JPH0118530Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 ［産業上の利用分野］ 本考案は、コンクリートの成形のために平面盤
を有し、この平面盤の周囲に板状のリブが形成さ
れた、断面コの字状の鋼製型枠（以下メタルフオ
ームという）の運搬器具に関する。

［従来技術］ 従来、メタルフオームをまとめて移動させるに
あたつては、第１図に示すような、Ｌ字形鋼材
（１，２，……，１２）を溶接して箱型に組み立
てた器具を用いており、鋼材（５，６，７，８）
で囲まれた枠内にメタルフオームを、例えば３列
に整列させて積層１５した後に器具の角部の上端
のフツクにワイヤを掛けてクレーン等で移動させ
ていた。

しかし、この器具は、箱型に一体で構成されて
いることから、鋼材１，３が邪魔になつてメタル
フオームの出し入れが面倒であり、加えて運搬で
きるメタルフオームの長さが限定され、また、メ
タルフオームを収容していない場合でも一定の重
量及び容積があるため、使用時での取り扱いが不
便で、変形が起こりやすく、さらに使用しない場
合でも器具自体を保管する余分なスペースを必要
とする等の不都合な点を多く有していた。また、
これらの不都合な点のため、少数のメタルフオー
ムはこの器具を用いることなく人手によつて運搬
してしまい、この結果として工事の作業効率が低
下してしまう原因ともなつていた。

［考案が解決しようとする課題］ そこで本考案は、これらの問題点を解消して、
様々の長さのメタルフオームを運搬できるととも
に、メタルフオームの運搬作業が容易に行なえ、
この結果工事の作業効率を高めることができ、ま
た、保管上の余分なスペースが不要となり、変形
しにくいメタルフオーム運搬器具を提供すること
を目的とし、その特徴とするところは、平面盤の
周囲にリブが形成された断面コの字状のメタルフ
オームの対向する端部をそれぞれ保持する一対の
枠の組合せからなるメタルフオーム運搬器具であ
つて、一対の枠がそれぞれ、メタルフオームのリ
ブを保持する下枠と、下枠から突出してリブの内
面と係合する係合突起と、下枠の両端からそれぞ
れ上方に延びてメタルフオームの端部を整列させ
る側枠とからなるところにある。

［実施例］ 以下、第２図乃至第６図を参照しながら本考案
に係る一実施例を説明する。

図中、符号２１は下枠を示す、符号２２及び２
３は側枠を示す。下枠２１と側枠２２，２３とは
ともにＬ字形鋼材であり、それぞれ直角に交わる
ように下枠２１の両端に側枠２２，２３の下端を
溶着してある。この場合に、下枠２１のＬ字形鋼
材の１面２１ａと側枠２２，２３のＬ字形鋼材の
１面２２ａ，２３ａとが同一平面内に位置するよ
うに構成して、積層したメタルフオームの端部の
整列を行うようにしてある。また、側枠２２，２
３の上端近くには、下枠２１と同じ長さのＬ字形
鋼材の上枠２４を下枠２１と平行になるように溶
着し側枠２２，２３を補強してある。

また、下枠２１には、積層したメタルフオーム
の最下層のものの端部のリブと内側から係合する
係合突起３０，３１を設けてあり、この係合突起
３０，３１は下枠２１の両端近くに位置し、側枠
２２，２３側に突出する。つまり上方に突出する
突起である。メタルフオームは、通常、平面盤の
周囲に板状のリブが形成されて断面が略コの字形
状をしていることから、開放された面を下方に向
けて係合突起３０，３１を下方から上方に向けて
挿入し、この係合突起３０，３１をメタルフオー
ムのリブの内側の面と係合させて、メタルフオー
ムがはずれ落ちないようにすることができる。こ
のため、係合突起３０，３１の長さは、メタルフ
オームのリブと係合できる長さが必要である。係
合突起３０，３１はメタルフオームの平面盤から
延出したリブの長さよりやや小さい場合にメタル
フオームとより安定して係合する。なお、図面中
には係合突起３０，３１を円柱状の突起として示
してあるが、角柱状の突起、板状の突起等、メタ
ルフオームのリブと係合できるものであれば、ど
のような形状の突起をも係合突起として用いるこ
ともできる。また、突起の数も２個に限定される
ものではない。

上枠２４の上面の両端近くには、同様に係合突
起３０′，３１′を設けてあり、下方の係合突起３
０，３１に係合させて積層したメタルフオームと
異なる幅のメタルフオームをこの係合突起３０′，
３１′に係合させることによつて共に安定して搬
送することができる。

また、下枠２１及び上枠２４のそれぞれの中央
部には、Ｌ字形鋼材の一面を運搬用枠２５として
溶着してあり、運搬用枠２５の他方の面の上端に
は孔２６を形成してある。この孔２６にワイヤ等
に接続されたフツクを引つ掛けてメタルフオーム
の運搬を行なう。運搬用枠２５は枠組みの補強の
役目を持たせていることから、フツクを引つ掛け
るための孔２６は上枠２４に設けてもよい。

このように構成した本発明に係る器具は、１個
の枠の重量が従来の装置の約10分の１程度であ
る。

次に第６図にもとづいてメタルフオームの運搬
器具の使用方法を説明する。

まず、２本の角材４０，４０′の上に運搬予定
のメタルフオームを、例えば２列にして、メタル
フオームの角部が上枠２４、下枠２１、及び側枠
２２，２３で囲まれる枠内に収まる量だけ積層す
る。２本の角材４０，４０′を用いるのは、メタ
ルフオームの長手方向の両端部の突起と地面との
間に若干の隙間をつくつて、メタルフオームのリ
ブの内側に係合突起を挿入できるようにするため
である。

次に、最下層のメタルフオームの長手方向の両
端部のリブと地面との隙間から、係合突起３０，
３１をメタルフオームの端部のリブの内側にそれ
ぞれ挿入し、側枠２２，２３によつてメタルフオ
ームの角端部を囲むように枠組みを装着する。さ
らに、この後に、係合突起３０′，３１′と係合す
るように別なメタルフオームを載せてもよい。こ
の場合には、特に、積層されたメタルフオームは
枠によつて安定して保持されるので、この状態で
メタルフオームを保管したり、フオークリフトで
持ち上げて搬送したりしてもよい。次に、運搬用
枠２４，２４の孔２６，２６にクレーンのワイヤ
が接続されたフツクを引つ掛けてそのまま持ち上
げて所定の場所に運搬する。

持ち上げた際には、孔２６，２６に掛けられた
ワイヤによつて枠２４，２４は互いに内方に向か
つて引つ張られる。このとき、運搬用枠２５，２
５には、最上層のメタルフオームと上枠２４，２
４とを支点とする回転モーメントが働いて、それ
ぞれの運搬用枠２５，２５の下端、つまり、下枠
２１，２１にはメタルフオームから離れるような
力がかかる。このため係合突起３０，３１がメタ
ルフオームの長手方向の端部のリブの内面に引つ
かかるので、メタルフオームは確実に保持され
る。

運搬した際には、運搬前と同様に、メタルフオ
ームの長手方向の両端部のリブと地面との間に隙
間ができる程度の２本の角材の上にメタルフオー
ムを載せるのが望ましい。ワイヤを緩めてフツク
を外し、それからメタルフオームの両端部に装着
してある運搬器具を取り外せば運搬作業は終了す
る。このため、邪魔になる枠組みが残つていない
のでメタルフオームの出し入れは容易に行える。

［効果］ 以上述べたように、本考案によると、メタルフ
オームを運搬するにあたつて、メタルフオームを
積層するときに、また、メタルフオームを使用す
るときに、ともに作業の邪魔になるものが全くな
いので、運搬作業及び工事作業が容易に行える。
また、器具自体が軽量であることから、少量のメ
タルフオームを運搬する際にも、メタルフオーム
の運搬を器具で運搬する利点が生じるので、工事
全体の作業効率を高めることができる。さらに、
１対の分離した器具を用いることから、様々な長
さのメタルフオームを運搬でき、メタルフオーム
を運搬しているとき等に変形する箇所が少なくな
つて器具の耐用年数が長くなり、またメタルフオ
ームを運搬しないときの保管の場所が小さくて済
む。

【図面の簡単な説明】

第１図は従来の器具を示す斜視図、第２図は本
考案の一実施例に係る枠の正面図、第３図及び第
４図は第２図に示す枠をそれぞれ異なる方向から
示す斜視図、第５図は第２図におけるＡ−Ａ線断
面図、第６図は本考案の一実施例に係る器具の使
用状態を説明するための斜視図である。 ２１……下枠、２２，２３……側枠、２４……
上枠、３０，３１，３０′，３１′……係合突起。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 平面盤の周囲に板状のリブが形成された断面コ
   の字状のメタルフオームの対向する端部をそれぞ
   れ保持する一対の枠の組合せからなるメタルフオ
   ーム運搬器具であつて、上記一対の枠がそれぞ
   れ、上記メタルフオームのリブを保持する下枠
   と、該下枠から突出して前記リブの内面と係合す
   る係合突起と、前記下枠の両端からそれぞれ上方
   に延びて上記メタルフオームの端部を整列させる
   側枠とからなるメタルフオーム運搬器具。