JPH0120410B2 - - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 本発明は眼鏡の製造方法に関し、一層詳細には
一対の眼鏡レンズを担持するリムとこの一組のリ
ムの間に橋架される、所謂、ブリツジとの間をプ
ロジエクシヨン溶接することによつて、眼鏡フレ
ームを得るための眼鏡の製造方法に関する。

近年、眼鏡フレームをチタニウムを含む金属で
製造する方式が広汎に普及している。特に、眼鏡
フレームを100％のチタニウムで構成すれば、ク
ラツド材を含む複合チタン製フレームも一層軽量
化が促進されるために好適であるし、また、剛性
も一段と強まるために強度において従来の眼鏡フ
レームよりも数段優れるという利点がその理由で
ある。

ところで、眼鏡フレームは、第１図に示すよう
に、例えば、テンプル２、ブローチ４、蝶番６、
リム８等の各種の部品から構成されており、従つ
て、この眼鏡フレーム１０を組み立てる際には、
これらの各種部品を接合しなければならない。眼
鏡レンズ１２を保持する一組のリム８，８とこれ
らのリム８，８の間に橋架されるブリツジ部材１
４もこの例外ではない。この場合、従来技術にお
いて、眼鏡フレーム１０を構成する各種部品を接
合する際、ろう付けによる方法が採用されてき
た。そこで、チタニウム製の眼鏡フレームをろう
付けする際には、加熱温度は約1000℃まで昇温
し、この温度を超えるとチタニウム自体が窒化し
て脆性が増化する不都合がある。しかも、この温
度は一般的には加熱温度によつて変わるろう材の
発光色によつて判別されるために温度制御が困難
であり、品質の保証がされないという欠点を露呈
していた。しかも、このろう付けによる場合には
相当の熟練技術を必要とし、さらにまた、ろう付
け途上においてろう材が不要な部分にまで流れ出
て固化するため、美的観点からすれば劣るという
難点を顕している。

一方、リム８とブリツジ部材１４とが互いに接
合するものであり、しかも、比較的小さな部位を
溶接するものであるから、一挙に抵抗溶接しよう
とする試みもなされてきたがこのブリツジ部材と
リムとを一体的に接合しようとする時、極めて大
きな電流を必要とするために大きな容量の溶接機
を要し、経済的負担を増加させ、実情に沿わない
という欠点が露呈されている。

本発明は、前記の種々の不都合を克服するため
になされたものであつて、ブリツジに湾曲するリ
ムを受容するための溝部を画成し、さらにこの溝
部にプロジエクシヨンを形成し、このプロジエク
シヨンに対して大電流を流すことによつてこれを
溶融し、ブリツジとリムとを抵抗溶接する眼鏡の
製造方法を提供することを目的とする。

前記の目的を達成するために、本発明は眼鏡レ
ンズを担持するための一組のリムと、前記リムと
の間に介装されるブリツジを含む眼鏡フレームに
おいて、ブリツジ部材にリムを嵌合する溝部を画
成し、前記溝部に突起部を形成し、次いで、前記
ブリツジとリムとに電極を圧接して前記突起部に
通電し、これを溶融することによりブリツジ部材
とリムとを抵抗溶接することを特徴とする。

次に、本発明に係る眼鏡の製造方法について好
適な実施例を挙げ、添付の図面を参照しながら以
下詳細に説明する。

第２図において、参照符号２０は眼鏡フレーム
を構成するためのブリツジの素材を示し、このブ
リツジ２０には、第１図に示すように、湾曲する
リムを嵌合溶接するために鎖線で示すような溝部
２２が画成される。この溝部２２画成に際して
は、好適にはバイト２４が用いられ（第３図参
照）、このバイト２４を回転させることによつて
前記溝部２２が形成される。バイト２４の先端部
を構成するチツプ２６にはＶ溝状の切欠部２８を
画成し、図示しない回転駆動源によつて、このバ
イト２４を連続的にしかも高速度で回転させてブ
リツジ２０の溝部２２を画成する。この結果、前
記切削工程によつて溝部２２と同一の曲率を有す
る線状の突起部３０がブリツジ２０に形成される
（第４図Ａ，Ｂ参照）。

このような突起部３０が得られた後でリム３２
を前記溝部２２に嵌合する。この結果、眼鏡フレ
ームを構成するリム３２は前記線状の突起部３０
によつてブリツジ２０に線接触するに至ることが
容易に諒解されよう。

そこで、このような設定状態において、ブリツ
ジ２０に上部電極３４ａを当接し、リム３２に下
部電極３４ｂを当接する。次いで、前記上部電極
３４ａから下部電極３４ｂに対して所定の電流を
流せば、この電流はブリツジ２０に形成された線
状の突起部３０を通つてリム３２側に流れる。こ
の場合、線状の突起部３０はプロジエクシヨン溶
接におけるプロジエクシヨンの役割を果たし、こ
の部分が集中的に加熱されて溶融し、リム３２と
ブリツジ２０とは容易に溶着することが可能とな
る。

本発明によれば、以上のようにブリツジにリム
を装着するための溝部を画成する際、回転するバ
イトによつて突起部を同時に形成し、この線状の
突起部によつてリムとブリツジとをプロジエクシ
ヨン溶接して一体化を図ることが可能となる。従
つて、ろう付けのように加熱されたろう材の色を
見ながら温度制御を図る必要もないし、また、ろ
う付けの際に生じた余剰のろう材が外部へ漏出
し、後で眼鏡フレームの美観を損なうこともな
い。しかも、ブリツジとリムとを同質のチタンで
構成しておけば、溶接剥離等の事故からも未然に
回避することが出来るばかりか、仕上げも極めて
美麗になされるために、特に、眼鏡フレームのよ
うにデザイン等に重きをおく製品では優れた外観
を呈することも可能となる。

以上、本発明について好適な実施例を挙げて説
明したが、本発明は前記実施例に限定されるもの
ではなく、例えば、ブリツジの溝とその溝間に形
成される突起部をバイトによることなく、工程を
異にして形成することも可能である等本発明の要
旨を逸脱しない範囲において種々の改良並びに設
計の変更が可能なことは勿論である。

【図面の簡単な説明】

第１図は眼鏡フレームとこの眼鏡フレームに装
着されるレンズとの結合状態を示す概観斜視図、
第２図は本発明に係るブリツジの素材の概観斜視
図、第３図は第２図に示すブリツジ用素材に回転
して湾曲溝を切削加工するバイトの一部省略斜視
図、第４図Ａは第２図に示すブリツジとリムとレ
ンズとの結合状態を示す横断面図、第４図Ｂは第
４図Ａに示すブリツジの正面図、第５図は第４図
Ａ並びに第４図Ｂに示すブリツジの斜視図、第６
図はブリツジをリムにプロジエクシヨンを溶接す
る際のブリツジとリムと電極との相関関係を示す
説明図である。 ２０……ブリツジ、２２……溝部、２４……バ
イト、２６……チツプ、２８……切欠部、３０…
…突起部、３２……リム、３４ａ……上部電極、
３４ｂ……下部電極。

Claims (1)

1. 【特許請求の範囲】 １ 眼鏡レンズを担持するための一組のリムと、
   前記リムとの間に介装されるブリツジを含む眼鏡
   フレームにおいて、ブリツジ部材にリムを嵌合す
   る溝部を画成し、前記溝部に突起部を形成し、次
   いで、前記ブリツジとリムとに電極を圧接して前
   記突起部に通電し、これを溶融することによりブ
   リツジ部材とリムとを抵抗溶接することを特徴と
   する眼鏡の製造方法。 ２ 特許請求の範囲第１項記載の方法において、
   溝部と突起部とは、前記突起部に対応する凹部を
   画成したバイトの回転により同時に形成されてな
   る眼鏡の製造方法。 ３ 特許請求の範囲第１項または第２項記載の方
   法において、ブリツジとリムとはチタニウムから
   なる眼鏡の製造方法。