化炉42を休転することを余儀なくされた。
(比較例2)
比較例2は、図2の炭素化炉42において、煙道清掃治具58の無い炭素化炉の運転例を示すものであり、煙道56の清掃をしない事以外は比較例1と同様に炭素化炉を運転した。煙道56は運転10日目で40%程度閉塞し、16日目で70%閉塞した。そのため、十分な排気が出来なくなり、炭素化炉は運転条件調整幅を超え、炭素化炉本体44の圧力が著しく上昇した。
その結果、耐炎化繊維が通過する開口部から発生ガスが噴出し、炭素化炉は運転が継続できなくなり休転することを余儀なくされた。発生ガスが開口部から噴出する状態は、炭素化炉内の発生ガス濃度が異常に高い状態であり、この炭素化熱処理で得られた炭素繊維は、この発生ガスによる凝縮・膠着の発生により、品位の悪いものとなり、強度的にも十分なものではなかった。
2、42 炭素化炉
4、44 炭素化炉本体
6、46 炭素化炉本体の側壁
8、48 パスを形成して走行する耐炎化繊維
10、50 炭素化炉本体の頂部
12、52 排気管
14、54 煙道
16、56 排煙処理装置
18、62 煙道清掃治具
18a、62a 煙道清掃治具の柄部
18b、62b 煙道清掃治具の清掃板部
20、60 煙道の内壁
22a、64a 煙道の内壁に付着したケバ巻込みタール
22b ケバ巻込みタール収納ボックスに掻き落とされたケバ巻込みタール
24 ケバ巻込みタール収納ボックス
26 煙道における、排気管と煙道との連結部と、ケバ巻込みタール収納ボックスの煙道への取付け部と、の間の内壁
28a、28b 煙道におけるその他の内壁
30 温度制御手段
32、66 排煙燃焼用ガスバーナー
34、68 熱交換器
36、58 排気管の内壁
64b 排煙処理装置に掻き落とされたケバ巻込みタール

Claims (4)

  1. 外部から内部中空の炭素化炉本体内に供給される耐炎化繊維を、不活性雰囲気下で300〜700℃に加熱することにより炭素化して生成する炭素繊維を炭素化炉本体外に排出する炭素化炉本体と、
    前記炭素化炉本体にその一端を連結する排気管と、
    一端側に前記排気管の他端が連結される直線状煙道であって、煙道を300〜700℃に温度制御する手段を備える直線状煙道と、
    前記煙道の他端に連結する排煙処理装置と、
    前記煙道の他端側下面に気密且つ着脱自在に取付けられ、その中に、煙道内壁に付着したシリカパウダー、毛羽及びタールを含むケバ巻込みタールが掻き落とされるケバ巻込みタール収納ボックスと、
    前記煙道の一端から煙道内に摺動自在に挿入される煙道清掃治具とからなる炭素化炉。
  2. 前記排気管と前記煙道との連結部と、前記ケバ巻込みタール収納ボックス取付け部との間の煙道内壁温度を、その他の領域の煙道内壁温度よりも20〜200℃だけ低温に保つ温度制御手段を備える請求項1に記載の炭素化炉。
  3. 前記その他の領域が、排煙燃焼用ガスバーナー、圧力計又は温度計の取付け部分を含む請求項2に記載の炭素化炉。
  4. 前記煙道清掃治具が、柄部と、前記柄部の一端に取付けた清掃板部とからなる請求項1に記載の炭素化炉。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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CN106523113A (zh) * 2016-11-10 2017-03-22 无锡市明盛强力风机有限公司 一种带净化作用的汽车排气管及其生产方法
CN106555660A (zh) * 2016-11-10 2017-04-05 无锡市明盛强力风机有限公司 一种带脱氮作用的汽车排气管及其生产方法

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