JPH0119067Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 （産業上の利用分野） 本考案は小型軽量回転体、特にターボチヤージ
ヤ用インペラの動バランス測定時において、バラ
ンス測定装置に回転体の内径部を保持、固定させ
るために用いる動バランス測定用カムロツク式チ
ヤツクに関するものである。

（従来の技術） ターボチヤージヤ用インペラの動バランスを測
定し、修正する場合に用いるインペラ取付用治具
（チヤツク）１は、第１図に示すようにインペラ
２の内径部２ａを嵌合する円筒形の部品取付部３
を一端に設け、他端にはバランス測定装置へ取り
付ける先端へ細くなるテーパ部４を設け、テーパ
部４の部品取付側端部にはバランス測定装置から
インペラ取付用治具を取り外すためのテーパ部取
外用ナツトを螺合させるネジ部５を形成させ、治
具１の中心部に軸方向の貫通孔６をあけ、部品取
付部３とネジ部５の間に貫通孔６に垂直な空気抜
き用小孔７をあける。部品取付部３に端部に端面
からネジ部５側へ向けて細目ネジを形成した部品
締付用ネジ孔８を設け、ボルト９を取り付けられ
るようにしてある。

インペラ２の取り付けは、部品の内径公差によ
るガタを避けるため、部品取付部３の軸径を公差
の程度に応じて複数の軸径のものを用意し、部品
との嵌合によるガタが最小になるものを選択嵌合
して選び出し、適合性の良い軸径のものを用いて
嵌合した後、ボルト９を部品締付用ネジ孔８に螺
合して、インペラ２を締め付け、固定する。部品
取付部３の軸方向長さはインペラ長手方向寸法
（インペラ内径部２ａの軸方向長さ）より短かく
し、ボルト９を締め込んだ時に部品取付部３の端
面とボルト９のネジ側端面との間に、インペラ２
を充分に締め付けることができるようにするため
のすき間１０があくようにする。

このようなインペラ取付治具１では、インペラ
嵌合後にボルト９を取り付ける場合、精度を良く
するために細目ネジが切つてあるため、、ネジピ
ツチが狭く、必要行程進ませるためのボルトねじ
込み回数が多くなり、取付作業の作業性が悪いと
いう欠点がある。

（考案の目的） 本考案の目的は、インペラ取付用治具をカムロ
ツク式にして取付部品の保持、固定用頭部もカム
ロツク式にして、取り付け、取り外しを要易に
し、取付作業の作業性を向上させる動バランス測
定用カムロツク式チヤツクを提供するものであ
る。

（考案の構成） 本考案の特徴は、本体の一端に同心的に部品取
付軸を設け、該部品取付軸の先端に取付部品を保
持、固定する頭部部品を嵌合する嵌合穴を設け、
該嵌合穴の先端より軸方向に進み途中から周方向
へ曲折した溝を設けるとともに、前記頭部部品に
は前記嵌合穴に嵌め込む円柱部を設け、該円柱部
の円筒面に前記溝へ嵌め込む凸部を植立させたこ
とである。

（作用） 本考案は上記構成により、取付部品を部品取付
軸に嵌合した後、頭部部品の円柱部と凸部をそれ
ぞれ部品取付軸の嵌合穴と溝に嵌め込み、溝の形
状に従つて頭部部品を回転させることにより、取
付部品の保持、固定が容易にできるようになる。

（実施例） 以下、本考案の実施例を図により説明する。

カムロツク式チヤツクの本体１１は、第２図、
第３図、および第４図に示すように、その一端に
本体１１と同心的に設けた部品取付軸１２を中空
軸に形成し、その先端には軸方向に短かく直線状
に切り込み、さらに周方向へ斜めに（本実施例で
は３分の１回転分）切り込んで、Ｌ字形に形成し
た溝１３を設け、その他の部分は従来と同様の形
状にする。インペラ２を保持、固定する頭部部品
１４は、第３図に示すように、部品取付部１２の
中空部１２ａに嵌合する小径円柱部１５を一端に
同心的に突出させ、小径円柱部１５の先端部に溝
１３に嵌合する円柱からなる凸部１６を円筒面１
５ａに植立させる。

本実施例は上記構成により、インペラ２を部品
取付軸１２に嵌合した後、頭部部品１４の凸部１
６を溝１３に嵌め合わせてから小径円柱部１５を
部品取付軸１２の中空部１２ａに挿入し、溝１３
の形状に従つて頭部部品１４を回転させ、溝１３
の末端で凸部１６が停止するまで小径円柱部１５
を挿入することによつて、短時間で容易にインペ
ラ２の保持、固定ができるようになる。

このように本実施例では、従来のものがボルト
を数回転させてインペラ２の取り付け、取り外し
を行なつていたのに対し、頭部部品１４を周方向
に１回転以下、数分の１回転（本実施例では３分
の１回転）で充分取り付け、取り外しができるよ
うになり、インペラ２の取付作業が大幅に短縮さ
れる。

本実施例における部品取付軸１２に設けた溝１
３の数あるいは軸方向長さおよび周方向長さはイ
ンペラ２の固着の程度と作業性に応じて任意に選
択すれば良い。また凸部１６の数および形状も溝
１３との嵌合状態に合わせて選択して良い。

（考案の効果） 以上のように本考案は、取付部品を部品取付軸
に嵌合した後、取付部品の保持、固定を、頭部部
品の円柱部と凸部を部品取付軸の先端に設けた嵌
合穴と溝にそれぞれ嵌め込み、溝の形状に沿つて
頭部部品を回転させることにより行ない、簡単か
つ短時間で動バランス測定における部品取付作業
ができ、動バランス修正作業を時間短縮させ、作
業効率を向上させる。

【図面の簡単な説明】

第１図は従来の動バランス測定用インペラ取付
治具を示す部分断面側面図、第２図は本考案によ
る部品取付軸の側面図、第３図は本考案による頭
部部品の側面図、第４図は本考案による部品取付
軸先端部の底面図である。 １１……本体、１２……部品取付軸、１２ａ…
…中空部、１３……溝、１４……頭部部品、１５
……小径円柱部、１５ａ……円筒面、１６……凸
部。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 本体の一端に同心的に部品取付軸を設け、該部
   品取付軸の先端に取付部品を保持、固定する頭部
   部品を嵌合する嵌合穴を設け、該嵌合穴の先端よ
   り軸方向に進み途中から周方向へ曲折した溝を設
   けるとともに、前記頭部部品には前記嵌合穴に嵌
   め込む円柱部を設け、該円柱部の円筒面に前記溝
   へ嵌め込む凸部を植立させたことを特徴とする動
   バランス測定用カムロツク式チヤツク。