JPH0611668A - 眼鏡フレーム及びその製造方法 - Google Patents

眼鏡フレーム及びその製造方法

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JPH0611668A
JPH0611668A JP17053392A JP17053392A JPH0611668A JP H0611668 A JPH0611668 A JP H0611668A JP 17053392 A JP17053392 A JP 17053392A JP 17053392 A JP17053392 A JP 17053392A JP H0611668 A JPH0611668 A JP H0611668A
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JP
Japan
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hinge
temple
nickel
alloy
titanium
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JP17053392A
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English (en)
Inventor
Yasuhiro Niwa
康博 丹羽
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TSUURING MEGANE KK
Original Assignee
TSUURING MEGANE KK
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【目的】ニッケル・チタン系の形状記憶合金又は超弾性
合金より形成したテンプルとニッケル系合金より形成し
た蝶番を、形状記憶特性又は超弾性特性、眼鏡フレーム
としての外観等を損なうことなく強固に接続し、かつ、
接続強度のばらつきを低減すること。 【構成】 ニッケル・チタン系合金からなるテンプル
と、ニッケル系合金からなる蝶番との間に、上記ニッケ
ル・チタン系合金及びニッケル系合金が溶け込んだ溶着
層を設ける。ニッケル系合金からなる蝶番の底面にニッ
ケル系合金からなる突起部を設け、蝶番及びテンプルを
第1及び第2電極により挟み込んで互いに押圧する。こ
の状態で第1及び第2電極間に電圧を加えて、上記突起
部を介して蝶番及びテンプルを通る電流を流して、突起
部を溶解し、この溶解した突起部が蝶番及びテンプルに
溶け込んで溶着層を形成する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、眼鏡フレーム及びその
製造方法に関し、特に、ニッケル・チタン系の形状記憶
合金又は超弾性合金からなるテンプルとニッケル系合金
からなる蝶番とを強固に接合した眼鏡フレーム及びその
製造法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来より、眼鏡フレームの材料として形
状記憶合金や超弾性合金が使用されている。上記形状記
憶合金を使用すると、変形が生じても加熱することによ
りもとの形状に復帰させることが可能である。一方、超
弾性合金を使用すると、比較的大きな力が作用した場合
にも、その変形が弾性の範囲に止まり、力を除去すれば
もとの形状に復帰する。そのため、これら形状記憶合金
や超弾性合金は眼鏡フレームの材質として好ましい。
【0003】図8に示すように、この種の眼鏡フレーム
では、テンプル1の第1部分1aと第2部分1bを蝶番
2を介して回動可能に接続する一方、上記第1部分1a
をレンズ止め金具5に固定しており、このレンズ止め金
具5によりレンズ3を外嵌したリム4を締め付ける構成
としている。
【0004】上記ニッケル・チタン系の形状記憶合金又
は超弾性合金は、一般に他の種類の金属材料との接合性
が良好でない。そのため、ニッケル・チタン系の材料を
眼鏡フレームのテンプル1として使用する場合には、一
般に、下記の2種類の方法を用いて蝶番2と接続されて
いる。
【0005】まず、第1の方法では、リベット、止めネ
ジ等の止着部材を使用して、テンプル1と蝶番2を連結
する。また、第2の方法では、テンプル1の表面にニッ
ケル等のろう付けが容易な金属によりメッキを施し、こ
のメッキ層を介して蝶番2とろう付けを行う。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記し
た従来の接続方法には、下記の問題がある。まず、前記
した止着部材を用いる方法では、孔空け等を行う必要が
あり、接合作業が非常に面倒で非能率的である。また、
この方法では、リベット軸や止めネジを中心として接合
した眼鏡部品同士が回動してしまうことがある。更に、
テンプルと蝶番が重なり合う接合部分の面積をリベット
軸や止めネジの外径よりも大きくする必要があるため、
必然的に接合部分の面積が大きくなる。そのため、この
接続方法は、デザインが重要である眼鏡の部品接合の方
法としては好ましくなく、実際に眼鏡を装着する一般消
費者の要望に沿うことができない。
【0007】一方、後記前メッキ処理によるろう付け方
法では、テンプルと蝶番の接合強度はメッキ層の付着力
に依存することになる。そのため、強い外力が作用する
と、このメッキ層がテンプルから剥離しやすく、テンプ
ルと蝶番の接続強度が十分でないと共に、接続強度にば
らつきがある。
【0008】また、上記ろう付けによる方法の場合、ろ
う付けを行った付近でニッケル・チタン系合金からなる
形状記憶合金の形状記憶特性又は超弾性合金の超弾性特
性が低下してしまうことがある。即ち、ニッケル・チタ
ン系合金では、通常250゜C〜500゜Cで形状記憶
処理又は超弾性処理を行うが、ろう付けの際にはこの温
度付近までテンプルの温度が上昇し、よって、ろう付け
部分の形状記憶特性又は超弾性特性の低下をさけること
ができない。
【0009】本発明は上記した従来の眼鏡フレームにお
ける問題を解決するためになされたものであって、ニッ
ケル・チタン系の形状記憶合金又は超弾性合金からなる
テンプルとニッケル系合金からなる蝶番を、形状記憶特
性又は超弾性特性を低下させることなく、かつ、眼鏡フ
レームとして外観を損なうことなく強固に接続すること
を目的としてなされたものである。更に、本発明は、上
記のようなテンプルと蝶番の接続部分における接続強度
のばらつきを低減することを目的としてなされたもので
ある。
【0010】
【課題を解決するための手段】従って、本発明は、ニッ
ケル・チタン系合金からなるテンプルと、ニッケル系合
金からなる蝶番との間に、上記ニッケル・チタン系合金
及びニッケル系合金が溶け込んだ溶着層を備え、この溶
着層により上記テンプルと蝶番を接続していることを特
徴とする眼鏡フレーム。
【0011】上記テンプルを形成するニッケル・チタン
系合金は、例えば、形状記憶合金又は超弾性合金である
【0012】また、本発明は、ニッケル系合金からなる
蝶番の底面に突起部(プロジェクション)を設け、上記
蝶番の底面をニッケル・チタン系合金からなるテンプル
に当接し、上記蝶番及びテンプルを第1及び第2電極に
より挟み込んで互いに押圧し、上記第1及び第2電極間
に電圧を加えて、上記突起部を介して蝶番及びテンプル
を通る電流を流して突起部を溶解し、この溶解した突起
部が上記蝶番及びテンプルに溶け込んで溶着層を形成し
て蝶番とテンプルを接続することを特徴とする眼鏡フレ
ームの製造方法を提供するものである。
【0013】また、本発明では、ニッケル系合金からな
る蝶番の底面に、ニッケル系合金からなる細棒状の溶解
材を配置し、上記蝶番の底面をニッケル・チタン系統合
金からなるテンプルに当接し、上記蝶番及びテンプルを
第1及び第2電極により挟み込んで互いに押圧し、上記
第1及び第2電極間に電圧を加えて、上記溶解材を介し
て蝶番及びテンプルを通る電流を流して溶解材を溶解
し、この溶解した溶解材が蝶番及びテンプルに溶け込ん
で溶着層を形成することにより蝶番とテンプルを接合し
てもよい。
【0014】
【作用】本発明に係る眼鏡フレームでは、ニッケル・チ
タン系合金からなるテンプルとニッケル系合金からなる
蝶番との間に、上記ニッケル・チタン系合金及びチタン
系合金が溶け込んだ溶着層を設けているため、テンプル
と蝶番の接続強度が高く、また、個々の眼鏡フレームの
接続強度のばらつきは少ない。
【0015】また、本発明では、蝶番の底面に突起部を
設けるか、又は、細棒状の溶解材を配置し、蝶番とテン
プルを第1及び第2電極に挟み込んで押圧した状態で通
電して、突起部又は溶解材を溶かし込んで溶着層を設け
ているため、通電する電流の強度は2000A〜400
0A程度の電流を1msec〜80msec程度の短時
間通電すれば足りる。よって、上記テンプルを構成する
ニッケル・チタン合金を形状記憶合金又は超弾性合金と
した場合、上記突起部等の溶解時に生じる熱が形状記憶
特性や超弾性特性に与える影響を極めて少なくできる。
【0016】
【実施例】次に、図面に示す実施例に基づき本発明につ
いて詳細に説明する。図1は、本発明に係る眼鏡フレー
ムの製造方法により製造した眼鏡フレームを示してい
る。この眼鏡フレームでは、左右一対のレンズ11、1
1を保持する一対のリム12、12に、レンズ止め金具
13、13を介して、それぞれテンプル14、14を接
続している。このテンプル14は、ニッケル・チタン系
の形状記憶合金からなり、それぞれ短尺の第1部分14
aと比較的長尺の第2部分14bを蝶番17で連結して
なり、第1部分14a側を上記レンズ止め金具に固定し
ている。
【0017】上記蝶番17は、ニッケル合金製であっ
て、図2に示すように、雄型19と雌型20を互いに回
動可能に軸着している。即ち、上記雄型19には、基部
19aに突出部19bを一体に設けており、この突出部
19bを、上記雌型20の基部20aに間隔をあけて平
行に突設した一対の板状部10b、20bの間に配置
し、これら板状部20b及び突出部19bに設けたネジ
孔19c、20cに挿入したピン部材28にナット手段
(図示せず)を螺合し、よって、雄型19と雌型20を
軸着している。
【0018】本実施例では、上記テンプル14の第1部
分14aと雌型20の基部20aの底面20dとの間、
及び、テンプル14の第2部分14bと雄型19の基部
19aの底面19dとの間に溶着層34を形成し、この
溶着層34を介してテンプル14と蝶番17を接続して
いる。
【0019】上記溶着層34は、テンプル14を形成す
るニッケル・チタン系合金と、蝶番17を形成するニッ
ケル系合金が互いに溶け合って形成されている。また、
溶着層34の厚さtは10μm〜100μm程度であ
る。溶着層34はテンプル14及び蝶番17の底面19
d、20dの接触面に溶け込み、よって、テンプル14
と蝶番17は溶着層34を介して強固に接続されてい
る。
【0020】次に、上記構成の眼鏡フレームの製造方法
について説明する。まず、上記テンプル14の第1及び
第2部分14a、14bと蝶番17の雄型19及び雌型
20の接続方法について説明する。
【0021】本実施例では、接合前の状態の蝶番17の
雄型19及び雌型20の基部19a、20aの底面19
d、20dを図4に示すような形状としている。即ち、
底面19d、20dの両側長辺の縁部全体に沿って断面
台形状の第1突起部30、30を突設すると共に、これ
ら第1突起部30、30の間の中央部分に断面三角形状
の第2突起部31を突設している。
【0022】上記第1突起部30は、断面形状を台形状
としており、底面19d、20dからの高さH1を0.
1mm〜0.5mm程度に設定している。一方、第2突
起部31は断面形状を三角形状としている。第2突起部
31の高さは、底面19d、20dからの高さH2を
0.45mm〜0.6mm程度に設定しており、上記した
第1突起部30の先端部分と第2突起部31の先端部分
との高さの差Eを0.35mm〜0.45mm程度として
いる。また、第2突起部31の先端部分と、この第2突
起部31が底面19d、20dに接続する部分との間隔
L1は0.8mm〜0.9mm程度に設定している。更
に、第1突起部30と底面19d、220dの接続部分
と、第2突起部31の底面19d、20dとの接続部分
との間隔L2は0.4mm〜0.3mmに設定している。
【0023】テンプル14と蝶番17を接続する際に
は、図5(A)及び図5(B)に示すような第1電極3
2上にテンプル14を配置する。この第1電極32は、
第1部分35と第2部分36とからなり、これら第1及
び第2部分の上面35a、36aには、それぞれ断面コ
字状の位置決め溝37を穿設しており、テンプル14の
第1部分14a及び第2部分14bはそれぞれ位置決め
溝37に配置される。
【0024】次に、予め雄型19と雌型20をピン部材
28で軸着した蝶番17の底面19d、20dをそれぞ
れテンプル14の第1及び第2部分14a、14bに当
接させる。また、蝶番17の上側に第2電極33を配置
する。この第2電極33は、その下面33aを蝶番17
の雄型19及び雌型20と密接する曲面形状に形成して
いる。
【0025】この状態で、第2電極33を第1電極32
側に押し付けて、蝶番17の底面19d、20dに設け
た第1及び第2突起部30、31を第1及び第2部分1
4a、14bに押圧する。このとき、蝶番17の第1及
び第2突起部30、31の先端部分は上記押圧力により
テンプル14に強く押圧される。本実施例では、この蝶
番17をテンプル14に押圧する押圧力を180kg〜
220kg程度に設定している。
【0026】次いで、電源手段(図示せず)により、第
1電極32と第2電極33の間に電圧をかけて、1ms
ec〜80msec程度の間、瞬間的に第1及び第2突
起部30、31を介してテンプル14と蝶番17の間に
2000A〜4000A程度の電流を流す。
【0027】上記のように大電流を瞬間的に通電する
と、電気抵抗により発生する熱により、第1及び第2突
起部30、31が溶解する。このとき、テンプル14と
蝶番17を互いに押圧していると共に、テンプル14の
表層部分もわずかに溶解しているため、上記溶解した第
1及び第2突起部30、31がテンプル14の第1及び
第2部分15、16に溶け込み溶着層34を形成する。
【0028】本実施例では、蝶番17の雄型19及び雌
型20に第1及び第2突起部30、31を設けると共
に、テンプル14と蝶番17を互いに押圧しているた
め、大電流を瞬間的に通電すれば第1及び第2突起部を
十分に溶解させ、かつ、テンプル14及び蝶番17に溶
け込ますことができる。また、瞬間的に通電を行うた
め、テンプル14を形成する形状記憶合金が溶解の際に
熱の影響を受ける範囲を最低限に抑制することができ
る。
【0029】また、本実施例では、第1及び第2突起部
30、31をテンプル14及び蝶番17に溶け込ますこ
とができると共に、テンプル14をニッケル・チタン系
合金、蝶番17をニッケル系合金で形成しており、テン
プル14及び蝶番17の両方がニッケルを含有している
ため、十分な強度の溶接層34を形成することができ
る。
【0030】本実施例では、第1及び第2突起部30、
31を上記の寸法に設定しているが、これよりも突起部
が小さい場合には、突起部の溶解量が少なく、溶け込み
が十分でないため、十分な接続強度を得ることができな
い。一方、突起部の寸法が本実施例よりも大きい場合に
は、突起部が完全に溶解さずに溶け残り、蝶番とテンプ
ルの間に隙間を生じ、十分な接続強度を得ることができ
ない。
【0031】テンプル14と蝶番17の接続した後、レ
ンズ止め金具13とテンプルの接続及びレンズ止め金具
13とフレーム12の接続を行う。
【0032】本発明は、上記実施例に限定されるもので
はなく、種々の変形が可能である。まず、上記の実施例
では第2電極33を第1電極に押し付けているが、第1
電極32及び第2電極33によりテンプル14と蝶番1
7を挟み込み込むようにするのであれば、第1電極32
を第2電極33に押し付けてもよいし、第1及び第2電
極32、33の両方を互いに押し付けるようにしてもよ
い。
【0033】また、上記の実施例では、蝶番17に設け
た突起部30、31を溶解して溶着層34を形成してい
るが、溶着層34を形成する方法はこれに限定されるも
のではない。例えば、図6に示すように蝶番17の雄型
19及び雌型20の底面19d、20dの両側長辺の縁
部に細棒状の第1溶解材38、39を配置すると共に、
中央部分に同じく細棒状第2溶解材38を配置してもよ
い。これら第1及び第2溶解材38、39は断面円形で
あって、直径をそれぞれ0.05mm〜0.1mm、0.
2mm〜0.4mmに設定している。
【0034】図6の変形例では、第1及び第2電極等の
他の構成は上記した実施例と同様であり、テンプル14
と蝶番17を第1及び第2電極32、33で挟み込んで
押圧した状態で瞬間的に大電流を流すことにより、第1
及び第2溶解材38、39が溶解して溶着層を形成し、
テンプルを形成する形状記憶合金の形状記憶特性に影響
を与えることなく、テンプル14と蝶番17を強固に接
続することができる。尚、上記溶解材料断面形状は必ず
しも円形である必要はなく、例えば楕円形等の他の形状
であってもよい。
【0035】更に、上記実施例では、テンプルをニッケ
ル・チタン系の形状記憶合金としているが、テンプルの
材質はこれに限定されるものではなく、ニッケル・チタ
ン系の材料であれば、例えば、超弾性材料であってもよ
い。この場合も上記実施例と同一の方法により、溶解時
に生じる熱により超弾性特性に影響を与えることなく、
テンプルと蝶番を強固に接続することができ、接続強度
のばらつきも小さい。尚、超弾性材料を用いる場合も、
突起部を設ける代わりに上記細棒状の溶解材を用いても
よい。
【0036】《実験例》本発明の効果を確認するための
実験を行った。実験に供した眼鏡フレームは、テンプル
がニッケル・チタン系合金の形状記憶合金、蝶番がニッ
ケル系合金であり、形状及び溶接方法も上記した実施例
と同一とした(以下、この眼鏡フレームを実験例と称す
る。)。また、実験例では、テンプルと蝶番の間に溶着
層を形成している部分の面積を16mm2×2に設定し
ている。
【0037】また、上記実験例と比較するために、下記
の眼鏡フレームを比較例として実験に供した。まず、比
較例の眼鏡フレームの形状は上記した実験例と同一であ
る。また、比較例の眼鏡フレームは、上記実験例と同一
のニッケル・チタン系合金からなるテンプルの表面に、
ろう付けが容易な材料であるニッケルにより前メッキ処
理を施して上記ニッケルからなるメッキ層を形成し、こ
のメッキ層を介してテンプルに上記実験例と同一のニッ
ケル系合金から形成した蝶番に接続している。更に、比
較例でのテンプルと蝶番のろう付け部分の面積は、上記
実験例と等しく設定している。
【0038】本実験は、テンプルと蝶番の接続強度を調
べる実験であって、図7に示す実験装置を使用してい
る。この実験装置は、基板40上に、立方体状の第1及
び第2押さえ部41、42を、テンプル44の幅とほぼ
等しい間隔を隔てて、かつ、互い違いとなるように対向
して固定している。テンプル44は、蝶番47が第1及
び第2押さえ部41、42の間に位置すると共に、第1
部分45及び第2部分46が、それぞれ第1及び第2押
さえ部41、42と当接するように上記基板40上に配
置している。
【0039】この状態で、蝶番17の中央部分を保持部
材(図示せず)で保持し、図中時計回りに力を加える。
この時、テンプル14の第1及び第2部分14a、14
bは、それぞれ第1及び第2押さえ部41、42により
係止されてテンプル14は回転が阻止される一方、蝶番
17は時計回りに回転しようとするため、テンプル14
と蝶番17の接合部分にはせん断の力が作用する。そし
て、テンプル14と第1及び第2部分14a、14bの
接合部分が破断して、テンプルと蝶番17が分離したと
きの上記蝶番17に加えた力を調べる。
【0040】実験例及び比較例のそれぞれについて5個
の眼鏡フレームについて上記実施権を行った。その結
果、実験例の場合には、88kg〜85kg程度で、テ
ンプル44と蝶番47の接続部分が破断して両者が分離
した。一方、比較例の場合には、55kg〜77kg程
度で接続部分に破断が生じて両者が分離した。また、比
較例ではテンプルと蝶番との間の破断は、メッキ層とテ
ンプルの表面で起こる場合と、ろう付けの層とメッキ層
又は蝶番との間に起こる場合とがあった。メッキ層とテ
ンプルの表面に破断が生じる場合には、破断に達すると
きの蝶番17に加えられる力は、ろう付け層とメッキ層
又は蝶番との間に破断が起きる場合よりも小さく、個々
の眼鏡フレーム間で接続強度にばらつきがあった。
【0041】上記実験結果より、本発明の製造方法によ
り製造した眼鏡フレームは、従来の製造方法である前処
理メッキによりろう付けした場合と比較して、接続強度
が強く、かつ、接続強度のばらつきも小さいことが確認
できた。
【0042】
【発明の効果】以上の説明から明らかなように、本発明
に係る眼鏡フレームでは、蝶番をニッケル系合金、テン
プルをニッケル・チタン系合金で形成し、共にニッケル
を含有していると共に、突起部又は溶解材を溶解して形
成した溶着層の両面を蝶番及びテンプルに十分に溶け込
ましているため、テンプルと蝶番を十分な強度で接合す
ることができると共に、個々の眼鏡フレーム間での接続
強度のばらつきを低減することができる。
【0043】特に、上記テンプルを形状記憶合金又は超
弾性材料を構成するニッケル・チタン系合金から形成し
た場合には、形状記憶特性又は超弾性特性を有するテン
プルを前メッキ処理等の従来の眼鏡フレームでは得られ
なかった強度で蝶番と接続することができる。
【0044】また、本発明に係る眼鏡フレームの製造方
法では、ニッケル系合金からなる蝶番の底面に突起部又
はニッケル合金からなる細棒状の溶解材を配置し、この
蝶番とニッケル・チタン系合金からなるテンプルを第1
及び第2電極で挟み込んで押圧した状態で通電し、これ
により溶解した突起部又は溶解材が蝶番及びテンプルに
溶け込んで溶着層を形成し、この溶接層により蝶番とテ
ンプルを接合しているため、大電流を瞬間的に通電する
ことにより上記溶着層を形成することができ、この時発
生する熱がテンプルを形成するニッケル・チタン系合金
の特性に及ぼす影響を低減しつつテンプルと蝶番を強固
に接続することができる。例えば、ニッケル・チタン系
合金の形状記憶合金又は超弾性合金である場合には、形
状記憶特性又は超弾性特性に影響を及ぼすことなく、テ
ンプルと蝶番を強固に接続することができる。
【0045】更に、本発明の製造方法では、上記のよう
に大電流を瞬間的に通電するため、蝶番やテンプルに熱
によるひずみ等が生じることがなく、また、溶着層によ
りテンプルと蝶番を接続しているため、ねじ、リベット
等の止着部材が不要であり、眼鏡フレームとして重要な
外観上の美観を損なうことがない等の種々の利点を有す
るものである。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明に係る眼鏡フレームを示す概略斜視図
である。
【図2】 蝶番の分解斜視図である。
【図3】 溶着層を示す図1の線III−IIIでの断面図で
ある。
【図4】 蝶番底面の形状を示す断面図である。
【図5】 (A)はテンプルと蝶番の接続方法を示す概
略図、(B)は(A)の右側面図である。
【図6】 本発明の変形例を示す概略図である。
【図7】 実験装置を示す概略図である。
【図8】 従来の眼鏡フレームの一例を示す部分概略斜
視図である。
【符号の説明】
1,14, テンプル 2,17 蝶番 30 第1突起部 31 第2突起部 32 第1電極 33 第2電極 34 溶着層 38,39 溶解材 40 基板 41,42 押さえ部

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 ニッケル・チタン系合金からなるテンプ
    ルと、ニッケル系合金からなる蝶番との間に、上記ニッ
    ケル・チタン系合金及びニッケル系合金が溶け込んだ溶
    着層を備え、この溶着層により上記テンプルと蝶番を接
    続していることを特徴とする眼鏡フレーム。
  2. 【請求項2】 テンプルを形成するニッケル・チタン系
    合金は、形状記憶合金又は超弾性合金であることを特徴
    とする請求項1記載の眼鏡フレーム。
  3. 【請求項3】 ニッケル系合金からなる蝶番の底面に突
    起部を設け、 上記蝶番の底面をニッケル・チタン系合金からなるテン
    プルに当接し、 上記蝶番及びテンプルを第1及び第2電極により挟み込
    んで互いに押圧し、 上記第1及び第2電極間に電圧を加えて、上記突起部を
    介して蝶番及びテンプルを通る電流を流して突起部を溶
    解し、 この溶解した突起部が上記蝶番及びテンプルに溶け込ん
    で溶着層を形成して蝶番とテンプルを接続することを特
    徴とする眼鏡フレームの製造方法。
  4. 【請求項4】 ニッケル系合金からなる蝶番の底面に、
    ニッケル系合金からなる細棒状の溶解材を配置し、 上記蝶番の底面をニッケル・チタン系合金からなるテン
    プルに当接し、 上記蝶番及びテンプルを第1及び第2電極により挟み込
    んで互いに押圧し、 上記第1及び第2電極間に電圧を加えて、上記溶解材を
    介して蝶番及びテンプルを通る電流を流して溶解材を溶
    解し、 この溶解した溶解材が蝶番及びテンプルに溶け込んで溶
    着層を形成して蝶番とテンプルを接続することを特徴と
    する眼鏡フレームの製造方法。
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Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
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KR20010000702A (ko) * 2000-10-13 2001-01-05 황위동 안경테용 용접방법
KR20230040535A (ko) 2021-09-16 2023-03-23 김미희 테이프 클리너용 점착테이프 롤을 포함하는 테이프 클리너

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KR20010000702A (ko) * 2000-10-13 2001-01-05 황위동 안경테용 용접방법
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