JPH0119876B2 - - Google Patents

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JPH0119876B2
JPH0119876B2 JP60095382A JP9538285A JPH0119876B2 JP H0119876 B2 JPH0119876 B2 JP H0119876B2 JP 60095382 A JP60095382 A JP 60095382A JP 9538285 A JP9538285 A JP 9538285A JP H0119876 B2 JPH0119876 B2 JP H0119876B2
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JP
Japan
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bread
yeast
dough
frozen
bacterium
Prior art date
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JP60095382A
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English (en)
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JPS61254186A (ja
Inventor
Akihiro Hino
Hiroyuki Takano
Yasuo Tanaka
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
NORINSUISANSHO SHOKUHIN SOGO KENKYUSHOCHO
Original Assignee
NORINSUISANSHO SHOKUHIN SOGO KENKYUSHOCHO
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Publication date
Application filed by NORINSUISANSHO SHOKUHIN SOGO KENKYUSHOCHO filed Critical NORINSUISANSHO SHOKUHIN SOGO KENKYUSHOCHO
Priority to JP9538285A priority Critical patent/JPS61254186A/ja
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  • Bakery Products And Manufacturing Methods Therefor (AREA)
  • Micro-Organisms Or Cultivation Processes Thereof (AREA)

Description

【発明の詳細な説明】 本発明はサツカロミセス・セレビシエ
Saccharomyces cerevisiae)FTY―2(FRI―
501)に関するものである。さらに詳しくは、本
発明は冷凍生地製パン法においてパン生地が、凍
結障害を受けず、解凍後も十分に膨張し、かつ品
質の優れたパンを製造するために有用なサツカロ
ミセス・セレビシエFTY―2(FRI―501)に関
するものである。 冷凍生地製パン法は、パン生地を混捏し発酵さ
せた後に、必要に応じて分割、整形し約−20℃の
温度に凍結貯蔵し、所望の時期に解凍して新鮮パ
ンを製造することを目的とした新しい製パン技術
である。この冷凍生地製パン法の導入によつて製
パン業界にとつては多品種少量生産体制に対応で
きるばかりでなく早期作業や夜間作業を減らすこ
とができ、また消費者にとつては新鮮なパンを容
易に入手できるようになるなどの利点が得られ
る。 製パンに用いられている通常のパン酵母は、パ
ン生地を混捏し冷凍するとパン酵母は凍結障害を
起こし、解凍後の発酵能は著しく低下し、パンの
品質が劣るものとなるという欠点がある。 本発明者らはパン酵母の冷凍耐性を高めるため
の有効な手段について種々検討を行うとともに、
凍結耐性を保持した酵母の検索を行つてきた。そ
の結果、腐敗したバナナから分離した酵母のなか
から高い冷凍耐性を保持した酵母を分離すること
ができた。すなわち、室温に放置し腐敗したバナ
ナ1gを生理食塩水100mlに溶かし、これをYM
寒天培地(麦芽エキス3g、イーストエキス3
g、ポリペプトン3g、ブドウ糖10gを1に溶
かし、PH4.6として寒天20gを加えたもの)上に
流して30℃で72時間培養し、生じたコロニーの中
から釣菌し、これを偏平培養することによつて目
的とする酵母を分離することができる。 このようにして本発明者らが分離した酵母の菌
学的性質は次の通りである。 (1) 形態学的性質 MY液体(Difco)培養、MY寒天(Difco)斜
面での画線培養およびポテトデキストロース寒天
(日水製薬)培地上でのスライドカルチヤーにお
いて観察。 a 形:円形または卵形 b 大きさ:2.5〜6.5ミクロン (2) 胞子の形成:あり MY寒天斜面に2日間前培養を行つた供試菌を
ゴロドコワ(Gorodokowa)氏寒天、マツクラリ
ー(McClary)寒天、シヤーマン(Sherman)
寒天およびYM寒天斜面に培養し、5〜30日間に
わたり胞子形成能の有無を観察した。 (3) 擬菌糸の形成:あり MY寒天斜面に2日間前培養を行つた供試菌を
ポテト・デキストロース寒天斜面に培養し、5〜
20日間にわたり擬菌糸の形成の有無を観察した。 (4) 栄養増殖の形式:出芽 (5) 生化学的性状 a 糖の発酵性 3%酵母エキス(Difco)溶液に糖を2%添
加し、ダーラム管を入れた中試験管に分注し、
3日間間歇減菌を行つた後、供試菌の大量を接
種し、25℃で14日間にわたりガス発生の有無を
観察した。 グルコースの発酵性 :あり ガラクトースの発酵性:なし マルトースの発酵性 :なし シユクロースの発酵性:あり ラフイノースの発酵性:あり(弱い) メリビオースの発酵性:なし ラクトースの発酵性 :なし b 糖の同化性 ロダー(Lodder)のオーキサノグラフ
(Auxanograph)法により、7種の糖に対する
同化性を試験した。この試験における基礎培地
の組成は硫酸アンモニウム((NH42SO4)0.5
%、リン酸一カリウム(KH2PO4)0.1%、硫
酸マグネシウム(MgSO4・7H2O)0.05%、寒
天2%である。この方法で結果が不明確な場合
はデイフコ(Difco)のイースト・ナイトロジ
エン・ベース(Yeast nitrogen base)を用
い、ウイケルハム(Wickerham)の方法で試
験を行つた。 グルコースの同化性 :あり ガラクトースの同化性:あり マルトースの同化性 :あり シユクロースの同化性:あり ラフイノースの同化性:あり メリビオースの同化性:なし ラクトースの同化性 :なし c 硝酸塩の同化性:なし 糖の同化性と同様にして行つた。硝酸塩は硝
酸カリウム(KNO3)を用い、基礎培地の組成
は、グルコース2%、リン酸一カリウム
(KH2PO4)0.1%、硫酸マグネシウム
(MgSO4・7H2O)0.05%、寒天2%である。 以上の結果は、本酵母がサツカロミセス・セレ
ビシエ(Saccharomyces cerevisiae)であるこ
とを示すものである。 本菌を普通のパン酵母(Saccharomyces
cerevisiae)(以下、「市販パン酵母」と称する。)
と同一条件で培養して収率、濾過性などを比較し
ても遜色なく、製パンに使用したときの溶解性、
製パン適性、フレーバーも良好であることが認め
られた。これらの性質は本菌をパン酵母として製
造、利用する際、使い易い有用な菌であることを
示すものである。しかし、本菌の最大の特性は一
般のパン酵母にはみられない極めて優れた冷凍耐
性を有している点にある。 次に本菌と市販酵母との性質の差異について詳
しく述べる。 実験例1 製パン性 サツカロミセス・セレビシエFTY―2(FRI―
501)の圧搾菌体を用い、直捏法によつて食パン
の製造を行い、製パン性を調べた。対照として
は、一般のパン酵母を用いた。食パンの配合は、
小麦粉(強力粉)100gに対し砂糖5g、食塩2
g、シヨートニング4g、酵母2g、水63mlを用
いた。混捏後30℃の発酵室内で150分発酵を行つ
た。発酵終了後、生地を成型し、38℃湿度80〜90
%のホイロ内で55分間発酵を行つてから、オーブ
ン(220℃)で焙焼した結果、第1表のようにな
つた。 【表】 以上のようにサツカロミセス・セレビシエ
FTY―2(FRI―501)は、パン体積、パン品質
ともに市販パン酵母を用いた場合のものと大差な
く、パン製造にも十分に利用することができるこ
とがわかつた。 実験例2 耐糖性 冷凍生地においては菓子パンにも使われる可能
性が高いため実験例1で用いたのと同じ酵母で、
耐糖性を調べた。対照としては市販パン酵母を用
いた。配合は菓子パン生地の配合、つまり小麦粉
100gに対して砂糖30g、食塩0.5g、シヨートニ
ング6g、酵母3g、水52mlを加え、高糖生地を
作りガソグラフで炭酸ガス発生量を測定すること
によつて高糖生地発酵能を調べた。結果を第1図
に示す。なお、ガソグラフの測定結果は小麦粉40
g当りの結果である。 第1図のように、サツカロミセス・セレビシエ
FTY―2(FRI―501)の耐糖性は、市販パン酵
母に比べてわずかに劣るものの、耐糖性は十分に
保持していることが認められ、菓子パンおよび菓
子パン用冷凍生地の製造にも十分に使用できる有
用な菌であることがわかる。 実験例3 凍結耐性 実験例1で用いたのと同じ酵母でまた同じ配合
割合いで食パン配合のパン生地を調製し、無発酵
のものから150分まで発酵させた生地を−20℃で
7日間凍結貯蔵し、解凍後の残存発酵能および製
パン性を調べた。第2図および第3図はその結果
を示したものである。 冷凍生地は混捏してすぐに冷凍すれば酵母に凍
結障害は起こらず、発酵生地を凍結した場合にの
み強い凍結障害を起こることが知られている。市
販酵母については発酵時間の増大につれて残存発
酵母に顕著な低下が認められた。製パンにおい
て、一般に発酵工程終了まで、または仕上げ工程
終了までの時間は120〜150分であるが、この時点
で凍結された冷凍生地では発酵能の80〜90%が失
われている。 これに対し本菌の場合は全く逆の傾向を示し、
十分に発酵させた後で凍結するほど解凍後の発酵
能が高くなるという際立つた特徴を示している。
この結果はそのままパンの品質にも現れる。すな
わち、これらの冷凍生地から捏ねあげたパンの断
面を示したのが第3図である。図から明らかなよ
うに、市販酵母を用いたものでは60分発酵の冷凍
生地でも酵母の発酵能低下は顕著であり、パンは
潰れ、内相も荒れている。この傾向は発酵時間の
増大に伴つて著しくなつている。これに対して本
菌を使用したものについては、発酵時間の増大に
伴つてパンは良く膨れ、品質の良いものとなつ
た。 以上のように、本菌はマルトース発酵能がな
く、対数増殖期の活性化状態の菌で極めて高い冷
凍耐性を示すこと、耐糖性を示すことなどから、
本菌はサツカロミセス・セレビシエの変異株とす
べきであると考えられる。そこで本発明者らは、
本菌をサツカロミセス・セレビシエFTY―2
(FRI―501)と命名した。本菌は工業技術院微生
物工業技術研究所にFERMP―8180として寄託さ
れている。 本発明者らが以前に発見したサツカロミセス・
セレビシエFRI―413(特開昭58―158179号)と
は、第2表の様に菌学的性質が明らかに異なり、
また耐糖性を有する点から冷凍生地製パン法にと
つてより有用な菌であることは明らかである。 【表】 本菌は冷凍パン生地に使用すると非常に有効で
あり、製パン産業に与える影響は図り知れないも
のがある。さらに、本菌の上記した特性を利用す
ることによつて他の微生物工業分野への活用が期
待される。
【図面の簡単な説明】
第1図は酵母の耐糖性を示すグラフである。第
2図はパン生地の発酵時間と冷凍生地解凍後の酵
母の発酵能の関数を示すグラフ、第3図はパン生
地の発酵時間と冷凍生地パンの品質との関係を示
すグラフ、上段は市販パン酵母を用いた場合、下
段は本菌を用いた場合を示している。また、図の
下に示した数字はパンの体積(c.c.)を示してい
る。

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 1 マルトース発酵能がなく、耐糖性を有し、対
    数増殖期の菌が高い冷凍耐性を示すサツカロミセ
    ス・セレビシエFTY―2(FRI―501)。
JP9538285A 1985-05-07 1985-05-07 サツカロミセス・セレビシエ fty−2(fri−501) Granted JPS61254186A (ja)

Priority Applications (1)

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JP9538285A JPS61254186A (ja) 1985-05-07 1985-05-07 サツカロミセス・セレビシエ fty−2(fri−501)

Applications Claiming Priority (1)

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JP9538285A JPS61254186A (ja) 1985-05-07 1985-05-07 サツカロミセス・セレビシエ fty−2(fri−501)

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Publication Number Publication Date
JPS61254186A JPS61254186A (ja) 1986-11-11
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JP9538285A Granted JPS61254186A (ja) 1985-05-07 1985-05-07 サツカロミセス・セレビシエ fty−2(fri−501)

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CA2113098C (en) * 1991-07-18 2003-12-23 David J. Domingues Yeast-leavened refrigerated dough products
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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPS58201978A (ja) * 1982-05-21 1983-11-25 Oriental Yeast Co Ltd サッカロミセス・スペシーズfd612
JPS59203441A (ja) * 1983-05-02 1984-11-17 協和醗酵工業株式会社 パン生地
JPS59203442A (ja) * 1983-05-06 1984-11-17 鐘淵化学工業株式会社 パン類の冷凍生地の製造方法

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